2023.06.23

Match Preview

6/24 札幌戦
メディア

後半戦スタートの一戦。高い攻撃力を誇る札幌に対し、アグレッシブな守備、スペースを突く攻撃で勝機をつかみたい

今節から明治安田生命J1リーグも後半戦がスタート。目標の「勝点60以上」（小菊監督）を達成すべく、1試合1試合もてる全ての力を発揮し、勝利を目指していきたい。その初戦となる今節。セレッソ大阪は、敵地に乗り込み、北海道コンサドーレ札幌との一戦に挑む。

札幌の特長は、何と言ってもその攻撃力にある。現在の38得点は首位の横浜FMも上回ってリーグナンバーワンであり、直近のスコアを見ても派手な打ち合いが目立つ。セレッソも、第7節での対戦時は2-3と点の取り合いの末に競り敗れている。今節は、まずはそうした相手の攻撃をどう防ぐかがカギになるが、「高いラインを保ちながら全体をコンパクトにして、ファーストディフェンダーがアプローチすること。いい守備からいい攻撃につなげること」を小菊昭雄監督はテーマに掲げる。また、左サイドから対角に蹴るボール、サイドチェンジにも特長がある札幌に対し、「パスの出どころをしっかり抑えにいく」ことも指揮官は重視。左利きが並ぶ札幌の左サイドの選手たちに自由にボールを蹴らせたことが第7節の敗因の一つにもなっただけに、プレスの意識は高めたい。その上で、個ではがしてくる両ワイドの選手との対人で競り負けないこと、前線が5トップ気味に張り出してくる札幌に対し、セレッソは4バックの逆サイドの選手のアラートな対応も求められる。古巣戦となる進藤亮佑は、「札幌はサイドチェンジの意識が強いチーム。僕ら4バックに対して前で5枚を当ててくる。相手に展開させないことも大事だし、丹念にスライドして、一人一人が正しいポジションを取り続けることも大事」と今節の守備のポイントを話す。

攻撃では、前がかる札幌の背後を突いていきたい。同じく進藤の言葉を借りると、「札幌は前に重心をかけてくる分、こっちが奪った後はチャンス。5トップで来ることをネガティブに捉えず、跳ね返せばチャンスという意識で戦いたい」。マンツーマン気味に人に強く来る札幌に対し、「細かいパスではがすのか、相手が嫌がるようなロングボールを使って裏返すのか。そこは臨機応援に戦いたい」と奥埜博亮。札幌の両ウィングバックの背後や3バックの裏のスペースを1本のパスで取ることができれば、ジョルディクルーク、カピシャーバ、レオセアラと、好調を維持する外国籍選手が仕留める可能性もグッと高まる。ただし、あまりオープンな展開にし過ぎてしまうと相手の良さも出させてしまうだけに、うまくゲームをコントロールすることも大事になるだろう。また、試合終盤の戦い方もポイントの一つ。昨年のアウェイでの対戦時は、78分に中原輝のゴールで先制しながら、終盤に2失点して逆転負けを喫した。試合状況によっては、前から奪いにいくだけではなく、粘り強く全員でしのぐ時間帯も出てくるだろう。そのあたりの攻守のバランスは、ピッチに立つ全員の意思をしっかりと合わせていきたい。　

戦術的な駆け引きが試合の行方を左右する一戦だが、もちろん、それを支える個々のバトルで負けないことも重要だ。球際で激しい選手が多い札幌に対し、怯むことなく立ち向かい、攻守で果敢に戦いたい。「後半戦はいい形でスタートしたい。好調な札幌にアウェイで勝利することによって、チームはまた一気に成長する。ここからのシーズンを見た上でも、明日は非常に大事な一戦」と小菊監督。トップ3、優勝争いに加わっていくためにも勝利だけが求められる今節。北の大地に駆け付けてくれるサポーターとともに、“超攻撃”の札幌を倒し、喜びを分かち合いたい。

試合前日コメント

小菊昭雄監督

Q：今節からリーグ後半戦が始まるが、改めて後半戦へ向けた意気込みについて

「明日から後半戦がスタートします。いい形でスタートしたいですし、好調な札幌にアウェイで勝利することによって、チームはまた一気に成長し、雰囲気も良くなると思います。ここからのシーズンを見た上でも、明日は非常に大事な一戦だと捉えています」

Q：後半戦に臨む上で、数字的な目標はありますか？

「チームが始動した日に全員と目標を共有したのですが、『年間、勝点60以上』だと。60以上を取れば、トップ3、優勝争い、優勝も見えてくると目標を掲げました。『折り返しまで、半分の30は取ろう』という目標を掲げた中で、実際は29と1足りなかったのですが、いろんなトライとエラーと学びもありました。最初の3試合は1分2敗でした。けが人も出たりしながら、スタートダッシュができず、安定した成績は残せなかったのですが、徐々にチームが成長して安定した手応えもあります。それが結果につながっていると思います。後半戦は、前半戦にできなかったいいスタートを切って、年間60を上回っていきたいです。そのときには、私たちの目標を達成できると思っています」

Q：札幌とは第7節で対戦し、2-3で敗れています。得点も失点も多いチームですが、今節、大切になるポイントは？

「数字が物語る通り、特徴があるチームです。その中で、得点数がリーグトップ。カウンター、リスタート、ポゼッション、どの形からでも得点が奪えますし、個人でも1人、2人で得点を奪える選手が前線には揃っている手強い相手です。その中で、どう守るか。大きく分けて2つあります。しっかりとブロックを落としてゴール前を固めてカウンターを狙うのか。それとも、自分たちが前からアグレッシブにボールを奪いにいくのか。その選択になりますが、私たちが大事にしている自分たちでボールを奪いにいく、出どころをしっかり抑えにいく。そこを貫きたいですし、それを全員が全うすることによって、強力な攻撃陣を抑えることができると思っています。18人全員でハードワークして、戦いたいと思っています」

Q：全員でハードワークして戦う中でも、札幌の強みである金子選手と対峙する舩木選手に対する期待について

「もともと翔は、ユースの頃から将来性を買われていました。私自身も素晴らしい選手が出てきたと思って、当時から期待していました。ビルドアップ能力、左足のキック、攻撃面のところは誰もが認める才能をもっていたのですが、ポジショニングや個人の守備力は課題でもあったのですが、逆に今は一番そこがストロングポイントになりつつある。それくらい、守備での成長を感じます。そこに、今まで通りの個人の攻撃、イマジネーション、アシスト、得点に関わる部分もプラスされたら日本を代表する左サイドバックになれると思います。成長著しい彼ですが、1試合1試合、経験するごとにさらに成長すると思っています。成長スピードを上げるためには勝利も必要です。攻守のパフォーマンスにこだわって、かつ勝利に貢献して欲しいと期待しています」

Q：札幌のストロングポイントである右サイドは、金子選手に加えて、前には浅野選手がいて、後ろから田中選手も上がってきます。そうした相手の強みをどう見ているか、また、対応策をどう考えているか。

「札幌の右サイドは、ソロではがせる選手もいますし、コンビネーションで崩すこともできる、札幌の攻撃の大きなポイントを占めていると思います。そこに対し、私たちは個人のところでしっかり守ることも必要ですが、組織として、いかに右サイドにいいボールを供給させないようにするか。そこが一番大きなポイントになると思います。札幌はサイドチェンジが大きな武器であり、最終ラインから対角にボールを入れてきます。私たちの4バックに対し、向こうは前線に5枚をかけてくると思いますが、その5枚に対し、怯むことなくアグレッシブに駆け引きし、高いラインを保ちながら全体をコンパクトにして、ファーストディフェンダーがアプローチすること。コンパクトにアグレッシブに守ることで、自分たちの距離感で守備ができます。いい守備からいい攻撃につなげた際は、逆に大きなチャンスになると思いますので、そこが大きなポイントになると思います」

Q：前半戦、コンスタントに試合に絡み、昨年以上に成長している鳥海選手に期待することは？

「おっしゃる通り、成長著しい選手の一人です。いま守備が安定しているのも、彼の力が大きいと、私自身も感謝しています。CBとして、高さ、速さ、守備範囲の広さ、リーダーシップ、ビルドアップ、全てを兼ね備えている選手です。昨年からグンと伸びた選手の一人であり、前半戦もチームリーダーの一人として成長した選手です。ここから試合を重ねるごとに、舩木同様、どんどん成長してくれると思っています。明日の試合でも、リーグトップの攻撃力を誇る札幌に対して、トリを中心にどれだけ守れるか。チームとしても、トリ個人としても、どれくらい止められるのか。楽しみにしています」