第23節
2025明治安田J1リーグ
2025.7.5土
セレッソ大阪
0
HOME
FULL TIME
1
ヨドコウ桜スタジアム
0-0
0-1
ガンバ大阪
半田 陸 (70')
ヨドコウ桜スタジアム
22,365人
ニッポンハム 国産鶏肉 桜姫® サポーティングマッチ
ギャラリー
MATCH REVIEW
監督コメント
■アーサー パパス監督
「ものすごく悔しいです。これだけの雰囲気を作ってくれたサポーターに報いることができませんでした。最後のところを決め切ることが課題になりました。セットプレーでしっかりフォーカスできなかったことも失点につながりました。攻守両面で、ものすごく悔しい気持ちです」
Q:前半の飲水タイム明け以降と後半は、概ねセレッソがペースを握っていたと思います。こちらのシュートが2本ポストに当たったり、最後のゴールがオフサイドになったり、相手のシュートが背中に当たって入ったり、ツキもなかった印象です。その中で、前半の飲水タイムまでの時間帯は、なかなかボールを前に運べなかったですが、何が問題だったでしょうか?
「仰ったことに同意です。前半の飲水タイムまでは、なかなかいいチャンスを作れませんでした。ボールを動かすことが遅く、相手のミスを誘発するようなプレッシャーをかけることもできず、そのための強度を出すこともできませんでした。飲水タイム以降は良くなりました。得点を取れるだけのチャンスも作りました。そこで決め切れなかったことが悔やまれます。今日、負けるとしたら、相手のチャンスはカウンターかセットプレーだけだと思っていたので、そこも残念な思いです」
Q:内容を見ると、どちらに転んでもおかしくない試合でしたが、この敗戦を糧にどう向上していきたい?
「メッセージはハッキリしています。チャンピオン、優勝を目指すなら、こういうゲームは落としてはならないと。(メンタル面としては)このクラブを背負うことに対して、一人一人が責任を持つこと。このクラブのために全てを捧げられるか。(技術面に関しては)今日は得点できるだけのチャンスを作りながら決め切ることができなかったので、決め切るところですね。順位的にはまだまだ悪くないので、しっかりとリカバリーして、自分たちのフットボールを2倍ぐらいにして、強くなっていかないといけないと思います」
Q:香川選手は交代した後も味方を鼓舞し続けるなど、選手全員、一人一人の戦う姿勢はしっかりと出せていたと思うが、今日のスピリットについて
「チームのスピリットは素晴らしかったです。ここまで来るには障害もありましたが、それも乗り越えてきました。負けたくない気持ちがむき出しになってきたことに関しては、良いことです。しっかりとリカバリーして、次は結果を出せるようにしたいと思います」
選手コメント
■田中 駿汰選手
Q:チャンスで決め切れず、後半、相手のCKから失点。悔しい展開になってしまった?
「自分たちにとっては、一番イヤな展開になりました。決めるところで決めないと、こういう展開になります。それでも、守備で持ちこたえないといけなかった。ただただ、めちゃくちゃ悔しいです」
Q:前半、構えた相手の守備に対して、持たされてしまった?
「そうですね。相手は割り切って守ってきたな、という感じで、無理に前から来ることもなかったですし。自分たちがボールを持てていましたが、効果的な攻めはできなかったと思います。構えられた時にチームとしてやれることの引き出しがもっと必要だと感じました」
Q:構えられた中でも、前半の飲水タイム明けから後半の立ち上がりにかけては主導権を握って押し込む時間帯も増えたと思うが、うまく修正できた?
「自分たちの感覚としても、前半の飲水タイム明けからは自分たちの流れにはできていたと思います。大きく変えたというよりは、『もう一回、仕切り直してやっていこう』という気持ちで飲水タイム明けに入りました。そのいい流れのところで先制点を取れれば良かったなと思います」
Q:内容自体は悲観するモノではなかったと思うが、ダービーでの敗戦の悔しさが上回る?
「そうですね。相手もこの一戦に懸けてやってきて、自分たちもしっかり準備して臨みましたが、勝てなかったことが全てなので、悔しいです」
■チアゴ アンドラーデ選手
Q:これぞ大阪ダービーという熱戦でしたが、当然、敗戦は悔しいと思います。試合をどう振り返りますか?
「悔しいですね。“日本一”と言われるダービーで、白熱した試合はできましたが、悔しい結果になりました。お互い、激しいバトルをぶつけあって、ミスも許されない試合でした。結果は彼らが上回りましたが、しっかり顔を上げて、下を向くことなく次のゲームに臨みたいと思います」
Q:前半28分、ポストに当たったシュートは惜しかったが、感触的にはいかがでしたか?
「ファーに入っていくことは常に求められています。あのシーンもそういうシーンでした。クロスが来た時に、GKに触られないことを意識して打ったのですが、枠を捉え切れなかったことが悔やまれます」
■ラファエル ハットン選手
Q:これぞ大阪ダービーという熱戦でしたが、当然、敗戦は悔しいと思います。試合をどう振り返りますか?
「難しいタフなゲームでした。我々が見せてきた今までのサッカーに比べると、パフォーマンスは物足りなかったと思います。もちろん、それは自分も含めてです。自分本来のプレーなら、もっと得点機会に関われて、得点も取れたと思います。ただ、それがサッカーだと思います。いくら努力しても、パフォーマンスが上がらない試合もあります。しっかり試合を振り返って、修正すべき点をみんなで共有して、次の試合に向かうしかないと思います」
Q:前半終了間際、倒れ込みながらポストに当たったシーンもありましたし、気持ちは感じました。少しツキもなかったですね
「確かにそうですね。入る可能性もあったと思いますが、それも含めてサッカーです。今日は入らない日でした。GKがすぐ近くまで来ていたので、そういった難しさもありました。ただ、もう終わったことなので、次に向けていい準備をしたいです」
■畠中 槙之輔選手
Q:畠中選手自身、素晴らしい守備も多かったですが、敗戦という結果をどう受け止めますか?
「ボールを握る時間も多かったですし、ピンチらしいピンチもあまりなかったですが、その中で、セットプレーの流れから、事故と言えば事故ですが、ああいう形で失点をしたことは、悔しい展開になってしまったと思います」
Q:相手選手のヘディングをゴール前でクリアするシーンもありました。前半、我慢の時間帯もしっかりしのげたと思ったが?
「いつもなら、あそこはカバーに行かないのですが、あの瞬間は三浦選手が触りそうだなと思ったので、無意識に戻っていました。相手の得点を防いだことで、良い流れに持っていけると思いましたし、実際、前半の終盤は2点、3点と取れていてもおかしくない時間もあったので、そこで決め切る力を発揮できていれば、また違った展開になったと思います」
Q:大阪ダービーでの敗戦について
「しっかり修正しないといけないこともたくさんあるので、次節に向けて修正したいです。リーグ戦も半分以上、折り返していますし、これから上位に食い込んで、優勝争いに名乗りを挙げるためには、一戦一戦を勝ち切っていかないといけません。今日の試合ももったいなかったですが、もう戻ってこないので、次からまた各々が自分にベクトルを向けて、気を引き締めて直していきたいです」
■福井 光輝選手
Q:相手もブロックを構える形で守っていたが、いつもの自分たちを出し切れなかった?
「相手を引き出せなかったですね。ブロックを組んでいる相手に対し、少しやり辛さもあったと思います。決定的なパスも少なく、焦ってシュート、という場面もありました」
Q:前半の飲水タイム明けは改善された印象だが?
「そうですね。この試合で一番、流れが悪かったのは、キックオフから前半の飲水タイムまでだったと思います。相手に持たれてプレスに行けず、相手の右サイドから優位性を作られて突破されました。ただ、飲水タイム後は僕たちもボールを持てましたし、難しいパスではなくても、横パスで相手の重心を下げることもできて、そこから縦に差していくこともできました。後半はそれをもっとシュートにつなげたかったです」
Q:ネタ ラヴィ選手のシュートが半田選手の背中に当たって入った相手のゴールについては、GKとしては止めようがなかった?
「まぁ、そうですね。ネタ ラヴィ選手のシュートは背中に当たっていなければ入っていなかったと思いますが、背中に当たって向かってきた瞬間、ウチの選手たちも前にいて、少し見えなかったです。難しかったですが、練習するしかないですね。あの1本で負けてしまったので、悔しいです」
Q:大阪ダービーのピッチに立って、感じたことは?
「試合前までは、まだ実感はなかったですが、試合を終えて思ったことは、日本で一番のダービーだなと。魂のぶつかり合いが熱いなと思いました。サポーターの熱量もすごくて、サポーターが雰囲気を作ってくれる。ルヴァンカップ決勝とか、そういった試合を除けば日本で一番、熱量のある試合だと思いました。50回目の歴史でまだ1回しかプレーしていませんが、それを味わえて、キャリアとしても自信が付きました。ただ、だからこそ勝ちたかったです。サポーターに申し訳ないと思います」
■ディオン クールズ選手
Q:悔しい結果になりましたが、試合を終えた率直な感想は?
「拮抗した試合で、両チームにチャンスがあった中で、相手も多くはないチャンスを決めて、そこからリトリートしてきました。それを自分たちは崩し切れなかったです。前半からチャンスがなかったわけではなく、チャンスを生かし切れなかった部分もありましたが、引いてくる相手をどう崩すかがこれからの課題だと思います。残念な結果になりました」
Q:大阪ダービーでデビューという形になりましたが、大阪ダービーを経験した感想は?
「他の試合とは違った雰囲気だと感じました。結果は残念でしたが、デビューできたこと、ダービーに出られたことが、今日唯一、良かったことでした」
Q:後半アディショナルタイムには、柴山選手のFKに大外で合わせ、最後はハットン選手が押し込みネットを揺らしましたが、わずかにオフサイドでノーゴールでした。あの場面を振り返ると?
「まだ映像を見ていないので、何とも言えないですが、そういったシーンに絡めたことはポジティブです。ゴールが取り消されることもフットボールの一部なので、受け入れるしかありません」
Q:クールズ選手がピッチに立って勝利する日も近いと思うが、今後に向けて
「このクラブは質の高い選手ばかりで、ポジションを取ることは大変ですが、毎日、戦っていかないといけないと思っています。自分は確実にやれると思っていますし、チームの助けになれると思っています。とにかく、出た時にしっかり活躍できるように準備したいです」
リーグ戦50回目の大阪ダービーは0-1で敗戦。再三の決定機で仕留め切れず、セットプレーの流れから失点。悔しさ募る結果に
直近の明治安田J1リーグ第21節・東京ヴェルディ戦から中13日。セレッソ大阪は、ホームにガンバ大阪を迎え、明治安田J1リーグ第23節に臨んだ。リーグ戦では50回目となる大阪ダービー。セレッソの選手が着用するユニフォームには特別なロゴもあしらわれた中、東京V戦から先発は3人変更。ヴィトール ブエノ、喜田陽、登里享平が外れ、中島元彦がトップ下、田中駿汰が復帰後初スタメンでボランチ、髙橋仁胡が左サイドバックに入った。
開始早々、互いにCKを獲得してゴールに迫ると、6分にはルーカス フェルナンデスの良い守備からボールを奪い、香川真司が中島につないで中島がミドルシュート。ガンバも8分、山下諒也のクロスからトップ下の満田誠がシュート。序盤からヒートアップした試合は前半、ガンバペースで進む。開始25分で2失点を喫した前節・京都サンガF.C.戦の敗戦を受け、先発の人選と守備の再構築を図ってきたガンバに対し、セレッソはボールを前に進めることができない。中央を閉じられると、好調のルーカス フェルナンデスも抑えられ、サイドからの攻撃も機能しない。我慢の時間帯が続いた中で、23分にはショートカウンターを受けて山下に抜け出され、ガンバの決定機となりかけたが、畠中槙之輔が懸命に戻り、スライディングでシュートは阻止。ここで与えたCKから許した三浦弦太の決定的なヘディングも畠中が頭でクリア。背番号44の好守備でガンバに先制点は許さない。すると飲水タイム明け、セレッソが反撃。28分には、西尾隆矢が右サイドへ展開し、奥田勇斗のクロスにファーサイドでチアゴ アンドラーデが合わせて決定機も、シュートはポストを叩き、惜しくもゴールとはならなかった。33分には再びガンバに決定機を作られたが、山下のシュートは枠を外れ、事なきを得た。ここから前半終了にかけて、セレッソが猛攻を仕掛ける。38分、香川のパスを受けた中島が振り向きざまにシュートを狙うと、38分にはCKから田中がヘディング。ただし、前者はGKに防がれ、後者はわずかにクロスバーを越えた。42分にもセレッソに決定機。中島のスルーパスに抜け出したチアゴが左サイドを突破し、中へクロス。相手DFに当たってこぼれたボールを拾ったラファエル ハットンがGKをかわし、体勢を崩しながらも角度のないところからシュートを放ったが、ここもポストを直撃。「前半の終盤は2点、3点と取れていてもおかしくない時間もあったので、そこで決め切る力を発揮できていれば、また違った展開になったと思います」と試合後に畠中も振り返ったように、ここで仕留めることができなかったことが、試合としては大きく響いた。
前半終盤の流れのまま、後半もセレッソが高い位置までボールを運び、敵陣でプレーを続けていくが、48分の中島、50分のルーカス、さらには、ペナルティーエリア内に進入して放った60分の香川と、いずれもシュートが枠を捉え切れず、スコアを動かすことはできない。後半はガンバに攻め込まれることなく試合を進めていたセレッソだったが、69分、カウンターからピンチを招くと、ここで与えたCKの流れから失点。セカンドボールを拾った満田のパスに合わせたネタ ラヴィのシュートが半田陸の背中に当たって軌道が変わり、ゴールイン。セレッソとしては、ややアンラッキーな形で失点を喫してしまった。直後の73分、アーサーパパス監督は3枚替え。この試合がJデビュー戦となったディオン クールズを右サイドバックに、2列目に柴山昌也と本間至恩を投入して反撃に出るが、守備を固めるガンバをこじ開けることができない。84分には、香川と田中を下げて、喜田陽と阪田澪哉を投入。喜田をアンカーに、[4-1-4-1]の布陣で攻撃に枚数を割くと、後半アディショナルタイムに決定機。阪田がドリブルで倒されて得たFKを柴山が蹴ると、ファーサイドでクールズが合わせ、最後は中でハットンが押し込んだが、クールズがわずかにオフサイドの位置でノーゴール。沸きかけたヨドコウ桜スタジアムだったが、土壇場での同点とはならなかった。
その後も攻め続けたセレッソだが最後まで1点が遠く、0-1でタイムアップ。ホームでの大阪ダービー敗戦は2018シーズン以来7年ぶり。「ただただ、めちゃくちゃ悔しい」(田中駿汰)結果に終わった。試合前は、ゴール裏だけではなく、メインスタンドとバックスタンドも含めた壮大なコレオグラフィーを作り出すなど、チームを後押しするサポーターの熱量も最高潮に達していた中、「これだけの雰囲気を作ってくれたサポーターに報いることができませんでした」とパパス監督も肩を落とした。同時に指揮官は、「自分たちのフットボールを2倍ぐらいにして、強くなっていかないといけない」と今後のさらなる成長も誓った。大阪ダービーでの敗戦という苦い経験も糧に、残りのシーズン、チーム全員でさらなる強さを追求していきたい。