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フォルラン選手の代表引退記者会見を行いました

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 本日(2015年3月12日)、セレッソハウスにおいて「フォルラン選手の代表引退記者会見」を行ないました。その様子をお知らせいたします。

■フォルラン選手挨拶
皆様、本日はお忙しい中、私の会見にお越しいただき、ありがとうございます。

今日の会見では、私がウルグアイ代表を引退させていただくことを皆様にお伝えさせていただきたいと思います。

私にとっては非常に難しい決断でしたが、今、この決断を下す時が来たのではないかと感じました。まず、私の家族に相談し、そして、皆様にお伝えする前に、先週、代表のタヴァレス監督やスタッフの方々、そして代表でのチームメイトにも伝えました。

新しい時代に道を譲る時が来たと思います。2006年のコパ・アメリカとワールドカップ予選を前にして、私と多くの代表のチームメイトが代表での世代交代のプロセスを経験しました。そして、今、まさしく代表が新たな道を歩み始める時が来たのではないかと思い、決断に至りました。代表にとっては、今後も厳しい挑戦が続くとは思いますが、これからも代表としてあるべき姿を見せ、結果を出してくれると思います。そして私も、ウルグアイ国民のひとりとして代表を応援し続けたいと思います。

私は、小さい時から、いつもサッカー選手になる事を夢見てきました。父からは、祖父がどれだけすごい選手だったか、いつも話を聞いていました。父と一緒にスタジアム行き、家に帰ると外に出て、試合で見たプレーやゴールシーンを何度も真似しながら練習を続けました。いつもサッカー選手になる事を考えていましたが、その時はまだ、自分にどんなサッカー人生が待ち構えているか想像すらできませんでした。

幸いにも3回のワールドカップと3回のコパ・アメリカに出場することができましたが南アフリカでのワールドカップは私のサッカー人生の中でも最高の思い出のひとつです。代表は、4位という成績を収め、得点王になり、ドイツ戦でのゴールが大会のベストゴールとして選ばれ、さらには大会MVPにも選んで頂きました。

しかしながら、何よりも大切なのは、私達の代表チームがウルグアイ国民に大きな感動を与えることができた事ではなかったかと思います。ワールドカップが開催されるようになった初期の頃の輝かしい成績に近い結果を久しぶりに残せたことだけではなく、今日ではなかなか見ることができないであろう一体感を、ウルグアイ国民と代表の選手・スタッフで分かちあえました。国民みんなが、ウルグアイ人であることの誇りを感じ、選手・スタッフとサポーターとしての全国民が強い絆を感じました。私は、その時の代表の一員であったことを、何よりも誇りに思います。

いつも言うことですが、リーダーと言うのは言葉だけでチームを引っ張るのではなく、プレーと姿勢で示す事が大事だと思います。その部分は代表でしっかりと伝えることができたと思いますし、先週、タヴァレス監督からも感謝していると言っていただきました。そして今後も一選手としてその姿勢を続けていきたいと思っています。

私と家族にとって特別な思い出という意味では、2011年のコパ・アメリカ優勝をあげたいと思います。私の祖父であるニノ・コラソと私の父の二人が成し遂げた事を、私も成し遂げることができました。フォルラン家とコラソ家の3代にわたって、合計4回南米チャンピオンに輝いた事は、私達家族の歴史、そして世界サッカー史にも刻まれる事ではないでしょうか。

代表での数多くの思い出の中には、ロドルフォ・ロドリゲス氏の最多出場記録を超えた事やスカローネ氏の最多ゴール記録を破った事があります。そう言った中で、私にとって一番大切な事は、代表で時間を共にしたスタッフ・選手がその道のプロであると言うだけではなく、人としても最高の仲間であったことです。

いろいろな方々の事が思い出されますが、特にアンダー20からフル代表にかけてお世話になったテクニカルスタッフの方々、あるいはメディカルスタッフのアルベルト・パン・バルボシッタ氏、ミングッタ氏、ビートル氏、セバス氏、ワウテル・ペレイラ氏、アルフレッド氏、カルリットス氏、マチャード氏、ネイラ氏、ミゲル・スルアガ氏、クラウディオ・パガーニ氏、マリアさん、アルド氏、さらに代表役員の方々、メディアの皆様、本当にたくさんの方々にお世話になってきました。

数多くの思い出がありますが、ウルグアイ国民に心から愛された代表チームの一員であった事を本当に誇りに思います。そして、お世話になった全ての関係者の皆様に心からのお礼を申し上げたいと思います。

そして、最後に長い間、あたたかい声援を送り続けて下さったウルグアイ国民の皆さんにも心から感謝いたします。
本当にありがとうございました!!


■質疑応答
Q : 家族とどのような相談をされたのでしょうか?
A : まずは、父と今回の話をしました。日本にいながらも常に話をしていてほとんどサッカーの話なのですが、その流れで代表引退の話にもなりました。その後に家族みんなに相談して決断しました。

Q : 
お父さんからはどのような言葉をかけられましたか?
A : 私は常に時間をかけて決断をしてから相談を持ち掛ける事は家族も重々承知しています。そういった中で下した決断なのであれば、これからも応援していくという話をしました。

Q : 
ウルグアイ代表とはどのような存在ですか?
A : ウルグアイの国民はみんな好きだと思います。そのような環境の中で、常に子供のころから代表でプレーするのが夢でした。アルゼンチン、ブラジルと強豪国と対戦する機会を与えてもらいました。テレビで代表選手が試合前に国歌を歌う姿を見て「いつか代表選手で国歌を歌いたい」と想像しながら試合を見ていて、代表に愛着がありました。実際代表になり国歌を歌う側、プレーする側になり、子供の頃に想像して過ごした事を思い出すなど、思い出深い愛着のある存在なので、これからもサポーターの一人として応援し続けたいと思います。


Q : 代表引退を決めて、ホッとしてますか?寂しいですか?
A : どちらともいえないような複雑な心境です。何事も始まりがあれば終わりがあるため、いずれは代表を引退しないといけない時がきます。
今後は代表の試合を応援する側になるという意味では、今までとは違う不思議な感覚がめぐって来るかと思っています。
代表の選手に選ばれるということは、選手にとってなによりも名誉であると思います。個人的にもいろいろな事を勝ち取ることができました。私はそういったこと以上に大切なのは、代表で知り合った数多くの方々が、プロとして最高レベルの方々、人として最高の方々と時間を長く共にして長く戦い続けたことを誇りに思います。

Q : 
ウルグアイ代表の後輩たちにご自身のレガシーとして何を伝えたいですか? 
A : 今、正しいプロセスを歩みながら進んでると思っています。その中でタヴァレス監督がクオリティの高い選手を招集する場所でもあるので、私から特に言葉をかける必要がないかと思います。言葉ではなく、プレーで姿勢で示すことを心掛けてきましたし、今回チームメートに引退に関する話をした際「今までプレーヤとしてだけでなく、人として、仲間として私を大事にしてくれてありがとう」という言葉を掛けてもらったので彼らに伝えられたのではないかと思います。「プレーヤーである以上ベストを尽くす」、「自分を犠牲にしてチームのために戦う」というところは、彼らからもらったメッセージを聞きながら伝わったかな?と思いました。



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