第33節
2025明治安田J1リーグ
2025.10.4土
名古屋グランパス
野上 結貴 (37')
木村 勇大 (45')
2
AWAY
FULL TIME
1
豊田スタジアム
2-0
0-1
セレッソ大阪
ヴィトール ブエノ (85')
豊田スタジアム
33,496人
ギャラリー
MATCH REVIEW
監督コメント
■アーサー パパス監督
「名古屋の皆さんにはおめでとうございますと伝えたいです。1点が入るまではどちらも変わらない状況だったと思いますが、ビルドアップのところで工夫が必要でした。ピッチ上で解決できなかったです。先制されて難しい状況が続き、そこに対してはね返せなかった前半でした。前半と比べると後半の方が良かったですが、名古屋のアグレッシブさに押し込まれたところもありました。ボールを持っているだけではなく、どうボックス内に入っていくか、という部分で課題が多く見えた試合になりました。スピリット、闘志はあったと思います。それがなければ1点を返せなかった。でもやはり質の部分が欠けていたと思います」
Q:前節の京都サンガF.C.戦と同様、前半はボールを前に運ぶことができませんでした。相手のマークに対してビルドアップで苦しむ時間が続いたが、どのあたりに原因を感じていますか?
「(解決策としては)選手を代えていくといったことも必要になってくるかもしれません」
Q:後半は押し返す時間も作ったが、チーム全体としてのモチベーションはどう見えましたか?
「前半が終わって0-2という結果になったので、ハーフタイムで何かを変えなければいけないと思いました。そのまま進んでしまえば、0-4、0-5なってもおかしくない気持ちの持ち方だったと思います。後半は、まずは自分たちでボールを握りながら前に力を注げるようにしたかった。前半で代えた選手に関しては、悪かったから代えたわけではありませんが、流れを変えるには、チームとして何かを変える必要がありました。後半、先に1点を取れば流れは変わると思いました。後半はもう少し決め切れるシーンもあったと思うので、そこで決め切ることも必要でした」
選手コメント
■福井 光輝選手
Q:相手のプレスに対して、前半はボールが前に進まない苦しい時間帯が続いたが?
「そうですね。自分のところでうまく違いを出せれば良かったですが…。最近の相手はずっとマンツーマン気味にプレスに来て、ボールを下げさせて、僕のところで嵌めに来ています。そこで長いボールを蹴らせる。スカウティングされているとは感じています。ただ、そこで僕も長いボールで裏返すパスを出せていたときもありましたが、今日はそれを出せなかった。そこは僕の責任だと思います。もちろん、みんながあっての僕のビルドアップですが、僕が周りに『出したら動け』とか『開け』とかコーチングもしていかないといけない。そこも足りなかった。ただ、後半になってオープンになると、上手くつながる場面もありました。ハーフタイムにみんなで話して、ボランチの(田中)駿汰とか、前半より顔を出してくれて、トントンとプレスを回避できる場面もありました。それをもっと前半から出したいですし、そこは練習から突き詰める必要があります。僕にボールが入って、相手の動きも止まり出せば、自分たちが動くことによってパスも付けられる。どんどん動いて、有効なスペースを使っていきたかったです。横、横でパスを早めに動かして、食い付かせて斜めに差すとか。僕自身も少しボールを持ち過ぎたというか、前半はパススピードも遅かった。京都戦もそうでしたが、横のパスで意外と外せるけど、その1本のパスの質、トラップの質でノッキングが起こると、相手の流れになってしまう。それが今のセレッソの傾向かなと思います。ただ、下からつなぐことはブラさずにやっていきたいです」
Q:前節も今節も、相手にプレスの勢いがある前半をしのげば後半は流れが来るだけに、前半のあの時間帯での失点も防ぎたいところだったが?
「間違いないです。最近、増えていますが、今節もセットプレーがカギになってしまった。もちろん、セットプレーは個人、個人の責任でもありますが、組織として守れる部分もあると思うので、僕がもっとコーチングして、オーガナイズしていかないといけないと思います」
■阪田 澪哉選手
Q:停滞した前半の流れを変えるべく、後半から投入されました。どのような思いでピッチに入りましたか?
「前半はチームとしてうまくいっていなかったので、自分が入って、サイドや攻撃でアクセントを作りたい思いで試合に入りました。もっとチャンスを作って結果を出したかったですが、結果としても負けてしまい、自分もチームに貢献できなかったので、申し訳ない気持ちです。出場機会を得た時にモノにしようという気持ちで今日も臨んだのですが、自分の実力不足だったと思います」
Q:1点を返した直後、うまくGKと1対1になるシーンもあったが?
「ああいうシーンで決めるか、決めないかで、自分もそうですが、チームも勝点1か0か変わってしまう。決められなかったことが悔しいですし、ああいう場面で決め切れるように練習していきたいです」
■進藤 亮佑選手
Q:前半はボールを前に運べない苦しい時間が続いた中で、後半は選手も入れ替えながら、何とか流れを変えるべく試みていたが、試合の流れをどう見ていましたか?
「前半は、チームの決め事を全員が必死でやろうとしていましたが、なかなか効果的に上手くいかなかった印象です。相手にとって怖さのある攻撃はできなかった。相手を見て攻撃することも必要。『自分たちのすべきことは相手が決めてくれる』という表現を僕はよくするのですが、自分たちが決めていたことがあっても、相手がそれに対応してくるのであれば、違う形もしないといけない。それがサッカーだと思います。一人一人が精一杯やった中で、前半のような形になってしまったと、外から見て思いました」
Q:一つプレスを外せば、フリーな選手にパスが入って、攻撃にスイッチが入る?
「相手はマンツーマン気味に来ていたので、アクシデント的な部分も含め、何回かトライしていれば、前半のハットンのようなチャンスもあります。その確率をどう上げていくか。カウンターを浴びる回数が多いのであれば、それは(完全に)有効な攻撃とは言えない。相手もあることなので、自分たち主体だけではない、ということも理解しながら試合を運んでいくことも大事かなと思います」
Q:順位としては中位ですが、残り5試合、どう最後まで戦っていく?
「順位のことだけを言えば中位ですが、来年、自分がこのチームで活躍するために、この状況でも自分はチームのために戦える選手だということをチームメイトや監督、スタッフにアピールしないといけない。それぞれが示さないといけない。今日の試合もみんな与えられたタスクを必死でやろうとしていました。それが大事と理解した上で、監督から与えられたタスクをしっかりやることが大前提で、プラスαで、『こういうことをしてみたらどうかな』という変化も加えたいと思ってプレーしました。もちろん、チームのために、ということが前提で、勝手なことをするわけではないですが。プラスαで変化を与えることがチームのためにもなって、結果にもつながれば良いと思っています」
■ヴィトール ブエノ選手
Q:素晴らしいゴールでした。直接FKでの得点を振り返ると?
「自分の武器の一つで、上手く決められたな、という思いです。もちろん、狙っていました」
Q:前々節・鹿島アントラーズ戦に続くゴールになりました。鹿島戦後も話していましたが、もっと出場時間を伸ばしていきたい?
「日本に来てもう少しで2年が経ちますが、全体を通して、もう少し試合に出たかったという思いです。鹿島戦にしても、出番の時にしっかり決めることができました。それは偶然ではなくて、自分の準備があったからだと思います。今シーズンは残り5試合ですが、できるだけ多くの時間で出場できるように準備したいと思います」

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終了間際にヴィトール ブエノの直接FKで1点を返すも、攻撃が停滞し、セットプレーを含む2失点を喫した前半をはね返せず、今季初の3連敗
1-2で敗れた前節・京都サンガF.C.戦から中5日。セレッソ大阪は、15位・名古屋グランパスのホームに乗り込み、明治安田J1リーグ第33節に臨んだ。先発は京都戦から1人変更。前節、負傷交代したルーカス フェルナンデスが外れ、前節もルーカスに代わって途中出場した本間至恩が今節はスタートから右ウイングに入った。
立ち上がりは名古屋にサイドを広く使われ、クロスからの攻撃を受けたセレッソだが、ここをしのぐと次第にボールを握り始める。ただし、前半のセレッソは名古屋の高い位置からのプレスに対し、低い位置でのビルドアップを余儀なくされ、ボールを前に運べない。思うように相手のボックス内に進入できずにいたが、31分、カウンターの形から本間が前を向き、ラファエル ハットンとのワンツーで打開。ゴールへの予感を漂わせると、直後の32分に決定機。今節もトップ下で先発した柴山昌也を起点に香川真司、本間とダイレクトでつなぎ、最後は本間がニアへ速いクロス。ドンピシャのタイミングでハットンが合わせたが、シュートはGK武田洋平に防がれた。前半、セレッソが放ったシュートはこの1本のみ。それでも完全に崩した形だっただけに仕留めたかった。すると直後の36分、名古屋に決定機。ピッチ中央でマテウス カストロに起点を作られ、サイドへ展開されると、最後はクロスから木村勇大がゴール前でフリーの状態でシュート。こちらも決定的な形だったが、今度はGK福井光輝が右足に当ててビッグセーブ。桜の守護神も見せ場を作ったが、ここで与えたCKから失点。ニアで逸らされ、ファーで野上結貴に決められた。セレッソとしては前節の京都戦でもCKから2失点を喫していただけに、今節に向けてはトレーニングからセットプレー対策も重ねてきたが、防ぐことができなかった。これで名古屋の勢いが加速すると、45分にも2失点目。自陣左サイドのニアゾーンを攻略され、走り込んだ稲垣祥のクロスから木村にヘディングで決められた。
前半のセレッソは攻守、球際、セットプレー、いずれも後手を踏む形で劣勢を強いられると、後半開始から選手を2人変更。柴山とチアゴ アンドラーデが下がり、中島元彦と阪田澪哉が入った。中島はそのまま柴山がいたトップ下に、阪田は右のウイングに入り、本間が本職の左へ移った。後半は2点を追うセレッソが守備の強度を上げ、攻撃でもテンポアップを図ったが、58分、名古屋にカウンターからネットを揺らされてしまう。ただし、ここはVAR判定の結果、オフサイドで得点は認められず。致命的な3失点目は防ぐと、ここからセレッソが猛反撃。61分、右サイドで阪田が起点を作り、左から中央に入ってきた本間の落としを受けた香川がシュート。芯を捉えたが、わずかに枠を外れた。65分にも香川、ディオン クールズとつなぎ、最後はハットンが強烈なシュートを放つもGKの正面に。75分には本間がドリブルでカットイン。得意の形を作ったが、シュートはミートせず、枠を外れた。オフサイドに救われた場面以外、後半は名古屋にチャンスらしいチャンスを作らせずにいると、85分、セレッソが1点を返す。本間がドリブルで獲得したFKをヴィトール ブエノが直接決めた。背番号55の前々節・鹿島アントラーズ戦に続く今季2点目で意気上がるセレッソは、直後の87分にも決定機。本間のロングパスに抜け出した阪田がDFを振り切りGKと1対1に持ち込んだが、シュートはGK正面に飛んでゴールならず。一気に同点に追い付くチャンスを逃した。その後は7分という長い後半アディショナルタイムも生かすことはできず、1-2でタイムアップ。劣勢の前半が重くのしかかり、今季初の3連敗を喫した。
優勝争い真っ只中の鹿島、京都に続き、今節はJ1残留へ向けて勝利だけを追い求めてきた名古屋に対し、メンタル面でも差があったことは否めない。攻撃では、前半特にビルドアップで前に進むことができず、セットプレーからの失点、その時間帯も前節の京都戦と同じと、課題を解消するどころかなぞる形での敗戦となってしまった。2週間後の次節・ファジアーノ岡山戦へ向け、中断期間で課題の改善に努めたい。