3回戦
2025JリーグYBCルヴァンカップ
2025.5.21水
京都サンガF.C.
ムリロ コスタ (10')
1
AWAY
FULL TIME
4
サンガスタジアム by KYOCERA
1-0
0-4
セレッソ大阪
舩木 翔 (48')
チアゴ アンドラーデ (61')
チアゴ アンドラーデ (73')
ラファエル ハットン (81')
サンガスタジアム by KYOCERA
6,233人
ギャラリー
MATCH REVIEW
監督コメント
■アーサー パパス監督
「チーム全体で、これ以上ない頑張りを見せてくれたと思います。しっかりと最初から強度を高く戦うことに関して意識してやれていましたし、ミスもありましたが、下を向かずにしっかりと後半に4点を取ったことは、誇り高き活躍だったと思います」
Q:前半も内容としては悪くない中で、あのような形で失点してしまうと、気持ちが下がって、相手も勢いづくと思いますが、後半さらに盛り返して素晴らしい内容を見せました。ハーフタイムにメンタル面、戦術面を含めてどのような指示を与えましたか?
「後半も『立ち上がりからしっかり戦う姿を見せよう』と話して臨んだ中で、ゴールに向かう姿勢を見せてくれました。すぐにセットプレーから点を取ったことで、自信になったと思います。『後半は(相手)ディフェンスラインにスペースが空いてくる、良いタイミングで走り出せば点を取れる』という話はしていました。素晴らしいプレーだったと思います」
Q:最近はラファエル ハットン選手の活躍が顕著な一方、チアゴ アンドラーデ選手が出場時間を伸ばせず、なかなか戦力になり切れていない状態が続いていましたが、今日の2得点および彼の現状をどう見ていますか?
「彼には、『良いところに、良いポジションにしっかり立つ』ことをずっと言い続けてきました。そういったことを意識して2得点を取れたことは良かったと思います。まだ若い選手です。異国の地に慣れること、(Jリーグの)環境に適応することも含めて、彼が改善しないといけないことでした。そういうことも少しずつやってくれていますし、その努力の成果が今日の2得点につながったと思います」
Q:中島元彦選手をハーフタイムで代えましたが、その理由については?
「土曜日にもまた試合がありますので、戦術的な交代です」
選手コメント
■柴山 昌也選手
Q:逆転勝利の立役者になりました。今日のプレーを振り返ると?
「今日はシャドーで出たので、自分の価値を証明するだけだと思って試合に臨みました。結果、2アシストできて勝てたので良かったです」
Q:中央のポジションは、常々、自身でも「一番、持ち味を出せる」という話はしています。だからこそ結果を残したかった?
「そうですね。だからこそ結果で証明したかったです。まずはチームが勝つことが最優先でしたが、自分のアシストで勝利に導けたのは良かったと思います」
Q:2点目につながった右足のクロスでのアシストは、チアゴ アンドラーデ選手とのタイミングをどう合わせた?
「最初、中を見た時にチアゴと目が合ったので、そのタイミングで上げました。右足でしたけど、自信を持って蹴りました」
Q:CKからアシストした同点ゴールについては?
「ずっと(舩木)翔くんと(西尾)隆矢くんのところは狙っていました。隆矢くんも(ポストに当たった)惜しい形がありました。今日は、中の選手が欲しいところに供給できたかなと思います」
Q:チームとして、入りは悪くない中で、あの失点の仕方は気持ちが落ちてもおかしくないとも思ったが、下を向かずにやり続けたメンタルについては?
「このサッカーをやっている以上、あのようなミスも起こります。それでもサッカーを変えずにやり続けた結果が今日の勝利だと思います。失点後も、自分もそうですが、チームの雰囲気が暗くなることは全くなかったです。『自分たちのサッカーを信じてやり続けよう』という話はピッチの中でもしていました」
Q:こうしたカップ戦は、アピールする機会でもある?
「そうですね。普段、あまり出ていない選手が結果を掴むチャンスですし、リーグ戦につなげるチャンスだと思っていたので、みんな気持ちが入っていたし、それが逆転につながったと思います」
■チアゴ アンドラーデ選手
Q:2得点の活躍を見せました。今日の試合を振り返ると?
「まずチーム全体として、自分たちがやりたいサッカー、監督が目指しているサッカーを表現できたと思います。守備ですぐに奪い返すこと、相手陣地でプレーすること、そういうところを表現できたと思います。個人的にも2得点を取れたので、満足しています」
Q:特に自身の1点目、勝ち越しゴールが貴重でした。柴山選手のクロスを合わせたゴールについて振り返ると?柴山選手は「目が合った」と話していました。
「練習していた形です。サイドの選手が持った時は、逆サイドの選手は必ず走り込んでゴールを狙うことは常にやっています。なので、柴山選手が持った瞬間、必ずパスが来ると信じて走り込みました。2点目もクロスからでしたが、うまくポジションを取れたので、決めることができました」
Q:今日は守備面でも、ボールを追って、深い位置まで戻って守備をする姿も見られたが、チームとして求められた役割をできた?
「そうですね。監督からは、どのポジションで出たとしても、守備で貢献することは言われています。特にミスが起きた場合は、チームメイトを助ける意味でもしっかり戻ることは求められています。今日はそれができたと思います」
Q:ラファエル ハットン選手が得点を重ねています。彼の活躍もモチベーションになっていますか?
「もちろん、そうですね。ハットン、ルーカス(フェルナンデス)の活躍は自分自身も嬉しく思っています。自分もウイングで出ている以上、目に見える結果を残していかないといけないと思っています」
■舩木 翔選手
Q:前半の失点で相手に流れが行きそうなところで、後半開始早々に生まれた同点ゴールが今日の全てだったのかな、とも思うが、同点ゴールを振り返ると?
「セットプレーは勝敗を分ける大事なプレーだと思っていますし、そういうところで同点に追い付けて、チームが息を吹き返したことは良かったと思います」
Q:貴重な場面で出る舩木選手のヘディングは、持ち味の一つですね。
「そうですね。相手もタイトにマンツーマンでマークを付けてきた中で、どう外すか、ということは考えていました。シバ(柴山)がいいところに蹴ってくれて、空いたスペースに走り込めて良かったです」
Q:失点場面について、選手間の呼吸が合わずに失点してしまった分、取り返そうという思いもありましたか?
「そうですね。あの場面は、右サイドからボールが回ってきて、ノボリくんのことをマークしていた48番の選手が自分にプレッシャーをかけてくるのが見えたので、自分は真ん中に止まって、ジンさんにはノボリくんに出してもらって、と自分は考えていたのですが、ジンさんがトラップして、結果として全部のパスコースを自分が消してしまう形になりました。もう少しうまく自分がポジションを取れば、相手の48番の選手の足を止めることができたかも知れない。もう少し臨機応変にうまくポジションを取ることは、詰めていかないといけないと思いました」
Q:ただし、内容は前半も悪くなかったですし、1試合を通じて今日のメンバーでしっかり戦い抜いて勝てたことは収穫ですね。
「そうですね。ボス(パパス監督)のやりたいことはみんなが理解していると思いますし、与えられたチャンスを掴みたい、という思いでみんながこの試合に臨みました。勝つことが何よりも大事ですが、勝った上で自分の武器、プラスαを見せないと、リーグ戦では出られません。今日はみんなアピールできたと思います」
■キム ジンヒョン選手
Q:前半早々の失点となりましたが、その後、チームとしても動揺することなく逆転につなげました。リーグ戦でも逆転勝利を重ねていますが、そういうメンタルが今のチームには備わっていますか?
「そうですね。自分たちがやるべきことはみんなで徹底できていますし、それが強みになっています。やられてもやり返せる力が付いてきているのかなと思います。ボス(パパス監督)のサッカーをやり続ければ跳ね返せるという自信をみんなが持ってやれています」
Q:ジンヒョン選手自身、失点の後も何度も足元で受けて、良いフィードを通していたが?
「自分も足元に自信はあるので。1回のミスで動揺して、恐れて、違う選択をするようなら、選手を辞めた方がいいとさえ思っています。まだまだ成長したいと思っていますし、もっともっとチャレンジしていく姿勢を出していきたい。そういう気持ちがあるので、今日もしっかり自分の気持ちをプレーで表現できたと思います」
Q:リーグ戦ではレギュラー争いを続けている中で、どういうメンタルで日々を過ごしていますか?
「正直、(セレッソに加入して)17年目で初めてのシチュエーションですが、周りから助けてもらうこともいっぱいありますし、自分に矢印を向けるしかない。自分の現状、状況も分かっていますし、練習で見せるしかないと思っています。こういうチャンスで結果を出して、ポジションを掴むことが大事になると思っています。今日は残念なミスがあったので、もっと成長が必要だと感じています」
■中村 拓海選手
Q:開幕戦の大阪ダービー以来の出場となりました。ピッチに立ってプレーした感想は?
「楽しかったです。自分のスローインからジンさん(キム ジンヒョン)の失点につながったので、絶対に勝ちたかった、という思いもありました。あの場面は自分が前を選択すれば良かった。試合の流れをもっと感じないといけないと思いました」
Q:ただ、その後も、中村選手もチームも下を向かずに「前、前」のマインドでプレー出来ていたと思います。
「そうですね。前半が終わって、ハーフタイムに全員で、『もう一回、やろう』と確認できたので、それをうまくピッチで出せたと思います」
Q:加入後、初めて先発して、フル出場して、勝ってサポーターの前で挨拶して、「セレッソの一員になった」という日になったのかな、と。
「そうですね(笑)」
Q:試合後の気持ちはいかがでしたか?
「自分の名前を呼んでくれていたのも聞こえていましたし、それが励みになりました。頑張ろうと思える応援をずっとしてくれていたので、ありがたかったです。久しぶりに90分プレーできたことも良かったですし、勝てて良かったです」
■上門 知樹選手
Q:今日はボランチでのプレーになりました。チームプレーに徹する感じでしたか?
「守備の時はボランチで、攻撃の時はシャドーという役割でしたが、後半の終盤になるにつれてスペースが空いてきたので、空けないように、『よりボランチ気味に』ということは監督からも言われていました。チームがうまく回るようにプレーしようと思いました。後半、逆転できたのはみんなの力ですし、みんなでいい競争ができているので、次のリーグ戦にも生かしていきたいです」
Q:ビハインドの状態で後半からピッチに入りました。火を付ける思いもありましたか?
「そうですね。(舩木)翔が1点取ったところで、流れがウチに来ました。それまでもいいシーンはたくさんあったので。今日に限らず多くのチャンスを作っている中で、決め切ることを今日は意識していました。そうすれば、今日のように4点を取れます。あとは平日のアウェイにも関わらず、これだけのサポーターが来てくれたので、サポーターに感謝しながらプレーしました」
Q:リーグ戦に続いて、このスタジアムで逆転勝利になりましたね。
「今日も難しい試合ではありましたが、誰も諦めていなかったです。リーグ戦で逆転した例もあったので、みんな頭にあったと思いますし、追い付いた後は流れに乗れたかなと思います」
Q:中2日ですぐリーグ戦があります。出る準備をしていく?
「もちろん、出るつもりで準備します。リーグ戦は3連勝で止まりましたが、仕切り直して、ここからまた連勝していきたい。そうすればまだまだ上位に食い込めるので、今日の勝ちは切り替えて、また練習から次の試合に向けてやっていきたいです」
柴山昌也が2アシスト、チアゴ アンドラーデが2得点。リーグ戦に続く逆転勝利で京都を撃破し、プレーオフラウンド進出を果たす
直近のリーグ戦、川崎フロンターレとの明治安田J1リーグ第17節から中2日。大会をJリーグYBCルヴァンカップに移し、セレッソ大阪は京都サンガF.C.との1stラウンド3回戦に挑んだ。舞台は京都のホーム、サンガスタジアムby KYOCERA。先発は川崎戦から西尾隆矢と喜田陽を除く9人を変更。中村拓海がリーグ開幕戦以来の出場を果たし、システムは4バックで臨んだ。
立ち上がりは中島元彦を中心に相手ゴールへ向かう姿勢を発揮し、悪くない入りを見せたセレッソだったが、10分、思わぬ形からネットを揺らされた。自陣右サイドでのスローインを中村がキム ジンヒョンに戻すと、相手のプレスを受けたジンヒョンが処理に手間取り、キックで回避できずに押し込まれ、ゴールイン。動揺が走ってもおかしくない失点だったが、「チームの雰囲気が暗くなることは全くなかったです。『自分たちのサッカーを信じてやり続けよう』という話はピッチの中でもしていました」と柴山昌也。ジンヒョン自身も、「こういうミスは今までの経験でもありましたし、下を向かず、やり切ることが大事。試合中はしっかり自分の持っている力を出し切ろうと戦っていました」とすぐに切り替え、ミスを引きずることはなかった。前半25分には、中島のミドルシュートがクロスバーを直撃する場面も。1トップで先発した古山兼悟、左サイドハーフで先発したチアゴ アンドラーデらが積極的に背後を狙い、ゴールに迫るなど、追いつくことはできなかったが、後半に向けて期待の持てる内容で前半を終えた。
この試合、素晴らしいプレーを随所に見せていた中島だが、連戦も踏まえて前半で交代すると、後半からは上門知樹が入り、「守備時はボランチ、攻撃時はシャドーという役割」(上門)で中盤に入る。「ハーフタイムに全員で、『もう一回、やろう』と確認した」(中村)チームは、後半開始から猛攻を仕掛け、早い時間帯で同点に追い付く。48分、柴山のCKから、中央でマークを外してフリーになった舩木がヘディングシュートを相手GKの足下に叩きつけてゴール。失点時のポジショニングに悔いを残していた背番号14だが、見事に失点を取り返すゴール、「チームが息を吹き返す」(舩木)同点弾を決めた。ここからセレッソの攻撃はさらに加速。57分、上門のパスに抜け出した阪田澪哉がシュートを放つと、DFに当たって跳ね返ったボールを詰めた古山に決定機も、フィニッシュはかつてセレッソでもプレーしたGK圍謙太朗に防がれた。ここで得たCKから、柴山のキックに今度はニアで西尾が合わせたが、ヘディングはポストを直撃。ここでは勝ち越しとはならなかったが、4分後、逆転ゴールが生まれた。相手の攻撃をカットし、カウンターを仕掛けると、柴山が右サイドをドリブルで運び、ファーサイドへ絶妙なクロス。ファーに飛び込んだチアゴがダイレクトで合わせ、ネットを揺らした。「柴山選手が持った瞬間、必ずパスが来ると信じて走り込んだ」と振り返る背番号11は、73分にも自身2点目、チーム3点目となるゴールを決めた。今度は、中村のパスからポケットを取った上門のクロスに合わせた。京都は5人の交代枠を使い切った後に負傷者を出してしまうアクシデントもあり、セレッソはラスト15分+後半アディショナルタイムを相手より1人多い状態で戦うと、81分、途中出場のラファエル ハットンが同じく途中出場のヴィトール ブエノとのワンツーで左サイドを崩し、右足で強烈に叩き込み、ダメ押しの4点目を決めた。
89分にはキム ジンヒョンが好セーブを見せるなど、一人多い状況でも緩めず試合を進め、タイムアップ。「チーム全体で、これ以上ない頑張りを見せてくれたと思います。ミスもありましたが、下を向かずにしっかりと後半に4点を取ったことは、誇り高き活躍だったと思います」と指揮官も称える試合内容で、リーグ戦に続き、カップ戦でも京都のホームで逆転勝ちを飾り、JリーグYBCルヴァンカップのプレーオフラウンド進出を決めた。