2016明治安田生命J2リーグ 第26節

京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場
入場者数:12,042人
京都サンガF.C.
  • 菅沼 駿哉 (63'), エスクデロ 競飛王 (65'), 山瀬 功治 (67')
セレッソ大阪
  • 山下 達也 (75'), 杉本 健勇 (76'), 杉本 健勇 (90+4')
3-3
0-0 3-3

京都サンガF.C.

GK 1 菅野 孝憲
DF 2 菅沼 駿哉 63' 15'
DF 6 本多 勇喜
DF 26 下畠 翔吾
DF 30 石櫃 洋祐
DF 37 吉野 恭平
MF 11 堀米 勇輝 90+6
MF 14 山瀬 功治 67' 85
MF 22 佐藤 健太郎
FW 10 エスクデロ 競飛王 65' 90+6'
FW 16 イ ヨンジェ 78

サブ

GK 21 清水 圭介
DF 3 染谷 悠太
DF 24 内田 恭兵 85
MF 25 國領 一平
FW 9 ダニエル ロビーニョ 90+6
FW 17 有田 光希 78
FW 36 キロス
監督 石丸 清隆

セレッソ大阪

GK 21 キム ジンヒョン
DF 3 茂庭 照幸
DF 15 松田 陸
DF 23 山下 達也 75'
DF 24 山村 和也
MF 6 ソウザ
MF 7 関口 訓充 74
MF 18 清原 翔平 61
MF 41 山口 蛍
FW 9 杉本 健勇 76' 90+4'
FW 11 リカルド サントス 70

サブ

GK 27 丹野 研太
DF 17 酒本 憲幸 82' 74
DF 39 庄司 朋乃也
MF 30 木本 恭生
FW 10 ベサルト アブドゥラヒミ 70
FW 20 玉田 圭司 61
FW 29 澤上 竜二
監督 大熊 清
試合経過
エスクデロ 競飛王 90+6'
ダニエル ロビーニョ (in) 堀米 勇輝 (out) 90+6'
90+4' 杉本 健勇
内田 恭兵 (in) 山瀬 功治 (out) 85'
82' 酒本 憲幸
有田 光希 (in) イ ヨンジェ (out) 78'
76' 杉本 健勇
75' 山下 達也
74' 酒本 憲幸 (in) 関口 訓充 (out)
70' ベサルト アブドゥラヒミ (in) リカルド サントス (out)
山瀬 功治 67'
エスクデロ 競飛王 65'
菅沼 駿哉 63'
61' 玉田 圭司 (in) 清原 翔平 (out)
菅沼 駿哉 15'

シュート数

16 11
    菅沼 駿哉 (63'), エスクデロ 競飛王 (65'), 山瀬 功治 (67')
    山下 達也 (75'), 杉本 健勇 (76'), 杉本 健勇 (90+4')

ゴールキック

4 9

コーナーキック

7 3

直接フリーキック

4 12

間接フリーキック

5 0

オフサイド

4 0

ペナルティキック

0 0

監督コメント

  • 【ハーフタイム】
    ・ボールを取られた後のポジショニングをしっかりと
    ・サイドで数的優位をつくって攻撃しよう
    ・セットプレーは集中しよう
  • 【試合後】
    けがと出場停止で少し役割を変えました。狙いとすることはできていた中で、清原(翔平)のアクシデントも含めて、その時に失点してしまい、残念だったけど、サッカーの怖さと、逆に自分たちの頑張りが混在した試合だったのかなと思います。継続していくモノと変えないといけないところもあって、(杉本)健勇のセンターフォワードは非常に相手に脅威を与えていた。サイドバックで出たシャケ(酒本憲幸)を含めて、今日は後から出た選手が仕事をしてくれた。ただ、失点の時間帯が連続するという、ピッチ内でゲームをコントロールするところで、(山口)蛍だったり、誰かがやるべきことをやれなかったことは、残念かつ変えないといけない。ただ、こういう試合を同点にすることは大変だし、チームの頑張りを感じた部分もあるので、いいところを伸ばして、また出直すという気持ちです。次は出場停止の選手も戻って来るので、しっかり準備してサポーターとともに戦いたいと思います。

    (藤本康太選手がベンチにも入っていなかったが、彼の状態と、途中交代した清原選手の状態は?)
    4バックも考えたのですが、椋原(健太)のけがもあり、そして藤本については、1試合を通してできる状態ではない、と。本人も『迷惑をかけたくない』ということで。無理すればできる状態だったのかも知れませんが、激しい試合も予想された中で、彼の意見も含めて最終的に判断して、今日のメンバーから外しました。清原については、脳震とうまでは至っていなかったのですが、傷もあり、頭なので、交代させました。この後、検査する必要はありますが、大事には至っていないし、次も大丈夫だというような顔はしていた、という状態です。

    (3枚目の交代で酒本選手を右サイドに入れた時に、システムも変えたと思いますが、バランスを重視しての采配だった?)
    いや、正直、決定力があれば何点か取れるという場面も前半からあった中で(決め切れず)、点差が付いた中で、前からボールを奪うこと、そしてシャケの攻撃力を生かすためには[3-5-2]よりも、ボールを奪ってさらに前へ、ということだった。ベサ(ルト アブドゥラヒミ)も来たばかりだったが、ある意味、賭けというか、使わないと良くならないし、彼も彼なりの仕事をしていた。ベサが脅威を与えたことで、シャケが空いた部分もある。(ベサルトの良さを)チームにどう注入するかはこれからやっていかないといけないが、今日はシャケについては、彼自身の良さを出すためにも4枚の方がいいということと、ボールを奪いに行く状況だったので、そういう判断をしました。

    (ベサルトのプレーについては?)
    6月の22日に最後の試合をして、10日間くらい休んで、そこからランニング中心のトレーニングをやっていた。その間、実戦形式はこの間の練習試合くらいだったけど、サイドからのクロスの質とか、中盤で2人くらい置き去りにしたプレーなど、良さも見せていた。攻守の切り替えだったり、言葉の問題だったり、日本サッカーの速さや、俺たちの[4-4-2]でのやり方が体に染みついていない部分もあったけど、彼の存在が相手を後ろに引っ張った部分もある。しっかり検証して、起用法を考えていきたい。

    (前半は左サイドの関口訓充選手と杉本選手がポイントを作って攻撃を活性化していたと思うが、後半はそこを使うより、右サイドを中心に攻めていたが、左で押し込む考えはなかった?)
    相手の監督さんに聞いてみないと分からないが、石櫃(洋祐)くんが思い切り人を越えるような動きをやってきた、と。それに健勇なりチームが引っ張られた。(後半も)続けていこうという話はしていたが、そういう動きを京都が入れてきた中で、我々の左サイドが引っ張られた。結果的には、それが要因でなかなか高い位置を取ることができなかった。

選手コメント

  • ■杉本健勇
    「1失点目をしてから2失点、3失点と立て続けに4分間で3失点してしまったことは非常に軽かったと思う。絶対にやってはいけないこと。1失点目は僕がマークを外してしまったので、何とか追いつこうという気持ちでプレーしていました」

    ─前半はペースを握っていたと思うが、先制されてガタッと崩れてしまった?
    「そこは本当に修正しないといけないところ。今のセレッソは点を取られるとダメージを大きく受けてしまう。前半は非常に良かったですし、僕にもチャンスがあったので、そこで決め切っていれば、試合展開は変わっていたと思います。だから、今日は2点を決めましたけど、それ以上に、前半や後半の最初のところで決め切らないといけない試合でした」

    ─とは言え、自身の1点目は素晴らしいシュートでしたが?
    「シャケさん(酒本憲幸)は絶対に出してくれると思ったので、もらったら前を向いて、しかけようと考えていました。相手も裏に食いついて前が空いたので、思い切り打てました」

    ─自身の2点目も酒本選手のアシストでしたが?
    「あの場所を狙ってくれ、ということは、シャケさんが入ってすぐに言いました。完ぺきなクロスでした」

    ─中央でのプレーについては?
    「コンビネーションはまだまだこれからだと思うけど、点を取るしかなかったので、2点を取れて良かったです。ただ、真ん中でもサイドでもゴールに向かってプレーすることは一緒なので、どこで出たとしてもチャンスをしっかり決め切る集中力を持ちたいと思います」

    ─柿谷曜一朗選手の欠場が続く中、自分がチームを引っ張る気持ちもある?
    「そういう気持ちは少なからずあります。ただ、だからといって、いる選手で戦わないといけないですし、自分がどんどんゴールを決めてチームを勝たせたい気持ちは持っています」

    ─27日に亡くなられた秀島弘寮長のためにも、という気持ちもありました?
    「そうですね。自分がトップに上がるまでの生活を支えてもらっていましたし、お世話になったので、今日の試合だけではなく、今シーズンしっかり自分たちの目標を達成して、最後にいい報告をしたいなと思います。今日は勝てなかったですが、次に向けていい準備をしたいと思います」

    ■酒本憲幸
    「初めてのシステムで、いい時間帯も悪い時間帯もあるなと思って見ていました。1点取られて立て直す間もなくやられてしまったことはもったいないし、チームとして絶対にやってはいけないこと。自分が出た時は0-3だったので、監督からも『高い位置を取って攻撃に出て行け』と言われていたし、逆サイドの(松田)陸もバランスを取ってくれていたので、普通の状態ならないような(高い)位置に自分はいたし、前に前にと行けました。それが結果として得点につながったことは良かったです」

    ─U-23の第18節・SC相模原戦に続いて劇的な同点アシストになったが?
    「チームが勝つことが一番ですけど、ここまで今季はあまり出番もない中、自分の思ったところにボールを蹴ることができたことは気持ち良かったですし、やっぱりサッカーは面白いなと思いました」

    ─今日はチームとして最後まで足が止まらなかった?
    「連敗していたので、最低限の結果だとは思いますけど、この引き分けを次につなげないといけません。今日みたいに、けがや出場停止で出られない選手がいる試合も今後もあると思うので、これからもチーム一丸で戦うことが大事だと思います」

    ■べサルト・アブドゥラヒミ
    ─デビュー戦を振り返って下さい
    「0-3から追いついたことはうれしいですし、そこは誇るべきことだと思います。自分自身は、短い時間の中でも、もっとできることはあったと思いますが、デビュー戦としては、まずまずだったと思います」

    ─どういうことを考えてピッチに入りましたか?
    「0-3で、3点を自分が入れようという気持ちで入りました。自分は決めることができなかったですが、チームが3点を決めたので、それはうれしかったです」

    ─まだ1試合ですが、日本のサッカーの印象は?
    「どのチームも質の高いサッカーを見せていると思います。今日に関しては、セレッソの方が質の高さは見せたと思いますが、相手が少ないチャンスを生かして、相手の方に幸運が傾いていたのかな、というのが印象です」

    ■玉田圭司
    「追いつけたことは良かったですが、顔を上げるのが少し遅い気もします。0-3になってからチームが動き始めていたら遅いと思うし、これだけやれることは証明されたので、それを最初からやるべきだと思います。リスクを負ってでも点を取るという部分が今のチームには少し足りない。まず守備から入ってしまう部分もあるし、後手に回る部分もある。1点取られても2点取る、という意識に変えていかないと。そういう意識になれば、個々の能力がピッチで表現できると思います。1点取られた後も、『どうしよう』ではなく、ドンと構えていればいいと思います。今日の試合がそういう意識を変えるきっかけになればいいと思います」

    ■山村和也
    「3失点してから3得点したことは、すごくいいことだと思いますが、軽率なミスから流れを失ってしまったので、次の試合から集中して、そういったところをなくしていけるよう、僕自身しっかり反省してトレーニングに取り組んでいきたいと思います」

    ─新たなシステムでの戦いについて

    「前半も後半もそうですが、そんなに崩される形はなかったと思うので。ただ、ミスから失点する形になったが、ディフェンスラインがミスすることのないようにしないといけない。それだけでなく、1失点目から、2失点目、3失点目と、時間的に落ち着かないまま失点している。そういったところの修正を早くして、1失点したことは割り切って、もう一度立て直すということを、チームとしてできるようにしていかなければいけません」

    ─複数失点しても、あきらめずに追いつけたことについて

    「今日は本当に勝たないといけなかったし、連敗中のなかでの3試合目だったので、大事な試合でみんなすごく集中して入っていたと思うし、そういった集中力はすごくよかったと思いますが、3失点した要因を僕が作ったことは反省しないといけない。本当にここから切り替えて、次の試合にいい準備をしていきたい」

    ■山下達也
    「失点については、ボールの失い方が悪かったり、ラフなボール1発で行かれたり、最近はそういう失点が多いので、裏への対処やカバーリングのポジションや、失い方について、ディフェンスとして改善していかないといけない。しょうもないミスをしていたら前には進めないので、上に行くために、ミスを減らしていかないといけません」

    ─反撃の狼煙になった自身の1点目については?
    「前半からチャンスはあったので、1点を取ったら流れは変わると思っていました。自分のゴールはごっつぁんゴールでしたが、点を取れたことは良かったです」

試合後記

  • 丸橋祐介と田中裕介の2人を累積警告の出場停止で欠いた今節の京都サンガF.C.戦。セレッソ大阪は、試合に向けた紅白戦で左サイドバックに入っていた藤本康太も、「無理すればできる状態だったのかもしれないが、1試合を通してできる状態ではない、と。本人も『迷惑をかけたくない』ということで、彼の意見も含めて最終的に判断して、今日のメンバーから外した」(大熊清監督)とコンディションが万全ではなく、メンバー外に。最終的にピッチに並んだのは、山下達也、山村和也、茂庭照幸の3バック、関口訓充を左ウィングバック、松田陸を右ウィングバックに、ソウザと山口蛍のダブルボランチ、リカルド サントスを1トップに杉本健勇と清原翔平がシャドーに入る[3-4-2-1]となった。もっとも、この形も紅白戦では試しており、「選択肢の1つ」(大熊監督)の布陣ではあった。

     今季初となった3バックシステムだが、前半から試合の主導権を握ったのはセレッソ。ここ数試合、圧倒的な存在感を示している杉本が起点となり、そこへ関口が運動量豊富に絡む形で左サイドからチャンスを作る。20分には杉本のクロスに逆サイドから飛び込んだ松田が決定機を迎えたが、このヘディングは京都GK菅野孝憲に防がれた。
     26分には清原のスルーパスに抜け出したリカルド サントスが相手DFともつれるようにしてペナルティーエリア内で倒れたが、笛は鳴らず。31分にもセレッソに決定機。山口のサイドチェンジを受けた松田がクロス。中で待ち構えた杉本がボレーで狙うも、惜しくも枠を外れた。両サイドを幅広く使いながら試合を優位に進めたセレッソは、守備でも前半は京都にチャンスらしいチャンスを与えず、上々の内容で前半を終えた。

     後半も最初に決定機を掴んだのはセレッソ。53分、前線でリカルド サントスが相手DFに競り勝ちキープ。後ろから走り込んできた杉本にパスを送ると、杉本は菅野との1対1に。しかし、判断よく飛び出してきた菅野の前に、杉本は決め切ることができない。
     すると57分、セレッソにアクシデントが発生する。京都のカウンターに対処した清原と山口がピッチで激突。地面に叩きつけられる形で倒れた清原にダメージが大きく、以降はプレー続行が不可能となる。4分ほど試合が中断すると、再開後の63分、セレッソは山村のパスミスから京都にCKを与え、このCKから失点。さらに2分後、リカルド サントスのパスが逸れたところを、先制点を決めた菅沼駿哉が見逃さず、ダイレクトで前線へパス。対応した茂庭がエスクデロ競飛王に競り負け、GKキム ジンヒョンの頭上を抜くシュートを決められた。
     負の連鎖は止まらない。2失点目から2分後。今度は京都のスローインの流れからセレッソの右サイドをイ ヨンジェに突破されると、中でクロスを受けた堀米勇輝のシュートこそキム ジンヒョンが防ぐも、こぼれたところを山瀬功治に詰められた。
     セレッソとしては悪夢の4分間。「守備でいいポジションを取ることが重要。チャレンジ&カバーをしっかりやって、基本にもう一度立ち返ることが大切」(大熊監督)と守備の修正を課題に掲げて今節に臨んだセレッソだが、課題を克服するどころか、直近2試合で喫した失点の形が凝縮された3失点。同じことを繰り返してしまった。

     しかし、この気持ちが折れそうな展開にも、セレッソは最後まで諦めなかった。
     75分、途中出場の玉田圭司のCKから山下が決めて1点を返すと、1分後には2点目が入る。山口の縦への強いメッセージが込められたパスが右サイドの酒本憲幸に通ると、受けた酒本も同じく縦へのメッセージ性が強いクサビのパスを杉本へ送る。反転して前を向いた杉本は、DFを1人かわして左足ですばらしいコースへ強烈なミドルシュートを決めた。
     こうして1点差に迫った後、セレッソはいくつか決定的なピンチも招いたが、キム ジンヒョンの好守でしのぐ。迎えた90+4分。この時間帯は前線で張っていた山村へ山口が正確なパスを送ると、山村がヘディングで競り勝ち、右サイドの高い位置にポジションを取っていた酒本へ絶妙に落とす。受けた酒本の狙いすましたクロスに杉本が豪快なヘッドで合わせて、セレッソが土壇場で3-3に追いついた。
     劇的な同点劇の主役は2得点の杉本だが、影の主役は今季トップチームでは初出場となった酒本。3点をリードされた74分に投入されると、攻撃の推進力を一気に高め、2アシストを決めた。「ここまで今季はあまり出番もないなか、自分の思ったところにボールを蹴ることができたことは気持ち良かった。やっぱりサッカーはおもしろいなと思いました」。勝利には届かず、満面の笑顔とまでは行かずとも、試合後は滴る汗を気持ち良さそうに拭った。

     期待の新外国籍選手、ベサルト アブドゥラヒミのJリーグデビューも含め、「後から出た選手が仕事をしてくれた」(大熊監督)総力戦の結果、セレッソは辛くも3連敗は免れたが、今節も勝利した首位・北海道コンサドーレ札幌の背中はさらに遠ざかり、4位・ファジアーノ岡山にも勝点差を詰められた。守備の課題は持ち越しとなり、負傷で途中交代した清原の状態も気がかりだ。それでも、ゴールのたびに雄叫びを上げてチームを引っ張った杉本を中心に見せたセレッソらしい攻撃性にあふれた同点劇を、ホームで行われる次節の横浜FC戦へ、必ずや繋げなければならない。

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