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【11/4 YBCルヴァンカップ決勝 川崎戦】Match Review

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クラブ史上初のタイトル獲得!ここに、新たな歴史が刻まれた 25回目を数えた今年のJリーグYBCルヴァンカップ決勝戦。舞台を埼玉スタジアム2002に移して迎えた決勝史上、最多の観客数となる53,452人を飲み込んで行われたセレッソ大阪と川崎フロンターレの一戦は、試合開始の数時間前からスタジアムの周りをピンクと水色のユニフォームを着用した多くのサポーターが埋め尽くす、クラブ史上初のタイトル獲得へ、両クラブの並々ならぬ気持ちが充満していた。 両サポーターが作り上げた美しいコレオグラフィーの出迎えを受け、ルヴァンカップのアンセムとともに入場してきた両チームの選手たち。これからどんな試合が繰り広げられるのか。期待と不安が入り混じる高揚した雰囲気の中で始まった試合は、いきなり動く。開始1分、丸橋 祐介のスローインを柿谷 曜一朗が頭で落としたボールを、川崎DFのエドゥアルドがクリアミス。労せずしてこぼれてきたボールを拾った杉本 健勇がGKチョンソンリョンと1対1になる。願ってもない絶好機で冷静に杉本がシュートをゴールネットに突き刺した瞬間、普段は浦和レッズのサポーターが陣取るホームゴール裏を埋め尽くしたセレッソのサポーター席から地鳴りのような大歓声が沸き上がった。 この電光石火の杉本のゴールにより、試合展開は、ボールを握って攻める川崎、守備ブロックを作ってカウンター狙いのセレッソという構図で進む。17分には、セレッソのパスが奪われると、家長 昭博、中村 憲剛とつながれ、最後はペナルティーエリア内でエウシーニョにシュートを許すも、GKキム ジンヒョンが好セーブでゴールを割らせない。26分には、家長のパスから三好 康児に裏を取られ、折り返しを小林 悠に詰められるも、マテイ ヨニッチが阻止した。43分には、中村と家長とのワンツーから中村にペナルティーエリア内に進入され、シュートを許したが、ここは枠を外れた。先制後は守勢に回る時間帯が長かったセレッソだが、守備陣が集中した対応で川崎に得点は許さず、無失点で前半をしのいだ。 後半開始と同時に選手を1人入れ替えてきた川崎。試合展開は、前半と変わらず進んでいく。セレッソは、49分、56分と立て続けに小林にシュートを許すも、決定的な形までは持って行かせない。61分にはセレッソも反撃。水沼 宏太から裏に出たパスに反応した柿谷がシュートを放つもGKに防がれた。前半同様、組織立った守備が崩れないセレッソ。すると、川崎の鬼木 達監督が動く。右サイドバックのエウシーニョに代えてFW知念 慶を投入。長谷川 竜也を右サイドバックへ移し、知念と小林の2トップへと変更した。パワープレー気味のシフトを敷くと、セレッソの尹晶監督も、84分、柿谷に代えて山村 和也を投入。ディフェンスラインに入れて、3バックで応戦し、真ん中の守備はより強固さを増した。 セレッソ初戴冠へ、刻一刻と時が刻まれていく中、90分+2分。セレッソの勝利を決定付ける、待望の追加点が生まれた。前線に人数をかける川崎が前がかった隙を突き、松田 陸が前線の清武へロングフィード。絶妙なトラップで前を向いた清武は、後ろから走ってきた水沼へパス。さらに、水沼が大外でフリーのソウザへ送ると、ソウザは対応に来たGKチョン ソンリョンをかわしてDFのカバーも届かないコースへシュートを決めた。歓喜に包まれるセレッソゴール裏。ベンチからも選手、スタッフが一斉に駆け出してソウザを祝福した。この得点により、優勝へのムードがグッと高まった。そして─。西村 雄一主審の試合終了を告げる笛が鳴り、ついに、この瞬間、セレッソがクラブ史上初のタイトルを獲得。チーム、選手、サポーターの溜め込んだ思いが爆発した。 MVPを獲得した杉本は、「(勝った瞬間)いろんな思いが込み上げてきた。ここまでのルヴァンカップ、僕は今日の試合しか出ていないし、ましてやベンチにも1回も入っていなかった。ここまで連れてきてくれたメンバーに対して、僕だけ決勝に出たので申し訳ないというか、しっかり責任を持って戦わないといけないという思いがあった」と、ここまでルヴァンカップを勝ち抜いてきた選手たちへの感謝の思いと、だからこその、この試合に懸けた責任感を述べた。横浜FMとのグループステージ第1戦から始まった今年のルヴァンカップ。最初はJ1で戦えるのか。不安も入り混じった中でのスタートとなったが、一戦一戦、勝点を重ねるごとに、チームは力強さと逞しさを増していった。いつしか、「俺たちのルヴァンカップ」。そんな呼び方でチームの団結力は高まっていった。ノックアウトステージ以降は、ここまでカップ戦を戦ってきた選手、リーグ戦を戦ってきた選手が一つのチームとして融合。準決勝では、宿敵・ガンバ大阪を退けて決勝へ進出した。 2017年、11月4日。ここまで5度の戴冠のチャンスを逃してきたセレッソが、ついにチャンピオンとなる瞬間が訪れた。それでも、ここからが始まり。クラブ史上初の優勝カップを掲げたキャプテンとなった柿谷は、「こういうシーズンを毎年やっていきたいし、そういうチームになっていくべきやと思う」と話し、常勝チームへなるべく、視線を未来へ向けた。最後に、セレッソ大阪に新たな歴史が刻まれた2017 YBCルヴァンカップで見せた全選手の奮闘と貢献に、心からの感謝と祝福の言葉を送りたい。

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