Match Review
- 9/28 京都戦
- メディア
後半に追い付き、その後も猛攻を仕掛けたが、逆転ならず。セットプレー2発に沈み、優勝を目指す京都サンガF.C.の執念に屈する
試合データ(選手・監督コメント/スタッツ)
https://www.cerezo.jp/matches/result/2025092809/
1-3の逆転負けを喫した前節・鹿島アントラーズ戦から中4日。セレッソ大阪は3位の京都サンガF.C.をホームに迎え、明治安田J1リーグ第32節に挑んだ。先発は前節から畠中槙之輔を除く10人を変更。万全の態勢で関西対決に臨んだ。
開始3分、中央を割られてピンチを迎えたが、古巣戦となった井上黎生人が相手のシュートをブロック。10分にも京都のクロスから危ない場面が訪れたが、セカンドボールに反応した井上が再びクリア。背番号31の危機察知能力で難を逃れた。反撃に出たいセレッソだったが、ここから試合は思わぬ展開に。12分に京都のラファエル エリアス、19分にルーカス フェルナンデスと、両チームの主軸が相手選手との接触で痛み、ともに25分という早い時間で交代を余儀なくされた。緊急事態を受け、右ウィングには本間至恩が投入された。「ルーカスとは違う良さというか、中でボールを触って、シバ(柴山)や真司さんと距離感よくプレーすることを心掛けました」と試合後に話したように、新たな“色”をチームにもたらすべくプレー。時間の経過とともにフィットし、特に後半は再三チャンスに絡むなど、及第点以上のプレーを見せた。ただし、前半に関してはなかなかリズムを掴むことができず、守勢に回る時間が長い展開に。それでも31分には香川真司が戻ってブロック、36分にも畠中が体を張って守るなど、京都の猛攻を懸命に耐えていたが、44分、CKから失点。平戸太貴の低いマイナスのボールに対し、スルーを挟み、松田天馬に決められた。第29節・アビスパ福岡戦でも同様の形で失点しているだけに、セレッソとしては無警戒だったと言わざるを得ない。8分という長い前半アディショナルタイムにようやくセレッソも相手陣に入って攻撃を仕掛けたが、追い付くことはできず、前半は1点ビハインドで折り返した。
後半も立ち上がりは京都のセットプレーを立て続けに受けたが、ここをしのぐと54分、CKから決定機。柴山昌也のニアへのキックにディオン クールズが巧みに合わせたが、わずかに枠を外れた。それでも3分後、柴山のニアへのCKに再びクールズが合わせ、今度は枠を捉えて同点に追いついた。クールズにとっては嬉しい加入後初ゴール。テクニカルなシュートに対し、「セットプレーも強みの一つ」と胸を張った。この試合では守備でもデュエルで負けず、相手と互角以上に渡り合うなど、勝利していればMOMとも言える活躍だった。後半は京都のプレスの強度も下がり、セレッソが自由を享受するシーンも増える。一つ、二つはがして前線へ運び、チャンスを作ると、67分に決定機。最後は本間のクロスに香川が合わせたが、シュートはミートせず。73分にも、田中駿汰のパスをラファエル ハットンが落とし、本間にビッグチャンスが訪れたが、シュートは相手DFのブロックに防がれた。「前半は探りながらやっていましたが、徐々に空いてくるスペースも掴めてきて、前半の最後の方から押し込めました。後半も自分のところで起点になるプレーは増えたので、しっかり相手を見ながらプレーできたと思います」と試合後に柴山も振り返ったように、セレッソとしてはいつ2点目が入ってもおかしくない展開に持ち込んだが、ここで仕留めることができずにいると、87分、途中出場の長身ストライカー長沢駿にCKからニアでヘディングを決められ、京都に勝ち越しゴールを許してしまった。再び1点を追いかける展開になったセレッソは、途中出場の中島元彦、ヴィトール ブエノも含め、猛攻を仕掛ける。後半アディショナルタイムには4本連続でCKを獲得するなど最後まで攻め立てたが、相手の牙城を崩すことはできず、1-2でタイムアップ。優勝へ望みをつなげるべく戦った京都の執念に屈する形で敗戦を喫した。
試合後、古巣相手に奮闘した井上は、「正直、流れの中から失点する感じはしなかったですが、2失点ともセットプレーで一瞬の隙を突かれてしまった。セットプレーからの失点も多い中で、守り方も含めて、もっと工夫しないといけないこともあると思います」と課題を述べた。攻撃でチャンスを作った柴山と本間は、口を揃えて「勝負強さ」を足りない点として挙げた。「チームを強くするために近道はない。一つ一つ積み上げていく気持ちもあります。ただ、4年も5年も待って、優勝を狙うという気持ちはありません。できるだけ早く詰めて、優勝争いに絡んでいけるチームを作っていきたいと思っています」と試合後に述べたアーサー パパス監督。8月、9月と続いた上位との6試合は3分3敗と未勝利に終わったセレッソ。肌で感じた優勝を争うクラブとの差をどのように埋めていくか。クラブ全体で受け止め、今後に生かしていきたい。