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【10/27 名古屋戦】Match Preview

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≪異例の同じ相手とのカップ戦2連戦。第1ラウンドとなる天皇杯準々決勝に挑む≫

2-1で勝利した直近のリーグ戦、明治安田生命J1リーグ第33節・横浜F・マリノス戦から中2日。セレッソ大阪は、敵地・豊田スタジアムに乗り込み、名古屋グランパスとの天皇杯準々決勝に挑む。

タイトルとともに来季のAFCチャンピオンズリーグ出場にもつながる大事な大会である天皇杯。今回に関しては、この試合から中2日で、相手も同じ名古屋とのJリーグYBCルヴァンカップ決勝も控えているとあって、まさに総力戦の様相を呈している。試合前日の囲み取材で、「クラブの総合力が問われている2試合。もちろん、明日の試合も大事な一戦。一戦一戦、精一杯、戦いながら、2連勝できるように、全員の力で勝ち切りたい」と小菊昭雄監督も話したが、直近のリーグ戦も含めた3連戦を乗り越えるためには、チーム全員の力が欠かせない。「疲労面も考慮して、決勝に向けて準備させる選手もいます」と指揮官も打ち明けるなど、まさに繊細なマネジメントが求められる連戦になる。

もっとも、ここまで小菊体制になって過ごした2ヶ月で、攻守にブラッシュアップされた部分は多く、戦い方という点では、誰が出ても大きくは変わらないだろう。「明日の試合もいつも通り、今まで積み重ねてきたことにトライする。そのスタンスは変わっていません」と小菊監督もキッパリ語る。直近の公式戦2試合、セレッソは、浦和レッズに横浜FMと、リーグでも上位に位置する強豪相手に臆せずぶつかり、勝利を収めた。選手、スタッフにとって自信になる連勝になったことは間違いない。積み上げている方向性の正しさを感じながら今回の2連戦に挑めることは、チームとしては前向きな材料だ。

ただし、相手のスタイルという点では、その2チームと名古屋とでは異なる点もある。あくまで自分たちのボール保持にこだわり、攻守に主導権を握りながら試合を支配してくる浦和と横浜FMに対し、ボール保持にはそこまでこだわらず、ゲームに勝ち切ることに重きを置いている名古屋は、よりリアリストな面もある。堅守速攻に特長のある名古屋に対し、セレッソとしては、ボール保持の際の不用意なミスには気を付ける必要があり、相手の網にかからない攻撃が求められる。また、「前線には個で勝負できる選手、もしくは少人数でゴールを奪える選手が揃っている」(小菊監督)名古屋に対し、しっかりとプレスをかけることで、いい形で前線にボールを入れさせないことも重要だ。

初タイトルを含む17年の二冠を知るキム ジンヒョンは、「決勝はいい雰囲気だった。もう一回、みんなとタイトルを獲る雰囲気を作っていきたい」と話す。天皇杯という一つの栄冠を勝ち取るために、そして、ルヴァンカップ決勝という大一番につなげるためにも、今回の天皇杯準々決勝は、チームとして乗り越えなければならない“決戦”となる。

≪試合前日コメント≫

■小菊昭雄監督

Q:同じ相手とのカップ戦2連戦という珍しいケースだが、明日の天皇杯準々決勝へ向けて
「まず明日、天皇杯の準々決勝を戦えるということは、今まで勝ち残って得た権利ですので、試合ができることを幸せに感じています。その後のルヴァンカップファイナルも名古屋が相手ということで、クラブの総合力が問われている2試合だと思います。もちろん、明日の試合も大事な一戦です。一戦一戦、精一杯、戦いながら、2連勝できるように、全員の力で勝ち切りたいと思います」

Q:まさに「総合力」がポイントになる2連戦。ルヴァンカップ決勝という舞台も見据えながら、全員の力が必要になる?
「そうですね。リーグ戦から中2日、さらに天皇杯準々決勝から中2日でルヴァンカップのファイナルということで、選手の疲労面も考慮しないといけません。コンディションのところで、ケガを抱えている選手に関しては、決勝に向けて準備させる選手もいます」

Q:この2連戦で出場が懸念される選手もいる?
「先日の横浜FM戦は、数人、コンディションの問題、ケガの問題で回避した選手もいますが、順調に回復している選手は多いです。明日の天皇杯準々決勝、そして、ファイナルへ向けて、そうした選手たちも復帰に向けてトレーニングしています。スタッフも精一杯のサポートをしてくれているので、順調に回復している選手が多いということはお伝えできます」

Q:ルヴァンカップ決勝を前に、明日は手の内を全て明かせないとい���か、情報戦という部分での難しさはありますか?
「毎日の積み重ねが大事だと選手には伝えて、この2ヶ月を過ごしてきました。なので、明日の試合もいつも通り、今まで積み重ねてきたことにトライする。そのスタンスは変わっていません。明日も大事なビッグゲームですので、明日のゲームに集中して、最高のパフォーマンスを発揮できるように準備する。そういった気持ちで、今日もいいトレーニングができたと思っています」

Q:名古屋には、柿谷曜一朗選手、木本恭生選手と、小菊監督もよく知る2人がいるが?
「両選手に関しては、ストロングポイントは理解していますし、そのストロングポイントを出させないように、チームとして、時間やスペースを与えないことが大事になります。曜一朗、木本だけではなく、名古屋という素晴らしいチームに対して、我々が積み上げてきたサッカーを発揮すること。それが非常に大事だと思っています」

Q:改めて、名古屋の印象について
「まず、守備は堅いですし、全員が規律を持って、タフにハードワークしてくる印象があります。(特長としては)堅守速攻ですね。全員でしっかりと守りながらも、前線には個で勝負できる選手、もしくは少人数でゴールを奪える選手が揃っていますので、カウンターは強烈なイメージを持っています。私たちとしては、ボールを握る時間を多くすること、攻撃中のリスクマネジメントが重要になると思っています」

Q:最近の試合では、ボールを握る時間と、相手に持たせてもいい時間をしっかり区別するなど、そのあたりの共通理解も進んでいるのでは?
「おっしゃる通りで、我々は今、攻守にバランスを保つことに取り組んでいます。守備では、ハイプレスと、ブロックを落としてのミドルプレス、もしくはリトリート的に相手を引き込むなど、バランスも大事に取り組んでいますし、攻撃のところでは、しっかりとボールを握りながら前進するところと、速い攻撃でゴールを奪うこと、両方を大事にしています。攻守両面でのバランスを大事にしながら、この2ヶ月を過ごしてきました。その中で、時間帯によって、攻守で同じデザインを共有することが、最近の試合では増えてきたと感じています」

Q:直近のリーグ戦、横浜FM戦の勝利は、今回の2連戦にどう影響しそうか?
「リーグでも屈指の力を持つ、素晴らしい横浜FMに対し、苦しい時間帯もみんなで乗り越えながら、自��たちの時間もうまく作りながら勝ち切れたことは、選手はもちろん、私たちスタッフにとっても自信になりました。ルヴァンカップ準決勝の浦和戦から、先ほど申し上げた、自分たちのデザインしている攻守を出せる時間が増えてきたことが、いい形で出ているのかなと思っています」

■キム ジンヒョン

Q:直近の横浜FM戦で、J1通算318試合になりました。この数字は、森島寛晃社長の現役時代の数字に並び、セレッソ大阪の選手として記録したJ1通算試合としては最多タイになります。そのことについて、何か特別な思いはありますか?
「今、初めて知りました(笑)自分がそうなれたことは、すごく嬉しいです。森島さんの存在(の大きさ)を考えると、もっともっと、セレッソのために、チームのために、責任感を持ってやらないといけないと思います」

Q:これまでセレッソで数々の経験をされてきたジンヒョン選手ですが、中でも17年の二冠は、何度でも味わいたい経験でしたか?
「そうですね。あの時は、僕もチームも決勝戦に出るのが初めてでしたが、いい雰囲気を味わいました。今回また、そのようなチャンスが目の前に来ています。もう一回、みんなとタイトルを獲る雰囲気を作っていきたいです」

Q:天皇杯準々決勝とルヴァンカップ決勝と、同じ相手と続けて対戦することについては?
「今年は、そういうことが多いですね(笑)最初の試合で、どれだけ自分たちのサッカーができるか知ることも大事ですが、一番、大事なことは結果を求めて戦うことです。1試合目でしっかり結果を出して、自分たちの流れにしていきたいです」

Q:名古屋には、かつてのチームメートである柿谷選手と木本選手もいるが?
「もちろん、やられたくないですね。うまい選手たちなので、警戒しないといけないですが、やられたくないです」

Q:連戦ということで、総力戦になると思うが、ここまでGKはほぼ全ての試合でジンヒョン選手が出続けています。大変だとは思いますが、責任感が生まれる部分もありますか?
「(松井)謙弥さんもすごくいいGKで、いい準備をしている中で、自分が試合に出続けているということは、謙弥さん以上にやらないといけないということ。チームメートとして気も遣いながらやっていますし、謙弥さんが出ても、僕以上のプレーはできると思う。そういう(試合に���たいという)謙弥さんの思いにも応えていかないといけない気持ちもあります」

Q:小菊監督になって2ヶ月が経つが、チームの変化はどう感じていますか?
「皆さんが見ていることと同じだと思います。攻守の切り替えが速くなり、戦術的にもコンパクトになり、守備も攻撃も速くなりました。プレー強度の面や、チームのためにプレーする責任感など、みんなの意識も高くなっていると思います」

Q:ピッチに立つ選手たちが、同じ方向を向けている?
「そうですね。噛み合ったプレーは増えてきたと思います。どれだけ一つになって戦えるか、というところでは、最近の試合は、向いている方向は間違いなくみんな一緒だと思います」

Q:小菊監督がコーチ時代、ジンヒョン選手にとって支えになったことは?
「多過ぎますね(笑)長い付き合いの中で、色んな場面で助けてもらいました。今は監督ですが、コーチ時代は後ろから選手を支えてくれていました。自分に対しても、戦術的な部分より、メンタル的なアドバイスをたくさんしてくれました。僕は切り替えを速くできないタイプですが、小菊さんの一言によって、前を向けたことは多かったです。ミスをした後なども、ポジティブな言葉をいつもかけてくれて、メンタルを強くしてくれました。それが心に残っています」

Q:17年の二冠を知る選手も少なくなったが、今季、ルヴァンカップを優勝する意味をどう考えていますか?
「まず天皇杯が先にあるので、ルヴァンカップのことは天皇杯が終わってから考えたいですが、リーグ戦での順位は下でもカップ戦で優勝できれば、来季がまた楽しみになると思います。それに、17年に優勝した時は、サポーターの皆さんの喜ぶ顔や泣いている姿も見られたので、もう一回、そういう姿を自分も見たいし、サポーターのみんなにもまたその気持ちを味わって欲しいと思います」

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