Match Preview
- 5/11 横浜FM戦
- メディア
3試合ぶりにホームに戻って迎える今節。今季初の3連勝を達成し、上位進出を目指す
王者の庭で逆転勝ちを収めた前節のヴィッセル神戸戦から中4日。セレッソ大阪は、3試合ぶりにホームに戻り、横浜F・マリノスとの明治安田J1リーグ第16節に挑む。中4日を含めると、今節は8連戦の8戦目。日程はタイトだが、直近2試合と同様、チーム一丸で戦い、今季初の3連勝を狙う。
2点をひっくり返して逆転勝ちを収めた前々節の京都サンガF.C.戦に続き、前節の神戸戦も、45分に先制されながら前半の内に追い付くと、後半に勝ち越しゴール、ダメ押し点と2点を追加しての逆転勝ち。メンバー、システムと様々な変更も行いながら、総力で掴み取った大きな連勝となった。京都戦ではキャプテンマークを巻いた畠中槙之輔は、「言葉は悪いですが、新参者が巻いてもいいのか…とも思いましたが(笑)、周りの選手が支えてくれて、サポーターの方も後押ししてくれました。そのおかげで、0-2から逆転できたと思います。キャプテンどうこうではなく、チームとして勝てたことが嬉しかったです」と話し、「勝つためには泥臭くやらないといけないこともあります。監督が柔軟に戦うアイデアを示してくれたことはリスペクトできますし、それも選手のことを考えた上での(システム)変更でもあったので、選手ファーストで考えてくれているありがたみも感じています」と指揮官との絆も深まった様子だった。神戸戦でキャプテンマークを巻いて奮闘した香川真司も手応えを感じている。「メンバーが代わりながら、チーム全員が結果を残して勝ち切ったこと、アウェイで逆転勝利を2試合続けたことはチームにとって大きかった。特に連覇中で勝負強い神戸にアウェイで勝ったことは本当に大きな力になりました。選手にとっても、チームにとっても、勢いに乗れる勝利だったと思います」と前節を振り返り、「途中出場の選手が結果を出したことも素晴らしかった。戦い方としても、理想だけではなく、泥臭く、執念深く、4バックでも、5バックでも、6バックでも、勝つためにやることが一番大事。そのために戦い方でいろんなオプションを持てたことは良かった」と、チームに広がった幅、勝ちへの執念を見せたチームの成長を称えた。その上で、「これに満足することなく、次の試合も全力を尽くして、1試合1試合やっていかないといけない」と引き締めた。
今節の相手、横浜FMは現在、リーグ戦ではわずかに1勝で最下位に低迷。名門が難しい時期を過ごしている。ただし、そこに油断が入り込む隙はない。何より横浜FMで2シーズン、(ヘッド)コーチを務めたアーサー パパス監督が、彼らの実力は誰よりも熟知している。新監督に就任したばかりのパトリック キスノーボ監督とは出身が同じオーストラリアのメルボルンということで、「8歳、9歳の頃から知っている」幼馴染ということだが、「相手のことは関係なく、勝利だけを目指します」とキッパリ語る。「勝てばさらに上の順位を目指せます。自分たちもそこに対して大きなモチベーションがあります」と今節に向けた意気込みを話すのは、前節、今季5点目を決めたラファエル ハットン。指揮官も「プロフェッショナルなアスリート」と高い評価を与える背番号9が躍動すれば、チームも勝利に一気に近づく。昨日、家族も来日し、「さらに大きなエネルギー」が加わったストライカーの活躍に期待したい。6年半を過ごした古巣と初対戦となる畠中も、気合いが入っている一人。「メンバーも知っている選手がほとんどですし、楽しみ、の一言。やっているサッカーは昨季までとは違っているのかなと思いますが、どんな状況でも勝利を目指して戦ってくるチームであることは変わらないので、油断はありません。真剣勝負ができたらいいと思います」と腕を撫す。
冒頭にも記したが、今節は8連戦の8戦目。チームとしては、引き続き総力戦になる。「『出るぞ』と呼んだ時にすぐ出れる準備は常にしておいて欲しい。いつでもピッチで貢献できる準備は常にしておいて欲しい」と指揮官も選手全員にいつでも臨戦態勢を取れるよう促している。巻き返しに燃える横浜FMはコンディションも万全。その差を少しでも埋めるためには、選手を後押しするサポーターの力も大きい。ヨドコウ桜スタジアム全体で一体となり、相手を圧倒する雰囲気を作りたい。今季初の3連勝を果たし、上位進出を目指す。
試合前日コメント
アーサー パパス監督
Q:中4日を含めると、今節が8連戦の8戦目です。力を出し切る試合になる?
「先月もそうでしたが、5月、6月もスケジュールはタイトです。ただし、その中でもしっかりとコンディションを管理することが僕たちの仕事です。抱えている人数は少ないですが、どうやり繰りするか、試されています。選手たちのメンタリティーは凄くいいです。出た選手がしっかりと結果を残している現状があります」
Q:19シーズン、20シーズンと、コーチ、ヘッドコーチとして過ごした横浜F・マリノスとの今節に向けて
「知っている選手は多いですし、いい選手ばかりです。過去6年間で2回優勝しているクラブであり、難しい試合になるとは思いますが、違いを出してくれる特別なサポーターの力も借りながら、ホームで勝点3を取りたいです。彼ら(横浜FM)の歴史の一部に関われたことは嬉しいですが、今はセレッソ大阪の監督です。相手のことは関係なく、勝利だけを目指します」
Q:横浜FMは監督が代わった中で、出方が予想し辛い部分もあると思うが?
「相手の監督は代わりましたが、(パトリック キスノーボ監督のことは)8歳、9歳の頃から知っているので、どう戦ってくるか少し予想は付きます。もちろん、相手にどう対応するかも必要ですが、それ以上に大事なことは、自分たちの形をどれだけ出せるかです」
Q:「8歳、9歳の頃から知っている」というのはどういう関係ですか?
「オーストラリアのメルボルンという、育った場所が同じです。人間的にもコーチとしても素晴らしい人ですが、日曜日だけは、いいコーチにならないで欲しいと思います(笑)」
Q:直近2試合は3バックを採用しましたが、決断に迷いはなかった?
「難しくはなかったです。選手一人一人を生かすことを考えることが自分の仕事ですし、誰がどういう役割を果たせるか、考えた結果です。何より選手たちが役割を発揮してくれたことが一番大きかった。この2試合は3バックで戦いましたが、次はホームなので、4バックに戻すかどうかも含め、しっかり考えたいと思います。いずれにしても、システム以上に大事なことは、メンタリティーです。京都も神戸も強いチームです。その相手から3点ずつ取れたことは、システムに関係なく、攻撃するというアグレッシブなメンタルがブレなかったことが大きいです。その中で、しっかりと勝利を求めることが大切です」
Q:前節、5点目を決めたラファエル ハットン選手について。ここまで様々なポジションでプレーしているが、彼のスタイルやこれまでの取り組みについて
「プレースタイルもそうですが、まずは何よりプロフェッショナルな姿勢をしっかり持っている選手です。アスリート能力も高いです。速くて強く、チームを助けられる選手です。チームに合流してからも凄く成長しており、守備の部分でも貢献してくれています。前節も最後の時間帯で50メートルをしっかりスプリントしてゴールを決めました。あの姿を見ても、自分の体をしっかりケアしている様子が伺えます。そういった意味でも、プロフェッショナルなアスリートだと思っています」
Q:先日の練習後、髙橋仁胡選手が「監督が後押ししてくれる。『失敗しても恐れず頑張れ』と声を掛けてくれる」と話していたが、選手に対して意識している声掛けは?
「僕がセレッソに来た理由として、若手を育てるということもあります。僕としては、彼らはどんどんトライして、間違ってもいいと思います。ミスを重ねることで、自分の可能性も広がっていきます。仁胡に関しては、どのような相手にもいいパフォーマンスを継続して出していくことが大事です」
Q:前節の試合後の会見でも、「試合に出られない選手、メンバーに入れない選手にどう接するか。それは普段からやっています」と仰っていました。外からは見えない部分ですが、チームをまとめるために工夫していることは?
「試合に出ていても、出ていなくても、選手にどう対応するかは、いつも心掛けています。一人一人がチームに貢献できるようにするために、どう声を掛けたらいいのか。それは常に考えています。『出るぞ』と呼んだ時にすぐ出れる準備は常にしておいて欲しいですし、いつでもピッチで貢献できる準備は常にしておいて欲しいと思っています」
ラファエル ハットン選手
Q:直近2試合はハットン選手、古山選手、上門選手と前線でプレーした選手が全員、得点しましたが、競争力が上がっているチームをどう感じていますか?
「これまで、そこまで出場機会が多くなかった選手たちが活躍したことは、チーム全体の底上げになります。自分も同じポジションの選手として、うかうかしていられません。日々の練習をさらにモチベーション高くできる要因になります。いまはケガ人が多い中で、彼らの活躍はチームにとって大事になります」
Q:古山選手の活躍も刺激になりましたか?
「そうですね。兼悟選手はキャンプの練習試合でも結果を出していました。トレーニングに向かう姿勢、日々の準備も素晴らしいです。自分もそういうところはこだわっているので、高いプロ意識は共感するものがあります。人間としても素晴らしく、ブラジル人選手も彼と仲良くさせてもらっています。先ほども言いましたが、彼の活躍により、自分もより結果を残さないといけない、という気持ちになります」
Q:前節は試合後、サポーターのチャントに合わせて踊っている様子も見られました。気に入っていますか?
「すごくいいですね(笑)。とても気に入っています。最初から熱い声援をいただいていますし、応援してくれる彼らにはゴールで恩返しをしたいと思っているので、次の試合でもゴールを決めて、サポーターを喜ばせたいです」
Q:今節の横浜FM戦へ向けて意気込みをお願いします
「今年のマリノスはここまで調子を上げられずに来ていますが、選手層は厚いですし、これまで何度も優勝してきた偉大なチームであることは間違いありません。気の緩みは全くないです。自分たちにとっても大事な試合です。さらに高い順位を狙えるポジションに付けるかどうか、大事な試合になります」
Q:横浜FMは、最下位という現状を脱出するために必死で向かってくると思います。そうしたチームと対戦する時に大切になることは?
「先ほども言ったように、この試合は私たちにとっても大事な一戦です。勝てばさらに上の順位を目指せます。自分たちもそこに対して大きなモチベーションがあります。彼らに負けないぐらい、気持ちを入れて試合に臨みます。強い気持ち、高いモチベーションを保って試合をすることが大切になります」