第38節
2025明治安田J1リーグ
2025.12.6土
セレッソ大阪
ディオン クールズ (42')
1
HOME
FULL TIME
3
ヨドコウ桜スタジアム
1-2
0-1
横浜FC
ジョアン パウロ (20')
小倉 陽太 (30')
窪田 稜 (64')
ヨドコウ桜スタジアム
19,070人
シャープサポーティングマッチ
ギャラリー
MATCH REVIEW
監督コメント
■アーサー パパス監督
シーズン最後の試合としては残念な気持ちです。今シーズン、何度かあったような試合だったと思います。
我々が最初のビッグチャンスを迎えましたが決めきれず、一方でGKがセーブを強いられるような場面は(ほとんど)なかったにもかかわらず、それでも3失点してしまいました。これは私を筆頭に、全員の責任です。
フラストレーションが溜まると言ったのは、サポーターの皆さんが最後まで後押ししてくださったにも関わらず、我々はもっと良い姿を見せるべきだったからです。ベストな状態であれば誰にでも勝てることを示せましたが、一貫性がなく、残念なシーズンの終わり方になってしまいました」
Q:開始10分とラスト15分の時間帯は、今シーズンのセレッソらしい迫力ある攻撃が見られました。しかし、試合中のいくつかの場面では攻撃でパスがつながらず、守備でも球際や距離感で課題が出ました。この試合、何が欠けていたのでしょうか?
「流れがつかめないときに早い段階で気付くことも必要ですし、そうなった時に仕事をやり切ることが大事です。得点に関しては、シーズンで60点は取りましたが、それ以上、決め切れるチャンスはあったと思います。
結局は、チャンスを確実に(冷静に)決め切れるかどうか、そして規律を持って細部までこだわった守備ができるかどうかです。そこが我々にまだ欠けていることが露呈しました。強いメンタリティーも不足していました。前節とかなり似た試合になってしまったと感じます」
Q:60得点は素晴らしい数字ですが、失点も同じぐらいしています。今後目指す方向性としては、得点力をさらに伸ばしていくのか、それとも失点を減らすことにフォーカスするのでしょうか?
「勝つためにプレーする、ということです。私がこのクラブの監督に就任した際、クラブから求められたのは『アタッキング・メンタリティーと攻撃的なサッカーを取り戻して欲しい』ということでした。もう一つは『若手の育成、若手を逞しくすること』です。その2つがクラブからの要望でした。シーズン60得点という数字に加え、平均年齢が高かったチームから、今シーズンはかなり若い集団へと変わりました。ここから次のレベルにいくために必要なのは補強です。これからのシーズンに向けて、クラブとして団結して決断していかなければなりません。自分の中では、前に進むために必要なことは明確です」
選手コメント
■ラファエル ハットン選手
Q:難しい展開になったが、今日の試合を振り返ると?
「今シーズンの最終節でありホーム最終戦だったので、サポーターの前で勝ちたかったです。自分もゴールを決めてシーズンを終えたかったですが、それができませんでした。自分たちが期待していたようなパフォーマンスは発揮できなかったというのが正直な感想です。相手のGKも褒めるべきだと思います。我々も多くのチャンスは作ったのですが、ことごとく阻まれて決め切れなかった。ただ、それも力なのかなと思います」
Q:得点王の可能性もあった最終節だが、自身でも意識はされた?
「もちろん、チームの勝利が大前提でしたが、どうしても意識はしますよね。日本に来た当初は、得点王争いできるとは思っていませんでしたが、ここまで来たからには、獲りたい思いもありました。残念ながらうまくいかなかったですが、レオ セアラ選手が獲ったことは、同じブラジル人として嬉しく思います。彼とは面識もありますし、インスタグラムなどでやり取りもしています。お互いにエールを交換したり、良いライバル関係だったかなと思います」
Q:今シーズン、18得点を決めることができた要因はどう考えていますか?
「自分が頑張ってきたこと、努力が実った部分もありますし、チーム全体として攻撃的なサッカーを志向して、多くのチャンスを作ったこともあると思います。監督、スタッフ、チームメイトのおかげでここまで取れました。10年前に一度、日本に来ましたが、それからもJリーグのレベルはかなり上がっていることを肌で感じました。再び日本に来ることができて、活躍できたことは嬉しく思っています」
■田中 駿汰選手
Q:今季の積み上げを見せたい最終節でしたが、思うような展開にならず、相手の術中にハマった試合になったと感じます。
「そうですね。相手のやりたいような形でやらせてしまった。良くない展開になって、そのままズルズル行ってしまった感じです」
Q:ウィングバックのいる3バックの相手に対し、サイドに振られてクロスという、今シーズン序盤によく見られた失点パターンだったとも思うが?
「戦術どうこうもありますが、もっとタイトに守備をしないといけなかったと思います。選手がしっかり反省しないといけない前半になりました」
Q:セレモニーではキャプテンとしての自身にも触れていましたが、先頭に立って引っ張ったこの1年については?
「この立場になってみないと分からないことはたくさんありました。ヤマさん(山下 達也氏)にも何度か話を聞いてもらったこともありましたが、チームの先頭に立ってまとめていくことは、簡単なことではないと経験して感じました。来シーズンはどうなるか分からないですが、言われた役割を自分なりにしっかりやりたいと思います」
Q:新監督1年目。得点力も大幅に上がりましたが、今季の攻撃的なサッカーに取り組んだ手応えは?
「手応えはもちろんあります。それは僕だけではなく、他の選手もみんな、やれるという手応えは感じたと思います。あとは細部のところ。優勝争いしているチーム、上位のチームと比べたら差はあると思うので、自分たちに足りないところをしっかり今シーズンの反省として生かして、来シーズンは優勝争いに食い込んでいきたいです」
■畠中 槙之輔選手
Q:今シーズンは、チームとしてもアーサー パパス新監督を迎えて、畠中選手もセレッソでの1年目でした。振り返ると?
「アーサーに呼ばれてこのチームに来て、僕がチームを引っ張らないといけなかったですが、結果10位で終えて、自分でも物足りなさを感じています。来シーズン、この悔しさをぶつけられたらいいと思います」
Q:良かった部分、目指すサッカーができた部分での手応えはどう感じていますか?
「もちろん、やりたいサッカーができて、得点につなげられたシーンもたくさんありました。自分たちの目指すサッカーを表現できていた時間もたくさんあったので、これが来年は勝ちにつながるように、チームとしても上を目指していきたいです」
■福井 光輝選手
Q:横浜FC戦では悔しい思いもした分、今日の試合に勝ちたい気持ちも強かったと思うが?
「そうですね。僕の課題はシュートストップ。今日の試合に限らず、ひとつ止めていれば流れは変わると痛感したシーズンでした。それができれば、もっと上の順位に行けたと思います。勝機を手繰り寄せるポイントの一つだと思います。もっとレベルアップしていかないと、自分もこのまま終わってしまう。セレッソは作り上げていくクラブではなく、ビッグクラブ。選手もどんどん入れ替わっていきます。自分も時間がないですし、今シーズン、年間を通して試合に出たことで、課題を痛感しました」
Q:今節のヤクブ スウォヴィク選手のセーブも見て、そういう思いも新たにされた?
「そうですね。そういうプレーも見て、感じます。もちろんゴラッソもありますが、止められるシュートをしっかり止めること。もちろん、チームのやり方もありますが、それがGKとして一番大事なことだと改めて感じました」
■香川 真司選手
Q:リズムを掴み切れない試合になって、特に前半は相手のやりたいサッカーになってしまったのかなと思います。前半は外から見ていたと思いますが、どのあたりに課題を感じましたか?
「ホームでいい形で終えたかったですが、前半の戦い方は自分たちの甘さが出てしまったと思うし、ある意味、これが自分たちの実力でしょうし。ファン・サポーターには申し訳ない最後の試合になってしまったと思います」
Q:後半開始から投入されましたが、入るにあたって意識されていたことは?
「戦えていなかったので、球際であったり、最低限そこは見せないといけないと。今日に限らず、このチームの課題なのかなと思います。競り合いを含めて、負けてはいけないところで負けてしまったり、試合の中でもっと厳しさを持たないといけないです」
Q:自身の今シーズンについて。コンディションを保つ難しさもありましたか?
「全然そんなことはないですよ。シーズン終盤は順位も決まり始める中で、11月、12月は難しい時期だなと思いますが。この3年は毎年そうなってしまっているので。この時期はケガも怖いですし、案の定、筋肉系を少し傷めたりはしていたのですが、それ以外はシーズンを通して大きなケガはなかったですし、もっと言えばコンディションに関して今シーズンは非常に良かったので、自分としてはもっと試合に出れたら良かったですし、悔しい1年になってしまったと思います」
Q:復帰されて3年目ですが、年齢を重ねてもコンディションが上がってキレも増し、良いパフォーマンスを示せたことは、今後につながる手応えも得たシーズンになったのでは?
「そうですね。もちろん、業界としてはベテランと言われる年齢ですし、どうしてもそう見られるのは仕方ないですが、個人的には全く問題ない。それはグラウンドの上で証明できていると思っています」
Q:今日もペナルティーエリア内で反転してシュートまで持っていく身のこなしは見事でした
「決めないと意味がないですが。そこはまだまだ課題です」

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新体制1年目のホーム最終戦は攻守に課題を残し、1-3の敗戦。五分の成績で今シーズンを終える
アーサー パパス監督1年目のホーム最終戦。セレッソ大阪は横浜FCを迎え、今シーズンの最終節、明治安田J1リーグ第38節に挑んだ。先発は前節の横浜F・マリノス戦から1人変更。出場停止の髙橋仁胡に替わり、ディオン クールズが入った。そのクールズは右SBに配置され、奥田勇斗が左SBに回った。
立ち上がりから積極的にプレスをかけてきた横浜FCに対し、セレッソは長短のパスで裏返し、立て続けに決定機を創出。2分、中島元彦のクロスを大外で受けたチアゴ アンドラーデがフリーでシュート。8分には、柴山昌也のパスから背後に抜けたラファエル ハットンがシュート。ただし、いずれも横浜FCのGKヤクブ スウォビィクのセーブに阻まれた。横浜FM戦と同様、序盤の好機を生かせずにいると、次第に横浜FCにボールを握られ、サイドに振られ、クロスからピンチを招く。特にセレッソにとっての右サイドを崩されると、20分に失点。クロスに対し、中でクリアし切れず、ファーで受けたジョアン パウロに決められた。この場面では2人の選手が付いていたが、寄せが甘くなった。リズムを掴めないセレッソは、30分にも2失点目。自陣でのつなぎでミスが出ると、ショートカウンターを受けてネットを揺らされた。攻撃でも序盤以降、なかなかチャンスを作れずにいたが、42分、CKから1点を返す。柴山のキックにニアで競ったクールズがこぼれ球に反応して右足で決めた。前半アディショナルタイムにも中央をワンツーで突破した田中駿汰が決定機を迎えたが、シュートはGK正面に飛んだ。
後半開始からセレッソは2枚替え。喜田陽と奥田に代えて、香川真司と登里享平を投入。それでも、一度、明け渡した流れをつかみ返すことはできず、64分には自陣左サイドの背後を取られ、クロスから3失点目。さらに苦しい展開へ追い込まれていく。ホーム最終戦をこのまま終わるわけにはいかない。奮起した選手たちがここから猛反撃を開始。67分、左サイドを抜け出した香川が巧みな反転から前を向き、ループシュート。素晴らしい身のこなしから決定的な形に持ち込んだが、わずかに枠を外れた。75分には、途中出場のヴィトール ブエノのスルーパスに抜け出したハットンが相手をかわしてシュート。際どいコースへ飛ばしたが、ここもわずかに枠の外。80分、香川の絶妙なパスから右サイドを取ったクールズがクロス。完全に崩したが、逆サイドから入ってきた登里はDFにブロックされてシュートは打てず。81分にも左サイドからカットインしたチアゴがインに巻いたシュートを放ったが、ポストを直撃。反撃の1点が遠い。チアゴは84分にも決定的なシュートをGKにセーブされる。それでもついに88分、チアゴのシュートをGKがはじいたところをハットンが詰めてネットを揺らしたが、ここはオフサイドでゴールは認められず。得点王の可能性を残して最終節を迎えたハットンは5試合連続ゴールとはならず、最終的には得点ランク2位タイで終えた。試合はこのまま1-3で終了。ホーム最終戦であり今季の最終節を勝利で飾ることはできなかった。
最終的な戦績は14勝10分14敗と五分。順位も10位と中位でフィニッシュした。試合後は、キャプテンの田中とパパス監督がサポーターの前で挨拶。「このクラブを本当に変えたい。トロフィーを掲げるという気持ちで全て戦いたい。まだまだやらないといけないことはありますが、チームは絶対に強くなる、チームはもっと勝つ。人生の中で一番の瞬間を、優勝という形で迎えたい」とパパス監督が熱いスピーチ。来年の明治安田J1百年構想リーグおよび2026/27シーズン明治安田J1リーグへ向け、躍進を誓った。