Match Review
- 6/1 清水戦
- メディア
リーグ前半戦、最後の試合は4-2で快勝!今節が“ラストマッチ”となった北野颯太も笑顔で送り出す
試合データ(選手・監督コメント/スタッツ)
https://www.cerezo.jp/matches/result/2025060102/
前倒しでの開催となった浦和レッズとの明治安田J1リーグ第22節から中3日。セレッソ大阪はホームに戻り、清水エスパルスとの明治安田J1リーグ第18節に臨んだ。今節がリーグ前半戦としては最後の試合。ここまで五分の成績を残しているセレッソとしては、勝ち越して終えたい一戦となった。先発は浦和戦から3人変更。登里享平、香川真司、柴山昌也が外れ、髙橋仁胡、中島元彦、北野颯太が入った。システムは前節に続いて4-2-3-1。
攻撃的な戦いを志向する両チームの一戦は、いきなりスコアが動く。4分、清水の山原怜音に豪快な直接FKを決められ、清水に先制を許した。ただし、5月の公式戦では3度の逆転勝ちを収めたセレッソにとって、1点のビハインドは関係ない。直後の10分、相手DFのパスをカットしたルーカス フェルナンデスがドリブルで持ち運び、後ろから追い越してきた北野颯太へパスを送ると、ペナルティーエリア内で北野が倒されてPKを獲得。北野自身が蹴ったキックはGKに止められたが、直後のCKから同点に追いつく。ルーカスのキックにニアで合わせたのは髙橋。「結構、珍しい(笑)」と自身でも振り返るセットプレーからのヘディングで、J1初ゴールを決めた。畳み掛けるセレッソは、18分、再びCKからネットを揺らす。ルーカスのキックに、次に合わせたのは中島。「ボールが良かったので、普通にジャンプしたら勝てました」と振り返る一撃がGKをはじいてゴールに吸い込まれた。短時間で逆転に成功したセレッソは、以降の前半は完璧に試合を支配。前線4人が何度も相手陣内に進入すると、41分、43分には連続してCKから決定機。さらに圧巻は44分。相手のクリアを高い位置で中島がカットし、前線へつなげると、ハットンが頭と足で相手DFを巧みにかわし、最後はGKのニアを撃ち抜く超絶ゴラッソを叩き込んだが、わずかにオフサイド。「決まっていれば、自分のキャリアの中でもベストのゴールでした」と自身も振り返った“年間ベスト”級の一撃だったが、VAR判定の結果、惜しくもノーゴールとなった。
ハーフタイムに2枚代えを行った清水に対し、後半の立ち上がり、セレッソは守勢に回る。52分には、乾貴士のスルーパスからカピシャーバに決定機も、シュートはわずかに枠を外れた。すると、直後にセレッソが3点目を奪う。54分、畠中槙之輔の縦パスを受けた北野が相手CBを巧みなタッチでかわしてスルーパス。中央を抜け出したハットンがドリブルで突き進み、GKとの1対1を豪快に沈めた。この1点で心理的にも優位に立ったセレッソは、70分に試合を決定付ける4点目。再び畠中を起点に喜田陽、北野と縦につなぐと、北野がターンして前を向き、ドリブルから前方のルーカスへパス。受けたルーカスはDFに囲まれながらもフィニッシュへつなげ、巧みなシュートをゴール右上に決めた。今節を最後に「海外クラブへの移籍を前提とした準備のため、チームを離脱すること」が発表された北野にとっては今節がセレッソでのラストマッチとなったが、前半のPK失敗を取り返す2アシスト。ここまで磨いてきた狭いエリアでボールを受けて前を向く技術、俊敏性を発揮する見事なプレーを披露した。89分に1点を返されたセレッソだが、4-2で勝利。リーグ前半戦のラストを良い形で締めくくるとともに、希望に燃える若者を笑顔で送り出すことに成功した。
試合後は北野の壮行セレモニーも行われ、想いのこもったスピーチに対し、スタジアムからは大きな拍手が送られた。香川真司、上門知樹、阪田澪哉の3選手からは花束を手渡され、チームメイトから胴上げも。その際、北野と同い年で仲の良かった阪田が号泣。厚い友情を感じさせる一幕もあった。最後にスタジアムを周回し、ゴール裏の前でチャントが送られた際は、北野の目にも涙。「セレッソがより好きになりました。また帰ってきたいクラブです」と話すとともに、「すぐには帰ってきたくないので、欧州で結果を出して、日本代表にもなって、もっと成長して帰ってこられたら帰ってきたいです」と決意表明も。スクールからの桜育ち、多くの指導者、仲間、サポーターから愛情を注がれて成長し、掴み取った海外への道。セレッソ大阪に関わる全ての人が、その成功を願っている。桜魂を胸に、欧州でも頑張れ、颯太!