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Match Preview

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≪「再スタート」の一戦。キーワードは、コンパクトな守備、スペースを突く攻撃≫

前節のサンフレッチェ広島戦から中5日、セレッソ大阪は、公式戦12試合ぶりに喫した敗戦からのリスタートを図るべく、敵地での北海道コンサドーレ札幌戦に挑む。

前節まで、7、8月を無敗で駆け抜けてきたセレッソ。その締め括りとすべく挑んだ広島との上位対決だったが、あえなく0-3の敗戦。公式戦の負けなしは11試合で止まった。もっとも、内容自体は悲観すべきモノではなく、今後につながる好材料も見られた。特に試合の入りは素晴らしく、相手のプレッシャーを回避してボールを前進させるビルドアップは、一つレベルが上がった印象も受けた。2トップから始まるプレスの強度も高く、相手のミスを誘う場面も度々見られた。それだけに、先制できていれば、試合の流れは全く違ったモノになった可能性もある。そこをこじ開けることができなかった広島の守備が上だったという見方もでき、今後へ向けた成長の糧にすべき1敗でもあった。試合後のロッカールームで「ブレないこと」の重要性を説き、天皇杯準々決勝での「リベンジ」を誓った小菊昭雄監督。「改めて広島の強さを感じた。そうした相手に勝るためには、日々、自分たちの意識を高く持って、強度高くやっていくしかない」と気持ちを新たに、リーグ戦の残り9試合、さらには2つのカップ戦へ向け、チーム力を上げていく覚悟を示した。

「再スタート」となる今節。対戦相手の札幌は、現在2連敗中。1-2で逆転負けを喫した前節のサガン鳥栖戦後は、「今日の敗戦をもって、残り8試合という中で残留争いにどっぷりとハマった状況だと言える」とペトロヴィッチ監督も現状を受け止める発言もあった。それだけに、ホームで迎える今節は、並々ならぬ気迫で向かってくることは明白。セレッソとしては、そうした相手を上回るメンタルを持つことがまずは重要になる。もっとも、「残留争いにハマった」とは言え、やっているサッカーの内容を見れば、順位に相応しくない質の高さも見られ、“ミシャ・スタイル”はチームに浸透。ポゼッション率はリーグでも屈指であり、その攻撃力は非常に高い。セレッソとしては、幅を使って攻めてくる相手に対し、後ろ4枚のスライドも含め、「距離感よく、コンパクトに守備をできるか」(小���監督)はポイントになる。守備で我慢する時間帯は訪れるだろう。焦れずに試合を運びながら、タイミングよく攻撃に出ていきたい。相手のアグレッシブな守備を裏返し、「意図的にスペースを作り、使う」(小菊監督)攻めを繰り出し、得点につなげていきたい。

今節が終われば、中4日で広島との天皇杯準々決勝も控えているが、まずは目の前のリーグ戦に全力を注ぐ。連敗を阻止し、再び上位に食い込むための勝点3を、チーム全員の力で取りにいく。また、この試合は、一部の席種・座席を「声出し応援エリア」とし、声出し応援ガイドラインの下での開催となる。アウェイ席も「声出し応援エリア」となっており、平日のナイトゲームではあるが、集まったサポーターとともに勝利を掴み取りたい。

≪試合前日コメント≫

■小菊昭雄監督

Q:前節は公式戦12試合ぶりの敗戦。試合後のロッカールームでは「ブレない」重要性も話されていたが、その後のミーティングなども含め、敗戦をどう受け止めた?
「広島に上回られたところは、映像を通してミーティングで共有しました。改めて、私が強く望むコンセプト、規律、メンタルをもう一度強く要求しました。あの敗戦からたくさんの学びを得ることができました。前回の敗戦が自分たちを強くしたように、今回の敗戦も、シーズンのラスト3分の1に向けて、一人一人の成長を促す、意味のある敗戦にしていくためにも、この1週間、しっかりと全員でやることを変えずに、練習してきました。高い強度の中、素晴らしいトレーニングができました。選手の表情も、非常に引き締まった緊張感のある雰囲気の中でできました。明日は、再スタートを全員で切っていきたいと思います」

Q:前回の広島戦後も負けなしが続きました。今回の1敗も成長の糧にしたい?
「そうですね。我々も、毎試合、毎試合、勝ったゲームでも過信せずにやってきたつもりですが、敗戦から、改めて広島の強さを感じました。チームとしてもそうですし、個人、個人もタフに戦い続けることができる、集中力を切らさない。そこは、我々も自信を持っていたところなのですが、今回は上回られたと思うので。そうした相手に勝るためには、日々、自分たちの意識を高く持って、強度高くやっ���いくしかないと思います。その原点に戻れたような気がします」

Q: 「再スタート」となる今節。ペトロヴィッチ監督が率いるチームとは何度も対戦し、スタイルは熟知されていると思うが、明日の試合で勝つためにポイントになるところは?
「まず、攻撃、守備ともに距離感が大事だと思っています。あとはスペースですね。距離感とスペースがキーワードになると思います。相手のビルドアップは特徴的で、前線にタレントも多い。長短(のパス)を織り交ぜて、中央、サイド攻撃、多彩な攻撃をしてきます。その中で、我々がいかに距離感よく、コンパクトに守備をできるか。そこから意図的にボールを奪って、攻撃につなげられるか。相手は特徴のある守備をしてきますので、攻撃では、意図的にスペースを作り、使う。そこが大事になってくると思い、準備してきました」

Q:復帰した清武選手について。出場時間は伸ばしていけそうか?
「足の状態は完治には至っていないですが、痛みを伴いつつも、日に日に良くなっています。コンディションも時間の経過とともに上がっています。再発が怖いので、無理はさせないようにしますが、少しずつ出場時間を伸ばしていきたいと思っています」

Q:清武選手が不在の間に築いた縦に速い攻撃に加え、彼が戻ってくるメリットで期待することについて
「キヨが離脱してから、チームのやり方も、いる選手の良さを生かすように、少し変えたところもあります。キヨが帰ってきて、チームの心臓であるキヨが生きるサッカーを融合しながらやっていく必要もあると思っています。その意味でも、今週は少し立ち位置やチームの狙いも、幅を加えて準備してきました。縦に速い攻撃と、しっかりボールを握りながら安定して前進していくこと。距離感よくショートパスを多用するところと、一気に相手ゴールに向かうところ。そういった使い分けができれば、ワンランクアップした攻撃を見せることができると思います」

Q:今節は松田選手が出場停止だが、その準備について
「陸が出場停止で、そこに誰を配置するのか。チームとしても準備できました。コンディションを見極めることもできました。少々のポジション変更もあるのですが、誰が出ても、どのポジションで出ても、チームとしてやるべきことを攻守に共有してきましたので、全く不安はない状態��す」

■奥埜博亮

Q:前節は公式戦12試合ぶりの敗戦。チームとして、個人として、敗戦をどう受け止めた?
「勝ちが欲しい試合だったので、その中で負けてしまったことは悔しいです。チームとしてやろうとしていることを出せた部分はありましたが、それを結果につなげることができなくて、悔しいです」

Q:「やろうとしていること」という点では、前半は相手のプレスを回避するビルドアップがうまくできていた印象だが?
「そうですね。試合の期間も空いて、チームとしてもっとレベルアップしていこうという中で、やろうとしている形を出せた部分はあります。ただ、特に後半、先制された後のゲーム運び、どうやって点を取るかは課題も残りました」

Q:無得点は第13節の名古屋グランパス戦以来だったが、得点を奪うために足りなかったことは、試合を終えてどう感じましたか?
「まずは前半、チャンスもあったので、そこで決め切ることも大事ですが、チームとしてゴールに近づくプレー、チャンスを増やしていくこと。そうすることで、得点の確率も上がっていきます。チームとして、ゴール前にどうボールを運ぶか。そこはやっていかないといけない部分だと思います」

Q:今節に向けて。「守備では、距離感よく、コンパクトに守ること。攻撃では、意図的にスペースを作り、共有すること」が大事だと監督は話されていたが、奥埜選手が思う勝利するためのポイントは?
「まずはチームとして準備してきたことを一人一人が理解して発揮することが一番大事だと思います。その上で、出た選手の個性を出していくこと。対札幌さんという意味では、マンツーマンでハメてくるイメージがあるので、その中でチームの一人一人が周りを見ながら連動して、スペースを共有することが大事になると思います」

Q:前節、清武選手が復帰しました。いない間にチームが築いてきたことに加えて、彼が戻ってきたことでの上積みをどうイメージしていますか?
「キヨは技術が高い選手です。キヨに入ればボールが落ち着きますし、ラストパスの精度もチームではズバ抜けています。見えているモノがまた違う選手なので、周りも信じて動き出せます。キヨがボールを持った時の動き出し次第では、得点につながる決定機も増えていくと思います」

Q:先ほど話された「チャンスを増やすこと」とも密接に関わってくる?
「そうですね。チームでチャンスを増やしていくことに加えて、最後の精度は大事になってきます。その精度を上げていける選手なので、チームにとってプラスの部分は凄くあります」

Q:不在の間は、奪って縦に速く、という攻撃も多かったが、清武選手が戻ることで、やり方も多少変わる部分もありそうですか?
「まず、攻撃も守備もチームとしてやるべきことはある中で、そこを一人一人が共有すること。プラスαで、出た選手の個性をうまく合わせていくことが一番。キヨがいない間は速い攻撃もありましたし、キヨが入ることでゲームを落ち着かせることもできる。キヨが入っても速い攻撃もできますし、その上で、押し上げる時間も作れる。押し上げることで、2次攻撃、3次攻撃も出せる。最近でも、速い攻撃とゆっくりする攻撃をうまく使い分けることをやっていかないといけないと思っていました。選手の個性をしっかり出していけたらと思います」

Q:そうすれば、チームとしてさらにレベルも上がっていく?
「そうですね。チャンスであれば速い攻撃をすればいいですし、時間帯やゲームの流れを読んで、わざと遅らせることも必要。その使い分けは難しい部分でもありますが、そこを使い分けていけば、またチームとしてレベルアップしていけると思います」

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