Match Preview
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2連覇中の王者に立ち向かう今節。深まる絆、高まる団結力で、今季初の連勝を狙う
3-2で逆転勝利を収めた前節の京都サンガF.C.戦から中2日。セレッソ大阪は、再びアウェイに乗り込み、ヴィッセル神戸との明治安田J1リーグ第15節に挑む。ゴールデンウィーク期間中のタイトな日程だが、前節と同様、チーム一丸で戦い、今季初の連勝を狙う。
前節の京都戦は、前々節のFC町田ゼルビア戦から先発を7人変更。総力戦となった中、プロ初先発を果たした古山兼悟、今季リーグ戦初先発となった上門知樹らチャンスを得た選手たちが奮闘。開始14分で2失点と厳しい入りとなったが、下を向かずに反撃し、18分にルーカス フェルナンデスが1点を返すと、43分にはこの男が大きな仕事をやってのけた。ルーカスのパスを受けた古山が相手CBを背負った状態で反転して素早くシュート。泥臭くゴールにねじ込みネットを揺らした。「前節(町田戦)デビューして、何かやってくれそうな予感をみんなが感じていました。試合前にもみんなで『兼悟にボールを入れていこう』と言っていました。点を取って欲しい思いはみんなが持っていたと思います」と試合後に振り返ったのは上門だが、「キャラクター的にはムードメーカー」(中島元彦)でもある古山のプロ初ゴールでベンチも大いに沸き、試合としても振り出しに戻った。後半も立ち上がりは京都に押し込まれる展開が続いたが、守備陣が体を張って踏ん張ると、65分にFKから勝ち越しゴール。ルーカスのキックにマークを外して飛び込んだのは中島。第4節・アルビレックス新潟戦以来10試合ぶりのゴールが貴重な決勝点となり、セレッソが連敗を2でストップ。敵地での大逆転勝利という「チームに勢いや自信をもたらす」(ルーカス)勝点3を掴んだ。「これからの長いシーズンの中でも、自分たちに自信を与える試合になったと思います。みんなが最後まで諦めずに監督を信じてやれたことが、一番大きかったと思います」とは上門。「一人一人が持っている個性を存分に出してくれた」とアーサー パパス監督も選手を称えた。
チームの絆が深まった一戦を経て迎える今節。相手はJ1リーグを連覇中の王者・神戸だ。開幕当初こそ負傷者も続出し、勝ち切れない時期を過ごしていたが、直近はリーグ戦4連勝と盤石の強さを取り戻している。前節のファジアーノ岡山戦も、大迫勇也と武藤嘉紀が不在の中でも隙を見せない戦いぶりで勝利を収めており、セレッソにとって手強い相手になることは間違いない。もっとも、そうした相手との対戦を前に、パパス監督は、「前向きな気持ち。チームとしても大きなチャレンジになる」と視線を上げる。連戦の中、負傷者も増えているチーム状況とあって、今節もメンバー編成の面では悩む部分もありそうだが、「いま抱えている人数は少ないですが、その選手たちが凄くモチベーション高くやっています。スピリットを感じるチーム、選手たちになってきています」と士気の高さ、一体感に自信も覗かせる。「とにかく信念を持って、チャンピオンに立ち向かう姿勢をしっかり見せたいと思います」と熱く意気込みを語った。
前節の試合後は、「アップでスタジアムに入った時からサポーターの皆さんが凄い熱量で応援して下さったので、絶対に勝ちたかった」(中島)、「今日はあれだけ多くのサポーターがアウェイにも来てくれたので、サポーターのために、という想いを強く持って臨んだ」(上門)と、2点差をはね返しての掴んだ勝利の要因として、何人もの選手たちが敵地のゴール裏をピンクに染めたサポーターの存在を挙げた。0-2から3点を奪って逆転勝利は2012年の第27節以来であり、その試合は神戸とのアウェイゲームだった。そうした運命的なつながりも感じさせる流れの中、連戦となる今節もサポーターの後押しは重要であり、選手たちの足をあと一歩、前に出す原動力となる。「前節もサポーターがホームかなと思えるぐらい後押しをしてくれました。今節もサポーターも含めて全員で戦って、勝ちたいです」とは喜田陽。4連勝中の神戸を相手に敵地を勝つことができれば、京都戦で掴んだ勢いがさらに加速することは間違いない。前節に続く関西対決を制し、今季初の連勝で、上昇の空気を作り出していきたい。
試合前日コメント
アーサー パパス監督
Q:ヴィッセル神戸との対戦を前に、どのような心境でしょうか?
「相手は過去2年、優勝しているチームですし、そうしたいいチームと戦えることに対して前向きな気持ちです。大きなチャレンジになります」
Q:セレッソの力を発揮する部分も含めて、試される試合になりそうだが?
「いま抱えている人数は少ないですが、選手たちは凄くモチベーション高くやっています。スピリットを感じるチームになってきています。0-2からの逆転というのは2012年以来だと聞きました。今節も、とにかく信念を持って、チャンピオンに立ち向かう姿勢をしっかり見せたいと思います」
Q:今節、重要になることは?
「勇気を持って、自分たちのフットボールを展開できるかどうか。チームとしてまとまって、規律正しく動けるかどうか。そこが大事なポイントになると思います」
Q:前節の京都戦は3バックで臨まれた。今節に向けても、何か驚きの仕掛けは考えている?
「後ろは4枚でも3枚でもプレーできますし、そこに誰をあてはめるか、それが驚きにつながるかも知れませんね(笑)。どちらの形でも戦える準備はしています。京都戦はその戦い方(4バックと3バックの可変)が功を奏して逆転勝利できましたが、神戸戦は神戸戦でまた違うゲームになると思うので、相手にも合わせながら、自分たちの戦いがしっかりできるように臨みたいです」
喜田 陽選手
Q:田中選手の負傷により、ボランチは人数的にもギリギリだと思います。今後、より喜田選手の重要性が増していきそうですが、前節はリーグ戦では第6節・横浜FC戦以来の先発となりました。試合に臨むにあたって、どのような思いでしたか?
「試合に出れていない間の練習も、やることは自分の中では変わりませんでした。そこまで(メンタル的な)浮き沈みもありませんでした。前節に関しては、勝てていない状況、ケガ人も出ている状況だったので、とにかく勝つためにプレーしよう、という気持ちで臨みました。勝てて良かったです」
Q:前節は、2失点した課題の部分と、それでも3点を取って勝ち切った収穫。試合については、どう考えていますか?
「自分たちのミスからの失点もありました。後ろからつなぐことにチャレンジしているので、ミスが起きてしまうこともありますが、修正できる部分はあります。失点しないことは大前提ですが、つなぐことをチャレンジし続けたことは良かったと思います。サポーターがホームかなと思えるぐらい後押ししてくれたので、チームとサポーターと一丸となって勝てた試合だと思います」
Q:前節は後ろを3枚でプレーする時間もあり、立ち位置の部分では少し変化もあったと思いますが、それでも監督の目指すサッカーを表現できた対応力に関しては?
「後ろからつなぐことはキャンプからずっとやっていたので、フォーメーションが変わっても、やることは変わりません。立つ位置は変わっても、チームとしてやることは変わらないので、全員で理解してプレーできました。ただ、失点したような場面もあるので、そこはもっと修正して、積み上げながら勝てるように、みんなでやっていきたいです」
Q:シーズン序盤に喜田選手が出ていた時期は、中島選手がFWでプレーしていました。前節は中島選手と喜田選手がボランチで組むことになりました。アカデミー時代から見ているサポーターにとっては感慨深さもあったと思うが、中島選手と中盤で組んだ手応えは?また、彼の良さは攻撃にもあると思うが、どう生かしていきたい?
「中島選手とは小学生の頃から一緒なので、やりたいプレーは大体分かります。彼の特長としては、ボールを持ったところにありますが、守備もできるので、そこはコミュニケーションを取りながら、2人で攻撃も守備も交互にしていくことができれば、チームとして相手より1人多いような感じにできると思うので、そこは2人でうまく連係していきたいです」
Q:神戸は強度も含めて今のJ1を引っ張っているチームだと思うが、そういった相手に勝つために必要になることは?
「中2日という日程は相手も同じなので、とにかく勝つためにプレーしたいです。相手は4連勝していますが、そういう相手に勝って連勝できれば、さらにいい流れを掴めると思います。サポーターも含めて全員で戦って、勝ちたいと思います。京都もそうでしたが、神戸もハイプレスで来ると思いますが、相手を見ながら全員で崩していきたいです」