Match Review
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好機で仕留め切れず、無念の敗戦。4連勝で上位浮上はならず、次節にホームで仕切り直し
試合データ(選手・監督コメント/スタッツ)
https://www.cerezo.jp/matches/result/2025051801/
3連勝を飾った前節の横浜F・マリノス戦から中6日。セレッソ大阪は、敵地に乗り込み、川崎フロンターレとの明治安田J1リーグ第17節に臨んだ。先発は前節と同じ11人。ベンチには、前節は欠場した中島元彦も戻ってきた。
立ち上がりは川崎にボールを握られ、守勢に回る入り。出足の良い川崎に即時奪回も許して自陣に押し込められる。それでも、昨シーズンのアウェイでは苦しめられたマルシーニョに対しては、奥田勇斗と進藤亮佑でフタをして仕事をさせない。次第にセレッソもボールを握り返し、攻めに転じ始めると、10分にチャンス。喜田陽のパスから髙橋仁胡が左サイドの背後を取り、鋭いクロスを入れたが、中の上門知樹とラファエル ハットンには合わなかった。12分にもハットンが斜めの動きで起点を作り、サポートした髙橋のクロスに上門がシュート。ここはDFに防がれたが、左サイドから打開を図る。立ち上がり以降は守備も安定して試合を運ぶと、25分に決定機。相手のプレスに対し、奥田、喜田、ハットンとつないで前進に成功すると、ハットンがドリブルで持ち運び、右サイドを突破。崩した形で中にクロスを入れると、ルーカス フェルナンデスがフリーで合わせたが、シュートはDFにブロックされた。30分以降は再び川崎にボールを握られ、押し込まれる展開に。39分には、自陣でボールを失い、この試合初めて川崎に決定機を作られたが、山田新のシュートは枠を外れて事なきを得た。43分には、CKから再び山田に決定的なヘディングを許したが、今度はGK福井光輝がビッグセーブ。失点は防いだ。前半はこのまま0-0で終了。互いに自分たちの時間を作りながら、決定機は少ない展開で折り返した。
後半に入り、試合は動き始める。最初にチャンスを作ったのはセレッソ。48分、奥田と上門で右サイドを崩すと、上門のクロスにハットンがシュートもDFにブロックされた。52分、54分には立て続けに川崎に決定機を作られたが、前者は福井がビッグセーブ、後者も福井のセーブと畠中慎之輔のカバーで得点は許さない。57分、アーサー パパス監督は2枚替え。上門と喜田に代えて、北野颯太と中島元彦を投入し、より前への推進力を高めていく。守護神と守備陣の奮闘に応えたい攻撃陣は、この2分後、香川真司が起点となり、中島の縦パスを受けた北野が胸トラップから思い切り良くシュート。枠は外れたが、ゴールへの姿勢を前面に出していく。60分にもセレッソにビッグチャンス。再び香川を起点に右サイドを崩すと、奥田のクロスにハットンが競り、こぼれ球を拾ったルーカスから髙橋に渡り、髙橋がシュートを放つもクロスバーを越えた。67分、70分にも波状攻撃を仕掛けたセレッソ。2枚替えで流れを掴んだこの時間帯で、何とかゴールをこじ開けたかったが、川崎の堅い守備を破れずにいると、ここからは交代で入ってきた川崎の選手たちの勢いにも押され始める。スコアこそ0-0のまま終盤まで進んだが、どちらにも得点の匂いが漂うと、84分にはセレッソにビッグチャンス。GK福井のロングキックに抜け出したハットンが収めて中島とのワンツーで川崎のゴール前に進入。最後は中で待つ北野にクロスを入れたが、狭いコースを通すことができず、フィニッシュで完結できず。この後、再び2枚替えを行ったパパス監督。ハットンと奥田に代えて、チアゴ アンドラーデと阪田澪哉を投入。チアゴはそのままハットンのいたワントップに入った。ただし、直後に失点。自陣左サイドで髙橋がチアゴに通そうとしたパスをカットされると、ショートカウンターを食らい、最後は背後に抜け出されたエリソンに決められた。すると3分後に追加点を許す。相手DFラインからエリソンに出たロングボールに対し、畠中と進藤が跳ね返せずに間を割られると、エリソンに体ごと頭で押し込まれ、ネットを揺らされた。この場面で前に出てきたGK福井の顔面とエリソンの腕が衝突。福井は額を切るアクシデントに見舞われた。2点差になっても諦めずに反撃したセレッソは、ルーカスやチアゴがゴールに迫るもシュートやクロスに正確性を欠き、ゴールは奪えず。このまま0-2で敗れた。
前半終了間際と後半立ち上がりのピンチをしのぎ、後半の中盤は流れを掴んだだけに、何とかそこで1点をもぎ取り、勝点3につなげたい展開ではあったが、川崎の守備を崩すことができず、最後はこちらが与えた隙を決められ敗戦。「試合の中盤まではうまく耐えながら戦えていた部分もありましたし、どっちに転んでもおかしくない試合」(香川)だったことは間違いなく、「下を向く必要はない」(奥田)敗戦ではあった。その上で、自陣に押し込まれた際の逃げ方、「崩し切った後のクロスや最後のパス」(奥田)の精度は高めていく必要がある。4連勝はならず、悔しさは募るが、引きずる必要はない。次なる公式戦は、中2日でJリーグYBCルヴァンカップ1stラウンド3回戦の京都サンガF.C.戦。リカバリーに務め、チームの総力を結集させて挑みたい。