Match Preview
- 10/18 岡山戦
- メディア
5試合ぶりの勝利を目指す今節へ向け、改善したいビルドアップの質と決定力。無失点にもこだわり、敵地で最後まで戦い抜く
1-2で敗れ、今季初の3連敗を喫した前節の名古屋グランパス戦から約2週間。代表ウィークによる中断を挟み、セレッソ大阪はファジアーノ岡山のホームに乗り込み、明治安田J1リーグ第34節に臨む。岡山との勝点差は2。仮に敗れることがあれば順位で抜かれてしまうだけに、何としても勝利で連敗を止めたい一戦だ。
今シーズンも残り5試合。振り返ると、開幕戦で大阪ダービーに快勝した後、第2節からは6試合未勝利と苦しい時期も過ごしたが、第8節、開幕戦以来7試合ぶりの勝利を手にしたのが岡山との一戦だった。開始3分、チアゴ アンドラーデのゴールで先制すると、44分に追い付かれたが、すぐさま前半アディショナルタイムに勝ち越しに成功。2-1で折り返すと、終盤はGK福井光輝が脳震盪で交代するアクシデントもあったが、1点差でしのぎ切った。この勝利がアーサー パパス監督にとってはホームでの初勝利でもあった。そこから5月、6月と白星を重ねて戦術的にも成熟。攻撃的なスタイルはJ1リーグでも屈指のレベルに進化を遂げた。ただし、8月、9月は上位陣との試合も続いた中、いずれも善戦しながら勝利にはあと一歩届かず。直近は今季初の3連敗と白星から遠ざかっている。このままズルズル順位を下げないためにも、今節、5試合ぶりの勝利を手にし、シーズン終盤に向けて再び勢いを付けていきたい。
直近の2試合、京都サンガF.C.戦と名古屋戦では、特に前半、相手のプレスに対し、ボールを運ぶことに苦労した。岡山もハイプレスに特長があるだけに、まずは相手の前向きの矢印をどう回避するかが今節のポイント。「プレスで嵌めてくる相手には、ショートパスだけだと相手の目線も変わらない。最初の時間帯は相手を裏返すことも必要」と打開策に言及したのは柴山昌也だが、前節の反省も踏まえてどうボールを動かして敵陣に入っていくか。「前節と同じことにはならないよう、自分もチームも考えて臨みたい」(柴山)。プレス回避ができなかった前節について、井上黎生人は、「パスの精度というより、出して止まることが多かった。受ける前の動きが足りなかった」と課題を述べ、「ポジショニングをサボらないことが大事」と今節に向けた改善策を話す。2試合続けてプレスで苦しむ試合が続いているだけに、パパス監督も、「ボールを速く動かすこと。プレッシャーをかけてくる相手に対しても、しっかりと前を向けるところを見つけること、パスを付けていくこと。自信を持ってプレーすることが大事です」と改善に意欲を見せる。もっとも、京都戦も名古屋戦も相手の動きが落ちた後半はボールを握り、決定機も作れているだけに、チャンスで決め切ることも重要になる。また、前節に関しても、「前半を0-0で終わっていれば、後半は空いてくるなと、前半をやりながら思っていた。それだけに失点しないことも大事」とは柴山。特に今節は相手のホームであり、勢いに乗せる先制点を与えたくない。「独特な雰囲気があるスタジアム。僕はコロナ禍の時にいたので声援を聞くことはできませんでしたが、それでも応援に熱を感じていました。あの時期でそれを感じていたぐらいなので、今はもっと凄いと思う」と話すのは、2020年、21年と2シーズン岡山でプレーした上門知樹。「岡山がJ1昇格を決めた瞬間からあのスタジアムで対戦するのが楽しみだったので、負傷で叶わないのは残念ですが、チームとしてしっかり勝って、また波に乗っていきたい」と思いは味方に託した。負傷という意味では、ルーカス フェルナンデスが抜けた穴も大きいが、新たに出る選手の良さも生かしつつ、チーム全体で補っていきたい。
前節の名古屋戦は、雨が降りしきる中、最後まで声援を送ってくれたサポーターに勝利を届けることができなかった。今節に向けて、「どれだけ結果が良くなくても、ポジティブな声をかけてくれて、応援を続けてくれているファン・サポーターの皆さんを早く喜ばせてあげられるように、自分が結果を出せたらベストかなと思います」と話したのは中島元彦だが、今節こそアウェイに集う多くのサポーターとともに、勝利の喜びを分かち合いたい。
試合前日コメント
アーサー パパス監督
Q:前節から約2週間、空きましたが、この中断期間で取り組んだことは?
「強度の高いトレーニングを行ってきました。良い時期を思い返せば、ハードワークができるチームでした。基盤として、全員で走ることを思い出すためにも、この2週間はインテンシティ高く、取り組みました」
Q:ルーカス フェルナンデスの負傷も発表されました。今季のプレーは素晴らしかっただけに彼の穴を補うことは簡単ではないと思うが、チームとしてどうリカバーしていく?
「チームにとって大事な選手でした。7得点15アシストという数字が物語る通り、今シーズンのMVPになってもおかしくないパフォーマンスを示していた選手を失うことは残念ですが、彼だけに頼るわけにはいきません。他の選手たちにとっては、このチャンスを掴めるように、持っているクオリティーを発揮して欲しいと思っています」
Q:今節の相手、ファジアーノ岡山もハイプレスに特長があるチームですが、その点も踏まえて、試合のポイントになることは?
「まずはボールを速く動かすこと。プレッシャーをかけてくる相手に対しても、しっかりと前を向けるところを見つけること、パスを付けていくこと。岡山はホームで力を発揮するチームですが、自分たちも自信を持ってプレーすることが大事です。それだけの力を持った選手たちが揃っているので、しっかりと表現して欲しいと思います」
Q:勝利から遠ざかっている要因について、考えることは?
「勝負は僅差で決まりますが、前節の名古屋戦も、その前の京都戦も、ビッグチャンスは作りました。柏戦でも試合終了間際に本間選手にGKとの1対1がありましたし、広島戦もそのような状況がありました。そこで決め切れるかどうかが勝敗を分けます」
Q:守備の固い岡山からチャンスを作るために必要なことは?
「インテンシティを高く保ち、相手よりも走ることだと思います。前回の対戦時もチャンスは作れていました。あとは、決定機で集中力を発揮できるかどうか。しっかりとゴールを取るということを遂行することが大事になります」
中島 元彦選手
Q:前節から約2週間空きましたが、この中断期間で取り組んだことは?
「練習からハードなメニューをこなしました。チームの良さ、個人、個人のクオリティーを、疲れている中でもどれだけ出せるか、というところにトライしました」
Q:チームとして連敗が続いていますが、今節、勝つために求めたいことは?
「毎試合、決定機は少なからずあるので、自分も含めてそこで決め切ること。決め切らないと上には行けないので、全員がそこを求めてやっていくことが大事かなと思います」
Q:中断期間にルーカス フェルナンデス選手の負傷が発表されました。彼が抜けることで攻撃の選択肢が一つ減ってしまうとは思うが、チームとしてどうカバーしていきたい?
「彼のところでリズムができていたと思いますし、時間も作れていた部分はありますが、(代わりに)出る選手の特長に合わせてサッカーをしたいです。どういうタイプの選手が入るか分かりませんが、また違う良さを全員で出していけたらと思っています。ルーカス頼みのサッカーをしていたことは自分たちも痛感していますし、見ているファン・サポーターの皆さんに『ルーカスがいないとダメなのか』と思われないように、チーム全体で躍動感のあるサッカー、推進力のあるサッカーを全員で求めてやっていけたらと思います」
Q:パスの出し手が減った分、自身が出し手に回るなど、何かイメージしていることはありますか?
「自分としては、あそこからいいクロスが出てくることは確信していたので、動き出しやすかったことは事実です。そこがない分、受け手ではなく、自分が組み立てて攻撃していくこともしていきたいと思っています」
Q:アウェイの岡山戦と言えば、(中島選手自身の)昨シーズンのことも思い出されると思います。もちろん、所属チームや状況は違いますが、今節に臨む上で特別な思いもありますか?
「絶対にやり返してやろう、ということはシーズン前から思っていました。それに今はチームの状況も良くないので(それも払拭したい)。いつもスタジアムに駆け付けてくれるファン・サポーターがいますし、どれだけ結果が良くなくても、ポジティブな声をかけてくれて、応援を続けてくれているので。個人としては、昨シーズンのリベンジの意味もありますが、ファン・サポーターの皆さんを早く喜ばせてあげられるように、自分が結果を出せたらベストかなと思います」