Match Preview
- 6/4 横浜FC戦
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ルヴァンカップ プレーオフラウンド第1戦。横浜FCにリーグ戦での借りを返すとともに、ホームで先手を取り、アウェイでの第2戦につなげたい
リーグ前半戦、最後の試合となった明治安田J1リーグ第19節・清水エスパルス戦から中2日。セレッソ大阪は、次なる戦い、横浜FCとのJリーグYBCルヴァンカップ プレーオフラウンド第1戦に臨む。プライムラウンド進出を懸けてホーム&アウェイ形式で行われるプレーオフラウンド。まずはホームでしっかり勝って、いい形でアウェイでの第2戦につなげたい。
ノックアウト形式で行われた1stラウンドを振り返ると、1回戦はカマタマーレ讃岐に5-1で勝利。チアゴ アンドラーデ、ラファエル ハットン、ルーカス フェルナンデス、ヴィトール ブエノとブラジル人カルテットが揃い踏みし、上門知樹がトドメの5点目を決めた。2回戦のFC今治戦は、ブエノ、ジャルンサック ウォンコーンのゴールで2点を先取するも、その後は一度逆転を許す。しかし、香川真司のPKで追いつくと、延長後半に奥田勇斗のミドルシュートで勝ち越して、4-3で勝利した。京都とのJ1チーム同士の対戦となった3回戦は、開始10分に不用意なミスから先制されたが、後半に一挙4得点。「ミスもありましたが、下を向かずにしっかりと後半に4点を取ったことは、誇り高き活躍だったと思います」とアーサー パパス監督も選手を称える快勝を収めた。リーグ戦では出場機会が少ない選手たちで構成されることも多いカップ戦だが、指揮官の求める攻撃的なスタイルをしっかりと発揮し、様々な選手が得点を取れていることは、チームの成熟度の高さを物語る。今回の一戦も、公式戦9連戦の6戦目であり、直近の清水戦から中2日という日程を考えると、清水戦から先発を大幅に入れ替えることが濃厚。「普段、なかなか試合に絡めていない選手は、この試合に大きなモチベーションと、自分自身を証明することに燃えています」と香川も話すが、そうした意欲が、チームのさらなる力になる。ピッチに立つ全員が相乗効果で高め合っていく姿に期待したい。
5月以降、公式戦は6勝1分1敗と調子を上げているセレッソ。「3月、4月に出ていた課題を修正しながら、チームとして大きく成長していることは感じています」と香川も手応えを語る。その3月に行われた明治安田J1リーグ第6節、敵地での横浜FC戦は、ボールは握るもチャンスを作り切れず、前後半に1失点ずつを喫して敗戦。今季ワーストに近い内容を演じてしまった。だからこそ、「そこから修正してきたことを示す意味でも、明日はしっかり戦いたい」と指揮官も意欲を燃やす。ポイントは、攻撃では、横浜FCが固めてくる守備をいかに打ち崩すか。守備では、前線でターゲットになる相手のFWをしっかり抑え、起点を作らせないこと。ウィングバックに仕事をさせないことも含め、3バックのチームに対する戦績の悪さも克服していきたい。
振り返ると、昨シーズンはプレーオフラウンドで敗退し、ルヴァンカップのタイトルが潰えた。ここから先は、昨シーズンを超えていく戦いであり、1戦1戦が頂点へとつながる道でもある。「クラブとして、何かを勝ち得るという野心を見せたい。いいチーム、で終わることなく、結果を残すチーム、でありたい」(パパス監督)。「勝つことに対する執着が、今のチームからは感じられるので、それを継続していきたい」(香川)。指揮官と重鎮が声を揃えるように、現在のチームは勝利に対する飽くなき思いが非常に強くなっている。日程はタイトだが、チームの総力を結集させ、一人一人のモチベーションをプレーに変えて、ヨドコウ桜スタジアムで勝利を掴みたい。
試合前日コメント
アーサー パパス監督
Q:ここまではノックアウト方式だったが、ここからはホーム&アウェイでの戦いになります。戦い方やマネジメントで、何か変化はありますか?
「ここまでやってきたことを変えずにやっていきたいと思います。就任してから出来が悪かった試合を振り返ると、(第6節の)横浜FC戦だったと思います。そこから修正してきたことを示す意味でも、明日はしっかり戦いたいと思います。あとは、クラブとして、何かを勝ち得るという野心も見せたいです。ずっと言ってきていますが、いいチーム、で終わることなく、結果を残すチーム、でありたいと思います」
Q:リーグ戦で敗戦した当時からチームも成長していますが、あの試合から教訓にしたいことは?
「アグレッシブさ、フィジカル的な向上は、あれから凄く求めてきたところなので、そこは成長したと思います。これまで通り、ゴールに向かっていく姿勢をしっかりと維持しながら、勝ちに結びつける戦いをしたいと思います」
Q:横浜FCの強みは、どこにあると考えていますか?
「前線にはターゲットになる強い選手がいますし、フィジカル的にも強いチームだと思っています。ただ、僕らも自信をもって、ここ数ヶ月やってきたことを相手にぶつけるだけなので、ブレずに戦いたいと思います」
Q:北野選手が海外へ旅立ち、アタッカー陣の競争意識も増していると思います。期待する選手は?
「選手たちが示していることを見て、メンバーを選びたいと思います。今年の結果を見ていただいても分かるように、10人以上の選手が点を取っています。特定の選手に頼らず、自分たちの攻撃の形をしっかり示すことが大事になります」
Q:まさにリーグ戦では11人、カップ戦も合わせると15人がゴールを取っています。今シーズン、取り組んできた攻撃面での手応えはいかがですか?
「後方からのサポートもあり、しっかりといい形でゴールに迫れていると思います。ここまで公式戦では1試合平均約2点を決めています。自分自身、攻撃的に戦い、点を取ることは好きですし、それを表現できていることが今のチームの強みになっています。これからもサポーターの人たちが笑顔になれるように、魅了できるように、得点を重ねていきたいです」
香川真司選手
Q:ここまで、ルヴァンカップを含めて15人の選手が得点を決めています。開幕前からチームとしても攻撃的なサッカーを掲げていた中で、実行できていることについて
「監督もシーズン前から言っていたのは、『全員で点を取る』と。攻撃の選手はもちろん、ボランチもそうですし、セットプレーではディフェンスラインの選手もそうです。その意識は監督からも、口酸っぱく要求されてきました。点を取るためにはペナルティーエリアに入っていかないといけないですし、選手同士のつながりも大事です。そのための日々のトレーニングが結果にも表れているので、そこはチームの強みになっています。(決定機を決めることができずに)勝ち切れていない試合もありますが、着実にチームは成長しています。特に5月以降、3月、4月に出ていた課題を修正しながら、チームとして大きく成長していることは感じています。いい勝ち方も最近はできていますが、継続することが大事です。満足することなく、もっと上を目指していきたい。勝つことに対しては、監督も常に求めていることなので、それもチームにいい影響を及ぼしていると思います」
Q:連戦で日程面での厳しさはある一方、選手全員がモチベーション高く、目の前の試合に臨めている印象です。選手一人一人の意識について、どのように感じていますか?
「みんながいい準備をして、ここ数試合もそうですが、途中出場の選手が数字を残しています。チームとして、いい状態にあると感じています。明日もメンバーの入れ替えもあると思うので、大きなモチベーションで臨めると思います。継続してやり続けていく意欲がみんなにあるので、それをピッチで表現したいです」
Q:これまでのルヴァンカップもリーグ戦からメンバーを変えながらしっかりと勝ち切ってきた流れがありますが、明日のチームで見せたいことは?
「何より勝つために、一人一人が持っている力を最大限に発揮することが重要です。普段、なかなか試合に絡めていない選手は、この試合に大きなモチベーションと、自分自身を証明することに燃えています。もちろん、試合に出続けている選手も、そういう姿を見て、大きな競争意識になります。それがいい形で融合できれば、明日も素晴らしい試合を見せることができると思います。必ずホームで勝ちたい。その気持ちしかありません。勝つことに対する執着が、今のチームからは感じられるので、それを継続していきたいと思います」
Q:横浜FCにはリーグ戦で敗れています。内容的にも今季ワーストに近い試合だっただけに、そこからの成長、チームの現在地を示せる試合にもなるのでは?
「ほんとその通りで、僕たちはアウェイで不甲斐ない試合をして負けていますので、同じ失敗は繰り返せないですし、まず明日の第1戦、ホームで戦えるメリットを存分に生かして、しっかり勝ちたいと思います」
Q:守備意識の高い横浜FCから点を取るために大事になることは?
「自分たちを信じてやり続けられるか。ここ数試合、やり続けることで数字や結果にも表れているので、明日も同様にやり続けることが大事です。横浜FCも攻守においてアグレッシブでハードワークするチームなので、間違いなく簡単な試合にはならないと思っています。ただ、自分たちがやるべきことを、チームとして、個人として、しっかり整理できていれば、必ず内容、結果ともに見せられる自信はあります。自分たちがやるべきことをしっかりやれば、自ずと内容も結果も付いてくると信じています」
Q:個人としても充実している様子が見られます。まだまだ成長したい意欲をもってトレーニングに取り組まれていると思いますが、経験を積んだ今でも、もっと伸ばしたい、表現したいと思っている部分は?
「一番は、試合に出て勝つことです。そういう責任がある立場だと、当然ながら認識しています。勝つために、攻守において、どう試合をコントロールするか。今のポジションはボランチなので、そこは意識しています。個人に課題を課すとすれば、数字。得点やアシストをするために、ゴール前に入っていくタイミングを自分の中で作り出していかないといけない。そのタイミングをチームの中で落とし込めているかという部分では、個人で証明していくしかないので。そこの勇気やアグレッシブな姿勢は、自分の中で、マインドとして持っておかないといけないと、自分の中でも意識しています」