【11/27 名古屋戦】Match Preview

≪特別な思いを乗せて挑むホーム最終戦。「勝って、終わる」。その思いのみ≫

1-4で敗れた前節の川崎フロンターレ戦から1週間。再びホームに今度は名古屋グランパスを迎え、今季のリーグホーム最終戦に挑む。

名古屋と言えば、約1ヶ月前、JリーグYBCルヴァンカップ決勝で対戦し、悔しい思いを味わった相手。当時の記憶も鮮明に残るだけに、今節はセレッソ大阪にとって借りを返したい一戦になる。あの試合では、引いた名古屋の守備を崩せず、後半開始早々にCKから先制点を奪われると、攻勢を強めて押し込みながらも同点にできず、カウンターから2失点目。絵に描いたような“堅守速攻”を徹底され、0-2で敗れた。もっとも、そこで突き付けられた課題と真摯に向き合い、チームはこの1ヶ月を過ごしてきた。前節の川崎戦も、大差で敗れたとは言え、ボール支配率では五分に近く渡り合い、後ろからつないでボールを運ぶことはできた。今節、求められるのはその先だ。「最後の崩すところのチームでの共有、個人の精度、そういったところは、この1ヶ月、かなり重点的にやってきました。明日のゲームも、相手ゴールに向かう回数をどれだけ出せるかがカギになると思います」(小菊昭雄監督)。セレッソにとって、まさにこの1ヶ月の成果が試される一戦になる。

その一方で、守備も決して疎かにすることはできない。名古屋の前線のタレントは強烈であり、前節のガンバ大阪戦では、サイドのスペースをうまく使い、前半だけで3得点。セレッソとしても、シンプルながらもキレ味の鋭い名古屋のカウンターには警戒が必要だ。前線でシュヴィルツォクに起点を作らせないこと、さらには両サイドのドリブラーに対し、個々のマッチアップで負けないことが重要になる。かつて桜の8番を背負った柿谷曜一朗に仕事をさせないこともポイント。今節に向けて、「今シーズンをうまく締め括る意味でも、明日はホームでしっかり勝たないといけない」と主将の清武弘嗣は話したが、その思いはセレッソに関わる全ての人たちにとって共通する思い。ホーム最終戦で勝ち、ルヴァンカップ決勝のリベンジを果たしたい。

また、19日に今季限りでの現役引退を発表し、22日には引退記者会見も行った大久保嘉人にとっては、今節がホームでのラストマッチ。「引退を表明してから、大きな荷物を降ろしたかのように、18、19歳の頃の嘉人を見ているかのような、素晴らしいコンディションでプレーしている」と小菊監督も感嘆するほど、大久保の状態は良好だ。

先発か、途中出場か。どのタイミングでの出場になるかは分からないが、見守る多くのサポーターの前で、J1歴代最多得点の更新にも期待が懸かる。試合後には、通常のホーム最終戦セレモニーに加え、大久保の引退セレモニーも予定されている。ルヴァンカップ決勝のリベンジとともに、「勝って嘉人さんを送り出したい」(清武)モチベーションも、今節のセレッソにはある。チーム、選手、サポーターそれぞれが特別な思いを乗せて、明日の一戦に挑む。

≪試合前日コメント≫

■小菊昭雄監督

Q:明日の名古屋グランパス戦に臨む意気込みについて
「明日はホーム最終戦です。この1年間、いろんなことがありましたが、どうしても明日は勝って、セレッソファミリーの皆さまと喜びを分かち合って終わりたいです。相手はルヴァンカップのファイナルで敗れた名古屋ですので、これ以上ない相手だと思っています。必ずリベンジを果たして、今シーズンのホーム最終戦を締め括りたいと思います」

Q:ルヴァンカップ決勝で感じた課題と、その課題を突き破るために必要だと思うことは?
「ルヴァンカップ決勝は、天皇杯準々決勝でも対戦してすぐあとでしたが、正直、名古屋があそこまで守備を固めて、リトリートとカウンターのサッカーを徹底してくるとは、少し想定外なところもありました。しかしその中でも、我々もボールを握りながら前進はできていました。ただ、後半の開始早々にリスタートから失点して、少しプランが崩れました。そして、ファイナルゾーンでの崩しのところ、最後の精度、そういったところが課題として挙がりました。試合の流れを読む力、最後の崩すところのチームでの共有、個人の精度、そういったところは、この1ヶ月、かなり重点的にやってきました。明日、名古屋がどういう戦い方をしてくるかは分からないですが、準備はしっかりできたと思っています。リーグでも1、2を争う強固な守備ブロックを引いてくる名古屋ですが、そこを全員の力でこじ開けて、得点を奪い、勝利で飾りたいと思います」

Q:天皇杯準々決勝、ルヴァンカップ決勝とは異なり、今回はお互いフレッシュな状態でぶつかる一戦になるが?
「そうですね。これまでは連戦の中での試合でしたが、明日はお互い、コンディションも最高の状態で臨めますし、正面からぶつかる試合になります。攻守の切り替えが速い、タフなゲームになると思いますが、最高の雰囲気の中で戦えることを嬉しく思います」

Q:監督に就任後、「矢印を前に向ける」プレーも増えています。前からプレッシャーをかけて、前向きにゴールを目指す戦いはできていると思うが、これからさらに精度を上げていくために必要なことは何でしょうか?
「守備のところでは、私たちがイメージしている、ボールを奪ってゴールへ向かう、そこの質はかなり上がってきたと手応えも感じています。攻撃のところでは、川崎戦でもそうでしたが、しっかりボールを握る作業までは、一つひとつ積み上げてきた自信はあります。ただ、そこからの川崎との差は、ファイナルゾーンでの強度、矢印の強さ、繰り返す粘り強さ、イメージの共有。そういったところは、私たちもこの1ヶ月、積み上げてきたところはあります。明日のゲームも、相手ゴールに向かう回数をどれだけ出せるかがカギになると思います」

Q:名古屋は、ルヴァンカップ決勝ではタックルラインをかなり低めに設定してきた。また、前節のガンバ大阪戦では、相手の右SBとCBの間のハーフスペースを徹底的に狙っていた。極端な戦術を取ることも多いが、明日の試合のポイントはどこになりそうか。
「個のタレントは、特に前線にはスピードのある選手を多く配置しています。強固な守備からの鋭い攻撃、そこが名古屋の一番のストロングポイントだと思います。その中で、しっかりと私たちがゲームをコントロールすることが重要です。相手のブロックの位置、(空いている)スペースを全員で共有しながら、いかに我慢強くボールを握って、積み上げてきたファイナルゾーンでの勝負ができるか。そこが明日は重要になってくると思います」

Q:ファイナルゾーンでの崩しの話が出ましたが、前節の川崎戦では、その課題にトライする意識、姿勢が感じられた。ダイレクトパスでゴールに迫る場面などもあり、手応えも感じつつあるのでは?
「おっしゃるとおり、試合には敗れてしまったのですが、その部分での手応えはあります。今週のミーティングや練習でも共有しました。選手にも言いましたが、1-4という結果では終わったのですが、川崎の背中が決して遠いとは、私自身は思わなかったです。ビルドアップ、ファイナルゾーンでの崩し、一つひとつ積み上げていることもたくさん出せました。これを繰り返しチームに落とし込み、精度を高めていけば、また川崎にもリベンジできる手応えは持つことができました」

Q:明日は大久保選手にとって、ホームでのラストマッチになりますが、どのような期待を持ってピッチに送りたいですか?また、引退会見は、どのような思いで見ていましたか?
「嘉人に関しては、個人的にも長い付き合いの選手ですし、明日は彼もいろんな思いの中でプレーしてくれると思います。私から一つ言えることは、とにかく勝って彼を送り出したい。
その気持ちでいっぱいです。彼も引退を表明してから、大きな荷物を降ろしたかのように、18、19歳の頃の嘉人を見ているかのような、素晴らしいコンディションでプレーしています。責任やプレッシャー、いろんなモノを背負ってサッカーをしてきたんだなと、改めて感じました。そこから解放された今、彼は素晴らしいパフォーマンスです。サッカー少年に戻って、毎日のトレーニングに精一杯、励んでいる状況です。彼の起用法について言えることは、彼のホーム最終戦だからとか、引退を表明したからとか、そういったことは一切、関係なく、明日、ホーム最終戦に勝って終わりたい、そのためのメンバー選考をしたいと思います。彼のYouTubeでの引退会見も、自宅でライブで見ていましたが、彼の人間性が全て出た素晴らしい会見だったと思います。彼から出てくる一言ひとことの重みは、私も胸に突き刺さりました。セレッソでスタートして約20年間、大久保嘉人という偉大な選手に携われたこと、最後に監督と選手という立場で縁があったことに感謝していますし、幸せに思っています」

Q;少し話は変わりますが、同じ舞洲に練習拠点を置くオリックスが日本シリーズで健闘しています。結果や試合について、気にしていることはありますか?
「私も野球は好きですし、今回の日本シリーズは、同じ舞洲ファミリーのオリックスさんが戦っているので、非常に興味深く見ています。オリックスのプレーを見て、私自身も感動を共有させてもらっています。スポーツの素晴らしさを改めて感じました。オリックスの試合を見て感じたことは、(同じプロスポーツとして)私たちも表現していかないといけません。少しでも元気や感動をお届けできたら、こんなに幸せなことはないと思っています」

■清武弘嗣

Q:ホーム最終戦となる明日の試合へ向けて
「今季のリーグ戦も残り2試合です。今シーズンをうまく締め括る意味でも、明日はホームでしっかり勝たないといけない。また、明日は嘉人さんがホーム最終戦ということで、何が何でも勝って終わりたい気持ちです」

Q:大久保選手の引退という決断は、どのように受け止めましたか?
「正直、何も聞いていなくて、びっくりしたのが本音です。けど、嘉人さんが決めたことだと思うので、僕たちは何も言えないですし、僕にもこういうときが来るんだろうなと、そういう気持ちにもなりました」

Q:名古屋と言えば、約1ヶ月前、ルヴァンカップ決勝で敗れた相手ですが、明日、勝つためにチームとして突き詰めたいこと、トライしたい部分は?
「ルヴァンカップ決勝は強く印象に残っています。悔しかった気持ちがずっと残っていたので、またここで名古屋とやることは、セレッソ大阪としても試されているのだと思います。守備で引いた相手をどう崩すかということは、セレッソとしても、ここ何年ずっと突きつけられている課題です。今週、そこはすごく力を入れてやってきたので、それを明日、ピッチで表現できれば、必ずいい結果は出ると思います」

Q:小菊監督も仰っていましたが、最後の崩す部分について、改めて、真正面から取り組み、追求している感じでしょうか?
「前節のフロンターレ戦は、僕も感じることがすごく多かったです。フロンターレにできて、僕たちにできないことはないと思うので、フロンターレ戦は何回も見直しました。得点のシーンも、どう崩しているのか見ました。セレッソの最後の部分とフロンターレの最後の部分は明らかに違いました。なので、今週はそういうところに力を入れて練習をやってきました。練習ではいい雰囲気でやれましたし、それを明日発揮できれば、いい結果が出るのではないかと思います」

Q:「フロンターレにできて、セレッソにできないことはない」ということは大久保選手も話していました。今週、何か具体的に、「こういうことをやっていこう」という話は大久保選手からありましたか?
「いえ、何か嘉人さんから具体的な話があったことはないですが、今週の練習を見ていると、一番、気持ちが入っていましたし、一番、動いていました。引っ張ってくれていたので、気持ちはすごく感じました」

Q:崩しの精度も一つだと思いますが、川崎のような強さを身に付けていくためには何をすべきでしょうか?
「一人ひとりの共有の部分だと思います。(川崎は)誰かがポジションを崩したとしても、誰かがいるべきところにいる。幅も深みも出せている。(局面に)人数をかけても、(埋めるべき)ポジションには必ず人がいます。極端に言えば、家長くんが右から左に行っても、右では山根選手や脇坂選手、旗手選手など、誰かが埋めています。そこは試合をして強く感じました」

Q:明日、大久保選手とともにプレーした場合、どういう形で得点を取らせてあげたい?
「常に背後を狙っている選手なので、人数をかけながら、フィニッシャーには嘉人さんがいる、という形を作ってあげられたらなと思います」

Q:名古屋には柿谷選手もいます。「大久保選手に成長した姿を見せたい」という話もあったが、セレッソとしては、それを見せさせないことが勝利のポイントになる?
「もう名古屋と言えば曜一朗のチームだと、僕は思っています。曜一朗が常に起点になっているので、名古屋に勝つには、そこに仕事をさせないことが一番。曜一朗と嘉人さんの仲は僕には分からないモノもあるし、2人にしか分からない特別な思いがあると思います。セレッソとしては、勝って嘉人さんを送り出したい気持ちが強いです。曜一朗にも、自分が活躍して嘉人さんを送りたい気持ちはあると思いますが、今回は、僕たちが勝って、送り出してあげられるように頑張ります」

Q:清武選手にとって大久保選手はどんな存在ですか?
「ブラジルW杯に一緒に行ったとき、『凄いな、この人』という印象が強かったです。どこにでもいるし、点も取るし、迫力がある。そのときはちょっと怖い印象もありましたが(笑)セレッソに帰ってきて、今でも早く来て、まず自分がやることをやって練習に出る。それを見ていたら、だからここまで長くサッカーをやれてきたんだと、感じる部分はありました。僕もそういうところは見習わないといけないと思います」

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