Match Review
- 7/19 湘南戦
- メディア
ブラジル人トリオ揃い踏みの活躍も、前後半の終了間際に失点を繰り返してドロー。収穫と反省が相半ばする結果に
試合データ(選手・監督コメント/スタッツ)
https://www.cerezo.jp/matches/result/2025071902/
徳島ヴォルティスとの天皇杯3回戦から中2日。セレッソ大阪は、アウェイに乗り込み、湘南ベルマーレとの明治安田J1リーグ第24節に臨んだ。先発は徳島戦から5人変更。ディフェンスラインはそのままに、中盤は田中駿汰と喜田陽がボランチを組み、香川真司がトップ下に入り、チアゴ アンドラーデ、ルーカス フェルナンデス、ラファエル ハットンが前線に並ぶ4-2-3-1でスタートした。
開始直後、湘南にサイドを破られかけたセレッソだが、ディオン クールズのカバーなどで失点は防ぐと、リーグ戦2試合ぶり先発となった喜田が縦パスにミドルシュートと積極的なプレーを見せる。その流れのまま6分、セレッソが先制に成功。香川からルーカスに出たパスを相手DFがクリアし切れず、こぼれ球を拾ったハットンからルーカスへ渡り、ルーカスが狙いすまして公式戦2試合連発となるゴールを決めた。12分にも喜田の浮き球のパスに走り込んだ田中にチャンスもシュートはクロスバーを越えた。攻撃では質の高いプレーを続けていたセレッソだが、この試合では湘南のサイド攻撃に苦しみ、14分に失点。自陣左サイドからのクロスに対し、中で小野瀬康介、鈴木章斗とつながれ、ホームでの対戦時でも決められた湘南の背番号10に再びネットを揺らされた。21分にはカウンターからチアゴが運び、ルーカスがスペースでパスを受けたがクロスは相手DFにカットされる。その後、飲水タイムを挟み、前半の終盤は湘南にボールを握られる展開に。取り所が定まらないセレッソは攻守に精彩を欠いた中、42分、畠中槙之輔のクリアを鈴木章斗にカットされ、そのままクロスを上げられると、ニアで平岡大陽に合わせられて失点。逆転を許す形で前半を折り返した。
「先制点は取れましたが、その後は個々に頼り過ぎた展開になりました。ミスも重なり、逆転されて、ハーフタイムに入りました。ただ、後半は集団として、全く違う姿を見せることができました」と試合後にアーサー パパス監督も振り返ったように、後半は開始から複数人が連動する攻撃を披露。47分、中盤でルーズボールを拾った香川がチアゴに付けると、チアゴがダイレクトで前線のハットンへパス。抜け出したハットンのシュートはDFにブロックされたが、こぼれ球に反応したハットンが相手を浮き球でかわし、ボールの落ち際を左足でボレー。見事なゴールがファーサイドへ突き刺さり、セレッソが同点に追い付いた。「得意とする形」(ハットン)と自ら振り返る、技術とイマジネーションが詰まったゴラッソだった。「チームが生き返る」(香川)一撃により、さらに攻勢に出るセレッソ。57分、奥田勇斗のロングパスに抜け出して放ったハットンのループシュートはわずかに枠を外れたが、73分に勝ち越しゴールが生まれる。70分にクールズに代わって右サイドバックに入った中村拓海が相手をかわして香川へパスを付けると、香川が前方のスペースへ絶妙なスルーパス。自慢のスピードを生かして抜け出したチアゴがGKをかわしてゴールに流し込んだ。「何よりチアゴのスプリントが良かった」と香川も称える素晴らしい走り込みを見せたチアゴ。それを見逃さなかった香川のパスと、阿吽の連係から生まれた得点でもあった。ここからは前線の選手交代も行い4点目を狙いつつ、相手にチャンスは与えず時計の針を進めていく。ただし、勝利も近づいてきた87分、途中から入った湘南の石橋瀬凪の突破に対し、ペナルティーエリア内で中村が足をかけてファウルの判定。土壇場でPKを与えてしまうと、これをルイス フェリッピに決められ同点に追い付かれた。
それでも示された10分の後半アディショナルタイムでセレッソが猛攻を仕掛ける。ただし、ルーカスのシュートがDFに当たってゴールに吸い込まれかけたシーンでは相手GKの好守に防がれ、ルーカスのクロスをGKがはじいたこぼれ球に詰めた田中の決定機はクロスバーを越えた。このまま試合は3-3で終了。セレッソとしては2度のリードを生かし切れず、無念の勝点1に終わる結果となった。反省点も残った一戦になったが、「劣勢の中からしっかりはね返したアグレッシブさを評価したい」と指揮官。中2日のアウェイゲームを戦った選手たちを労い、「成長している姿を見せ続けたい」と前を向いた。試合後は、セレッソで2019年から6シーズンに渡り活躍し、今年3月に湘南へ完全移籍した奥埜博亮に対する横断幕も出され、それに奥埜が応えてサポーターと触れ合う一幕もあった。この試合でも最も長い走行距離を記録した”鉄人“。改めて長年に渡るセレッソでの献身に敬意を払うとともに、今後のさらなる活躍を祈りたい。