Match Review
- 4/29 町田戦
- メディア
町田の個人パワーと堅守に屈し、1-2の敗戦。試合終盤のゴールと大卒ルーキー古山兼悟のデビューを次につなげたい
試合データ(選手・監督コメント/スタッツ)
https://www.cerezo.jp/matches/result/2025042910/
前々節のFC東京戦で引き分け、前節の東京ヴェルディ戦は敗戦。第10節・鹿島アントラーズ戦以来、3試合ぶりの勝利を目指して臨んだ明治安田J1リーグ第13節・FC町田ゼルビア戦。セレッソ大阪の先発は、前節から4人変更。ここまでリーグ戦全試合で先発していた田中駿汰はベンチからも外れ、香川真司が第2節・湘南ベルマーレ戦以来、11試合ぶりの先発出場を果たした。両ウィングはルーカス フェルナンデスとチアゴ アンドラーデがサブからのスタートとなり、柴山昌也と阪田澪哉が先発。トップ下には2試合ぶりに北野颯太が戻った。
田中不在の中盤の構成は、ボール保持の際は中島元彦がアンカーに入り、香川が1列上がる4-3-3、守備時はいつも通り北野が前に出る4-4-2で対応した。立ち上がり、最初に決定機を作ったのは町田。9分、右サイドから左サイドへ展開し、相馬勇紀のクロスに逆サイドで望月ヘンリー海輝がヘディングで合わせたが、枠の外。セレッソとしては、左右に揺さぶられて、大外から大外という、今季の失点パターンで先制されかけたが、何とか事なきを得ると、以降は町田に大きなチャンスを与えることなく前半を過ごしていく。立ち上がりは町田のマンツーマン気味のプレスをはがせずビルドアップに詰まる様子も見られたが、15分以降は徐々に相手をはがして前進。19分には、GK福井光輝から素早く展開、西尾隆矢、中島とつなぎ、最後は柴山がサイドを突破してチャンス。ここで後ろから突破を止めた町田の前寛之にイエローカードが提示された。もっとも、ボールこそ運べるシーンは増えたが、守備を固める町田に対し、今節は敵陣ペナルティーエリアに入っていく場面を作ることができず、前半のシュートは中島が放った直接FKの1本に終わった。
互いに良さは限定的に終わった前半を経て、後半勝負の様相を呈した試合。先に動いたのは町田の黒田剛監督だった。前線のミッチェル デューク、藤尾翔太に代えて、オ セフンとナ サンホ、右のウィングバックも望月から林幸多郎にチェンジした。後半、最初にチャンスをつかんだのはセレッソ。47分、左サイドに進入したラファエル ハットンが縦に突破してクロス。ここは中と合わなかったが、逆サイドに流れたところを拾った西尾が再び縦に進入してクロス。中には北野と柴山がいたが、シュートはミートせず、決定機に近い形を逃した。すると直後の49分に失点。自陣左サイドで阪田が林にボールを奪われると、ナ サンホにドリブルで運ばれ、左サイドへ展開される。最後は中山雄太のクロスに中で構えていたオ セフンが強烈なシュート。この瞬間、オフサイドポジションに町田の選手が立っていたが、「ゴールには影響を与えず」との判断で得点は認められた。試合後、「後半立ち上がりの1失点目が大きかった。そこからは町田のいいところばかりが出る展開になった」と振り返ったのは古巣戦となった福井だが、ここから流れは一気に町田へ傾く。セレッソは再三、決定的なピンチを招いたが、52分の相馬勇紀のシュートは福井が好セーブ。ナ サンホのクロスにオ セフンが合わせた65分のヘディングはクロスバーを直撃。何とか2失点目は防ぐと、この間、アーサー パパス監督も早めの交代策を繰り出し、66分の時点で4人を交代。さらに72分には、最後の交代カードとして古山兼悟を投入。J1デビューとなった大卒ルーキーがチームに勢いをもたらすべく入ったが、その6分後に失点。CKからドレシェヴィッチにヘディングで決められた。2点を追いかけるセレッソは、左ウィングに入ったチアゴの突破、さらには右ウィングに入った古山も何とかボールに絡もうとするが、決定機は作れない。それでも90+6分、途中からは右サイドバックに入っていたルーカスの突破からのパスを受けたチアゴが巧みなトラップから前を向き、DFに競り勝ちシュート。ついに町田の牙城を破ったが、その後は時間が残されておらず、1-2で試合終了。今季2度目の連敗となった。
試合後は疲労の様子も見られた選手たちだが、次節以降、京都サンガF.C.戦、ヴィッセル神戸戦と、関西勢とのアウェイ連戦が待っている。「中3日で次の試合も来ますし、今日の結果を受け入れて、次節に向けてやっていくしかない」と香川も前を向いたように、負けられない相手との戦いに向けて、準備期間は短いが、しっかりと心身を回復させて挑みたい。「2連敗している状況で、ケガ人も出ていますが、そんなことは言っていられない。自分が出る機会があれば、点を決めて勝つだけ」と決意を込めたのは古山。今こそチーム全員の力を結集させ、この苦境を乗り越えていきたい。