2025明治安田J1リーグ第37節

2025明治安田J1リーグ

2025.11.30

横浜F・マリノス

植中 朝日 (25')

ジョルディ クルークス (61')

ディーン デイビッド (90+6')

3

AWAY

FULL TIME

1

1-1

2-0

セレッソ大阪

ラファエル ハットン (45+3')

日産スタジアム

42,665

HIGHLIGHTSハイライト

ギャラリー

MATCH REVIEW

良い入りを得点につなげることができず、不用意な失点も重ねて1-3の敗戦。連勝は3でストップ


今季2度目の3連勝を飾った前節の清水エスパルス戦から3週間。セレッソ大阪は横浜F・マリノスのホームに乗り込み、今季初の4連勝を目指して明治安田J1リーグ第37節に臨んだ。先発は前節から1人変更。田中駿汰が戻り、2試合ぶりに喜田陽、中島元彦と中盤を組んだ。

直近の2試合、いずれも開始15分以内で2得点を挙げるなど、入りの良さが際立っていたが、今節もキックオフからゴールに迫ると、3分に最初の決定機。ペナルティーエリア内に進入した髙橋仁胡のパスを受けたラファエル ハットンの落としを中島元彦がシュート。ただし、ここはGKの好セーブに防がれる。6分にも決定機。奥田勇斗のスルーパスから右サイドの背後を取った柴山昌也が飛び出してきたGKをかわして中へクロス。ハットンがトラップからシュートを放ったが、今度はDFにブロックされた。13分には田中のスルーパスから左サイドを抜け出したチアゴ アンドラーデのクロスに奥田がシュート。今節も序盤に畳み掛けたセレッソだが、ここで仕留めることができるにいると、25分、相手のロングボールを前線で収められ、サイドに展開されると、ジョルディ クルークスが得意な形でカットイン。左足から放たれたシュートをGK福井光輝がキャッチし切れず前にこぼし、これを植中朝日に詰められ先制を許した。ワンチャンスを生かされた格好となったセレッソだが、その後も攻め続ける。38分には柴山のパスを受けたチアゴが右足を振り抜くと、強烈な弾道がゴールを襲ったが、ここもGKの好守に防がれた。44分にも畠中槙之輔、チアゴとつないで左サイドを崩すと、最後は髙橋のスルーパスに抜け出した中島に決定機も、シュートは枠を外れた。攻めどもゴールが遠い前半のセレッソだったが、アディショナルタイムに同点に追い付く。相手DFのクリアミスに反応したチアゴが一足早くボールに触れると、あとからGKの足が掛かり、PKを獲得。これをハットンが決めて、試合を振り出しに戻して前半を終えた。

後半も最初の決定機はセレッソ。58分、相手DFのバックパスをカットしたハットンが縦に突破。並走してきたチアゴへ丁寧なパスを送ると、GKと1対1を迎えたチアゴはトラップから切り返し、ループシュートを狙ったが、枠を外れてゴールならず。続く59分にも田中のスルーパスに左サイドを抜け出したチアゴの折り返しから決定機になりかけたが、ハットンのシュートはDFにブロックされた。2つの好機を生かせずにいると、61分、相手のFKをクリアしたボールをダイレクトで前線に入れられ、背後へ抜けたクルークスに決められて勝ち越しを許した。再び追いかける展開となったセレッソに、さらなるアクシデントが起こる。65分、髙橋がこの試合2枚目のイエローカードで退場に。すでに大畑歩夢の投入を含む3枚替えを準備していたアーサー パパス監督にとっては不運な退場劇となった。ここからは横浜FMに再三、決定機を作られたが、福井の好セーブやクロスバーにも救われ3失点目は防ぐと、後半アディショナルタイム、持ち運んだ畠中のスルーパスをハットンがつなぎ、ヴィトール ブエノに決定機。ただし、ニア上に放ったシュートはここでも相手GKの好守に阻まれた。すると90+6分、セットプレーをはね返されたところからカウンターを受けて3失点目。今節は試合の流れを掴むことができず、1-3で敗れ、連勝は3で止まった。

試合後、キャプテンの田中は、「入りとしては悪くなかったと思います。先制点を取れれば、完全に自分たちのペースに持っていけたと思いますが、そこで取り切れず、耐えないといけない場面で失点してしまった」と振り返り、今季の最終節でありホーム最終戦となる次節へ向け、「チャンスは作れているので、そこで決め切ることと、後ろはしっかりリスク管理できれば問題ないと思います。今年、自分たちが積み重ねてきたことを最終戦でも出して、勝ちたいと思います」と決意を込めた。今節の課題も糧に、最後は勝利と笑顔で終わりたい。

監督コメント

■アーサー パパス監督

「マリノスの方々には『おめでとう』と伝えたいです。彼らの戦い方はロングボールが多く、セカンドボールを拾ってからの流れに乗った攻撃が発揮された試合だったと思います。もちろん、その中で我々も良い形での攻撃は見せました。特に前半は決定機をいくつも作りました。ただし、早い段階で決め切ることができなかった。ハーフウェーライン付近で奪われて、切り替えが遅くなって喫した相手の先制点は受け入れがたい失点でしたが、個々人の部分(対応)が出てしまったと思います。後半も開始から自分たちのフットボールは表現できたのですが、自分たちの立ち位置、形を守り切れなくて、2つ目の失点を喫してしまった。今シーズン、リーグ戦の中では一人少なくなる状況は初めてだったので、3失点目は規律が欠けてしまったと思います。10人でも決めるチャンスはあったと思いますが、総じて勝利に価する試合ではなかった、という思いです」

Q:前半について伺います。失点後は攻撃のスピードも上がり、チャンスの数は増えましたが、序盤から中盤は、やや持たされたような印象も受けました。相手の守備も含めて、試合の入りについてはどのような感想を持っていますか?
「保持率で見ると60%ぐらいでしたが、ボールを持っている時に、良い状態なのに簡単に蹴ってしまうシーンも見られました。自分たちが表現したいフットボールは勇気を持ってプレーしないといけない。良い攻撃ができていた時間帯もあったので、それをゲームの中で継続していこう、という声はかけたのですが、一人一人のちょっとした判断のズレは見られたと思います」

Q:それでも追い付いて前半を終えて、後半も入りは悪くなかったですが、1失点目と同様、2失点目も簡単にしてしまった印象だが?
「(相手のロングボールに対しては)(田中)駿汰を(ディフェンスラインに)落として競り合う形も狙っていましたが、あまり吸収され過ぎるわけにもいかなかったので。前半も長いボールから(ピンチを招く)、というシーンもありました。今日はロングボールの対応が、我々が苦戦した所だと思います」

選手コメント

■ラファエル ハットン選手

Q:30歳の誕生日でした。誕生日に試合をした経験はありましたか?
「いえ、初めてでした。ゴールを決めることができて良かったですが、負けてしまったことは残念です。ただ、それもサッカーの一部です。次のホーム最終戦は必ず勝って、サポーターの皆さんと喜びを分かち合いたいです」

Q:PKで決めた得点シーンについては?
「自分が蹴らない試合もあったのですが、今日は自分が蹴らせてもらえるということだったので、しっかり練習もしていました。決めることができて良かったです」

Q:得点ランクトップのレオ セアラ選手との差も1点に縮まりました。得点王の期待もかかる次節へ向けた意気込みをお願いします。
「まずはチームが勝つことを第一に考えています。そこにプラスして、自分のゴールが勝利につながればいいと思います。開幕当初は得点王争いができるとは思っていませんでした。ただ、ここまで来たからには、最後の最後まで諦めずに目指していきます。サポーターの皆さんにも後押ししていただければと思います。よろしくお願いします」

■チアゴ アンドラーデ選手

Q:先制点を奪われる展開でしたが、チアゴ選手からかなりのチャンスが生まれた印象だが?
「先に点を取られましたが、前半の内に自分たちのリズムも取り戻して、追い付くことはできました。ただ、後半は退場者も出て、上手く攻撃できませんでした。何とか盛り返そうとしましたが、今日は上手くいかなかったです」

Q:左サイドの背後を狙うだけではなく、今日は中央や右サイドでボールを受ける場面もあったが?
「そうですね。試合の流れでポジションを変える場面もありました」

Q」PKを獲得した場面は、一瞬のスピード、反応で上回った感じでしょうか?
「抜け出すタイミングが良かったと思います。相手より一歩、先に出ることができました。スピードも生かせたと思います。ハットン選手が決めてくれて良かったです」

Q:後半、逆にハットン選手の突破からパスを受けてチャンスもありました。最後はループシュートを狙ったあの場面を振り返ると?
「GKが出ていたのが見えたので上を狙ったのですが、残念ながら上手くいきませんでした」

■田中 駿汰選手

Q:序盤からボールは持っていました。直近2試合ほど前に向かうシーンはなかったですが、それでもいい形も作っていました。どのような意識でプレーしていましたか?
「チャンスもありましたし、入りとしては悪くなかったと思います」

Q:失点後も攻める時間は長く、前半で追い付くことはできましたが、もう少し自分たちのリズムに持ち込めたのでは、という思いもありますか?
「そうですね。各々が練習でやってきたことを意識しながら、ある程度は想定内の展開で進みました。特にイレギュラーなことは起こっていなかったので、先制点を取れれば、完全に自分たちのペースに持っていけたと思います。そこで取り切れず、耐えないといけない場面で失点してしまった印象です」

Q:押し込まれていたわけではなかったので、2失点がもったいなかったなと感じます。ただ、そこで仕留めてくる強さが今の横浜FMのスタイルと言いますか、割り切ってくる彼らのサッカーに屈した印象も残るが?
「そうですね。マリノスもそれで良し、としている感じがしたので。攻撃はシンプルに裏抜けとロングボールでしたが、自分たちにとっては嫌な攻撃ではあったので、そこでしっかりはね返すとか、セカンドボールを拾うことがもっとできれば良かったです。もったいない、という思いはあります」

Q:やり方を変えることはないと思います。次節のホーム最終戦へ向けて意気込みをお願いします
「変わらずやっていきます。チャンスは作れているので、そこで決め切ることと、後ろはしっかりリスク管理できれば問題ないと思います。今年、自分たちが積み重ねてきたことを最終戦でも出して、勝ちたいと思います」

■畠中 槙之輔選手

Q:序盤からボールは持っていました。入りとしては、特別、悪い感じはしなかったですが、多少、持たされていた感もありました。相手の守備のやり方も含め、序盤の流れはどう感じていましたか?
「相手もしっかりスライドしてきましたが、自分たちのポジショニングで、もっと嫌な位置を取れれば良かったですし、もっと前に前に行きたかったのが本音ですが、無理して行く必要もなかったですし、相手が出てきたところで崩せたシーンもあったので。逆に引き付けて裏を狙うシーンをもっと増やせたら良かったです」

Q:あくまで意図的にボールを持っていた、という感覚でしたか?
「そうですね。展開的にも焦る必要はなかったので」

Q:自分たちでコントロールしていたような状態の中で、ワンチャンスを生かされて失点したことが重くのしかかった感じでしょうか?
「そうですね。正直、崩された、という感じではなかったですが、少ないチャンスをモノにしてくるのが、(いまの)マリノスなのかな、という感じもしました」

Q:試合前も仰っていたように、防げる失点を減らしていくことが大事で、今日に関しても防ぎようがあったと思います。こういう失点の仕方が、今季、なかなか上に行けなかった要因でもある?
「そうですね。今季を象徴するような。自分たちのミスだったり、簡単な失点は無くさないと上には行けない。最後に同じような形で失点してしまったことは悔しいですね」

Q:試合後には挨拶にも行かれていましたが、久しぶりの日産スタジアムでプレーした感想は?
「試合をしている時も、ホームの声援が大きかったですし、その声援に乗せられてマリノスの選手たちも躍動し始めた、という感覚も試合の中で受けました。やっぱり偉大なサポーターたちだったな、と思いますが、自分たちも点を取れるところで取り切れていたら勝てた試合だったと思うので、今日に関しては自分たちが勝負弱かったなと思います」