Match Preview
- 8/23 神戸戦
- メディア
ホームに戻って迎えるヴィッセル神戸との大一番。前節は出し切れなかった攻撃的な姿勢を発揮し、王者相手にシーズンダブルを目指す
0-3で敗れた前節・FC町田ゼルビア戦から中6日。セレッソ大阪は、ホームに戻り、ヴィッセル神戸との明治安田J1リーグ第27節に挑む。
町田戦は開始から相手の勢いに押されると、22分、42分と失点を重ねた。後半こそ開始15分で3つの決定機を作るなど盛り返したが、GKの好セーブにも阻まれ追撃の1点を奪えずにいると、終盤に3失点目。完敗と言える内容で町田にシーズンダブルを許した。今週、週明け初日の練習後、アーサー パパス監督は、「勝っても負けても分析するのは大切なこと」と前置きした上で、「前節の前半は求めていた姿ではなかったが、それは自分に責任がある。町田のことを警戒し過ぎた。そうではなくて、自分たちに矢印を向けてやっていきたい。後半はよくはね返した。良かったところを伸ばして次節に挑みたい」と話した。敗戦の中でも次につながる要素としては、後半途中から出場し、セレッソでのデビューを飾った大畑歩夢の存在だ。高い位置を取って敵陣に進入すると、本間至恩とのコンビで左サイドの攻撃を活性化。出場すればホームデビューとなる今節へ向け、「選手同士の距離感を近くして、サイドから崩していきたい。1対1など守備でも競り負けないようにやって、攻撃のところで違いを出していきたい」と気持ちを高めている。チーム全体としても、「アグレッシブに前から守備をするのがセレッソの良さ。後ろからしっかり押し上げていきたい」と井上黎生人も話すように、町田戦では影を潜めた攻守に能動的な姿勢を発揮していくことが求められる。今節はチーム得点王のラファエル ハットンが出場停止だが、「彼の代わりにやってくれる選手は揃っている。チームとしてのやり方も統一できているので、問題なく戦える」とルーカス フェルナンデス。今シーズン、すでにキャリアハイの数字を残し、前節、J1リーグ通算200試合出場を達成した背番号77にかかる期待は大きくなりそうだ。
もっとも、相手が神戸ということを考えると、自分たちが主導権を握って戦い続けることは難しい。守勢に回った時間帯で、どれだけしのぐことができるか。それもまた今節のポイントになる。「前節も前々節も入りで失点している。入りで失点すると流れも悪くなる。しっかり集中したい」と井上。前後半の立ち上がりも含め、神戸が勢いよく来た時間帯でしっかりはね返すことも重要だ。また、神戸戦でカギになるのは、中盤でのセカンドボール争い。前線にロングボールを入れて、こぼれたところを拾って攻撃してくる神戸に対し、いかにセカンドボールで競り負けないか。その部分は試合の行方も左右する。前節は2点を追いかける後半から入り、デュエルで競り勝つシーンも見せた吉野恭平は、「中盤でファイトしている姿はチームの士気も上がると思うので、ファイティングスピリットを見せて盛り上げていきたい。神戸もそこをウリにしていると思うので、そこで負けないようにしたい」と今節へ向けた意気込みを述べた。そのあたりはチームの共通認識でもあり、「前節は球際でも負けていた。今節はチームとしてエネルギーを出して、全員で必死になって頑張って、上位に食らいつく勝点3を取りたい。戦う姿勢を出して、自分もゴールを狙っていく」と中島元彦も話す。大迫勇也、武藤嘉紀も復帰し、直近のリーグ戦では3試合ぶりに勝利を収めて2位浮上を果たした神戸。首位・返り咲きへ、今節も強い意気込みで向かってくると思われるだけに、セレッソとしてもそうした相手のパワーをはね返すパッションをピッチに落とし込みたい。
現在、10勝7分9敗の勝点37で9位に付けているセレッソ。シーズン終盤へ向け、中位から上位に加わっていくために、ホームで行われる今節は勝点3だけが求められる。前節・町田戦で出た課題を払拭し、再び勢いを加速させていくためにも、アウェイに続いてJ1リーグ連覇中の王者をホームで叩き、シーズンダブルを達成したい。
試合前日コメント
アーサー パパス監督
Q:ヴィッセル神戸の直近の試合、AFCチャンピオンズリーグエリートに出場する関係で前倒し開催となったJ1リーグ第30節は、奇しくもセレッソにとって神戸戦の次に対戦するサンフレッチェ広島との試合でした。その試合における神戸の印象は?
「僕らがこれから戦う2チームの試合でした。神戸について、すごく状態が良さそうです。いいプレーをされていました。警戒しないといけません」
Q:今節は、前節・FC町田ゼルビア戦で出し切れなかったことを発揮することが重要になる?
「そうですね。今週は選手たちからすごくハングリーな精神が見られました。勝とうとする意欲が練習中からも湧いていました。前節の敗戦が刺激になっていると思います」
Q:前々節の井上黎生人選手に続き、前節は大畑歩夢選手も起用されました。獲得した選手をすぐに起用することは、監督のポリシーでもありますか?
「その時のチーム状況にもよりますし、選手が合流した時の状態も考慮しますが、歩夢に関しては、チームとして左サイドバックがいない状況が続いていました。チームに合流してすぐに練習からいいプレーを見せていたので、起用する決断ができました」
Q:前節、J1リーグ通算200試合出場を達成したルーカス フェルナンデス選手について
「J1リーグ全体を見渡しても、今シーズン、彼が見せているプレーは数字にも大きく表れており、際立っていると思います。ハードワークできる選手ですし、経験値も高く、日本のフットボールをしっかり理解している強みもあります。まだまだ成長すべき点もありますが、残りのシーズンも活躍し続けて欲しいと期待しています」
ルーカス フェルナンデス選手
Q:前節の町田戦は悔しい敗戦になったが、そこから1週間、練習で見直した部分は?
「町田戦は自分たちの良さを出し切れず、本来の姿を見せることができませんでした。失点してからも、反発力を示すことができませんでした。ただし、そこから学ぶことも多かったですし、今週はミスを見直して、自分たちのサッカーをどんな場面でも出せるように準備してきました」
Q:相手は近年のJリーグを引っ張っている神戸ですが、そうした相手に対しても、やはりセレッソらしい攻撃的なサッカーを仕掛けていくことが勝利には欠かせない?
「そうですね。前節、負けたからと言って、チームのやり方を変えることはありません。自分たちがシーズン当初から信じているスタイルがあります。全員が同じ方向を向いていますし、信じてやっているので、それを貫いていくことが大事です。できるだけミスを減らして、チャンスを多く作り、それを活かしていきたいです」
Q:今節はラファエル ハットン選手が出場停止です。もちろん、他の日本人選手とも連係は取れていると思いますが、彼の不在をどう補う?
「終わったことなので、言っても仕方ないですが、前節、彼が受けたイエローカードは納得できませんでした。ただ、今節に関しては、彼の代わりにやってくれる選手は揃っていますし、チームとしてのやり方も統一できているので、問題なく戦えると思います」
Q:チアゴ アンドラーデ選手について。シーズンを重ねるごとに適応し、活躍度も増しています。何か彼にアドバイスされたことはありますか?
「当初から、持っている能力は高いと思っていました。ただし、自分もそうでしたが、日本に来て、すぐに環境に適応することは簡単ではありません。どうしても時間はかかります。彼に伝えたことは、『とにかくやり続けること。うまくいかなくても、我慢強くやり続けること。時間が経てば経つほど、パフォーマンスは上がっていく』ということです。これからもそうした姿勢が大事になると思います」
Q:前々節は井上黎生人選手、前節は大畑歩夢選手がセレッソでの初出場を果たしました。新加入の選手と試合ですぐに合わせていくことは大変ではないですか?
「いえ、全く問題ありません。チームとしての決まり事、やるべきことは決まっていますので、全く問題ありません。監督が起用するタイミングも、いいなと思っています。ハットン選手の質問の答えとも重なりますが、誰が出ても素晴らしいパフォーマンスが出せる状況にあると思います」