2025明治安田J1リーグ第19節

2025明治安田J1リーグ

2025.6.1

セレッソ大阪

髙橋 仁胡 (13')

中島 元彦 (18')

ラファエル ハットン (54')

ルーカス フェルナンデス (70')

4

HOME

FULL TIME

2

2-1

2-1

清水エスパルス

山原 怜音 (4')

郡司 璃来 (89')

ヨドコウ桜スタジアム

20,864

ハシダ技研サポーティングマッチ

HIGHLIGHTSハイライト

ギャラリー

MATCH REVIEW

リーグ前半戦、最後の試合は4-2で快勝!今節が“ラストマッチ”となった北野颯太も笑顔で送り出す


前倒しでの開催となった浦和レッズとの明治安田J1リーグ第22節から中3日。セレッソ大阪はホームに戻り、清水エスパルスとの明治安田J1リーグ第18節に臨んだ。今節がリーグ前半戦としては最後の試合。ここまで五分の成績を残しているセレッソとしては、勝ち越して終えたい一戦となった。先発は浦和戦から3人変更。登里享平、香川真司、柴山昌也が外れ、髙橋仁胡、中島元彦、北野颯太が入った。システムは前節に続いて4-2-3-1。

攻撃的な戦いを志向する両チームの一戦は、いきなりスコアが動く。4分、清水の山原怜音に豪快な直接FKを決められ、清水に先制を許した。ただし、5月の公式戦では3度の逆転勝ちを収めたセレッソにとって、1点のビハインドは関係ない。直後の10分、相手DFのパスをカットしたルーカス フェルナンデスがドリブルで持ち運び、後ろから追い越してきた北野颯太へパスを送ると、ペナルティーエリア内で北野が倒されてPKを獲得。北野自身が蹴ったキックはGKに止められたが、直後のCKから同点に追いつく。ルーカスのキックにニアで合わせたのは髙橋。「結構、珍しい(笑)」と自身でも振り返るセットプレーからのヘディングで、J1初ゴールを決めた。畳み掛けるセレッソは、18分、再びCKからネットを揺らす。ルーカスのキックに、次に合わせたのは中島。「ボールが良かったので、普通にジャンプしたら勝てました」と振り返る一撃がGKをはじいてゴールに吸い込まれた。短時間で逆転に成功したセレッソは、以降の前半は完璧に試合を支配。前線4人が何度も相手陣内に進入すると、41分、43分には連続してCKから決定機。さらに圧巻は44分。相手のクリアを高い位置で中島がカットし、前線へつなげると、ハットンが頭と足で相手DFを巧みにかわし、最後はGKのニアを撃ち抜く超絶ゴラッソを叩き込んだが、わずかにオフサイド。「決まっていれば、自分のキャリアの中でもベストのゴールでした」と自身も振り返った“年間ベスト”級の一撃だったが、VAR判定の結果、惜しくもノーゴールとなった。

ハーフタイムに2枚代えを行った清水に対し、後半の立ち上がり、セレッソは守勢に回る。52分には、乾貴士のスルーパスからカピシャーバに決定機も、シュートはわずかに枠を外れた。すると、直後にセレッソが3点目を奪う。54分、畠中槙之輔の縦パスを受けた北野が相手CBを巧みなタッチでかわしてスルーパス。中央を抜け出したハットンがドリブルで突き進み、GKとの1対1を豪快に沈めた。この1点で心理的にも優位に立ったセレッソは、70分に試合を決定付ける4点目。再び畠中を起点に喜田陽、北野と縦につなぐと、北野がターンして前を向き、ドリブルから前方のルーカスへパス。受けたルーカスはDFに囲まれながらもフィニッシュへつなげ、巧みなシュートをゴール右上に決めた。今節を最後に「海外クラブへの移籍を前提とした準備のため、チームを離脱すること」が発表された北野にとっては今節がセレッソでのラストマッチとなったが、前半のPK失敗を取り返す2アシスト。ここまで磨いてきた狭いエリアでボールを受けて前を向く技術、俊敏性を発揮する見事なプレーを披露した。89分に1点を返されたセレッソだが、4-2で勝利。リーグ前半戦のラストを良い形で締めくくるとともに、希望に燃える若者を笑顔で送り出すことに成功した。

試合後は北野の壮行セレモニーも行われ、想いのこもったスピーチに対し、スタジアムからは大きな拍手が送られた。香川真司、上門知樹、阪田澪哉の3選手からは花束を手渡され、チームメイトから胴上げも。その際、北野と同い年で仲の良かった阪田が号泣。厚い友情を感じさせる一幕もあった。最後にスタジアムを周回し、ゴール裏の前でチャントが送られた際は、北野の目にも涙。「セレッソがより好きになりました。また帰ってきたいクラブです」と話すとともに、「すぐには帰ってきたくないので、欧州で結果を出して、日本代表にもなって、もっと成長して帰ってこられたら帰ってきたいです」と決意表明も。スクールからの桜育ち、多くの指導者、仲間、サポーターから愛情を注がれて成長し、掴み取った海外への道。セレッソ大阪に関わる全ての人が、その成功を願っている。桜魂を胸に、欧州でも頑張れ、颯太!

監督コメント

■アーサー パパス監督

「アカデミーからトップチームを含めて、クラブにとって、一番良い日になったのではないかと思います。パフォーマンスも素晴らしかったです。早々に失点して、そのまま終わってもおかしくなかったのですが、メンタリティーも成長していますし、自分たちのフットボールを信じる心も育ってきています。勝ちに価するプレーだったと思います」
 
Q:失点以降、攻め倒して掴んだ勝利でした。リーグ前半戦の最後を締めくくるにふさわしい勝利だったと思います。半年間で、ここまで攻撃的なメンタリティーや戦い方を植え付けたことに関して、どのように思っていますか?
「こういう(攻める)内容の試合は何度もありましたが、勝ち切れない試合もありました。ただ、その中でも、しっかりと自分たちを信じる気持ちが増している結果、こうして逆転で勝てたと思います。前からプレスをかけて、奪って攻撃することで、自分たちの流れにもっていけましたし、今日はセットプレーでの強さを見せることもできました。全員で協力して掴んだ勝利ですし、(北野)颯太を良い形で送り出せたと思います」
 
Q:その北野選手ですが、PKこそ止められましたが、アシストも2つありました。パパス監督になって、北野選手本人は、「ターンを試みる回数が増えた」と話していました。今日の3点目、4点目は、まさに彼のターンから生まれました。この半年間での技術面の成長をどう感じていますか?
「彼はチームのリーダーシップグループの一人です。若い選手ですが、責任感を与えたかった。オン・ザ・ピッチ、オフ・ザ・ピッチの両方で成長させる狙いがありました。最後の試合だったので、リーダーシップグループの選手たちと話して、『今日は彼にキャプテンマークを任せよう』となりました。勇気を持って蹴ったPKだったと思います。プレーしていれば、外すこともあります。苦しい状況があったとしても、どう乗り越えるか分かっている選手です。感情的になって崩れてしまうのではなく、そういう選手ではない、というところを見せてくれました。そこから這い上がって、自分のプレーを出せたことは精神的な成長も感じます。シーズン当初から彼に求めていたのは、ハードワークすること、デュエルに勝つこと、前を向いてプレーすること、その3つです。『それができるようになれば、次につながる』とずっと話してきました。この6ヶ月間、それをやってくれて、成長につなげてくれて、嬉しく思います」
 
Q:今日はビルドアップ、前線の連係も良かったですが、北野選手の関わりも含め、攻撃全体についてはいかがでしたか?
「颯太の最後の試合で、大事な試合だった中で、チーム全員で勝てた試合でした。前にパスを入れる意味では、GK福井光輝のリスタートから始まって、CBが開いて、(喜田)陽と(中島)元彦、ボランチの2人がどう受けるか、ということが大事です。前の4選手も凄く良かったです。チアゴに関しては、シーズンで一番良い試合だったと思います。これからも自分が期待することは、どんどん崩して点を取ること。それを追求していきたいです」
 
Q:試合後の壮行セレモニーでは、北野選手が涙を流しているシーンもありました。どうご覧になっていましたか?
「色んな状況をくぐり抜けてここまで来たと思うので、感情的になることは分かります。選手同士の距離感も近いですし、自分の家族、自分が育ったクラブ、その2つを置いて海外に行くという意味で、涙に変わったのだと思います。ここから自分がステップするためには、海外でどれだけできるか証明することが大事です。クラブに所属している選手、特に若い選手は颯太の姿を見て、『次は自分がやってやる』という気持ちをもってプレーする選手を見たいです。髙橋仁胡などは、昨シーズンは全く出ていなかった選手ですが、今日は点を決めました。何が起きてもおかしくないクラブだと思います」

選手コメント

■髙橋 仁胡選手

Q:J1初ゴール、おめでとうございます。決まった瞬間の気持ちは?
「色んな気持ちが湧きました。嬉しい気持ちが一番でした。このために毎日練習しているし、チームの力になるために頑張っているので。今日は、ちょっとだけでもチームを手伝うことができて、とても嬉しい気持ちです」

Q:CKではキッカーになることも多いだけに、CKからのヘディングゴールは珍しいですか?
「結構、珍しいですね(笑)。自分でも映像で見て、ビックリまではいかないですが、『ここにいたのか』と思いました(笑)。でも飛べるので、決められて良かったです」

Q:北野選手がPKを外した後、すぐ取り返したという意味では、彼を助けたゴールにもなったと思うが?
「みんなチームメイトですし、外すこともあるので。助け合うことが一番。自分がミスした時も、周りの選手が手伝ってくれますし、その時は自分もありがたいと思っているので。(北野)颯太も、PKは外しましたが、その後はアシストを2つして、素晴らしいプレーを見せていました。颯太を助けたというか、颯太もみんなのことを助けてくれました。お互い、良いプレーができたと思います」

Q:北野選手と一緒にいる時間は多かったと思います。彼の海外挑戦に対しては、どのような気持ちですか?
「颯太とは、何年か前のトゥーロンで初めて会って、すぐに仲良くなりました。そこからU-20ワールドカップも一緒に戦って、いい友達になりました。寂しいですが、彼の夢は海外でプレーすることだと思うので。セレッソで一緒にできたことは感謝の気持ちです。彼はチームを手伝ってくれていた選手なので、チームとして、抜けることは(痛いですが)、みんな力を出せる選手だと思うので(大丈夫だと思います)」

■中島 元彦選手

Q:逆転ゴールになった得点シーンを振り返ると?
「ボールが良かったので、普通にジャンプしたら勝てました。ただ、コースが甘かったので、決まって良かったです。ルーカス(フェルナンデス)、いいボール蹴るなー、と思いました(笑)」

Q:やはり仲間としても、ルーカス選手のキック精度は高い?
「そうですね。この辺に蹴ってくれたらいいな、というところに、色んなボールを蹴ってくれます」

Q:先制されましたが、すぐに逆転して、その後も攻め続けていました。今年のセレッソらしいサッカーができたのでは?
「自分たちがボールをもってチャンスもいっぱい作れましたし、攻めている時のリスク管理もCBと(喜田)陽を含めてうまくできたと思います」

Q:北野選手のラストマッチでもありました。今日は彼もシュートチャンスがありましたが、アシストも2つありました。一緒にプレーして、いかがでしたか?
「(シュートは)ちょっと気負い過ぎたんじゃないかなと思います。でもここで運が溜まった分、海外で爆発して欲しいなと思います」

■ルーカス フェルナンデス選手

Q:1得点2アシストと、今日も素晴らしい活躍でした。振り返ると?
「自身の結果としても、チームの結果としても、良かったです。チームはどんどん成長していますし、結果も付いてきています。後半戦に向けて、さらに成長して、上位に行きたいと思います」

Q:今日の2アシストで昨シーズンの10を超えて、『11』になったが?
「嬉しく思います。数字が付いてきているということは、やっていることが間違っていない、という証明なので。ただ、ここで満足していませんし、ここからもっと数字を伸ばしていきたいです」

Q:オフサイドで取り消しのシーンも含めると、もっとアシストしていますが、ここまで活躍できている要因を自身ではどう考えますか?
「大きな要因としては、監督のスタイルだと思います。アグレッシブに、攻撃的なスタイルなので、特に僕ら攻撃の選手は、より能力を引き出してもらえていると思います」

Q:パパス監督からの指導で影響を受けたことは?
「結果にこだわる監督ですし、選手へ求めるパフォーマンスレベル、要求も高いです。シーズン序盤はチーム全体としても波がありましたが、そうした監督の要求を選手がしっかり吸収して、表現できていると思います」

Q:攻撃的な戦術が浸透してきた手応えがある?
「そうですね。戦術という部分では、型はしっかりあります。ただし、それだけではなく、ピッチでは、全ての瞬間が変わっていくので、周りの選手とすり合わせて、時には型から外れてプレーすることも大事です」

■ラファエル ハットン選手

Q:まず前半終了間際、オフサイドで取り消しになったゴールについて伺います。決まっていれば、年間ベスト級の素晴らしいゴールだったと思うが?
「そうですね(笑)。まずチームとして、今日、勝てたことが大きいですし、ここまでやってきたことが間違いではなかったと、しっかり発揮できたと思います。あのゴールについては、決まっていれば、自分のキャリアの中でもベストのゴールでした。残念ながら、取り消されましたが、その後も1点取れて勝てたので、良かったと思います」

Q:シュートに至るまで、あの瞬間のイメージについては?
「リフティングのような、ポルトガル語でシャペウというのですが、あの形は得意にしています。キャリアの中でも何度かやっている形であり、シュートです。残念ながら、自分のお尻が大き過ぎて、オフサイドになってしまいましたが…(笑)」

Q:リーグ前半戦が終了しましたが、8ゴールという結果に対しては?
「前半戦を振り返ると、良かったと思います。もちろん、満足はしていませんが、日本に来て慣れるのに時間がかかった中では、良い数字だと思います。オフサイドになるシーンもありましたが、それだけそういう位置にいるということ、チームがチャンスを作れているという証だとも思います。もちろん、後半戦はもっともっと取りたいですし、取れると思います。できるだけ長く日本でプレーしたいので、後半はもっと結果を求めていきます」

Q:フランスでも活躍されたハットン選手から、欧州へプレーの舞台を移す北野選手へ、エールをお願いします。
「シーズン初めから、彼は『欧州でプレーする』と言っていました。日々の練習を見ても、そういう意識でやっているなと伝わってきました。そこに目標を置いて、そこに向かって努力している様子が伝わってきました。半年間、一緒にプレーしましたが、十分、海外で活躍する能力をもっていると思います。技術もそうですが、彼がもっている謙虚な姿勢、強いメンタリティーも、海外で生かせると思います。彼にとって今日は特別な日だったと思いますし、いい形で送り出せたと思います。幸運を祈っています」

■香川 真司選手

Q:前節の試合後、乾貴士選手との対戦を楽しみにしていた様子もありました。途中出場で短い時間だったが、振り返ると?
「それは仕方ないです。監督の判断です。連戦も続いていたので。自分と乾選手の試合じゃないですからね(笑)。チームなので。今日は短い時間であまりマッチアップもなかったので、次じゃないですか。また日本平で楽しみにしています。何よりチームが勝てて良かったです」

Q:前節の後、「次が大事」という言葉もありました。
「立ち上がりに失点して、苦しい中でしたが、こうやって逆転勝ちできるのが、チームとしての本当の強さだと思っているので。それを前半の内にできたことは大きかった。昨日の練習もそうですが、今日のミーティングでも、『今日はセットプレーで取るぞ』と話をしていたので。ルーカスのキックも素晴らしかったですし、あの2発は大きかったです」

Q:北野選手のラストマッチでもあったが?
「ペナルティーキックね…(笑)。試合前にも言っていたんです。『俺は(ラストマッチで)決めたぞ』と。まだまだですね」

Q:それがプレッシャーになったのでは?
「いや(笑)、まぁでも勝ったことが何よりですし。颯太は点を取りたかったと思うけど、最後にファン・サポーターの前でやることをやり切って勝てたので、良かったと思います」

Q:海外で活躍してきた先輩として、どのような言葉を贈りますか?
「これからは自分で戦っていかないといけないですし、颯太に話すとしたら、うまくいかない時期をどう乗り越えるか。日本で、セレッソだったら、周りがカバーしてくれたり、守ってくれますが、欧州では、より実力社会なので。自信を失ったり、自分を見失うこともあると思います。でも、この半年間、彼が見せたものは一つの基準として、これから先、特に苦しい時、彼の支えになると思います。なぜ海外に行けたのか、強みを忘れないで戦って欲しいです。誇り、自信を忘れないで、戦って欲しいです。それだけの力があることは、この半年間で証明したと思います。それを信じてやって欲しいです」

Q:この半年間、北野選手が成長した部分をどう感じますか?
「元々、ポテンシャルはあった中で、それを継続してやり続けることには波もあった中で、今年はキャンプから一緒にプレーしていても、止められなかったし、迷いがなかった。開幕戦でのパフォーマンスがそれを象徴していると思います。一気に来たな、という感じがありました。監督も信頼して使っていましたし、もちろん小菊(昭雄)さんの時代からそういう期待をもって育てられた中で、この半年でさらに、成長曲線が一気に上がったなと感じます。走力もそうですし、前を向くプレー、ファーストタッチで相手を交わすプレー。今日のアシストもそうですが、あのようなプレーができる選手なので。あれをやれたら欧州でも通用すると思います。あとは、うまくいかない時にどれだけ自分を見失わずに這い上がっていけるか。そこがキーになると思います」

■北野 颯太選手

Q:どのような思いで今日の試合に臨みましたか?
「これまでお世話になったクラブで、最後を良い形で、できれば自分のゴールでチームを勝たせたい、という思いで入りました」

Q:キャプテンマークを巻くことは、いつ決まった?
「今日の試合前のミーティングで決まり、(田中)駿汰くんから渡されました。身が引き締まる思いでした。試合前も駿汰くんに巻いてもらいました。『頑張ってこいよ』と送り出されました」

Q:試合中、交代した時は一度、香川選手に渡し、試合後にまた渡されていました?
「そうですね。周回の前に『巻いていけ』と渡されました。試合前も『決めてこい』と言ってもらって、交代する時、キャプテンマークを渡す時は、『(今日の分も)次のチームで決めろよ』と言っていただきました」

Q:PKという絶好のチャンスが来ました。自身が得たPKだけに、キッカーにも名乗りを挙げた?
「PKの機会があれば蹴りたいと思っていたので…もっと練習します(苦笑)」

Q:ただ、そこから引きずらずに、後半2アシストを記録しました。これから先も必要なメンタルを発揮できたのでは?
「そうですね。正直このまま崩れるかな、と思ったのですが、なんとか(立て直せた)。ゴールを取って終わりたかったですが、最低限のパフォーマンスは出せました。満足はしていませんが、ひとつ成長できたかなと思います」

Q:「最低限」とは言っても、随所に技術を見せました。2アシストも、ワンタッチで前を向くプレー、スルーパス、ターンして前を向き、前の選手につなげるプレー。技術が凝縮された2アシストだったと思います。こだわってきたプレーを最後に出せたことは?
「そうですね。あれは自分の形でもありますし、自分の特長が出たシーンだったと思うので、あのプレーだけを見れば、満足はできるかなと思います」

Q:ルーカス選手とハットン選手にアシストしましたが、彼らも北野選手を見てプレーしていたように感じたが?
「ルーカスとは昨シーズンも一緒にやっていましたし、(ラファエル)ハットンとは今年からですが、やりやすいプレースタイルなので、彼らのおかげで気持ちよくプレーさせてもらいました。2人には感謝したいです」

Q:PKを外した後、髙橋仁胡選手の同点ゴールの時の思いは?
「ホンマ、ほっとしました。まさか(髙橋)仁胡に助けられるとは(笑)。すぐ追い付いてくれたから、助かりました」

Q:世代別日本代表の活動で、彼を助けた分が返ってきたのでは?
「ハハハ(笑)。そうですね。確かに仁胡が代表に来た時、最初にいっぱい喋りましたね(笑)」

Q:試合終了の笛が鳴った瞬間の思いは?
「終わっちゃったなー、という感じでした。悔しさも残りつつ、ほっとした思いもあり。込み上げるモノもありましたし、今日で最後なんやと、笛が鳴った瞬間、一気に来ました」

Q:周回の途中、ユニフォームをお子さんにあげていたが、約束していた?
「いえ、知らないお子さんです。紙にちょうだいと書いてあって、ジンさん(キム ジンヒョン)が気付いて教えてくれて、小さくてかわいいお子さんだったので、渡しました」

Q:試合後はセレモニーもありました。感極まる場面もありましたが、どんな1日になりましたか?
「一生、忘れることはない日になりました。試合前から、試合中も試合後も、ずっと僕の応援歌を歌ってくれていたので、改めて、このチームで良かったと思えた瞬間でしたし、本当に幸せな1日でした」

Q:セレモニーでは、ゴール裏の横断幕を見た瞬間、泣いていたようにも見えたが?
「いつ泣いてもおかしくなかったですが、あれが見えた瞬間、少し泣きました(笑)。セレッソがより好きになりましたし、また帰ってきたいクラブです。ただ、すぐには帰ってきたくないので、欧州で結果を出して、日本代表にもなって、もっと成長して帰ってこられたら帰ってきたいです」

Q:スピーチの中では、アカデミーへの感謝や、今後、自分に続く選手が出てきて欲しい思いも伝えていたが、やはりそれは伝えたかった?
「昨日、何を話そうか考えていた時、一番に出てきたのがアカデミーの存在でした。セレッソのアカデミーがなければ、今の自分はいないと思います。素晴らしい指導者、素晴らしい環境、プロになるための全てが揃っていると言ってもおかしくないぐらい、セレッソの育成の能力の高さは改めて感じています。そこへの感謝は絶対に伝えようと思っていました」

Q:海外に行くにあたって、今の心境は?
「やっと実感が湧いてきました。今までは実感が湧いていませんでした。今はもう、楽しみです。言葉とか生活面はしんどいと思いますが(笑)、サッカーで示したいです」