2016明治安田生命J2リーグ 第32節

北九州市立本城陸上競技場
入場者数:2434人
ギラヴァンツ北九州
セレッソ大阪
  • 杉本 健勇 (79')
0-1
0-0 0-1

ギラヴァンツ北九州

GK 1 阿部 伸行
DF 3 星原 健太
DF 6 西嶋 弘之
DF 28 福田 俊介
DF 19 川島 大地
MF 7 風間 宏希
MF 24 新井 純平
MF 10 小手川 宏基
MF 11 井上 翔太 81
FW 43 本山 雅志 72
FW 9 原 一樹 67

サブ

GK 21 鈴木 彩貴
DF 23 寺岡 真弘
DF 30 福森 健太
MF 17 加藤 弘堅
MF 18 内藤 洋平 72
FW 22 ロドリゴ 81
FW 25 小松 塁 67
監督 柱谷 幸一

セレッソ大阪

GK 21 キム ジンヒョン
DF 4 藤本 康太
DF 5 田中 裕介
DF 15 松田 陸
DF 23 山下 達也 61'
MF 6 ソウザ 66'
MF 14 丸橋 祐介
MF 17 酒本 憲幸 60
MF 24 山村 和也 46*
MF 41 山口 蛍
FW 20 玉田 圭司 72

サブ

GK 27 丹野 研太
DF 3 茂庭 照幸
MF 7 関口 訓充
MF 18 清原 翔平 46*
FW 9 杉本 健勇 79' 60
FW 11 リカルド サントス 72
FW 29 澤上 竜二
監督 大熊 清
試合経過
ロドリゴ (in) 井上 翔太 (out) 81'
79' 杉本 健勇
72' リカルド サントス (in) 玉田 圭司 (out)
内藤 洋平 (in) 本山 雅志 (out) 72'
小松 塁 (in) 原 一樹 (out) 67'
66' ソウザ
61' 山下 達也
60' 杉本 健勇 (in) 酒本 憲幸 (out)
46*' 清原 翔平 (in) 山村 和也 (out)

シュート数

7 10
    杉本 健勇 (79')

ゴールキック

10 6

コーナーキック

4 5

直接フリーキック

14 11

間接フリーキック

2 4

オフサイド

1 3

ペナルティキック

0 0

監督コメント

  • 【ハーフタイム】
    ・相手チームのカウンターをケアしよう
    ・こえる動きで厚みをつくって攻撃しよう
    ・セットプレーを大事にしよう
  • 【試合後】
    「まず雨で遠い中、多くのサポーターが一緒に戦ってくれて、いつも感謝していますし、今日もありがたく力になりました。北九州も、立ち位置は違いますが、お互い(の目標に向かって)苦しいなか、戦術もしっかりしていますし、楽な試合にはならないと思って臨みました。
     最後は(杉本)健勇が決めたんですけど、前半からある程度ボールを回すことはできました。ただ、ゴール前の迫力とか枚数とか、そういう意味ではなかなかこじ開けられそうにない時間帯も続いたということで、後半からモビリティーを出すために調子が上がっていた清原(翔平)を出して、もう少し前線の迫力やモビリティーを出した上でゴールを狙っていこうという交代をしました。健勇に関しては、紅白戦もやらずにぶっつけ本番だったんですけど、彼のセレッソに対する気持ちとかチームを勝たせたい気持ちを買って、彼も『行ける』ということだったので、少しリスキーな部分もあったのですが出場させたということです。締めのリカ(ルド サントス)も含めて、今は後から出た選手が役割を果たしてくれて、流れを変えたり具体的な結果を出してくれています。そのことが、得点や勝利につながっていると思います。2試合連続で完封できましたが、引き続き、GKも含めた粘り強い守備をしながら得点も目指して、サポーターとともに1試合1試合戦っていきたいと思います」

    Q:復帰戦で決勝点を決めた杉本健勇選手について。この試合に連れてくること、試合に出場させることも含め、様々な考えがあったかと思います。交代で出場する時間帯も想定よりも早かったのかなと思いましたが、彼の決定力に期待した部分も大きかったですか?
    「健勇に関しては、前半の流れから見れば、後半から出したいくらいでした。ただ、紅白戦もやっていない、合流して日も経っていないので、やはり45分はムリだろうと。なので、30分強出すことを考えて調整しました。そういう意味では、よくもったのかなと思います。ただ、休んでいる時間も少なかったですし、今のメンタリティーであれば、どうにか30分強はもつのではないかと。攻守に渡って、持てる力を十二分に発揮してくれたと思います。今後、どういう使い方をするかは、また考えていきたいと思います」

    Q:試合開始から強く降り続いた雨の影響は、どの程度ありましたか?
    「非常にいいピッチなので、雨のせいにすることはできないと思います。相手が引いたなかで、人を越える動きやパスのテンポ(が足りなかった)。ボールを持てる分、遅かったり、相手のほうが帰陣が速かった。ボールを取った後の縦への迫力(のなさ)と、ボールの持つ時間やテンポ(の遅さ)は、雨のせいではなく、相手にきちっと守られたのかなと思います。取った後のカウンターや縦に入れる意識は、相手が引くことによって、前半は遅かったのかなと思います。このシステムであれば、縦のサポートをしないと人数が少ない。飛び出さないと、ゴール前の迫力は出ない。そういうところは今後、練習でさらに積み上げていきたいと思います」

選手コメント

  • ●杉本健勇選手
    「(Q:決勝点を振り返って)
    前半を見ていて、相手も引いてくるなかでどう崩すのかということを考えて入りました。やっぱり結局は最後、個々のところで1枚相手をかわして打つことが大事になってくる。決定力が大事になるのではないかと。(山口)蛍くんからいいボールをもらいましたし、ワンタッチで前を向けて、相手も飛び込んでくれたので、シュートも冷静に打てました。あの場面で中に上げる選択肢はなくて、『絶対、俺が決める』という気持ちでした。コースが空いていたので、狙い通りでした。
    (Q:今節の出場について。大熊清監督もかなり考えられて、最終的には杉本選手の強い気持ちを買った、というような話をされていましたが?)
    天皇杯でケガをして本当に悔しかったですし、自分が悪いとも思っていました。前節の長崎戦しか欠場していませんけど、その1試合だけでも自分にとっては大きなことで、自分の中ですごく悔しくて、どうしても北九州戦には行きたいという気持ちでした。そんなに休んでいないので体の状態も良かったですし。本当は、ここに来ることは(ドクターから)許されていなかったけれど、ドクターのOKが出ないと僕はここには来られないので、自分の気持ちを監督とドクターに1時間くらい伝えました(笑)。最終的に、その気持ちをわかってもらえたというか考慮してもらえてOKが出ました。監督、スタッフ、ドクターも含めてOKが出たので、そういった皆さんに感謝したいと思います。
    (Q:実際に30分間少しをプレーしてみて、今の状態は?)
    痛みは全然なかったですね。出場時間はもう少し短いかなと思っていたのですが、自分が思っていたよりも多く出ることができたことは、自分としても良かったです。あのまま引き分けてしまうと上位に離されてしまう。どんな形でも勝点3が必要だったし、自分のゴールというよりも、チームとして勝点3を取れたことが良かったです。(今後については)監督が決めることなので、与えられた時間とポジションで自分のプレーと結果を出したいと思います。
    (Q:今季2桁ゴールに到達しましたが、なにか変わったところは感じますか?)
    今はわからないですね。感覚でプレーしているところもあるので。ただ、プレーではどんどんゴールを狙う姿勢は、毎試合意識しています。自分がゴールを取りたいからです。そういう姿勢をどんどん出していけば、チームも勢いに乗ってくると思います。あとは、(柿谷)曜一朗くんが大きなケガをして苦しい思いをして、復帰するために自分ができることを頑張っています。そういう人のためにも頑張ろう、という気持ちも、今の自分に現れているのかなと思います。ただ、全然満足していないですし、終わった試合は見ないで、次に次にという気持ちで戦いたいと思います」

    ●山口蛍選手
    「(Q:相手を崩すところで苦しんだ我慢の試合でもあったかと思いますが?)
    前半に関しては北九州もFWを1枚残してほとんど引いていたし、そのなかでどう崩すかというところだったけど、動きが少なくて、全員がボールを受けたいから引いてきて、真ん中は渋滞していました。そのなかでコンビネーションやワンツーのミスとかでカウンターを食らって、という部分もありました。後半にキヨさん(清原翔平)が入って動きが出て、(杉本)健勇も入ってしっかりタメもできました。前半からもう少し崩し切れれば良かったとは思いますけど。
    (Q:杉本選手の決勝点は山口選手からのパスでした。やはり起点として杉本選手の存在は大きかったですか?)
    そうですね。起点もできるし、1人でボールを運ぶ力もある。チームとしても、1つあそこに大きな起点があることは助かります。ヘディングも強いし、いろいろな面でチームにプラスをもたらしてくれる存在だと思います。
    (Q:こういう難しい試合を無失点で勝てたことは大きいのでは?)
    勝点3を取れたことは大きいですけど、もう少し内容も含めて突き詰めないと、これから先に行くにあたって苦しくなると思います。次は天皇杯(9/22@ベアスタ)ですが、天皇杯も上を目指す気持ちでみんないるので、まずは天皇杯に向けて調整していきたいです」

    ●ソウザ選手
    「今日に関しては、試合全体を支配できたと思います。それが結果につながったと思います。なかなか得点は取れなかったですが、焦りはなかったですね。惜しいチャンスもありましたし、ゴールの中にボールが入るか入らないかという場面もあったので、慌てることなく最後まで戦えたと思います」

    ●藤本康太選手
    「(Q:守備陣としては、いつカウンターが来るかという難しい試合だったかとも思いますが?)
    そうですね。カウンターをケアしつつ、点も取りに行きたかったですけど、前半は僕らが行っても渋滞して行き詰っている感じでした。うまく崩せなかったですけど、後半にキヨ(清原翔平)が入って、ある程度裏に抜けてくれる動きもしてくれて、そのなかでボールを動かせるスペースができてきました。最後は(杉本)健勇の個でしたけど、あの時間帯までみんなで集中してカウンターを警戒して失点しなかったことも大きいと思います。危ない場面もありましたけど、集中して失点ゼロで乗り切れたことが良かったと思います。
    (Q:ポイントにしていた試合の入りは、今日は攻守の切り替えも早くて、相手にチャンスを与えなかったのでは?)
    そうですね。そこはみんなロッカールームの時から言っていましたし、今日の入りは継続していかないといけないと思います。
    (Q:試合前に『大きいけどドリブルがうまい』と話されていた小松塁選手も、途中から出てきましたが?)
    やっぱり怖い選手ですよね。ドリブルもうまくて左足でもシュートまで持って行ける。両足で蹴れるので。ただ、塁くんもケガから復帰してすぐの試合で、コンディションがもっと上がり切っていたら、もっと怖かったと思います。それでも、脅威を感じる選手でした。
    (Q:試合終了間際は少しヒヤっとしましたが?)
    ヒヤっとしましたね(苦笑)、僕も少し下がり過ぎてしまって。(キム)ジンヒョンはシュートが見えていて、しっかり止めてくれて良かったですし、相手のシュートコースも甘かったので助かりました。ただ、あの場面は反省点というか、しっかりとした形で試合を終わらせるという課題も出ました。
    (Q:自動昇格に向けて、勝点3という結果が大事な試合がこれからも続いていきますね)
    これからも我慢比べみたいな試合が続いていくと思うので、焦れずにいかに我慢して戦えるか。しんどい試合が続くと思いますが、チーム全員で1つになってやっていかないといけないと思います。
    (Q:前節も今節も、失点ゼロで進めていたからこそという展開でもありました)
    (山口)蛍や(山村)和也も意識を高く守ってくれるし、3バックの前に1人いてくれることは大きいですね。あそこで1人、中を締めてくれていれば、中にボールも入ってこないので、僕らとしても助かる部分はあります」

試合後記

  •  記者が午前9時に本城陸上競技場の最寄り駅であるJR折尾駅に着いた時は土砂降りだったが、スタジアムに着く頃には小康状態に。ただし、試合開始と同時に再び本降りとなった。90分を通して強い雨が降りしきる中、行われた一戦。自動昇格へ。J2残留へ。互いの目標達成のため、是が非でも勝点3が欲しい両者の一戦は、試合開始からボールを持つセレッソ大阪、引いてカウンター狙いのギラヴァンツ北九州という構図が鮮明に描かれた。6分、21分と左サイドの丸橋祐介からチャンスを作ったセレッソは、攻撃から守備への切り替えも早く、北九州に攻撃を許さない。前節から大きく修正された上々の立ち上がりとなった。ただし、25分過ぎから様相は変化。27分、北九州に左サイドを破られ、決定機を与えると、序盤は機能していた前からの守備もハマらなくなり、全体の距離が開き出す。すると、攻撃でも停滞感が漂い始める。ボールを受けても、そこから追い越す、飛び出すシーンが少なく、北九州の戻りも早さも相まって、徐々に手詰まり状態となった。

     何か変化が欲しい。大熊清監督の動きは早かった。「前線の迫力やモビリティーを出した上でゴールを目指す」狙いの元、後半開始から山村和也に変えて清原翔平を投入。先週の練習でキレのある動きを見せていた清原を2列目に入れて、ソウザをボランチに落とした。清原は期待に応える動きでチームを活性化。50分過ぎには立て続けにCKからチャンスを作ると、58分には左サイドを飛び出した清原から逆サイドの松田陸へクロス。ゴールまであと一歩に迫った。攻勢を強めるべく、指揮官は全体練習に合流したばかりの杉本健勇投入を決断。先週、段階的に練習の強度を上げていった杉本は、接触プレーの確認を終えた16日の練習後、「痛みはないし、苦しさもない。北九州に行く気持ちしかない。行かない理由がない。チームを助けたい」と溢れる強い想いを吐露していた。それでも、この時点で大熊監督は慎重な姿勢も見せていた。遠征に連れていかずに大阪に残らせ、トレーニングで連戦に備える案も示していた。ただし、「本人の強い気持ちは伝わってくる」と出場へ含みも持たせていた。そして最終的に、監督、チームドクター、杉本の3者による話し合いの末、今節の帯同が決まった。

     0-0と得点が欲しい場面で起用された杉本は、左サイドで起点となり、DFをはがして展開するなど、存在感の大きさを示す。すると、79分だった。高い位置で田中裕介が奪い返したボールが山口蛍へ。山口が間髪入れずに杉本へ縦パスを送ると、杉本は巧みなワンタッチでのターンから前を向き、鮮やかなステップでDFをかわして進入。角度のないところから落ち着いて決めた。一連の淀みない動きは見事で、セレッソサポーターの心を一瞬にして湧き立たせた。ついに奪った先制点。前節同様、2点目を取って締めくくることができればベストだったが、相手に決定機も許すことなく時間を進めていたセレッソに、試合終了間際、肝を冷やす場面が訪れた。90+3分、北九州が左サイドから大きくクロス。右サイドで、フリーで受けた星原健太のクロスを小手川宏基にボレーで合わせられ、セレッソは絶体絶命のピンチを迎えたが、GKキム ジンヒョンがしっかりキャッチ。辛くも同点は免れた。

     公式戦5連勝を飾り、今節、引き分けに終わった2位の松本山雅FCとの勝点差も1としたセレッソだが、守備の連動や引かれた相手に対する攻撃の工夫、試合の終わらせ方など、この試合で出た課題も含めて、「目の前の試合を一戦、一戦しっかり戦っていく」(杉本)と引き締めた。次は中3日で天皇杯3回戦、J1サガン鳥栖との試合が待っている。「天皇杯も上を目指す気持ちでみんないるので、まずは天皇杯に向けて調整していきたい」とは山口。天皇杯の後は中2日でリーグ戦の徳島ヴォルティス戦というアウェイ連戦を、チーム全体で乗り越えていく。

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