Match Preview
- メディア
明治安田J1百年構想リーグの折り返しとなる今節。攻撃的なスタイルを信条とする両指揮官による至高のバトルを制し、上位進出を狙う
1-1からPK戦の末に勝利を収めた前節・ヴィッセル神戸戦から中12日。代表ウィークを挟んで迎える今節は、敵地に乗り込んでの名古屋グランパス戦。セレッソ大阪は、連勝を目指して明治安田J1百年構想リーグ地域リーグラウンド第9節に挑む。
3連戦の3戦目となった前節は、それまで1トップとして開幕から7試合連続スタメンを続けていた櫻川ソロモンがベンチスタート。背番号9を休ませると、アーサー パパス監督が採った策は、柴山昌也と本間至恩を前線に置くゼロトップ。「(前々節・)岡山戦では、間延びして選手間の距離が開いた。それだとウチらしさが出ない。より距離感を縮めようというところから、『ダブルボランチ、ダブル10番』という形でゲームをコントロールしていこうという発想で、今日の戦い方になりました」と試合後に説明した指揮官だが、想定外の出方に相手も戸惑ったか、前半はセレッソが試合を支配。「ダブル10番」の2人が中盤に下りてボールを受け、数的優位を作りつつ保持率を高め、相手を引き出して両サイドを攻略。開始12分、CKから井上黎生人がニアで合わせて先制点も奪った。惜しむらくは追加点が奪えなかったこと。特に前半終了間際、後ろからつないで左サイドを崩した場面は決定的で、このチャンスで阪田澪哉が仕留めていれば、言うことない前半だった。後半は相手の修正もあり、中盤での自由を奪われ始めると、徐々に押し込まれた68分に失点。この場面ではセレッソの守備の枚数も揃っていただけに、防ぎたい失点だった。終盤は神戸のセットプレーをしのぐと、後半アディショナルタイムに櫻川、横山夢樹が連続して決定機を迎えたが、決め切ることができず、1-1で終了。今季3度目のPK戦に突入すると、セレッソは1人目の香川真司を皮切りに6人全員が成功して勝利。3月は3勝1敗と白星を先行させて終えた。試合間隔が空いて迎える今節。パパス監督がどの布陣を選択するか注目だ。

今シーズン、ペトロヴィッチ監督を迎えてスタートした名古屋。指揮官のアグレッシブなスタイルは開幕戦から浸透しており、攻撃的なチームに生まれ変わった。システムは“ミシャ式”の3-4-2-1。左右のウイングバックのみならず、3バックも積極的に攻め上がってくることが特長で、前線に枚数をかけてくる。前節の京都サンガF.C.戦では、高い位置を取った右ウイングバック・甲田英將の左足で巻いたクロスが直接ゴールイン。セレッソとしては、前々節のファジアーノ岡山戦で相手の左WB・山根永遠に似た形で決められているだけに、今節も相手のWB対策は必須となる。北海道コンサドーレ札幌時代の恩師、ペトロヴィッチ監督のやり方は把握している田中駿汰。「大きなやり方は変わっていませんが、アップデートはされています。相手は攻めてくると思いますが、呑まれず戦って、逆にこっちがチャンスを作り、自分たちの長所をぶつける戦いをしたいです」と試合を見据える。相手のマンツーマンによる守備をどうはがして前進するか。ポジションを崩して攻めてくる相手に対し、その背後を素早く突くことでチャンスにつなげていきたい。3月の3勝は2勝がPK戦での勝利。この2試合は内容的には相手を上回るも好機で決め切れず、PK勝ちによる勝点2に留まった。4月は決定機を確実に仕留め、勝点3をもぎ取る試合を増やしていきたい。前節のラストでは悔しいシーンもあった櫻川、さらには柴山、本間、阪田、横山夢樹、チアゴ アンドラーデら2列目の決定力も上げていきたい。石渡ネルソン、田中(駿)ら3列目の攻撃参加もカギを握る。
今節で明治安田J1百年構想リーグ地域リーグラウンドも折り返し。首位のヴィッセル神戸こそやや抜けた感もあるが、依然として混戦が続くWEST。名古屋との勝点差も2と競っているだけに、セレッソとしては名古屋を抜いて上位を目指す上で、今節は勝点3が求められる。互いに攻撃的なスタイルを信条とする両指揮官による至高のバトルを制し、試合後は敵地に集まったサポーターと喜びを分かち合いたい。
試合前日コメント
アーサー パパス監督

Q:前節は「ダブル10番」という特長的なスタイルで挑みました。そこから代表ウィークによる中断を挟みましたが、今節へ向けたトレーニングについて
「前節のヴィッセル神戸戦はポジティブなパフォーマンスを見せることができました。ただし、ウチのスタイルを考えると、まだまだ改善しないといけないことはあります。中断期間もボール保持によるゲーム支配は意識して取り組んできました。前節は違う形でも上手くできることが分かったので、今年のメンバーでいかにクリエイティブにやっていくかが重要だと思っています」
Q:ここ数試合、相手よりチャンスの数では上回っています。決め切る部分においては、この中断期間も取り組まれた?
「その部分も日々のトレーニングで意識していますし、選手も得点力向上のためにハードに取り組んでいます。得点できるいいポジションに入ること、フィニッシュでクオリティーを発揮すること、冷静でいることが大事ですが、おっしゃる通り、チャンスの数は作れています。あとはいかに効果的に決め切るか、というところだと思います」
Q:クリエイティブなサッカーという部分では、ペトロヴィッチ監督が就任した今年の名古屋グランパスも攻撃的なサッカーを志向されているが、彼らの印象は?
「昨年と比較しても、ボール保持でよりアグレッシブに攻めてくるチームになっています。守備ではスペースが生まれてくるとも思っていますが、素晴らしい監督、経験のある監督のもと、彼ら独自のスタイルを浸透させるところにおいては、選手たちも非常によく取り組んでいる印象です」
Q:ペトロヴィッチ監督の印象について
「彼に対して多くのリスペクトを持っています。日本で長年指導をされていますし、横浜F・マリノスでコーチをしている時代にも対戦経験はあります。両監督とも攻撃的なスタイルを志向していますし、より選手たちに自由を持ってプレーしてもらう、ということも共通しているので、明日の試合は私も楽しみにしています」
柴山 昌也選手
Q:代表ウィークによる中断を挟みましたが、今節へ向けたトレーニングについて
「この2週間、試合間隔は空きましたが、強度を落とさないこと、そこは全員で意識してトレーニングできました。試合はなかったですが、名古屋戦に向けて、いいトレーニングはできました」
Q:前節は「ダブル10番」という特長的なスタイルで挑みました。今節に向けては、前々節までのスタイルと、どちらもできる準備はしてきた?
「はい、そうですね。準備はしています」
Q:柴山選手個人では、今季の内容は数字でも表れています。スルーパスの数は全体で2位、チャンスクリエイトの数も上位ですが、昨年からより研ぎ澄まされた手応えもありますか?
「昨年から10番のポジションでプレーしていて、自分の中でも感覚的に掴めている部分も多くあります。スルーパスやチャンスメイクは武器でもあるので、それがしっかりデータや順位にも表れているのは自分にとっても嬉しいことです」
Q:自身にもチームにも言えることですが、チャンスを作った中で、どう仕留めるかという部分が勝つためには必要になります。相手ゴール前で心掛けたいことは?
「自分自身、チャンスは作れているので、あとはゴール前で自分の技術を発揮するために冷静になることが大事かなと思います。自分の得点でチームを勝利に導きたいと思います」
Q:名古屋の印象と、警戒する部分は?
「今年、監督も代わって攻撃的なスタイルなので、相手の攻撃はしっかり抑えたいと思います。失点ゼロで抑えれば、自分たちも攻撃的なフットボールを志向しているので、得点は取れると思っています」
Q:名古屋はマンツーマンでの守備も特長的です。柴山選手に対する警戒も強いと思うが?
「もちろん、マンツーマンで来ることは分かっていますし、自分のところで1枚はがせればチャンスになります。自分のターンやドリブル、周りを使うプレーをして、相手の目線を変えながら常にプレーしたいです」
