2016明治安田生命J2リーグ 第28節

維新百年記念公園陸上競技場
入場者数:14,532人
レノファ山口FC
セレッソ大阪
  • 関口 訓充 (8'), 山口 蛍 (86')
0-2
0-1 0-1

レノファ山口FC

GK 1 一森 純
DF 4 小池 龍太
DF 33 北谷 史孝
DF 2 宮城 雅史
DF 3 香川 勇気 60
MF 10 庄司 悦大
MF 29 三幸 秀稔
MF 15 幸野 志有人
MF 7 福満 隆貴 77
MF 8 島屋 八徳 51
FW 32 中山 仁斗

サブ

GK 30 村上 昌謙
DF 21 廣木 雄磨 60
DF 34 奥山 政幸
MF 17 加藤 大樹
MF 19 星 雄次
MF 26 ルシアーノ 77
FW 50 岡本 英也 51
監督 上野 展裕

セレッソ大阪

GK 21 キム ジンヒョン
DF 3 茂庭 照幸
DF 5 田中 裕介 22'
DF 15 松田 陸
DF 23 山下 達也
MF 7 関口 訓充 8' 83
MF 14 丸橋 祐介
MF 24 山村 和也 71
MF 41 山口 蛍 86'
FW 9 杉本 健勇
FW 20 玉田 圭司 77

サブ

GK 27 丹野 研太
DF 4 藤本 康太 71
DF 17 酒本 憲幸 83
MF 30 木本 恭生
FW 10 ベサルト アブドゥラヒミ
FW 11 リカルド サントス
FW 29 澤上 竜二 77
監督 大熊 清
試合経過
86' 山口 蛍
83' 酒本 憲幸 (in) 関口 訓充 (out)
ルシアーノ (in) 福満 隆貴 (out) 77'
77' 澤上 竜二 (in) 玉田 圭司 (out)
71' 藤本 康太 (in) 山村 和也 (out)
廣木 雄磨 (in) 香川 勇気 (out) 60'
岡本 英也 (in) 島屋 八徳 (out) 51'
22' 田中 裕介
8' 関口 訓充

シュート数

8 11
    関口 訓充 (8'), 山口 蛍 (86')

ゴールキック

8 10

コーナーキック

1 9

直接フリーキック

18 15

間接フリーキック

3 1

オフサイド

3 1

ペナルティキック

0 0

監督コメント

  • 【ハーフタイム】
    ・相手チームのドリブルとワンツーに気をつけよう
    ・相手の攻撃に対して的確なポジショニングで対応しよう
    ・ラインを高い位置で保とう
  • 【試合後】
    「(山口は)非常に積み上げがあるいいチームで、お互い力を出し切って、多くのサポーターの前でいい試合ができて良かったと思います。我々のサポーターも多く来ていただいて、一緒に戦えて、本当に力になりました。試合の方は、(警告)累積(の選手)もいたり、けがもあり、少し役割を変えた中で臨みました。我々がそういう状況なのと、山口さんの力をリスペクトした上で今日の戦いに臨みました。多少、引いた時間帯もありましたが、我慢することができました。今までは、前半はすごくいいけど、後半、劣勢になると我慢ができない流れが続いていた。その中では、1試合を通して我慢できたことが、2点目を生んだと思います。それがサッカーの不思議なところだと思います。チャンスも作られましたが、最後は体を預けていましたし、よく選手が最後まで闘ってくれたと思います。ただ、3日後にすぐ試合があるので、1試合、1試合、全力を出し切って戦いたい。それが我々に問われています。体を休めて、切り替えて、次の試合へ準備したいと思います」

    ─ここ数試合、複数失点が続く中で、今日は無失点で終えました。修正できた部分と課題もあれば。

    「そうですね。多少疲れもあって、後半、前線の守備が少し落ちました。チャレンジするところやカバーが甘かったり。そういうところは謙虚に受け止めないといけないと思います。守備の距離感をどのように縮めて、早く強くアプローチできるか。多少、ラインは下がったとしても、行くところの速さと強さで相手にプレッシャーをかけることが大事。あとは、攻撃のためにきちっとつなぐところ。そうじゃないと、またすぐ守備に回ってしまう。そういう意味では、攻撃に移った時のサポートはまずまずできた。カウンターがあって、遅攻があるので、ある程度、カウンターを出せたことは評価できます。今後もカウンターと遅攻を出せるメンバー選考と戦術を取って、この暑い夏を乗り切りたい」

選手コメント

  • ■関口訓充
    「相手にボールを持たれる時間があったとしてもゴールを割らせないことが大事だったし、取った後のカウンターもハマっていた。カウンターがあることで、相手に脅威を与えていたと思います。得点以外にも、タマさん(玉田圭司)のチャンスなど、いい形を作れていた。あとは、カウンターの数を増やして質を上げていきたいのと、自分たちの時間をもう少し長くできればもっと良かったけど、今日に関しては、ある程度、相手に持たれても割り切った試合ができました」

    ─関口選手の得点をサポーターも待っていたと思います。

    「まずは勝つことが大前提の中でプレーしていたけど、今日に関しては、シャドーという得点を取れるポジションで出たので、得点に絡みたいなと思っていました。なので、得点という形で貢献できたことは良かったです。でもまだホームで取れていないので、今度はホームでも取りたいと思います」

    ■山口蛍
    「ホームで(山口と)対戦した試合は、自分は出ていなかったけど、ワンタッチでパスをつながれて、それを取りに行ってまたワンタッチではがされて、というシーンもあったので、そこについては、自分としても、チームとしても警戒して今日は試合に入りました。あとは、ここ数試合、最後で体を投げ出すことなど、集中力を欠いてできていなかった時間帯もあったので、今日はそれを90分出せたことが良かったと思います。無失点で終われたことは価値があることなので、次につながると思います」

    ─山口選手の2点目が試合を決めたと思うが?
    「他にもカウンターでチャンスは作れていたし、自分のゴールに関しては、最後まで全員で耐え抜いたオマケみたいなものだと思っています。ああいう形を増やしていくことが大事だし、チームが勝っていくにつれて、そういうプレーも自然と出てくると思います」

    ─前節の試合後はサポーターの居残りもあった中で、今日の勝利はチームが前を向くきっかけになると思うが?

    「そうですね。でもまだ1試合勝っただけなので。次の松本戦に勝ってこそ、意味のある勝利になると思います。それだけサポーターが思いを持って戦っているということは選手も理解しないといけないし、今日勝てたことは、サポーターの気持ちに少しは応えられたのかなと思います。これからも続けていかないといけないし、次も中2日で厳しい試合になると思いますけど、しっかり戦いたいと思います」

    ■キム・ジンヒョン
    「今日は選手全員がやることをしっかりやったと思います。少し引いた部分はあったけど、みんなが集中していたし、相手にシュートを打たれても最後まで体を投げ出したり、そういうプレーができていました。そういうプレーを後ろで見ていると、自分もしっかり止めないといけない、という気持ちがより増します。相手は回してくるサッカーをしてくることはスカウティングでも分かっていたし、今日は中をしっかり固めよう、というサッカーでした。失点が続いていた中で、そういうサッカーになったと思うけど、今日は守備陣だけではなく、前線の選手も、交代で入ってきた選手も、しっかり出し切って戦えたと思います。今日、無失点で勝てたことはうれしいけど、自分たちはまだ余裕はありません。ここ4試合勝てていなかったので、それを取り戻すためには、もっともっと勝たないといけません」

    ■田中裕介
    「最近は勝てていなくて、失点が多かった中で、最後のところの球際が行けていなかったり、サイドでの守備の役割がハッキリしていないこともあった中で、今日は多少、構える形にはなりましたけど、うまくハマりました。やられた時もありましたけど、最後は(キム )ジンヒョンを中心に守れたと思います。今日はクニ(関口訓充)と(山口)蛍が取ってくれましたけど、時間帯、時間帯で点が取れたことも大きかったですね。あとは、キツイ中でもみんなしっかり走れたことが勝ちにつながったのかなと思います」

    ■茂庭照幸
    「ある程度狙い通りというか、最近は失点が多かったこともあって、少し重心を下げつつ、ある程度相手を引き込んだ中で、今日はカウンターがうまく決まった。カウンターだけでは勝てないけど、カウンターもないと勝てない。相手のバイタルの攻略の仕方はJ2でも屈指なので、どうにか相手のいいようにはやらせないようにする、と。取った後、イレギュラーですぐ取り返されるなど、危ない場面もありましたけど、最後までしっかり体を寄せることで、それによって、(キム )ジンヒョンも止められた部分もあると思います。最低限、それを続けていかないと、こういうゲームは勝てない。カウンターでビッグチャンスも何度かあったし、自分たちには前にパワーとスピードがある選手はたくさんいるので。今日はうまくハマりましたけど、それをもっと磨きあげていければいいと思います。ウチは、ボールは持てるけど、カウンターが極端に少なかったり、守から攻への迫力が足りないこともあった。勝てない時は、守から攻への切り替えが遅かったので、今日はカウンターからチャンスも作れて、そういう意味では、少し成長したなと、やっていて感じました」

    ■玉田圭司
    「前回、山口と対戦して、相手がこうやって回してくることは分かっていたけど、(今日は)もう少し前でハマるかなと思った。でも、プレーしながら、あまりうまくハマらないことが分かって、守備をある程度、落とすことにはなったけど、球際への寄せや最後でシュートをさせないとか、気持ちの入ったプレーが多かったことは評価すべきだと思います。ここ4試合勝っていないということ、相手がしっかりパスを回すチームだということ、そういうこともあって、今日はこういうサッカーになるなと思ったし、その中で勝ちに持って行こうと思ってプレーしていました。カウンターで点が取れればと思っていた中で、先制点をいい時間帯に取れたことも大きかったと思います。(後半に迎えた自身のGKとの1対1については)決めたかったですね。次の試合も頑張ります」

    ■藤本康太
    「今日はスタジアムも満員で、会場全体の雰囲気も、前の讃岐戦みたいな雰囲気もあったので、勝つために今日はある程度割り切って戦いました。戦い方としては『どうかな?』と思われる部分もあったかも知れないけど、ここ4試合勝てていなかったので、まず一つ、勝ちにこだわって、勝てたことは良かったと思います。相手にペナルティーエリアの中に入られて、枠を外してくれたシュートもありましたけど、最後まで寄せていたり、完ぺきに崩されて打たれたシュートは少なかったと思います。欲を言えば、もっと厳しくやれたら良かったけど、連戦と、暑さと、今日のスタジアムの雰囲気の中で、失点ゼロで終われたことは良かったと思います」

試合後記

  • 今年から制定された「山の日」による祝日に行われたレノファ山口FCとの一戦。維新百年記念公園陸上競技場に集まった観客数14,532人は、山口のクラブ史上最多となった。また、山口市内の最高気温も37.8度と今年最高を観測。キックオフ時も35度近い気温を記録していた。そんな会場全体の熱や、暑さとの戦いともなったセレッソ大阪だが、未勝利が続いた直近4試合の課題でもあった守備を修正するとともに、カウンターから2得点を奪って快勝。ファジアーノ岡山を抜いて3位に浮上した。

     試合後、多くの選手が「今日は割り切ったなかでの戦いとなった」と振り返ったように、セレッソは山口のパスサッカーをリスペクトした上で、しっかりと守備から試合に入った。左から山下達也、茂庭照幸、田中裕介と並んだ3バックがしっかりと中を締めるだけでなく、サイドのスペースも丸橋祐介と松田陸が埋めて対応。ホームで山口と対戦した第13節 では山口の右サイドバック小池龍太に裏を取られて先制点を許したが、その反省をチームとして生かし、対面した丸橋は山下との連係も含めてポジショニングに細心の注意を払った。

     すると8分、セレッソが先制に成功する。GKキム ジンヒョンの蹴ったゴールキックの流れから、杉本健勇が頭で競り勝ち、玉田圭司が相手DFと競り合い、DFのクリアを拾った関口訓充がループ気味にゴールに流し込んだ。試合2日前の9日。紅白戦で3バックが試され、今節に向けてある程度守備を固めた上での戦いになることが想定された練習後、2シャドーの一角に入った関口はこう話していた。「相手にボールを持たれる時間は長くなったとしても、カウンターの怖さは常に与えたい。できれば最初のプレーからそんなカウンターを出したい」と。関口の有言実行となる今季初ゴールが決まり、守備から入ってカウンターで追加点を狙うセレッソの戦い方はより明確になった。

     以降の時間帯もボール支配は山口に譲るも、セレッソは最後の局面では守備陣が体を張って相手にシュートを打たせない。攻撃はカウンターが中心となるなか、26分には、右サイドに流れた杉本へ松田からパスが渡り、杉本が中央へ折り返すと、この試合、1トップで先発した玉田が相手DFを背負いながら反転してシュート。GKに防がれるも得点に迫った。この日は集中力が途切れないセレッソは、山口のカウンターに対する戻りも早かった。45+1分には、自軍のCKから相手にカウンターを受けてピンチになりかけるも、松田が全速力でカバーに戻り、事なきを得る場面もあった。

     狙い通りの前半を経て、後半は立て続けにCKを獲得するなど相手を押し込んだなかでの立ち上がりとなる。守備での集中力も持続。後半の中盤の時間帯にはバイタルエリアが空き始め、相手にペナルティーエリア外からシュートを連続して打たれる場面もあったが、「最後までしっかり体を寄せる」(茂庭)ことで、シュートは枠外に飛んだ。1度だけ、76分に中央を破られ決定的なピンチも招いたが、抜け出した岡本英也のシュートはキム ジンヒョンがストップ。ゴールを割らせなかった。
     待望の追加点は86分に訪れた。守備から攻撃に切り替わった瞬間、途中出場の酒本憲幸がゴール中央から右サイドのスペースへジャンピングボレーパス。このアクロバティックなパスが右サイドの杉本へピタリと通ると、杉本の狙いすましたクロスにニアへ飛び込んできた山口が右足ヒールで合わせてゴールネットを揺らした。

     この芸術的な得点で勝利を決定付けたセレッソは、90分には山口にゴール前で決定的なシュートを打たれかけるも、この場面でも最後は田中が体を寄せることで、シュートはバーを越えた。今節を迎えるまで、直近4試合勝ちなし、4試合連続複数失点、前節の横浜FC戦ではホームで2-0からの逆転負けと苦しい状況に置かれていたセレッソだが、今節は「勝ちにこだわって」(藤本康太)なりふり構わず 5試合ぶりの勝点3をもぎ取った。3バックの真ん中で何度も相手を跳ね返した茂庭も、「今日は少し重心を下げつつ、ある程度相手を引き込んだなかで、カウンターがうまく決まった」と試合を振り返った。

     もっとも、チームは息つく間もなく、中2日で大一番を迎える。「集中力を90分出せたことが良かった。無失点で終われたことは価値がある。ただ、まだ1試合勝っただけ。次の松本戦に勝ってこそ、意味のある勝利になる」と山口蛍が気を引き締めれば、後ろからチームを支えたキム ジンヒョンも、「今日、無失点で勝てたことはうれしいけど、自分たちはまだ余裕はありません。ここ4試合勝てていなかったので、それを取り戻すためには、もっともっと勝たないといけません」と、この日の笑顔は最小限に留めた。

     ホームで迎える次節・松本山雅FC戦(8/14・日、19:00、キンチョウスタジアム)の重要性を、誰もが理解している。「1試合1試合、全力を出し切って戦いたい。それが我々に問われています。体を休めて、切り替えて、次の試合へ準備したいと思います」と大熊清監督は試合後に話した。この日、5試合ぶりに取り戻した守備での集中力を継続させ、次節、自動昇格争いのライバル・松本を必ずや撃破する。勝利の余韻に浸ることなく、セレッソの闘志は次節に向けられていた。

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