【2/14 ACL済州戦】Match Review

最後まで諦めない姿勢をまたも発揮した水沼が決勝点。チーム一丸で劇的勝利を掴み、アジアでの戦いを好発進!

時計の針は90分を過ぎていた。キム ジンヒョンのゴールキックを途中出場のヤン ドンヒョンが競ると、後ろにこぼれたボールに反応した杉本健勇が前方へ高く蹴り上げる。これを途中出場の高木俊幸がDFに囲まれながらもトラップしてシュート。ジャストミートはせずとも、このシュートに対応したGKが処理し損ね、DFとお見合いするような形でボールが裏へこぼれる。そこへ走り込んだのは水沼宏太。左足で無人のゴールへ蹴り込み、セレッソ大阪が土壇場で先制に成功。昨季の天皇杯準決勝、決勝で見せた土壇場での底力をまたしても発揮し、済州ユナイテッドに勝利したセレッソが敵地で貴重な勝点3を獲得した。

「本当にタフな試合でした。相手もフィジカルが強かった。本当に90分ずっと頑張って戦っていました」と、この試合でも鉄壁の守備で勝利に貢献したマテイ ヨニッチも試合後は疲労困憊の様子で苦笑したように、敵地でのAFCチャンピオンズリーグMD1は戦前の予想通り、タフで厳しい試合となった。

開始早々、右SBの松田陸へ、済州の選手の足裏を見せた激しいタックルが襲い掛かる。早くもこの戦いがACLであることを意識させられると、その後も球際で激しく競り合う場面が続出。それでも、立ち上がりはセレッソが冷静にパスをつなぎ、ボールを握って攻め込む。守備時は5バックで自陣を固める相手に対し、21分、水沼のクロスに清武弘嗣が頭で合わせると、直後にはハーフウェーライン付近から清武が前線へ絶妙なロングパス。DFがクリアできずにいたボールを拾った水沼がGKの頭上を越すループシュートを放ったが、わずかに枠を逸れた。

守備では、チアゴ マルケスと元セレッソのマグノ クルスの2トップにシンプルに当てて攻めてくる済州に対し、落ち着いて対応していたが、30分過ぎから試合が次第に荒れ始めると、セレッソにファウルが増え、前半の終盤は済州に立て続けにFKやCKを与えた。それでも、マテイ ヨニッチを中心とした守備は崩れることなく、前半を0-0で折り返した。

後半もセレッソが済州ゴールへ迫る。53分、左サイドから右サイドへ流れるような展開から、最後は清武がゴール前へクロス。ニアで合わせた柿谷曜一朗がバックヘッドで反らすも、うまくフィットせず、クロスバーを越えた。66分には、この試合、最大の決定機が訪れる。左サイドの敵陣深く、ボールを奪ったセレッソは、杉本が柿谷へパスを送り、柿谷が絶妙なコントロールでワンタッチで後ろへ落とすと、清武が右足を振り抜く。しかし、GKの好守に阻まれ、得点ならず。

チャンスの数では上回りながらも1点が遠いセレッソは、試合終盤は済州の猛攻を受ける。“せめて敵地で勝点1でも持って帰りたい”という展開になるが、「引き分けでいいと思っている選手はいなかった」(清武)と、ピッチ上の選手たちは誰一人、勝利を諦めておらず、「最後のチャンス、望みを懸けて、交代枠を使った」と尹晶煥監督も3枚目の交代カードとして攻撃的な高木を投入した。結果的に、この采配がズバリ的中。冒頭に記した歓喜の瞬間を迎えることとなった。

セレッソにとって3度目となるアジアでの戦いを好発進させ、「この勝利はとても大きいです。最後まで耐えてくれた選手に本当に感謝したいと思います」と、試合中は大きな声でゲキを飛ばし続けた尹晶煥監督も、試合後はホッと一息、柔らかな笑みを浮かべた。

「アウェイで勝ち切ることができた。セレッソの強さを示せた。足は大丈夫です!」と気丈に話した松田。「戦う気持ちが強い相手に対して、チーム全員が怯まずに立ち向かった。自分はベンチにいましたけど、ベンチのメンバーも声を出して、相手にプレッシャーを与えたり、レフェリーに声を掛けたりしていた。セレッソはベンチも含めてしっかり戦えている」とは高木。まさにチーム全員、済州まで駆け付けた多くのサポーターも含めてセレッソ全体で掴んだ勝点3となった。






























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