2025明治安田J1リーグ第13節

2025明治安田J1リーグ

2025.4.29

セレッソ大阪

チアゴ アンドラーデ (90+6')

1

HOME

FULL TIME

2

0-0

1-2

FC町田ゼルビア

オ セフン (49')

ドレシェヴィッチ (78')

ヨドコウ桜スタジアム

18,030

ニッコンホールディングスサポーティングマッチ

HIGHLIGHTSハイライト

ギャラリー

MATCH REVIEW

町田の個人パワーと堅守に屈し、1-2の敗戦。試合終盤のゴールと大卒ルーキー古山兼悟のデビューを次につなげたい


前々節のFC東京戦で引き分け、前節の東京ヴェルディ戦は敗戦。第10節・鹿島アントラーズ戦以来、3試合ぶりの勝利を目指して臨んだ明治安田J1リーグ第13節・FC町田ゼルビア戦。セレッソ大阪の先発は、前節から4人変更。ここまでリーグ戦全試合で先発していた田中駿汰はベンチからも外れ、香川真司が第2節・湘南ベルマーレ戦以来、11試合ぶりの先発出場を果たした。両ウィングはルーカス フェルナンデスとチアゴ アンドラーデがサブからのスタートとなり、柴山昌也と阪田澪哉が先発。トップ下には2試合ぶりに北野颯太が戻った。

田中不在の中盤の構成は、ボール保持の際は中島元彦がアンカーに入り、香川が1列上がる4-3-3、守備時はいつも通り北野が前に出る4-4-2で対応した。立ち上がり、最初に決定機を作ったのは町田。9分、右サイドから左サイドへ展開し、相馬勇紀のクロスに逆サイドで望月ヘンリー海輝がヘディングで合わせたが、枠の外。セレッソとしては、左右に揺さぶられて、大外から大外という、今季の失点パターンで先制されかけたが、何とか事なきを得ると、以降は町田に大きなチャンスを与えることなく前半を過ごしていく。立ち上がりは町田のマンツーマン気味のプレスをはがせずビルドアップに詰まる様子も見られたが、15分以降は徐々に相手をはがして前進。19分には、GK福井光輝から素早く展開、西尾隆矢、中島とつなぎ、最後は柴山がサイドを突破してチャンス。ここで後ろから突破を止めた町田の前寛之にイエローカードが提示された。もっとも、ボールこそ運べるシーンは増えたが、守備を固める町田に対し、今節は敵陣ペナルティーエリアに入っていく場面を作ることができず、前半のシュートは中島が放った直接FKの1本に終わった。

互いに良さは限定的に終わった前半を経て、後半勝負の様相を呈した試合。先に動いたのは町田の黒田剛監督だった。前線のミッチェル デューク、藤尾翔太に代えて、オ セフンとナ サンホ、右のウィングバックも望月から林幸多郎にチェンジした。後半、最初にチャンスをつかんだのはセレッソ。47分、左サイドに進入したラファエル ハットンが縦に突破してクロス。ここは中と合わなかったが、逆サイドに流れたところを拾った西尾が再び縦に進入してクロス。中には北野と柴山がいたが、シュートはミートせず、決定機に近い形を逃した。すると直後の49分に失点。自陣左サイドで阪田が林にボールを奪われると、ナ サンホにドリブルで運ばれ、左サイドへ展開される。最後は中山雄太のクロスに中で構えていたオ セフンが強烈なシュート。この瞬間、オフサイドポジションに町田の選手が立っていたが、「ゴールには影響を与えず」との判断で得点は認められた。試合後、「後半立ち上がりの1失点目が大きかった。そこからは町田のいいところばかりが出る展開になった」と振り返ったのは古巣戦となった福井だが、ここから流れは一気に町田へ傾く。セレッソは再三、決定的なピンチを招いたが、52分の相馬勇紀のシュートは福井が好セーブ。ナ サンホのクロスにオ セフンが合わせた65分のヘディングはクロスバーを直撃。何とか2失点目は防ぐと、この間、アーサー パパス監督も早めの交代策を繰り出し、66分の時点で4人を交代。さらに72分には、最後の交代カードとして古山兼悟を投入。J1デビューとなった大卒ルーキーがチームに勢いをもたらすべく入ったが、その6分後に失点。CKからドレシェヴィッチにヘディングで決められた。2点を追いかけるセレッソは、左ウィングに入ったチアゴの突破、さらには右ウィングに入った古山も何とかボールに絡もうとするが、決定機は作れない。それでも90+6分、途中からは右サイドバックに入っていたルーカスの突破からのパスを受けたチアゴが巧みなトラップから前を向き、DFに競り勝ちシュート。ついに町田の牙城を破ったが、その後は時間が残されておらず、1-2で試合終了。今季2度目の連敗となった。

試合後は疲労の様子も見られた選手たちだが、次節以降、京都サンガF.C.戦、ヴィッセル神戸戦と、関西勢とのアウェイ連戦が待っている。「中3日で次の試合も来ますし、今日の結果を受け入れて、次節に向けてやっていくしかない」と香川も前を向いたように、負けられない相手との戦いに向けて、準備期間は短いが、しっかりと心身を回復させて挑みたい。「2連敗している状況で、ケガ人も出ていますが、そんなことは言っていられない。自分が出る機会があれば、点を決めて勝つだけ」と決意を込めたのは古山。今こそチーム全員の力を結集させ、この苦境を乗り越えていきたい。

監督コメント

■アーサー パパス監督

「一言で言うと、難しい日になりました。前半もそうでしたが、後半から町田は選手を替えてきて、フィジカル的にも難しい展開になりました。ただし、最後の最後までファイトしたこと、0-2という展開の中、相手も強いチームでしたが、最後に得点したことは、最後まで諦めなかった気持ちが出たと思います。これ以上、何かを選手に要求することは難しかったです」

Q:第7節の浦和レッズ戦以降、どのような結果で終わったとしても、内容的には今後につながるアタッキングフットボールを展開していたが、今日に関しては、なかなかシュートのシーンを作れず、ピンチの数も多く、厳しい内容だったと言わざるを得ません。今日、問題だったと感じていることは?
「前半からセットプレーで相手は強さを見せてきましたし、フィジカル的なところが凄く大きかったと思います。後半も外国籍のFWから外国籍のFWという交代もありました。振り返ると、フィジカル的な差を埋めることが難しかったなと思います」

Q: 「フィジカル的な差」という意味では、中盤で強さを出せる、フィルターをかけることができる田中駿汰選手の不在も響いたと思います。前節の東京ヴェルディ戦で負傷したと推測されますが、彼の状況について
「自分が持っているスカッドのことを考えた時に、今日の不在は大きかったですが、プレーをしたい気持ちを出している選手もたくさんいますので、一人の選手の話はしたくないと思います。今のチーム状況を考えると、控えに回っていた選手たちが出る状況になっています。もちろん、彼らは試合に出る準備をしてくれていますが、そもそもの母数が足りていない状況です。自分のキャリアを通しても、ベンチのメンバーが足りない状況は初めてですが、それを言い訳にしてはいけないですし、出ている選手がしっかり見せないといけません。ただ、やはり(スカッドが)十分でないところは、正直あります」

Q:現在の中盤の選手を見ますと、ゲームコントロールやパス、攻撃に長けた選手が多い状況です。より彼らの特長を生かしたチーム作りも今後は必要になっていく?
「今、おっしゃったこともそうですし、ボールを動かすことは大事になってきます。いま出ている選手たちでしっかりプレーしないといけません。まずはこの敗戦をしっかり反省して、次の試合に向けて分析して、試合に臨む準備をしていくことが大切です」

選手コメント

■福井 光輝選手

Q:想いも強い試合だったと思うが、振り返ると?
「悔しい、の一言です。町田サポーターにも勝って恩返しをしたかったですし、チームとしても勝てていない状況だったので、絶対に勝ちたかったです」

Q:前半は途中から相手のプレスも外しつつ、うまく攻撃に移るシーンもあったが?
「そうですね。前半は町田の良さも消せたかなと思いましたが、後半、立ち上がりの1失点目が大きかったです。そこからは町田のいいところばかりが出る展開になりました」

Q:スタイルの違う強力な選手が前線に入ってきた時に流れを持っていけるのが町田の強みでもありますね。
「間違いないですね。個の能力に長けた選手がたくさんいることが町田の特長ではあります。ただ、僕たちも組織でサッカーをすれば、前半のような展開にもなります。あとは攻撃の質をもっと上げていくことができれば、という感じだと思います」

Q:後半の相手の決定機の数を考えれば、むしろ2失点でしのいだとも言えるが?
「いやー、でもそれまでにどうにかしないといけなかったですし、1-2というスコアが全てだと思います」

■北野 颯太選手

Q:連戦の中、試合の途中でピッチを退いた瞬間はサポーターも心配したと思うが?
「前の試合から少し(痛みが)残っていた部分もあったので。でも大丈夫です」

Q:なかなか攻撃で相手を打開できない試合になったが?
「今日はチャンスというチャンスを作れなかった。こういう苦しい時期だからこそ、自分がやれることをやりたいです。連戦でキツいのはどこのチームも一緒なので」

Q:ケガ人も増えている現状だが、なんとか打破していきたい?
「誰がいようがいまいが、自分のやることは変わらないので、目の前の試合に向かって、いまいるメンバーで戦い抜きたいと思います」

■中島 元彦選手

Q:今日は田中選手が不在の中、中島選手の役割としては、ボール保持の際はアンカーだったと思うが、振り返ると?
「影というか、チームを支えるポジションなので、痒い所に手を届かせるようなプレーをしていました。もう少し前に関わっても良かったですが、バランスが悪くなると思ったので、我慢することを心掛けていました」

Q:中島選手も含め、香川選手、上門選手と、本来は攻撃に関わることに特長がある選手が今日はボランチに並びました。バランスの取り方は今後も含めてカギになると思うが、どう立て直していく?
「駿汰くんが大変な役回りをやってくれていたのだなと、改めて実感しました。まぁでも、もう少しうまくできるとも思ったので、チーム全体でボールを前に運べたら良かったです。ボールをもらう角度や視野は今までになかった形なので、これから経験を重ねたらもっとうまくプレーできると思います」

Q:アンカーは初めてですか?
「そうですね。アンカーはなかったですね。サイドバックやセンターバックは練習でやったことはありましたが、アンカーは初めてでした。もう少し前に出て得点に絡めたらいいかなと思います」

Q:次節の京都戦、次々節の神戸戦も、セカンドボールの争いが重要になりそうです。泥臭いプレー、体を張ったプレーも求められそうだが?
「今日も戦う部分はみんな出せていたと思います。人数は少ない中でやり続けるしかないですが、今日のように応援してくれるサポーターもいるので、早く勝利を届けたいです」

■香川 真司選手

Q:1-2という敗戦になったが、振り返ると?
「この現状を受け入れて、切り替えて、やるしかないと思います」

Q:攻撃でなかなか相手の懐に入っていけない感じも見受けられたが?
「もう少し攻撃のところで相手に怖さを与えたかったですが、90分を通して見れば、後半、立ち上がりの失点が痛かったですし、セットプレーから与えた2失点目も痛かった。こういうゲームの中で、どう耐えて反撃につなげるか、そこが必要でしたが、負けた後は何を話しても言い訳になってしまうので。中3日で次の試合も来ますし、この結果を受け入れて、次節に向けてやっていくしかないです。個人的にも今日のクオリティー、質は反省しないといけないと思っているので、次の試合に向けてしっかりいい準備をしたい。それに尽きると思います」

Q:チームとしては、今日は田中選手がベンチ外で、登録メンバーも1人少なかったが、今の状況をどう考えていますか?
「ケガ人は当然出るし、いまいるメンバーでやるだけです。逆に出場機会が少ない選手にとってはチャンスだと思うし、この状況をチャンスと捉えて次の試合に向けてやっていきたいです」

Q:今季初めて90分フル出場を果たしたが、体力面に関しては?
「リーグでの先発は久しぶりだったので、この機会を僕も待っていました。その中で結果を残せなかった悔しい思いはありますが、試合をし続けないと上がっていかない感じもするので。いいところ、悪いところは個人的にもハッキリ分かっているので、次の試合に向けて修正していきたいです」

■進藤 亮佑選手

Q:人数が減っている中、交代した瞬間はヒヤリとしたが?
「打撲でした。ただ、これ以上プレーしても、今日に関してはチームに貢献できないと思ったので、自分から(交代を)言いました」

■登里 享平選手

Q:ベンチ入りメンバーが一人少ない状況を見ても、厳しい状況での連戦になることが推測できるが、乗り越えていくしかない?
「そうですね。みんなでやっていくしかないですし、言い訳はできないです。今日はホームでしたが、相手の土俵で戦ってしまった感じはありました」

Q:その中でも前半はうまく相手の良さを消せていた部分もあったと思ったが?
「いや、感覚的には、ルーズボールが相手にこぼれることも多く、ペースを掴み辛かったです。サイドでのミスマッチは把握していましたし、その中でやるべきことはやれていた部分と、難しい部分と、両方あったと思います」

Q:後半に関しては、相手の良さが出る展開になってしまった?
「そうですね。失点の仕方もそうですし、失点して前に出ないといけなくなった分、相手のストロングも多く出ました。そこで相手を跳ね返せなかったことで、難しい試合になってしまったと思います」

Q:次節の京都戦、次々節の神戸戦に向けて、今日の経験を生かしていきたい?
「今日は自分自身のパフォーマンスも良くなかったですし、しっかり切り替えて、一喜一憂せず、コンディションを整えて、頭を整理して次の試合に臨みたいと思います」

■古山 兼悟選手

Q:J1デビューとなったが、ピッチに入った瞬間の心境について
「負けていたので、ヒーローになれるチャンスだと意気込んで入ったのですが、そんなに甘くはなく、ほろ苦いデビューになりました。シュートも打てなかったので、まだまだここからやな、という感じです」

Q:ベンチメンバーを見ても1人足りないことは、ケガ人も多いと推測できるが、今こそ「ヒーロー」と言うか、誰かが出てきて欲しい状況だが?
「はい。僕はここしかチャンスがないので。このチャンスをモノにできないとダメだと思うので、もう一度、練習から頑張っていきます」

Q:キャンプの練習試合でもやったポジションだったと思いますが、右ウィングでのプレーに関しては?
「キャンプの練習試合が初めてで、今日が2、3回目ぐらいでしたが、プロなら言われたポジションで結果を出さないといけません。チャンスに絡めなかったことを反省して、次に生かしていきたいです」

Q:次から2試合は京都、神戸と関西圏の相手との戦いが続きます。負けたくない試合になるが?
「2連敗している状況で、ケガ人も出ていますが、そんなことは言っていられないので。自分が出る機会があれば、点を決めて勝つだけです。関西の相手には負けられないので、引き続き皆で引き締めてやっていきたいです」