2016明治安田生命J2リーグ 第4節

NDソフトスタジアム山形
入場者数:12,603人
モンテディオ山形
セレッソ大阪
  • 田代 有三 (90')
0-0 0-1

モンテディオ山形

GK 1 山岸 範宏
DF 4 宇佐美 宏和
DF 3 渡辺 広大
DF 13 石川 竜也 38
MF 6 山田 拓巳 28'
MF 5 アルセウ 88'
MF 16 佐藤 優平 56
MF 24 荒堀 謙次
MF 18 川西 翔太
MF 11 ディエゴ
FW 33 大黒 将志 85

サブ

GK 21 中村 隼
DF 15 栗山 直樹 81' 38
DF 27 高木 利弥
MF 7 松岡 亮輔 85' 56
MF 25 汰木 康也
FW 8 林 陵平 85
FW 9 ディエゴ ローザ
監督 石﨑 信弘

セレッソ大阪

GK 21 キム ジンヒョン
DF 3 茂庭 照幸
DF 14 丸橋 祐介
DF 15 松田 陸
DF 23 山下 達也
MF 6 ソウザ
MF 10 ブルーノ メネゲウ 60
MF 24 山村 和也
FW 8 柿谷 曜一朗
FW 9 杉本 健勇 70
FW 11 リカルド サントス 77

サブ

GK 27 丹野 研太
DF 5 田中 裕介
DF 22 中澤 聡太
MF 7 関口 訓充 60
MF 31 橋本 英郎
FW 19 田代 有三 90' 77
FW 29 澤上 竜二 70
監督 大熊 清

シュート数

6 14
    田代 有三 (90')

ゴールキック

10 10

コーナーキック

4 4

直接フリーキック

11 11

間接フリーキック

0 2

オフサイド

0 2

ペナルティキック

0 0

監督コメント

  • 【ハーフタイム】
    ・風下の前半だったが、内容的にも集中している
    ・追い越す動きでチャンスを作ろう
  • 【試合後】
    「前半については、風下ということもあり、中盤でのミス、これからスピードアップする前のミスが多かったので、なかなか攻撃のテンションやスピードがアップしなかった。ただ、長いリーグ戦の中で、そういう試合や時間帯もある中で、守備が安定していたことが後半につながった。後半のほうが、ちょっとテンポやスピードは上がった。たとえばサイドを変えるテンポや人を越える動きが、前半よりは出てきた。チャンスの数も増えた。一番大きかったのは、いろんな調子、コンディションの選手がいるが、11人ではなくて18人で戦えたこと。さらに、同じ時間帯にU-23も試合をしている。今日は負けましたけど、一生懸命、頑張っている選手もいる。その中で、18人で勝ちを持って帰れること、チームとしてやってきたことを出せたことが今日は大きい。あとはやはり、決めるべき選手、FWが決めるということがチームの勝敗に直結することを痛感した。田代もメンバーを外れたりしていた中で、自分の調子を上げることをひたむきにやっていたのが、ああいう得点につながった。あとはソウザがあの時間帯で落ち着いて、あのスペースを見ていたことも非常に大きいのかなと思う。
    ただ、いつも言うことだけれど、この勝利を忘れて、しっかりとまた、今までやってきたことを次節に出せるように、また明日から準備したい」

    Q:後半、1点が欲しい状況で、立て続けに攻撃のカードを切ったが、それぞれの狙いは?
    「多少お互いが間延びした中で、勝点3を奪いに行く姿勢やメッセージをピッチに与えたかった。それと、先ほども言いましたけど、田代やその他の選手についても、紅白戦の出来や調子が良かったので、そういう意味では躊躇なく送り込めた。さらにいい競争をして、こういう試合を手繰り寄せられるようにできればなと思う。とは言っても、なかなか(練習での調子の良さを)得点で表すのは難しい中、田代は落ち着いてよく決めてくれた。前線、ボランチ以下、守備の安定があるので、思い切って攻撃の選手を替えることもできた。チーム一丸となって掴んだ勝利だと思う」

選手コメント

  • ●田代有三選手
    「(Q:とても冷静でしたが、得点場面を振り返ってください)
    ソウザがね、よく見てくれていた。来るかな?と思ったら、本当に来た。トラップして、すぐコースを狙って打とうと思ったら、うまく決まった。運が良かったというか、とにかく良かったです(笑)。
    (Q:得点が欲しい状況で投入されて、交代選手を含めて点を取って勝ち切ったことは、チームとしても大きいのでは?)
    そうですね。1-0の試合が続いて、今日も1-0で勝てて。チームとしていい守備ができているし、なおかつ点も取れている。もちろん、攻撃陣は2点、3点と取ることが一番ですけど、勝点3を取ることが一番なので、そういう意味ではチームが同じ方向を向いているのかなと思います。
    (Q:プレーの中でも、相手を弾いたり、コンディションも上がってきたのでは?)
    そうですね。ちょうどこの試合ぐらいに向けてコンディションを上げていきたいなって、キャンプの時からも思っていました。本当は開幕に合わせていきたかったけど、今年は選手も変わった中で、チャンスが来たときに結果を出せる準備をしようということは、いつも思って練習から取り組んでいました。
    (Q:古巣の山形サポーターも、田代選手の選手紹介の時に声援を送ってくれていたが?)
    うれしかったですね。やっぱり、この土地には思い入れもあるし、成長させてくれたクラブなので。山形に来て良かったという思い出しかないし、違うクラブに行っても、こうしてピッチに立って声援ももらった。選手にとってはうれしいこと。6年経った今でも覚えてくれているサポーターがいることは、本当にうれしいです(笑)」

    ●茂庭照幸選手
    「(Q:守備の我慢が呼び込んだ勝利だと思うが?)
    そうですね。まぁ僕たちは攻撃陣を信じていますし、攻撃陣があれだけ守備をしてくれれば、後ろは絶対に(失点)ゼロで抑えないといけない気持ちにもなる。それに、途中から出てくる選手も決してスタメンになれない選手ではない。誰が出てもおかしくない中で、しっかりと自分の役割をこなしてくれている。それが今のチームの強み。舞洲で本当にいい競争ができている。それが結果にも出ているので、チームにとっても自信になります。
    (Q:ここまでの3試合に比べると、やはり山形の攻撃は迫力もあったと思うが?)
    ただ、逆に僕は今日のほうがやりやすかったかな、という気持ちもある。どちらかと言うと、攻撃が多彩なほうが…。攻撃パターンが絞られていると、どこかで…という部分もある。去年はそれが出ていたかもしれない。ただ、そういう相手にも、今年は山村やソウザが跳ね返してくれている。なおかつ、今日みたいな個が強い相手にも対応できる。どんな相手に対してもしっかりと戦えて勝ち切れているという意味では、チーム力は上がっているのかなと思う」

    ●キム ジンヒョン選手
    「(Q:試合前に話していた4試合連続での完封勝利。韓国代表へもすっきりと合流できるのでは?)
    そうですね。代表に行く前に、もう一度しっかりと(失点)ゼロで抑えて行きたい気持ちがあったので、良かったです。落ち着いて、やるべきことをやろうと思っていました。
    (Q:ジンヒョン選手も含め、守備陣の球際での粘り強さが光った試合となったが?)
    前半が0-0で終わってハーフタイムになった時、『後半は絶対に前が1点は取ってくれるから、後ろは焦れずに耐えていこう』という話はしていた。それで集中できたと思う。それに、大熊さん(清監督)が試合前のミーティングでいつも言っているのは、『11人だけではない。(ベンチを含めた)18人、そして試合に来ていない選手も頑張っている。試合に出る選手は、出ていない選手のこともしっかりと考えてプレーしよう』ということ。交代で入って来る選手もいい選手ばかり。今日みたいに交代で入ってきた選手が点を取って勝てたことは、またチームの自信にもなる」

    ●松田陸選手
    「(Q:しんどい試合だったと思うが、我慢強く守ったことが勝利につながったのでは?)
    そうですね。でもアウェイはたぶん、こういう試合になるだろうなとは思っていたので。我慢はできていました。それに、相手もホーム開幕戦で、大熊監督からも『相手はホーム開幕で勢いもある。しのいでチャンスをモノにしよう』という話もあったし、全員でもそういう話はしていました。
    (Q:後半はアグレッシブに攻撃に出る姿勢も出ていたが?)
    後半は点を取りに行くしかなかったので、そこはリスクを冒してでも行かないといけないとは思っていました。
    (Q:0-0で試合が進んで、引き分けで終わるのと勝ち切るのとでは全然違う?)
    そうですね(笑)雰囲気は全然違う。アウェイで3勝して、自分たちDFラインも失点ゼロで抑えて、自信にはなっています」

    ●山村和也選手
    「守備の選手がしっかりと集中して守って、前の選手も結果を出してくれた。結果、1-0で勝つことができて良かったです。
    (Q:その意味では、チーム全体での信頼関係が築けているように思うが?)
    そうですね。今日は(田代)有三さんが点を取りましたけど、最初から出ている選手、交代で入る選手、全員に得点を取る能力がある。攻撃陣を信頼しているので、しっかり守れば、1-0でも2-0でも勝てるのではないかなと思います。
    (Q:4試合連続で1-0での勝利という経験は、鹿島時代を含めてありますか?
    いや、どうですかね?(笑)。たぶん、ないですね。でも、(点を)取るところでもっと取れれば、チームも楽になりますし、2点目を取ればまた違う流れにもなるので、そこは修正して次につなげていきたいです」

    ●柿谷曜一朗選手
    「(Q:4試合連続で、1-0で勝ち切った試合となったが?)
    スコアは気にせず、勝ちという現実だけを受け止めたい。もちろん得失点差は大事ですけど、勝点を積み重ねていく上で、1-0でも2-0でも勝点は3なので。そこは大事にしたいです。
    (Q:途中交代の田代選手が決めたことで、チームとしてもまたひとつ、一丸を示せたのでは?)
    個人個人、思うところはあると思うけど、ただ、チームとしてJ1に上がるという1つの目標に向かって共通意識を持ってやっていることは間違いない。誰が出ても攻撃の形は崩さず、今日の勝利は(田代)有三さんのおかげでもあるけど、途中までリカ(ルド・サントス)があれだけ真ん中で頑張ってくれていたことが最後に点につながったことも事実やし、クニくん(関口訓充)やサイドの選手が生き生きとプレーできるのもブルーノ(・メネゲウ)が脅威を与えていたからだとも思うし。チーム全員で戦っている実感は僕自身あります。ベンチにあれだけの選手が控えているので、俺らも最初から全力でやれます。こっちに来られなかった選手、体調を崩しているタマさん(玉田圭司)も含め、全員で献身的に1つになって戦っている。もちろん、内容も良くしていかないといけないし、僕個人としても今日のように決め切らないといけない場面で決めないと、勝てない試合も今後出てくる。チームとしても個人としても反省することはある中で、今は結果にこだわって勝点3を積み重ねている段階。これからもっともっと『セレッソを倒そう』という気持ちで相手に警戒されていく中でも、僕らは受けて立つのではなく、今まで通り目標に向かって進むだけ。やることは何も変わらないと思います」

試合後記

  •  すべて1-0のスコアで開幕3連勝を達成し、前節終了時点でロアッソ熊本と並んで首位に立ったセレッソ大阪。4連勝を懸けて挑んだ今節は、今季初勝利を目指すモンテディオ山形の敵地へ乗り込んでの一戦となった。

     開幕4試合目にしてようやくホーム開幕戦を迎えた山形。待ちわびたサポーターの気持ちを表現するかのように、試合前にはホームゴール裏から紙吹雪がまかれた。そんな高揚感に包まれた山形の攻撃に対して、序盤、セレッソは守勢に回る時間帯が増える。山形の幅を使ったサイド攻撃に振られる場面も見られ、特に山形の右サイド、山田拓巳のシュートが何度かセレッソゴールを襲ったが、ここは、韓国代表GKキム ジンヒョンが防ぐ。さらには、この試合、山形で最も警戒していた大黒将志に対しても、守備陣がしっかり対応。山下達也を中心に体を寄せて抑え込んだ。

     序盤はパスミスが目立ち、思うように敵陣までボールを運べなかったセレッソだが、守備の安定とともに次第に攻撃も活性化。柿谷曜一朗を中心に攻め込む場面を作る。39分には柿谷、丸橋祐介とつながり、丸橋が対面の選手をかわしてクロス。ブルーノ メネゲウがファーで合わせるもポストを叩いた。45+4分にもビッグチャンス。柿谷のクロスからリカルド サントスが決定機を迎えるも、ヘッドは惜しくもミートしなかった。

     両チームともに自分たちの時間帯がありながらも無得点。どちらのペースとも言えないまま前半は終了するも、相手のホーム開幕戦であること、さらには風下であったことを考えると、セレッソとしては守備でよく我慢した前半45分とも言えた。

     エンド変わった後半、セレッソは開始から攻勢をかける。51分には、ソウザのパスに裏を取って抜け出した松田陸が中央の柿谷へ。先制の絶好機が訪れたが、柿谷のシュートは枠を捉えることができなかった。直後の52分には、ヒヤリとする場面も訪れる。山田のクロスにキム ジンヒョンが飛び出すもクリアし切れず、ディエゴにヘッドを許したが、このシュートはポストをわずかに外れ、事なきを得た。

     ここから大熊清監督は立て続けに攻撃の交代カードを切る。60分に関口訓充、70分に澤上竜二を投入してサイドを活性化させると、同点という状況ながら、77分に早くも3枚目の交代として切り札の田代有三をピッチに送り込んだ。この積極采配について、試合後に指揮官は、「勝点3を奪いに行く姿勢やメッセージをピッチに与えたかった。紅白戦の出来や調子も良かったので、躊躇なく送り込めた」とその意図を明かした。監督の期待に応えたのは田代。90分、松田のクロスはDFにクリアされるも、そのこぼれ球を拾ったソウザが相手のスライディングをかわして溜めを作り、冷静に中へ折り返すと、待っていたのは田代。こちらも冷静に右足で止め、左足でゴールに流し込んだ。田代にとって山形は2010年に1年間プレーした古巣。今季はここまで出場機会も少なかったが、練習からアピールして巡ってきたチャンスでしっかりと結果を残した。試合後は顔馴染みの山形番記者にも囲まれ古巣への思いを語るなど、ハンサム過ぎるスマイルも振りまいていた。スコアレスドローもちらつき始めた時間帯での待望の先制点に、ピンク一色で染まったアウェイゴール裏のセレッソサポーターも歓喜に沸いた。

     終わってみれば、山形に決定機らしい決定機をほぼ与えることなく4試合連続1-0での勝利を収めたセレッソ。開幕から4試合連続無失点はJ2新記録となった。また、セレッソにとって、J1昇格を果たした2009年以来となる無傷の開幕4連勝は、チーム全体の信頼関係の賜物でもある。今節も、最後まで失点を許さなかった守備陣の奮闘に攻撃陣が応えた。

     また、途中出場の田代による決勝点は、常々「先発の11人だけではなく、ベンチも含めた18人、さらには試合に来ていない選手も含めた全員で戦っている」(大熊清監督)チームにとって、さらなる成長にもつながる要素だ。「舞洲で本当にいい競争ができている。それが結果にも出ているので、チームにとって自信になる」と茂庭照幸が試合後に語ったように、「競争と結束」を掲げる日々の成果を結果につなげることができている。複数得点という課題こそ持ち越しとなったが、「スコアは気にせず、勝ちという現実だけを受け止めたい。勝点を積み重ねていくことを大事にしたい」と柿谷キャプテンも話す。勝ち切る強さは昨季のチームに欠けていた要素なだけに、たくましく変貌を遂げつつあるチームは頼もしい。

     開幕5連勝を懸けて挑む次節は、ホームでのツエーゲン金沢戦。思い返せば、昨季も開幕から6試合負けなしで迎えた第7節、キンチョウスタジアムで迎えた同カードで、セレッソは0-2でシーズン初黒星を喫した。そんな苦い記憶を払拭しなければならない。今節の結果、4連勝はセレッソのみ。単独首位となったが、「この勝利を忘れて、しっかりとまた明日から準備したい」と話す指揮官の下、次節も一戦必勝の姿勢で挑む。