Match Review
- 7/16 徳島戦
- メディア
徳島ヴォルティスとの天皇杯3回戦は、前半は苦戦も後半にギアを上げて2得点。守備でもクリーンシートを達成、ラウンド16進出を決める
試合データ(選手・監督コメント/スタッツ)
https://www.cerezo.jp/matches/result/2025071611/
明治安田J1リーグ第23節・ガンバ大阪戦から中10日。鳴門・大塚スポーツパーク ポカリスエットスタジアムで行われた徳島ヴォルティスとの天皇杯3回戦に臨んだセレッソ大阪。先発はガンバ戦から7人変更。本間至恩とディオン クールズが加入後、公式戦初先発を果たし、奥田勇斗が左サイドバックに、ヴィトール ブエノが1トップに入る4-2-3-1でスタートした。
強風が吹きつける中、前半は風上に立ったセレッソは、開始7分にビッグチャンス。前から柴山昌也、喜田陽、本間と連動したプレスで相手センターバックのミスを誘うと、ゴール前でブエノに絶好機が訪れたが、シュートは打ち切れずにパスを選択。惜しくも得点につなげることはできなかった。その後もボランチの喜田を中心にボールを握って敵陣へ進入していくと、10分にもチャンス。柴山のCKをニアでクールズが巧みに合わせたが、ゴールとはならなかった。入りこそ悪くなかったセレッソだが、その後は球際の攻防で選手が痛むシーンも増えるなどプレーも途切れがちになり、徳島の守備に対して攻撃でリズムを掴めないまま時間が経過。パスのテンポも上がらず、前半はシュート1本に終わった。「チームとしても個人としても思うようにゲームに入れなかった」と試合後に吉野恭平も振り返ったように、どちらかと言えば徳島のペースと言える前半だったが、39分に与えた徳島の好機ではGKキム ジンヒョンが好セーブ。守備では隙を見せず、0-0で折り返した。
攻撃の形を作れなかった前半を経て、後半に向けてチームはロッカールームで課題を整理。「ハーフタイムにみんなでコミュニケーションを取って、『もっとテンポを上げていこう』という話をしました」(キム ジンヒョン)、「ハーフタイムでは『距離感が良くない』という話も出ていました。距離感を縮めるように、後半は僕自身も前めにポジションを取ろうと心掛けました」(吉野)。攻撃のギアを上げて得点を奪うべくピッチに入ると、後半は入りから立て続けに好機を作る。47分、本間が深い位置まで入って中にクロス。柴山が合わせてゴールに迫ると、56分にはこの試合、最初の決定機。両サイドから分厚い攻撃を仕掛けると、最後はルーズボールに反応した本間が右足でダイレクトボレー。枠に向かったが、惜しくも相手DFのクリアに阻まれた。続く57分には2度目の決定機。喜田、吉野、柴山とつないで中央を割ると、最後は柴山のパスから左サイドを抜け出した本間のクロスに逆サイドから走り込んだルーカスが右足アウトで上手く合わせたが、GKの好セーブに防がれた。60分にも決定機。奥田のパスで左サイドの背後を取った本間がドリブルからシュート。ここはDFのブロックに遭うも、サポートした奥田のシュートが無人のゴールへ向かったが、カバーに入ったDFにクリアされた。ただし、この試合4度目となる次の決定機で先制に成功。相手FWのトラップが大きくなり、こぼれたところを拾った吉野がドリブルで運んで丁寧にラストパス。抜け出したルーカスがGKとの1対1を制して対角に叩き込み、見事にネットを揺らした。後半開始から圧巻の畳みかけを見せた攻撃が先制点に結びついた。
ここから両チーム、リーグ戦で主力を張っている選手たちが続々とピッチに入っていく。その中でセレッソは85分に背後を取られかけたが、西尾隆矢が戻ってカバー。相手のスピードにうまく対応、いい状態でシュートを打たせない素晴らしい守備を見せた。すると87分、試合を決定付ける2点目が決まる。田中駿汰のパスが相手GKとCBの中間地点に落ちると、ラファエル ハットンが猛然とプレス。GKのキックを足に当ててボールを奪い、そのまま無人のゴールへ流し込んだ。終盤は徳島のセットプレーもしっかり防いだセレッソがこのまま2-0で勝利。前半こそ苦戦したが、終わってみれば複数得点とクリーンシートを達成。J1の貫禄を見せ付けて、ラウンド16進出を果たした。