Match Review
- 8/16 町田戦
- メディア
上位浮上を果たすため、リベンジを期して臨んだFC町田ゼルビア戦は、前半に2失点、後半に巻き返すも追撃のゴールは生まれず、0-3で完敗
試合データ(選手・監督コメント/スタッツ)
https://www.cerezo.jp/matches/result/2025081604/
リーグ戦3試合ぶりの勝利を手にした前節・アルビレックス新潟戦から中4日。セレッソ大阪は、アウェイに乗り込み、FC町田ゼルビアとの明治安田J1リーグ第26節に挑んだ。スタメンは新潟戦から2人変更。柴山昌也と本間至恩が外れ、ラファエル ハットンとチアゴ アンドラーデが先発した。
ワイドに張り出す町田の右ウィングバック、望月ヘンリー海輝へのロングボール対策として、今節のセレッソは、ボール非保持の際は田中駿汰がDFラインに下がって3バックを形成する[5-4-1]を採用。「(相手は)大外に余る選手がいるので、(後ろを)5枚で揃えて、(サイドに)振られた時に、すぐ相手のウィングバックに対応できるようにすることが狙いでした」と試合後にアーサー パパス監督は意図を語った。これまでも3バックの相手に対し、何度もウィングバックに痛い目に遭ってきた。特に望月は192cmと長身で、奥田勇斗がスライドして対応するには、分の悪さも否めない。それだけに対策としては十分に理解できた。ただし、試合開始からディフェンスラインが下がり過ぎ、必要以上に撤退守備で構える形になった。必然的に、前線からのプレスはかからず、町田に容易にボールを運ばれ、セレッソは守勢に回ることを余儀なくされた。8分にネットを揺らされたシーンはオフサイドの判定に救われたが、22分に失点。警戒していた相馬勇紀の突破からクロスを上げられると、戻って対応したチアゴのクリアが不完全になったところを拾われ、ナ サンホに強烈なミドルシュートを決められた。この場面でも全体が下がり過ぎ、寄せが遅くなった。35分の中山雄太のミドルシュートは古巣対戦となったGK福井光輝が好セーブでしのいだが、42分、昌子源の1本の縦パスから林幸多郎に決められ2失点目。堅守を誇る町田に対し、前半で2点のビハインドという苦しい展開になった。前半は攻撃でも、「取った瞬間、トランジションで後ろが重くなってしまい、前へ前へという推進力が出せなかった」と畠中槙之輔。ボール保持の際は通常の[4-2-3-1]で、この試合はトップ下で先発した中島元彦が2本のシュートを放って気を吐いたが、“パパス・セレッソ”らしいアタッキングの色を出せないまま、前半45分が終了した。
2点を追いかける後半、パパス監督は中島と喜田陽に代えて香川真司と吉野恭平を投入。戦い方も普段のやり方に戻した。セレッソが攻めるマインドになり、2点をリードした町田が引いたこともあり、後半の立ち上がりはセレッソが猛攻を仕掛ける。53分、吉野が高い位置で奪い、田中が素早く前に付けると、ハットンがチアゴとのワンツーで抜け出し、決定機を迎えたが、シュートはGK谷晃生に防がれた。続くCKからも決定機。ショートコーナーで変化を付けると、チアゴ、香川、田中とつなぎ、再びハットンにチャンスも、今度はDFにブロックされた。60分にもルーカス フェルナンデスのスルーパスを受けたハットンにチャンスも、再びGK谷のセーブに遭う。「後半は良い反応が見られました。3つ大きなチャンスもありました。試合展開として、1-2にもっていけたら違う試合にできたと思います」とパパス監督も振り返ったように、1つ決めれば試合の行方は分からなかったが、ここを町田にしのがれると、64分には、長身のオ セフンと仙頭啓矢が交代でピッチに入る。すると79分、相馬のクロスをオ セフンに決められ3失点目。勝負を決定付けられた。それでも、セレッソも状況を打開すべく最後まで懸命にプレー。特に、3失点目を喫する前に入った本間と大畑歩夢、左サイドに入った2人の縦関係で崩しを試みる。この試合がセレッソでのデビュー戦となった大畑は、「狭いスペースでも2人で連係を取りながら打開していくことは得意。それはこれからも出していきたい」と今後に期待が持てるプレーを見せた。87分には、フェルナンデスに代わって阪田澪哉もピッチに入る。後半は再三、町田のゴール前まで迫ったが、1点が遠かった。
前回対戦から約4ヶ月。その間、リーグ戦では12試合で勝点24を獲得するなど、当時からの成長をぶつけたい一戦だったが、試合前に指揮官がポイントにも挙げたデュエルでも「負けるシーンが多かった」(パパス監督)と、公式戦10連勝と無類の強さを見せる町田の勢いを痛感する形で完敗に終わった。もっとも、下を向いている時間はない。「次はヴィッセル(神戸)で、その次はサンフレッチェ(広島)。(町田と)同じようなチームが続くので、チームとしてどうこの負けを生かすか。同じことを繰り返さないことが大事ですし、今日の敗戦を受け入れてやっていくしかない」と香川。強度の高い相手が続く8月。今節の学びを次節以降に生かしたい。