Match Review
- 8/31 広島戦
- メディア
準備してきた攻守を発揮し、好ゲームを演じるも、勝利まであと一歩。ルーカス フェルナンデスのPKで先制も、2点目を奪えずドローに終わる
試合データ(選手・監督コメント/スタッツ)
https://www.cerezo.jp/matches/result/2025083107/
激闘の末、1-1の引き分けに終わった前節・ヴィッセル神戸戦から中7日。セレッソ大阪は、再びホームにサンフレッチェ広島を迎え、明治安田J1リーグ第28節に臨んだ。先発は神戸戦から2人変更。体調不良の本間至恩が外れ、チアゴ アンドラーデが2試合ぶりに先発。また、当初は先発として発表されていた田中駿汰が「膝の違和感」(アーサー パパス監督)で直前に外れ、柴山昌也がスタメンに入った。
開始1分、広島にロングボールからセカンドボールを拾われ、ジャーメイン良に最初のシュートを許すと、4分、8分には自陣でのパスをカットされてピンチも招いたが、ディフェンス陣も慌てることなく対応。決定機は与えることなくしのぐと、8分、カウンターから柴山が持ち運び、ルーカス フェルナンデスとの連係でゴールに迫る。やや押し込まれた立ち上がりを経て、時間の経過とともにセレッソがボールを支配、試合の主導権を握り始めた32分、試合を動かす。中盤で香川真司が相手のパスをカット、吉野恭平、チアゴとつなぎ、ショートカウンターを発動。吉野のスルーパスを受けたチアゴが冷静に中の状況を見てパスを送ると、ファーから中に入ってきたルーカスが相手DFに倒されてPKを獲得。これをルーカスが自ら決めて、35分、セレッソが先制に成功した。勢いに乗るセレッソは38分にも決定機。柴山の浮き球のパスに対し、相手DFとの競り合いを制したチアゴがスピードで抜け出し、ドリブルで持ち運び、GKとの1対1を迎えたが、ニアのコースを狙ったシュートは広島の守護神、大迫敬介のビッグセーブに阻まれた。前半の終盤は広島の攻勢を受けたセレッソだが、体を張って守り、前半は1点リードで折り返した。
ハーフタイムに2枚代えで前線と3バックに変化を加えてきた広島だが、後半も最初のチャンスはセレッソ。49分、吉野のスルーパスに抜け出したチアゴが左サイドを突破、中に折り返したが、シュートにはつながらず。59分にもカウンターから好機。最後は前節に続き今節も1トップで先発した中島元彦が反転してシュートを放ったが、大迫に止められた。このあたりから広島にボールを握られ始め、自陣に迫られる時間が増えていったセレッソ。全体を押し下げられ、明確に耐えるべき時間帯が訪れた中で、64分、広島の左サイドからのクロスをGK福井光輝がはじいたセカンドボールを拾われ、川辺駿にミドルシュートを決められた。ただし、ここはクロスに反応した木下康介がオフサイドの判定でノーゴール。流れを変えたいセレッソは66分に2枚代え。ラファエル ハットンと阪田澪哉を投入し、前線にテコ入れを図った。ただし、72分、広島にFKから同点に追い付かれる。新井直人のキックをファーで折り返され、最後は木下に押し込まれた。直後のCKでは佐々木翔にヘディングシュートを浴びるなど、広島の勢いに飲まれかけたセレッソだったが、77分に決定機を作り、押し返す。ルーカスが高い位置でボールを奪い、そのままドリブルで持ち運び、ラストパス。完全に崩した形だったが、ハットンのシュートは再び大迫のビッグセーブに遭い、勝ち越しゴールとはならず。オープンな展開になった終盤は両チームに2点目のチャンスが訪れた中、後半アディショナルタイム、目安の8分に近づいた時間帯で阪田澪哉に決定機。この場面では、ルーカス、ハットン、中島、喜田陽とつなぎ、最後は喜田のパスをペナルティーエリア内で受けた阪田が得意の角度から巻いたシュートを枠内に放ったが、広島の日本代表CB荒木隼人にクリアされ、決勝点は奪えず。試合はこのまま1-1でタイムアップ。3つの決定機を阻まれたセレッソとしては、悔しいドローとなった。
「ここ数年、広島にはクラブとして悔しい思いをたくさんしている。個人的な感情というより、クラブとして、ファン・サポーターに勝利を届けたい」(香川)と強い思いで今節に臨んだセレッソは、開始直前のアクシデントにも動じず広島をあと一歩まで追い詰めたが、勝利とならなず。「両チームとも勝ちにこだわった試合をした。僕らのパフォーマンスも良かったが、この試合を決めたのは相手GKの質だったと思います」と総括したパパス監督の言葉が全てを物語った。決定機を止められたチアゴは、「相手GKを称えるしかない部分もありますが、自分の精度も上げていきたい」と振り返り、ハットンも「次の試合は勝つ」ことを誓った。8月の上位3連戦は2分1敗と勝利を掴むことはできなかったが、できたこと、課題として残ったこと、それらを全てを受け止め、9月以降の戦いにつなげていきたい。