Match Preview
- 12/6 横浜FC戦
- メディア
土台作りとしては十分に成果も得た新体制1年目。勝利で終えて、来シーズンへつなげたい
連勝が3で止まり、1-3で敗れた前節の横浜F・マリノス戦から中5日。セレッソ大阪は横浜FCをホームに迎え、今シーズンの最終節、明治安田J1リーグ第38節に挑む。
今季初の4連勝を目指して敵地に乗り込んだ前節は、序盤に作ったチャンスを仕留めることができずにいると、25分、横浜FMにワンチャンスを生かされ、カウンターから失点。それでも前半アディショナルタイム、チアゴ アンドラーデが獲得したPKをラファエル ハットンが決めて同点に追いつくと、後半も最初に決定機を作り出したのはセレッソだったが、ここで決め切れず、ジョルディ クルークスに背後を取られて2失点目。再び追いかける展開になると、直後に退場者を出して数的不利に陥り、反撃ムードもトーンダウン。後半アディショナルタイムには決定的な3失点目を許し、1-3で敗れた。入りは悪くなく、良い攻撃も再三、仕掛けるなど、自分たちのスタイルを発揮する姿勢は出せていたが、仕留め切れなかった攻撃陣に、守備でも失点シーンや退場につながったプレーなど、攻守に甘さが残ったことも事実。ホームに戻って迎える今節は、前節出た課題を糧に、まずは自分たちがやり切ることが勝利につながる。前節の試合後は選手たちに熱いゲキを飛ばしたアーサー パパス監督も、「自分たちが求めるサッカーをしっかりと表現しよう、ということを伝えたかった。今シーズンやってきたことを示して締めくくれるように戦いたい」と最終節に向けた意気込みを述べた。
今シーズン、横浜FCとはJリーグYBCルヴァンカップも含めて公式戦で3度対戦。1勝2敗と負け越している。アウェイで行われた第6節は、ボール保持を得点につなげることができず、スローインとクロス対応に課題を残して2失点。ラファエル ハットンが左ウィングで先発するなど試行錯誤の時期だったとは言え、完敗と言える敗戦を喫した。ルヴァンカップのプレーオフラウンドで対戦した6月は、ホームでの第1戦は4-1で勝利したが、前半は横浜FCにうまくボールを回される時間も長く、チャンスも複数、作られた。ハーフタイムに行った指揮官の修正も経て迎えた後半こそ、香川真司の先制点を皮切りに4得点を奪ったが、点差ほど楽な試合ではなかった。3点のアドバンテージを持って臨んだ敵地での第2戦はGK福井光輝の退場も響き、0-4でひっくり返され、タイトルの道が閉ざされた。そうした苦い思いを味わった相手にきっちりと借りを返し、シーズンを締めくくりたい。セレッソのアカデミー出身でもある新保海鈴、セレッソでプロ生活をスタートさせた山根永遠。彼ら両ウィングバックを確実に抑えるとともに、特に精度の高い左足のキックに特長がある福森晃斗を擁する左サイドには警戒が必要。櫻川ソロモンらが陣取る前線に入るボールを潰し、起点を作らせないことも重要だ。J2降格が決まったとは言え、未来へ向けて果敢に向かってくる横浜FCに対し、セレッソも受けて立つのではなく、前回のホームゲーム、川崎フロンターレ戦のように開始から猛攻を仕掛け、最初のチャンスから仕留めにいく姿勢を発揮したい。
「長いようであっという間」(パパス監督)に駆け抜けた新体制1年目の今シーズン。順位こそ現時点で昨シーズンと同じ10位だが、来季へ向けた土台作りとしては十分に成果も得た。迎える最終節は、“今季のメンバー”で戦うラストの試合。「ホームでもアウェイでも、1年間、熱い応援に感謝しています。特に敗れた次の試合でもたくさんのサポーターが応援して下さったことは感銘を受けました。雨が降っている試合でも応援して下さった姿も印象に残っていますし、常にチームへの愛情を感じていました」とチアゴは振り返る。そうしたサポーターの1年間の後押しに報いるためにも、ホーム最終節は何が何でも勝利で終えたい。“アーサー・セレッソ”の未来を照らす1勝を、チーム、選手、サポーター全員で掴み取ろう。
試合前日コメント
アーサー パパス監督
Q:今シーズン最終節に向けた思いについて
「サポーターの皆さんに対して、今シーズンやってきたことを示して締めくくれるように戦いたいです。サポーターの皆さんに支えられたシーズンでした。選手たちにも、『感謝の思いも込めて、真摯な姿を見せよう』という話はしました」
Q:今シーズン監督が表現してきたサッカーは、見る人を魅了してきたと思います。前節の試合後は選手たちにゲキを飛ばす様子も見られたが、どのような思いを伝えたかった?
「選手たちに伝えたかったメッセージとしては、まずは、自分たちが表現するフットボールは強度を出していかないといけない、ということ。いい形でフットボールをしていても、点を取らないと意味がない、ということ。プロフェッショナルとして、日々の生活の中でクラブに対する忠誠心も発揮しないといけません。自分たちが求めるサッカーを表現しよう、ということを伝えたかったです」
Q:得点王の可能性を残すラファエル ハットン選手について
「最終節になりますが、得点王の可能性も見えてきました。彼自身の質、努力もありますし、『チームのみんなに支えてもらって得点している』という思いを彼は持っています。彼を獲得するにあたって、彼をどう生かすか、どう改善していくか、ということも含めてクラブでよく考えました。その中で彼自身が頑張って得点王に近い位置まで来れていることに関しては、彼の頑張りが評価されるべきだと思います」
Q:今シーズン、ハットン選手がチームやJ1に馴染むために見せてきた努力とは?
「ピッチの中でも外でもプロフェッショナルな振る舞いを見せてきました。自分がやるべきことを果たして、チームを優先する姿勢も見せてきました。我々が求めるサッカーにおいて、『ここにいれば得点が取れる』というポジションがあり、そこにどれだけ入っていけるか、ということが大事になるので、それは繰り返し伝えてきました。それをきっちりと実行してきたと思います」
田中 駿汰選手
Q:今シーズン最終節に向けた思いについて
「今シーズンの最後なので、自分たちが積み上げてきたアタッキングフットボールをしっかり表現して、勝って終わりたいと思います」
Q:今シーズン積み上げてきた成果はピッチでも表れていますが、前節は4試合ぶりに敗戦。試合後は監督から激しいゲキが飛ぶ様子が見られたが、監督の思いはどう受け止めた?
「ボス(パパス監督)は明確にやるべきことを提示してくれている中で、自分たちはそれに応えること。それが監督と選手の関係だと思います。前節に関しても、内容自体が悪かったわけではないですが、あのような形で負けてしまったことは、自分たちの実力不足。『もっとできるぞ、勝てる試合だったぞ』という意味も込められていたと思いますし、次につなげていかないといけないと思います」
Q:パパス監督のサッカーに取り組んだ今シーズン、チームとして、個人として成長したと感じる部分は?
「規律の部分でチームとして整理されましたし、全員がチームのために走ることも土台として積み上げることができました。来シーズンにつながると思います。個人としても、精力的に動いて、『どんな状況でもボールに関われ』ということは常に言われてきたので、しっかり走ってボールを受けることは意識してきました。チームとしても、個人としても、成長できたシーズンだと思います」
Q:今節、出場すればJ1通算200試合になります。あくまで通過点だとは思いますが、積み重ねてきた手応えや誇りはありますか?
「そうですね。嬉しい気持ちもありますし、セレッソだけではなく、札幌で積み重ねてきた数字もあって、今があるので、色んな人に感謝しながら、もっともっと積み重ねていきたいです。記録は引退した時に振り返ることができればなと思います」
Q:200試合の中で最も印象的な試合を挙げるとすれば?
「なかなか難しいですが…(苦笑)、デビュー戦ですかね。かなり前ですが、デビュー戦はめっちゃ緊張したことは今でもはっきり覚えているので。あれから結構、経ったなと思うので、感慨深さはあります」
Q:ハットン選手に得点王の可能性もあるが、チームメイトとして意識されますか?
「意識し過ぎても良くない方向に行くのかなと思うので、僕自身は変わらず、いつも通りにプレーしたいです。もちろん、一番、得点を取れるチャンスに関わっているのはハットン選手ですし、得点チャンスを生み出してくれています。明日も仕留め切ってくれたらチームとしても勝てると思います。得点以外のところでも、守備でもポストプレーでも貢献してくれているので、今シーズンやってきたご褒美が得点王という形になればいいなと思いますし、獲って欲しいと思います。チームとしても、ハットン選手を得点王にすることができたら嬉しいです」
