第34節
2025明治安田J1リーグ
2025.10.18土
ファジアーノ岡山
佐藤 龍之介 (32')
1
AWAY
FULL TIME
2
JFE晴れの国スタジアム
1-1
0-1
セレッソ大阪
オウンゴール (20')
ラファエル ハットン (63')
JFE晴れの国スタジアム
14,903人
ギャラリー
MATCH REVIEW
監督コメント
■アーサー パパス監督
「他のチームもそうだと思いますが、このスタジアムで勝つのは難しいです。それだけに、勝ち切れて良かったです。パフォーマンスにも満足している部分はあります。迷いながらプレーしていなかった。ブレずにやり続けることができた。崩し切ったところもありました。そういったところから流れを掴んで勝利できたことに満足しています」
Q:前節からの改善をどう表現するかという部分では、立ち上がりから相手のプレスをはがして、「迷いなく」前進してチャンスを作るシーンも多かった一方、前半30分以降は縦に入れたパスをカットされて裏返されてカウンターを受けるシーンもありました。今日、良かったところ、まだまだ課題として残ったところなど、どう振り返りますか?
「全てを完璧にかいくぐることは難しいです。逆に自分たちが相手の陣地で奪って作った決定機もありました。相手に余裕を与えてしまうと、どうしても背後に蹴られてしまう。『できるだけ相手に押し込まれないような形で守備をしよう』ということは試合前にも伝えていました。ここからは質問の答えになると思いますが、ビルドアップに関しては、中盤のヒナタ(喜田陽)、(田中)駿汰、(中島)元彦が流動的に動きながらスペースを探してよくボールを受けたこと。進藤(亮佑)もビルドアップに関わって、前進するための力になってくれた。その関係性が良かったと思います。こういった試合の展開で、最後にセットプレーでやられて負けたり、追いつかれてしまうこともありましたが、そこが改善されたことも勝利につながったと思います」
Q:前節から選手を入れ替えて臨んだ中、トップ下に入った中島選手が2得点に絡みました。今シーズン、ここまでFWで起用される試合もありましたが、今日はトップ下でした。彼の適正や良さはどういったところにあると考えていますか?
「例えば、ルービックキューブがありますが、パーフェクトを目指すと、どこかで穴を埋めないといけない。全面、同じ色を揃えることはすごく難しい(笑)。チームには、強みもあれば弱みもあります。その中で、元彦はとても賢い選手だと思っています。試合の流れを読むこともできますし、色んなポジションもしっかりこなせます。今日、プレーしたポジションが一番、生きる場所だとは思っています。最後の質に関しても、違いを見せることができる選手です。また、今日の選手変更に関して、(香川)真司は少しコンディションの問題です。評価が悪かったということではありません。今週はほぼ練習していません。大きな問題ではないですが、様子を見ながら調整ということで、今回の試合には来ていません」
選手コメント
■ラファエル ハットン選手
Q:連敗が止まったことが何よりだと思いますが、勝った今の気持ちは?
「なかなか勝てていなかった中で、自分としてもチームとしても成果を出せずに苦しんでいましたが、代表ウィークも挟んで、しっかりとチームとしてまとまることができました。今節の前半は前節とは違う入りができたと思います。本来の姿というか、調子を戻せたと思います」
Q:ゴールシーンは中島選手のシュートをGKがはじいたボールを詰めた形になったが?
「半分、モト(中島)のゴールかな、とは思うので、0.5点、0.5点といったところですかね(笑)。ですが、GKが弾いたところをしっかり詰めることができて良かったです」
■中島 元彦選手
Q:今日も岡山に多くのサポーターが駆けつけてくれました。3連敗していた中で、勝てたことについて
「勝てましたけど、相手が退場していなかったら分からなかったですし、1人多くなってからも決定機がいくつもあった中で、自分も含めて決め切れなかったことは、相当、悔しいです。チームとしては久々に勝てたので、そこはポジティブに捉えようと思います」
Q:終盤、中島選手もサイドからのクロスに合わせた決定機ありましたが、やはり3-1にして終わらせないといけなかった?
「そうですね。決めないといけなかったです。もっとシュート練習しないといけないと思いました」
Q:勝ち越しゴールにつながった場面では、奥田選手がボールを持った瞬間、タイミングよく斜めから背後に抜け出してシュートまで持っていったが?
「1人多くなった後も、相手の前でボールを動かすことが多く、相手のディフェンスラインも横にスライドすればいい、という感じになっていたと思うので。良いタイミングで抜け出せましたし、そこに(奥田)勇斗がいいボールをくれました。決めることができたらベストでしたが、勝ち越せて良かったです。岡山も守ることに徹したら堅いですし、相手が10人になったからと言って、自分たちが圧倒してチャンスを作って決めることは難しいと思っていたので、早めに取れて良かったです」
Q:このスタジアム特有の雰囲気もあると思いますし、どのクラブもこのスタジアムで勝ち切ることは難しい中で、勝ち切れたことは、昨シーズンの思いも少しは晴らせましたか?
「はい、一回、リベンジできたので、良かったです。素直に今日は嬉しいです。決め切れなかったことは反省して練習すればいいので、勝てて良かったです」
Q:先制点につながったCKは、速いキックでオウンゴールを誘ったが?
「綺麗に入り過ぎて、一瞬、『クリアされたのかな?』と思いました(笑)。でも外にこぼれていないから、入ったのか、と。ラッキーではありましたが、先制できて良かったです」
■田中 駿汰選手
Q:前節からの改善という部分では、今節は立ち上がりからビルドアップでボールが前に進んでいるな、という印象を受けたが?
「そうですね。攻守に前から行って、相手に主導権を渡さないという気持ちで入りました。前節の反省を生かして、今日は入りで自分たちの流れに引き寄せることができたと思います」
Q:田中選手自身も、良いポジションを取りながら、縦を狙うシーンも多かったが?
「やっぱり背後が一番、相手は嫌だと思うので。特にこういう前からガツガツくる相手には背後が効くと思います。自分としては、もっと裏返しても良かったと思いますが、狙った形は作れたと思います」
Q:前半の30分以降は、こちらの縦パスに対して相手の前向きな守備から奪われてカウンターを受ける場面もあったが?
「トライしている分、仕方ない部分もありますが、失い方はもっと改善できる。また映像でも見返して、全員で共通意識を持って確認したいと思います」
■奥田 勇斗選手
Q:第31節・鹿島アントラーズ戦以来の先発でしたが、チームの中で自身のやるべきことについて、どのような意識で入りましたか?
「相手は前からアグレッシブに来るチームで、その相手に対してどう進めていくか。今節に向けて2週間あったので、そこは徹底的に練習して、分析した結果、良い形でボールを運べたシーンもありました。自分が(後ろ)3枚の右だったり、ボランチに入ったり、そういう瞬間があったので、それをうまく活用できたことで、相手は捕まえ切れなかったのかなと思うので、そこは良かったと思います」
Q:良い形でポジションを取って、プレスを外してボールを運ぶシーンがありました。最近は右サイドバックにクールズ選手が入っている中で、クールズ選手にはクールズ選手の良さがある一方、奥田選手には奥田選手の良さがあるな、と。保持して、はがしていく部分では、奥田選手がいるとスムーズに前進できる良さがあるなと再確認したが?
「そうですね。そこは自分の強みなので、思い切ってプレーできて良かったと思います」
Q:前半の30分以降は相手の圧力も強まったのかなと思ったが、ピッチではどう感じてプレーしていましたか?
「後ろでは落ち着いてプレーできましたし、前から来ても、しっかり相手を見てポジションを取って、はがすことはできたと思います。得点以外にも前半にチャンスはあったので、しっかり決め切れたらもっと楽な展開になったと思います」
Q:勝ち越しゴールの場面では、裏に抜けた中島選手をしっかり見て届けましたね
「自分があのポジション(ボランチ)に入ることが今日の試合では何回もあったので。前を向いたらFWの動きは見ていました。もっくん(中島)の動きも見ていましたし、背後に抜け出してくれたので、良い形でボールを供給できたと思います。最後はハットンが決めましたが、良い形の攻撃だったと思います」
Q:後半アディショナルタイムは10分という長い時間でした。3点目も狙いにいきながら、1点差を守り切る判断は難しさもあったと思うが?
「相手は10人になったので、こっちも余裕をもってプレーできましたし、あそこで仕留め切れたらもっと楽な展開にできたと思います」
■進藤 亮佑選手
Q:前半の入りから、前節からの改善を出せた場面もあったと思うが?
「出せたところもありましたけど、トータルすると、スッキリと勝てた感じではなかったです。相手にも勝つチャンスはあった試合だったかなと思います。『良かったぞ』と監督やコーチには言ってもらえましたが、『勝ったから良かった』で終わらせたくはないかなと思います」
Q:それでも前節に比べるとボールが前に進んでいったと思います。前節と違った部分は?
「配置の部分で良い感じで崩せたり、僕もちょっとドリブルで運んでみたり。ドリブルで運んでいる途中、(相手選手から)『そこは持たせても大丈夫だから』という声が聞こえてきて。それは、『この場所なら持たせても大丈夫』という意味なのか、『こいつには持たせても大丈夫』という意味なのか。僕は後者と捉えたので、ちょっと悔しかったです」
Q:なるほど(笑)。そうした一人一人のはがそうとする意識も感じられましたし、パスの受け方やスピードも速かったように感じたが?
「良い形で崩せたシーンもありましたが、チャンスを作ってもそこで点が取れないと意味がない…とまでは言わないですけど、結局、追い付かれてしまっているので。結果につなげていかないといけないですね」
Q:失点シーンは、GKからハットン選手に入れたところで失って、シュートまで打たれました。前向きな守備を受けるシーンもあったが?
「全部つなぐことは無理なので。少しラフに蹴った時に、対応できるポジショニングも大事。つなぐポジションを取ったあと、蹴った時にセカンドボールを拾う、という考えが我々には足りないのかと。上位にいるチーム、町田や広島は蹴ることも厭わない。もちろん、つなぐサッカーを目指していますが、一番良いのは勝つ確率を上げるプレーなので。良いサッカーをするよりも勝ちたいので。つなぎながらも、割り切って蹴った時に、拾えるようなオーガナイズはしないといけないと思います」
Q:守備では、ルカオ選手とのバトルは見応えがあったが?
「強みを今日は出させなかったかなと思います。裏に蹴られてフィジカルで行かれてやられているチームもある中で、今日はそういうシーンはなかったので、それは良かったと思います」

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2得点に絡む中島元彦の活躍に決勝点はラファエル ハットン。連敗を3でストップし、5試合ぶりの勝利を掴む
今季初の3連敗を喫した前節の名古屋グランパス戦から約2週間。代表ウィークによる中断を挟み、セレッソ大阪はファジアーノ岡山のホームに乗り込み、明治安田J1リーグ第34節に臨んだ。先発は名古屋戦から4人変更。中島元彦、喜田陽、奥田勇斗が3試合ぶり、進藤亮佑は4試合ぶりのスタメンとなった。また、今節は右のウィングにチアゴ アンドラーデ、左のウィングに本間至恩が入った。
ハイプレスに苦しんだ前節の反省も生かし、今節は保持の局面で足元だけになるのではなく、効果的に背後も使って相手を裏返す。押し込んだ後の攻から守への切り替えも早く、10分、11分と連続して奥田が高い位置で奪ってチャンス。前者は田中駿汰から中島、後者は中島から本間につなぎ、シュートまで持っていった。特にカットインから際どいコースへ放った本間のフィニッシュはあと少しで先制という場面だった。18分には自陣でのつなぎで相手のプレスに遭い、高い位置でボールを奪われてネットを揺らされたが、ここはオフサイドで胸をなでおろす。すると直後の19分、奥田から田中に通したパスで相手のプレスを外すと、田中が一気に左サイドの背後へロングパス。本間が縦に突破してCKを獲得、20分、このセットプレーからセレッソが試合を動かす。キッカーの中島が低くて速い弾道のボールを蹴ると、ルカオのクリアミスを誘い、オウンゴールで先制に成功した。その後も長いボールも効果的に使って攻めるセレッソは、チアゴと本間の両サイド、さらには中島とラファエル ハットンの縦関係も機能し、チャンスを作る。ただし、30分過ぎからは岡山のマンツーマン気味のプレスに押されると、32分に失点。福井光輝がハットンに入れたボールをハットンがコントロールミスしたところから奪われ速攻を受け、最後はホームでの対戦でも決められた佐藤龍之介にカットインからミドルシュートを決められた。ここから岡山の勢いの前に守勢に回ったセレッソだが、勝ち越しゴールは許さず前半を終えた。
後半も立ち上がりは岡山の攻勢を受けるが、大畑歩夢が体を張ってカバーするなど失点は防ぐと52分、試合の行方を大きく左右する出来事が起こる。奥田のフィードに抜け出したハットンが、飛び出してきた岡山のGKスベンド ブローダーセンに足をかけられて倒される。VARの助言を受けた主審がオンフィールドレビューを行った結果、「決定的な得点機会の阻止」の判定でGKは退場に。数的優位になったセレッソが63分、勝ち越しに成功する。中央で受けた奥田がボールを持った瞬間、中島が斜めに走って背後に飛び出すと、奥田のピンポイントパスを受けた中島がダイレクトでシュート。GKにはじかれつつゴールに向かったボールを最後に押し込んだのはハットン。中島の機転を利かせた動きに合わせた奥田のパス。両者の意図がかみ合って生まれたゴールだった。その後はリードしたセレッソが数的不利の岡山にチャンスを作られるシーンもあったが、決定的な形までは持ち込ませずにいると、3点目のチャンスを何度も作る。後半途中から入った吉野恭平や中島が決定機を迎えると、後半アディショナルタイムには、こちらも途中から右のウィングに入った柴山昌也がカットインから巻いたシュート。完璧な形だったが、惜しくもポストを直撃した。試合を決める3点目こそ奪えなかったが、10分という長い後半アディショナルタイムもしのいだセレッソが2-1で勝利。第29節・アビスパ福岡戦以来、5試合ぶりの勝点3を掴んだ。
「今節に向けて2週間あったので、相手を分析して、徹底的に練習した結果、良い形でボールを運べたシーンもありました」と振り返ったのは奥田だが、退場を誘発させた場面、さらには決勝点につながったシーンと、いずれも背後へ効果的なパスを通した背番号16の活躍も光った。トップ下に入って2得点を演出した中島は、自身が決め切れなかったことで反省の弁も残しつつ、「チームとしては久々に勝てたので、そこはポジティブに捉えたい」と笑顔も見せた。GKも含めたビルドアップの精度はまだまだ要改善ではあるが、5試合ぶりの勝利をプラスに変えて、次節、川崎フロンターレとのホームゲームに臨む。