2026明治安田J1百年構想リーグ第6節

2026明治安田J1百年構想リーグ

2026.3.14

京都サンガF.C.

マルコ トゥーリオ (48')

1

AWAY

FULL TIME

2

0-0

1-2

セレッソ大阪

阪田 澪哉 (71')

田中 駿汰 (90+7')

サンガスタジアム by KYOCERA

17,009

HIGHLIGHTSハイライト

ギャラリー

MATCH REVIEW

後半立ち上がりに先制されるも、阪田澪哉のJ1を舞台にした初ゴールで追いつくと、終了間際に田中駿汰が勝ち越しゴール。劇的な逆転勝ちを飾る


清水エスパルスとの明治安田J1百年構想リーグ地域リーグラウンド第5節から中6日。セレッソ大阪は、アウェイに乗り込み、京都サンガF.C.との明治安田J1百年構想リーグ地域リーグラウンド第6節に挑んだ。先発は前節と同じ11人。控えには金本毅騎が今季初めて入った。

開始6分、前線で櫻川ソロモンが収めて縦に突破。クロスを上げてチャンスを作ると、直後にはビルドアップを奪われ、カウンターからピンチ。両チームが素早く相手ゴールに向かうスリリングな展開で始まった試合だが、前半は京都のペースで進む。ボールを支配され、セカンドボールも拾われ押し込まれると、17分、自陣左サイドをマルコ トゥーリオに突破されてピンチも招いたが、ここは畠中槙之輔が戻って懸命にカバー。シュートは枠を外れた。19分にも再びマルコ トゥーリオに縦に突破されたが、今度は大畑歩夢が粘り強い対応でシュートは打たせない。すると直後にセレッソにもビッグチャンス。櫻川の落としを受けた石渡ネルソンが前線へラストパスを送ると、横山夢樹が右からカットインしてシュート。良い形だったが、DFにブロックされた。前半のラスト10分はさらに京都の攻撃を受ける。41分、44分と立て続けに決定機を作られたが、前者はGK中村航輔が指先でかき出すビッグセーブ。後者はシュートが枠を外れて事なきを得た。セレッソも37分、高い位置でのスローインから大畑が敵陣深くに進入、角度のないところから左足でシュートを放ったが、GKに防がれた。前半のセレッソは櫻川の奮闘こそ光ったが、攻撃は単発に終わる。それでもピンチの場面で井上黎生人や畠中、石渡らが体を張って守り、前半は0-0で折り返した。

後半も立ち上がりは京都の勢いに押される。ビルドアップが引っかかったところから与えたFKでは、鋭く曲がったシュートを中村航がはじいたが、続くCKから失点。ここでも一度は中村航がシュートをかき出したが、クリアし切れずマルコ トゥーリオに押し込まれた。1点を追いかけるセレッソは、ここから反撃開始。54分、櫻川が粘ってキープし、横山がサイドを突破してクロス。逆サイドでチアゴ アンドラーデが上手く合わせたが、GKの正面を突いた。57分にも決定機。チアゴが中島元彦とのワンツーで左サイドを突破。折り返しを受けた横山がトラップから反転シュート。流れるような攻撃だったが、GKの好守に阻まれた。勝負所と見たアーサー パパス監督はここからフレッシュな2列目の選手を次々に投入。62分、石渡に代わって柴山昌也が入り、柴山がトップ下、中島がボランチに下がる。67分にはその柴山を起点にチャンスを作ると、70分に両ウイングを交代。チアゴ、横山に代わって本間至恩と阪田澪哉が入った。「今日の試合は難しい時間が続いていたので、(本間)至恩くんと、『流れを変えてやる』という思いで入りました」と試合後に話した阪田がファーストプレーで大きな仕事をやってのける。71分、大畑のフィードから櫻川の落としを受けた阪田がドリブルで中央突破。相手を引き付けて右サイドへ展開すると、クールズがワントラップからシュート。ここは相手DFに防がれたが、そのはね返りに詰めた阪田が右足を振り抜きネットを揺らした。J1を舞台にした嬉しい初ゴール。プロ4年目にして初めて味わう歓喜の瞬間に、ゴール後は絶叫して感情を露わにした。続く73分にも決定機。大畑、阪田、本間とつないでサイドを崩すと、本間の突破からのクロスにニアで合わせたのは柴山。1点モノだったが、右足インサイドでのシュートはクロスバーを越えた。柴山は82分にも決定機。ゴール前でGKを巧みに交わし、戻ってきたDFもフェイントで外してフィニッシュも、シュートはDFにブロックされてゴールならず。試合の流れを引き寄せた背番号48だが、前節に続き決定機で仕留めることができず、試合後は手応えと反省の両方を口にした。終盤は再び一進一退の展開になったが、セレッソは田中駿が広範囲をカバーしてピンチの芽を摘んでいく。すると後半アディショナルタイムにドラマが待っていた。90+6分、中村航のキックを櫻川、本間とつないで中央を破ると、本間のパスから背後を取った阪田に決定機。「絶対、入った」と自身も手応えの一撃を放ったが、GKのビッグセーブに防がれた。それでもここで得たCKから勝ち越しに成功。中島のニアへのキックに合わせたのは田中駿。「それまではファーに入っていたのですが、あの瞬間はニアに来そうだなと思ったので、相手を引き連れながらでしたが、ニアに入りました」とマーカーを背負いながらも競り勝ち、ネットを揺らした。ラストは後ろを5枚にして試合終了。昨シーズンに続きアウェイ京都で見事な逆転勝ちを収めた。

「交代で入った選手がインパクトを与えてくれました。毎回うまくいくわけではないですが、今日はうまくいきました。ただし、先発で試合を作った選手もよくやってくれたと思います」とピッチに立った全員を労ったパパス監督。前半終盤から後半立ち上がりにかけては苦しい時間が続き、先制も許したが、ベンチメンバーを含めたチームの総合力でひっくり返し、前節のPK勝利に続く連勝を達成。順位も5位に上げた。中3日で迎える次節はホームに戻ってのファジアーノ岡山戦。3連勝で、さらなる上位を目指す

監督コメント

■アーサー パパス監督

「前半35分ぐらいまでは拮抗した内容だったと思います。我々もカウンターでチャンスを作りましたが、前半のラスト10分ぐらいは流れを持っていかれました。その流れが後半立ち上がりも続いて失点しました。ただし、失点した後の選手のメンタリティー、『やるぞ』という気持ちが、試合を落ち着かせることなくチャンスを作ることにつながって、攻撃でもエネルギーを出して迫力を持って攻めることができました。後半を見れば我々が勝利に価するパフォーマンスだったと思います」

Q:前半の終盤、そして後半の立ち上がりは京都の流れでした。ただし柴山選手が入った62分以降、攻撃のスイッチが入って流れが変わりました。そこからさらに交代で入った2列目の選手が攻撃を加速させ、逆転に至る流れを作りました。もちろん、追いかける展開や、それまでプレーしていた選手が相手にダメージを与えた側面もあると思いますが、選手交代を機に一気にチャンスが増えて盛り返せた要因をどう考えていますか?
「まず、シバ(柴山)を投入した理由はいくつかあります。追いかける展開だったこと、ネルソンがイエローカードをもらっていたこと。相手はトランジションで仕留めに来ようとしていたので、1枚もらっていることはリスクだと考えました。自分としては、交代する少し前から立て直せたと思っています。(横山)夢樹やチアゴがチャンスを作り、そこでさらに攻撃的なシバを投入することで、ウイングを生かせると思いました。(中島)元彦を中盤に落とすことで、(田中)駿汰のサポートもできると思いました。交代で入った選手がインパクトを与えてくれたと思います。毎回上手くいくわけではないですが、今日に関しては上手くいきました。それは選手がよくやってくれたからです。途中から出た選手もそうですし、先発で試合を作った選手もよくやってくれたと思います」

Q:櫻川ソロモン選手が同点ゴールの起点となり、決勝点につながったCKも彼が潰れたところから生まれました。前半も体を張ってボールを収めていましたが、彼の活かし方について、少しずつチームとしても前進していますか?
「(櫻川)ソロモンは本当に素晴らしいパフォーマンスだったと思います。多くのFWが得点で評価される中で、私は得点だけを見ているわけではありません。ソロモンは様々なプレーでチームに力を与えてくれました。彼にボールが入った時に全体が関わるプレー、チームがつながるという意味でも素晴らしい能力を持っています。そこは昨年には無かった部分であり、プラスαをもたらそうと思っていた中で、今日は距離感が良かったと思います。当然まだまだ良くなる部分もあります。全体的に若いチームですが、彼もまだ24歳です。これからさらに伸びていくと思います」

Q:同点ゴールを決めた阪田澪哉選手の今日の働きについて
「試合に出てすぐにインパクトを与えたことは良かったです。選手達へ常に言っているのは、『ポイントに入っていけば点が取れるよ』ということ。今日はまさにそういう場面だったと思います。彼にとってもJ1レベルでゴールを決めたことは大きかったです。殻を破る意味でも得点が必要でした。これをきっかけに、もっともっとチームの中で頼れるウイングになって欲しいと思います。ポテンシャル、将来性がある選手ですが、まだ波はあるので、これをきっかけにさらに良くなって欲しいです」

Q:今日、彼を起用したのは、そうした殻を破れそうな手応えも感じていたからでしょうか?
「ウイングには多くのことを求めています。裏へのランニング、相手にインパクトを与えること、仕掛けること、それを先発の(横山)夢樹とチアゴ(アンドラーデ)がしっかりやってくれたことで、相手のサイドバックも疲弊しました。そこでフレッシュな、ドリブルで仕掛けることができる選手を投入しようと思い、彼を起用しました」

選手コメント

■阪田 澪哉選手

Q:ご自身はもちろん、多くのファン・サポーターが待っていた得点でした。同点ゴールを決めた瞬間の思いは?
「チームとして今日の試合は難しい時間が続いていたので、(本間)至恩くんと、『流れを変えてやる』という思いで入りました。同点ゴールでチームを勢い付けられたことは良かったです」

Q:入って最初のプレーでしたが、櫻川選手の落としを受けて、ドリブルで運んで、シュートではなく冷静に右サイドへ展開したが?
「シュートも考えたのですが、シュートを打ったら相手にブロックされると思ったので。右を見たらディオン(クールズ)がいたので、パスにしました」

Q:シュートは落ち着いて決めることができた?
「入れ!と思って打ちました。危なかったですが、入って良かったです」

Q:決めた後は絶叫していましたね(笑)。
「そうですね(笑)、めちゃめちゃ嬉しかったです」

Q:プロデビューもこのスタジアムでした。地元・京都で、J1の舞台(明治安田J1百年構想リーグ)で初ゴールを決めた思いは?
「これまでもたくさんチャンスがあって、それをことごとく外してきました。それでもチームメイトやファン・サポーターの皆さんはずっと『頑張れ』という温かい声を掛けて下さっていたので、ゴールという形でひとつ恩返しすることができて良かったです」

Q:やはり京都戦で決めた初ゴールは特別ですか?
「そうですね。京都サンガは昔から見ていたチームなので、京都と戦うことは他のチームとは違う思いもあります。そうした中でゴールできたことは嬉しかったです。自分はサンガのスクールにもいたので、感謝の気持ちもありますし、その相手から決めたことは、当時、教えてもらっていた方々への恩返しにもなったと思います」

Q:ラストの決定機も決めたかったですか?
「絶対、入ったと思ったのですが、相手のGKが凄かったです(苦笑)。ああいう場面で決められる選手に今後なっていきたいです」

■田中 駿汰選手

Q:前半の終盤と後半の立ち上がりは押し込まれる苦しい時間も長かったですが、どのような思いでプレーしていましたか?
「耐えるべき時間は絶対に来るので、そこは耐えることを考えていました。J1の中でもサンガさんは圧力が強いので、簡単にはつながせてくれません。『上手くいかない時間はある。でもチャンスは絶対に来る』という話をチームでしていました。上手くいかないながらも、耐えることはできていたと思います」

Q:追い付いてからはセレッソが押し込みながら、京都のカウンターを受ける場面もありました。その中で田中選手が広範囲にカバーして守っていたことが決勝点にもつながったと思います。途中から中島選手がボランチに降りて、役割分担がハッキリした面もありましたか?
「そうですね。役割はハッキリしましたし、シンくん(畠中槙之輔)とリッキー(井上黎生人)と『攻めている時に失点するのはカウンター』という話をしていて、『しっかり集中しよう』と声も掛け合っていました。まずは自分のところで潰すことができたら良いなと思っていたので、カバーできて良かったです」

Q:決勝点となったCKからニアでのヘディングは狙い通りでしたか?
「(試合を通して)かなりタイトにマークに付いてきていたので、どう外していこうかと考えていました。あの場面は、比較的、背の小さな選手が僕に付いてきたので、『絶対に決めたろう』と思いました(笑)。それまではファーに入っていたのですが、あの瞬間はニアに来そうだなと思ったので、相手を引き連れながらでしたが、ニアに入りました。ボールが素晴らしかったので、(中島)元彦に感謝です」

Q:このような劇的な決勝点は過去にありますか?
「札幌時代にもありました。何度決めても気持ちいいですね(笑)。ファン・サポーターの皆さんも最後まで声を出して応援し続けてくれていたので、勝点3をプレゼントできて良かったです」

■櫻川 ソロモン選手

Q:今日は流れの中で効いていました。かなり収めて2列目を上手く使っていたが?
「もちろん僕はストライカーなので、フィニッシャーでいたいところですが、チームのために、勝つために何が必要かと考えたら、僕が起点となって、どんどん次の選手を使ってゴールに向かっていくことだと思いました。そこはチームとしても、今週、練習してきました。その形が多く出たことは良かったです」

Q:2点ともゴールに至る流れで起点になっていました。特に交代選手が入って以降、周りの選手も櫻川選手の近くでプレーする意識が強くなっていたように見えたが?
「ゲームの流れを見て、監督が交代する選手たちに伝えたのだと思います。(カギになるのは)僕に(ボールが)入った後の関わり方だと思ったので、そこはシバ(柴山)、至恩、(阪田)澪哉、後半から入ってきた選手が気を利かせてプレーしてくれていたので、僕も落としやすかったです。そういうところから得点やチャンスにつながったと思うので、良かったです」

Q:前半も中島選手や横山選手との関わりもありましたが、一人で頑張る時間も長かった中で、やり続けたことが後半にも生きてきた?
「そうですね。やり続けた結果かなと思います。マークも厳しかったですが、チャンスもクリエイトできたので、良かったです」

Q:得点が欲しい気持ちはあると思いますが、仲間を生かしながら勝利したことについて
「もちろん得点は欲しいですが、まずはチームが勝つことが大事。勝ち続けていく中で、自分も得点が取れたらいいと思っています。まずはチームが勝つためにしっかりプレーして、その中で僕も得点が取れるように次はやっていきたいです」

■中島 元彦選手

Q:後半途中でボランチに移って以降、チーム全体の攻撃も活性化したが?
「めっちゃ楽しかったです。前半はトップ下でボールに絡めず、相手のマンツーマンに苦しんで、起点になれなかったので。自分に合っているのはボランチかな、という思いもありますし、今日、久々にやって楽しかったです。シバ(柴山)と崩して点になりそうな場面も増えたので。前半はソロ(櫻川)をサポートするところで苦しんでしまった。もう少し改善できたら良かったです」

Q:決勝アシストはニアにドンピシャだったが?
「良かったです(笑)。チームとしてこれまでもあの場所は狙っていましたが、なかなか合わなかった。今日やっと結果につながって良かったです」

■井上 黎生人選手

Q:このスタジアムでプレーして勝利した想いは?
「J1でプレーする夢を叶えてくれたクラブ、そして監督なので、感謝してもし切れません。ただ、昨年は僕らのホームで負けたので、今日は絶対に借りを返したいと思っていました。勝てて良かったな、という気持ちです」

Q:前半と後半の立ち上がりは苦しい時間も長かったと思います。失点もありましたが、中ではどのような思いでプレーしていましたか?
「失点しても崩れないことが大事だと思っていました。後ろでミスして失点することが一番イヤな流れになるので、そこは気を付けていましたが、今日はなかなか後ろからはがすことができなかったので、そこは課題として持ち帰って取り組みたいと思います」

Q:途中から入った2列目の選手の活躍も含め、総合力を示せたのでは?
「ボールを預けたら仕掛けてくれる選手はたくさんいますし、チャンスもたくさん作れました。決め切れない場面もありましたが、チャンスの回数を増やすことが大事なので。あとは決め切ることと、後ろは失点ゼロにこだわりたいので、勝ちましたけど決して満足はしていないです」

■柴山 昌也選手

Q:柴山選手が入ってから流れも変わったと思います。前半があってのこと、さらには負けている試合の展開もあったとは思いますが、流れを変えるために意識したことはありますか?
「自分にしか出せない特長、ターンするプレーをファーストプレーで出せたことが大きかったです。そこから一気にチームとしても自分としてもスイッチが入った感覚がありました。負けていた展開もあったとは思いますが、自分が入ってから押し込めたと思いますし、流れを変えることはできたと思います」

Q:シュートでは惜しい場面もありました。GKを交わすところまでは冷静だったが?
「そうですね。うまく浮かせて交わして、戻ってきたディフェンスもはがせたのですが、たらればですが、もっと力強いシュートを打てば(良かった)という思いもあります。枠外だけはダメだったので、枠に入れようと打った結果、思ったより内側に掛かってしまいました。自分のところでチャンスは作れているし、決定的な場面もたくさん作れているので、そこで決めればチームも楽になるし、自分の評価もどんどん上がっていく。ずっとチャンスは続いているので、そこは決めたいです」

Q:今日も1-1で終わっていたら、相当、悔しい試合になりましたね?
「ホントです。駿汰くんに今日は救われました」

Q:それだけいい感覚でプレーできている証拠でもある?
「そうですね。決定機だけで見たらチームで一番多いし、決定機を一番作れているのも自分なので。そこでいかに決めるかです」

Q:第4節のV・ファーレン長崎戦も柴山選手自身のプレーは悪くなかったと思うが、その後は2試合、先発を外れています。トップ下に関わらず競争は激しいですし、先発で出る選手、途中から入る選手にそれぞれ役割はあると思いますが、途中から入る上で意識していることはありますか?
「今日に関しては負けていたし、流れを変えないといけなかったので、バックパスをしている選択肢もなかったですし、やることはハッキリしていました。ファーストプレーも迷わずターンしました。もちろん、前半は難しさもありますし、自分も頭から出た試合ではその難しさも分かっていますが、このポジションは消えたらダメなので。自分たち(トップ下)が違いを作らないといけないと思っています」