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【Match Preview】積み重ねてきた堅守とビルドアップを武器に、神戸から“シーズンダブル”を目指す

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シーズンも大詰めの今季のJ1リーグ。現在、勝点53で5位のセレッソ大阪は、勝点38で10位のヴィッセル神戸のホームに乗り込み、第32節を戦う。

神戸とは、開幕戦で激突。ボールを握られる時間こそ長かったが、組織的な守備で対応し、神戸にほぼ決定機を作らせずにいると、後半、山下達也(現・柏レイソル)が渾身のヘディングを叩き込み、1-0で勝利した。もっとも、当時から神戸は監督も変わり、夏には現ベルギー代表のトーマス フェルマーレンに元日本代表の酒井高徳、飯倉大樹とディフェンス陣を大幅に補強。「開幕戦のイメージはなくした方がいい」と古巣戦になる藤田直之も話すなど、陣容は様変わりしている。

戦い方も、「開幕戦で対戦したときはボールをつなぐ意識が高かったけど、いまは速い選手も前にいて、後ろからつなぐだけではなく、カウンターも鋭い」と神戸を分析するのは木本恭生。「自分たち守備陣はリスク管理をしっかりすることが大事になる」(木本)と試合を見据える。速さのある古橋亨梧やダヴド ビジャに対し、1本のパスで裏を取る形も狙ってくる神戸。セレッソとしては、アンドレス イニエスタやトーマス フェルマーレンらパスの出どころへの警戒は怠ってはならない。そして、何と言っても、昨季は桜の主将を務めていた山口蛍が相手にはいる。守備における寄せの速さや、精度の高い長短のパスといった武器だけではなく、今季は攻撃参加からゴールを陥れる決定力も発揮しており、セレッソとしては、要注意人物の一人であることは間違いない。


ここまで神戸が奪った53得点はリーグ3位。セレッソとしては、守備に神経を使う一戦になりそうだが、どれだけボールを握って押し返す時間を作れるかもポイント。前節、決勝点を挙げた奥埜博亮も、「相手の隙を見つけていくこと、自分たちで相手の隙を作っていくことが大事になる」と“神戸攻略”を見据える。得点数が多い一方、失点数も上から3番目に多い神戸。「自分たちがボールを握って相手を走らせ、相手の攻撃的な選手たちに良さを出させない」(藤田)ことも重要な要素になるだろう。

新たなサッカーに取り組み、右肩上がりで歩んできた今季のセレッソ。その締めくくりは非常に重要だ。タレント揃いの神戸を相手に敵地で難しい展開を強いら���る可能性もあるが、リーグ最少失点を誇る堅守、そして、積み上げてきたビルドアップや崩しの質を発揮し、開幕戦のリベンジを期す神戸を返り討ちにし、“シーズンダブル”を果たしたい。
■ロティーナ監督
「ヴィッセル神戸は、彼らにとって今季3人目の監督となり、プレーの仕方は変わっている。夏にはディフェンスの選手も多く補強した。第1節とは違うチームになっている。ただし、我々も第1節から成長している。同じスタッフ、同じ選手でやっているが、相手にとって、我々も違うチームになっていると思う」

Q:先日、今季限りでの現役引退を発表した神戸のダビド ビジャ選手について
「スペインサッカーに貢献してくれた偉大な選手。引退は避けられないことで、誰もがいつかは引退しないといけないが、サッカー好きのスペイン人全員にとって、彼の引退は残念なニュース。彼のようなクオリティーの高い選手がJリーグでプレーしたことは良いことだったと思うし、『いい仕事をする』という強い決意を持って日本に来たと思う」



■藤田直之選手
「神戸は開幕戦から監督もメンバーも変わっている。開幕戦のイメージはなくした方がいい。最近の試合を見ていると、試合によって差が激しい印象だけど、あれだけのメンバーを揃えているので、ハマれば強いチームであることに変わりはない。(サッカーのスタイルとしては)リージョ監督のときほど後ろからつなぐことにこだわりはないのかなとも思うけど、GKもつなげる選手なので、ビルドアップはうまい。セレッソとしても、守るだけではなく、自分たちがボールを握って相手を走らせることも大事。そうすることで、相手の攻撃的な選手たちに良さを出させないことにもつながる。相手にボールを持たれる時間が続くと、決定的な仕事ができる選手はいるので、より危険になる。ただ、守備に回っても、規律を持って戦うことが大事」

Q:移籍後初となるノエビアスタジアム神戸でのプレーについて
「移籍してまだ1年も経っていないので、やっぱり、特別な気持ちはあります。神戸のサポーターも増えていると思うけど、ウチのサポーターもたくさん��てくれると思う。両チームのサポーターが作り出すいい雰囲気の中で試合ができると思うので、楽しみです」


■マテイ ヨニッチ選手
Q:神戸は攻撃陣にタレントも多いが、今節に挑む意気込みは?
「他の試合とメンタリティーは変わらない。勝利するために、集中力を高く持って戦うことが大事。(ダビド ビジャやアンドレス イニエスタらとの)対戦は楽しみ」

Q:現在、チームは23失点。18チーム34試合で行われるリーグ戦の、年間最少失点の記録は2008年に大分トリニータが記録した24失点。残り3試合、記録更新の可能性も残っているが?
「大事なことは(記録更新ではなく)試合に勝つこと。ただ、この時点でそういった可能性が残っていることは、チームにとって素晴らしいこと。1年間、頑張ってきた成果だと思う。このまま残り3試合も集中した守備を続けていくことが大事になる」

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