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Match Preview

  • 9/13 福岡戦
  • メディア

内容に高まりを見せる一方、勝つために求めたい攻守の詰め。複数得点と無失点を目指し、4試合ぶりの勝利を掴み取る


8月最後の一戦となった前節・サンフレッチェ広島戦から中12日。代表ウィークを挟み、再開される明治安田J1リーグ。セレッソ大阪は、敵地に乗り込み、アビスパ福岡との第29節に挑む。

直近の広島戦は、前半35分、ルーカス フェルナンデスが自ら得たPKを決めて先制に成功すると、直後にもチアゴ アンドラーデがGKと1対1を迎えるなど、前半はボール支配率、パス成功率、ゴール期待値といずれもセレッソが広島を上回った。後半は選手を入れ替えてきた広島の反撃を受ける場面もあり、FKから同点に追い付かれてしまったが、流れの中から決定機を作られた場面はほとんどなく、逆にセレッソが複数の決定機を作ったが、先日、行われた日本代表のアメリカ戦でも活躍を見せたGK大迫敬介、DF荒木隼人にゴールを阻まれ、悔しい形で同点に終わった。「展開的には勝ってもおかしくなかったですし、勝点2を落としたという見方もできると思いますが、ああいう試合で勝点3を取り切らないと、上位争いはできない」と振り返った畠中槙之輔の言葉が全てだろう。もっとも、先制点を奪って試合を優位に進めながら、追加点を取り切れずに失点してドローで終わる試合は、前節だけではなく、第5節の名古屋グランパス戦、第7節の浦和レッズ戦、第11節のFC東京戦など今シーズンの序盤にもよく見られた形であり、攻守における詰めの甘さは課題として残り続けている。逆に言えば、こうした試合で勝ち切ることができていれば、今ごろは優勝争いに加わることも十分に可能だった。ピッチで見せているサッカーの質に関してはJ1リーグ全体を見渡しても高いレベルにある一方、勝つことに執着するメンタルや、決め切る、守り切るといった細部の詰めは物足りない。一つでも上の順位で今シーズンを終えるためにも、残りのリーグ戦10試合でさらに突き詰めていきたい。

もう一つ、アーサー パパス監督が課題として挙げたのが、アウェイでの戦い方。ホームでは7勝5分3敗。15試合で勝点26と優勝争いに近いペースで積み上げている一方、アウェイでは3勝4分6敗。13試合で勝点13と残留争いのペースまでトーンダウン。特に関西圏以外のアウェイでは1勝も挙げられていない極端な内弁慶ぶりが目立つ。今節の福岡戦ではそうした殻も打ち破り、未来につなげていきたい。その福岡は前節、リーグ戦では10試合ぶりの敗戦を喫したが、それまでは3勝6分と粘り強い戦いを続けていた。敗れた前節の柏レイソル戦にしても、敵地で堂々としたプレーを披露。球際の強さも目立つアグレッシブな守備に加え、奪ったボールを丁寧につなぐ攻撃もシーズンを重ねる中で進歩が見られている。セレッソとしても難しい試合になることは想定できるが、3バックの相手に対し、前節の広島戦で見せたような攻守を発揮できれば、敵地でも試合の主導権は握ることは可能だろう。後ろから運ぶビルドアップに加え、前からのプレスで相手のパスをカットしての速攻。この2つを使い分けてゴールに迫りたい。また、今節は特にセットプレーに警戒が必要。名古新太郎のキックは柏戦でも先制点につながっており、他にも再三チャンスになっていた。ロングスローも含め、極力、相手にセットプレーの機会を与えないことは意識したい。


中断期間に行われた大阪学院大学との練習試合では、Aチームで臨んだ前半、ルーカスと柴山昌也が1得点1アシスト、中島元彦のスルーパスからチアゴも決めるなど、左右、中央と満遍なくゴールを陥れた。新加入選手が多く並ぶディフェンスラインにも急造感はなく、チーム全体で志向するフットボールへの共通理解は高まっている。今節はそれを複数得点、無失点という形で具現化できればベストだ。「開始の笛から最後の笛まで集中して」(畠中)、アウェイでの勝点3につなげていきたい。

試合前日コメント

アーサー パパス監督

Q:直近の2試合は、いいゲームをしながらも2点目が遠く、勝ち切ることはできませんでした。やはり勝ち切るためには2点目、3点目を貪欲に求めていきたい?
「勝利に向けて、2試合ともポジティブなパフォーマンスを見せることはできました。大きなチャンスも作りました。優勝争いをしている神戸さん、広島さんという相手にどう勝ち切るか、という部分では課題も残りましたが、内容としては前向きに捉えることはできます」

Q:今節のアビスパ福岡戦に向けて
「今、自分が考えていることは、レベルの高い相手とも、ホームでは十分に対抗できることは分かりましたが、アウェイでも自分たちのホームでやっているような姿を出せるようにしたいということです。クラブの成長を考えた時、優勝争いやタイトルを獲得するためには、アウェイでもホームと同じような試合をしていく必要があると感じています」

Q:ディフェンスラインの選手たちが入れ替わった中での守備について
「シーズン途中から入ってきた選手も多くいますが、連係は取れています。復帰したメンバーもいますので、競争力は高まっています」

Q:ボランチの吉野恭平選手について。直近の2試合では先発し、持ち前の守備だけではなく、攻撃にも関わっていく姿勢が見られたが、ボランチに求める役割について
「攻撃にも守備にも顔を出すことを要求しています。ボールを持ったら前を向く、前へのパスを出すことも意識して欲しいですし、デュエルで戦うこと、セカンドボールを拾うこと、前からのプレッシングに対して、後ろで支える存在でもあって欲しいと思っています」

畠中槙之輔選手

Q:直近のヴィッセル神戸戦、サンフレッチェ広島戦を振り返って
「展開的には勝ってもおかしくなかったですし、勝点2を落としたという見方もできると思いますが、ああいう試合で勝点3を取り切らないと、上位争いはできない。逆に言えば、神戸や広島は、ああいった試合でも引き分けにもっていくあたり、優勝争いをする強いチームなのかなと感じました」

Q:新たに加わった選手が多いディフェンスラインについて
「メンバーは変わった中でも、しっかりと共通認識はできています。ただ、細かいところで言えば、スライドやカバーなど、改善の余地はあります。ただ、ピッチの中でも外でも話し合いはできているので、ここから先、もっと良くなると思います。(左サイドで組む大畑歩夢選手について)個人能力がとても高い選手です。サイドは彼に任せて、僕は中で戦えるようになったので、心強いです。コミュニケーションも取れていますし、チームとしても大きな力になってくれています」

Q:2点目を奪うこと、無失点にこだわること。両方を求めていく試合になると思うが、今節の福岡戦に向けて
「直近の2試合は、追加点を取りたかったですし、守備陣としては無失点で抑えたかった。もったいない、悔しい試合になってしまったので、福岡戦に関しては、理想を言えば、どっちも達成したい。複数得点と無失点、そこを目標に試合に臨みたいと思います」

Q:先ほどパパス監督は、「ホームで出しているような姿をアウェイでも発揮することが大事」と話されていましたが、今シーズン、なかなかアウェイで勝点を積み重ねていけない現状をどう感じていますか?
「もちろん、ホームの試合では、ホームの声援が力になって、よりみんなが生き生きとしたプレーができていることは確かだと思います。ただ、監督が言われているように、アウェイでもそういうプレーを見せないといけない。監督もそのことは僕たちにしっかり伝えてくれていますし、僕たちも感じているところなので、アウェイでも、開始の笛から最後の笛まで集中して、みんなで勝ちを目指して戦いたいと思います」


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