2025明治安田J1リーグ第12節

2025明治安田J1リーグ

2025.4.25

東京ヴェルディ

新井 悠太 (33')

1

AWAY

FULL TIME

0

1-0

0-0

セレッソ大阪

味の素スタジアム

11,334

HIGHLIGHTSハイライト

ギャラリー

MATCH REVIEW

ゴールデンウイークの連戦がスタート。敵地での東京ヴェルディ戦は、前節と同様、好機は作るも仕留める力を欠いて、無念の敗戦


幾度となく訪れた決定機を決め切れずに引き分けで終わった前節のFC東京戦から中4日。セレッソ大阪は、敵地に乗り込み、東京ヴェルディとの明治安田J1リーグ第12節に臨んだ。先発は前節から2人変更。ヴィトール ブエノが第4節・アルビレックス新潟戦以来8試合ぶり、畠中槙之輔が第8節・ファジアーノ岡山戦以来4試合ぶりに、それぞれ先発を果たした。開幕からここまで全試合スタメンを果たしてきた北野颯太はサブからのスタートとなった。

そうした中で、開始早々、ブエノが負傷するアクシデント。疲労を考慮され、「休み」(アーサー パパス監督)を入れるべくベンチスタートとなっていた北野だが、早速、投入される形となった。ただし、その北野が躍動。12分、畠中のパスを受けてファーストシュートを放つと、21分にも絶妙な動き出しでニアゾーンを取り、田中駿汰のスルーパスを引き出してGKと1対1になりかけたが、ややボールタッチが増えて角度がなくなりシュートは打てず。セレッソは試合開始から東京Vのプレスをいなしてボールを回し、主導権を握ると、24分に決定機。北野が前からプレスをかけて相手GKのキックミスを誘い、この試合は奥田勇斗の欠場を受けて右サイドバックに入っていた西尾隆矢がカットし、素早くルーカス フェルナンデスへ付ける。ルーカスが上げたクロスを相手DFがクリアし切れなかったボールが逆サイドにいたチアゴ アンドラーデに渡って絶好機となったが、シュートは枠に飛ばすことができず、クロスバーを越えた。このビッグチャンスを逃すと、目を覚ました東京Vがボールを保持して攻撃姿勢を強めてくる。両ウィングバックも高い位置を取ってきた相手に対し、守勢に回ったセレッソは、33分、自陣左サイドを崩されて、クロスから失点。「チャンスで決め切れなくても、崩れないことも大事。相手のペースになることもあるので、そこでしっかり耐えないといけない」と田中も振り返ったように、良い入りをした半面、守勢に回った際の脆さも露呈した。マークの受け渡しやクロス対応など、大外で1枚余るウィングバック対策という今シーズンの課題も再び突き付けられた格好となった。

後半は、立ち上がりこそ東京Vにチャンスを与えたが、ここを凌ぐと、以降は大半の時間帯でセレッソがボールを保持。最終的には800本以上のパスを記録して敵陣に入っていったが、前節と同様、ゴールが遠い。52分、田中のパスを受けた北野が反転して放ったシュートは良いコースへ飛んだが、相手GKマテウスの好守に阻まれた。北野は79分にもゴール前で相手DFを4人交わしてゴールに迫ったが、至近距離から放った一撃は、再びマテウスに指先で防がれ、ゴールならず。シュートに至る動きはいずれも素晴らしかったが、ネットを揺らすことはできなかった。他にも、後半開始からチアゴに代わって入った阪田澪哉や80分に入った柴山昌也らが得意の突破を生かしてゴールを目指すと、87分には柴山が巧みなステップでカットイン、決定的なシュートを放ったが、DFに防がれた。後半アディショナルタイム、ラストプレーでは、香川真司の絶妙なサイドチェンジから決定機。髙橋仁胡を経由し、北野颯太のクロスをDFがクリアし切れなかったボールがゴール前に詰めた阪田の前にこぼれてきたが、シュートはここでもGKマテウスに防がれた。前節と同様、作ったチャンスを仕留めることができず、タイムアップ。今節は0-1での敗戦となった。

試合後は、「パフォーマンス自体に関しては、良かったと思います。ボックス内に入り込むところまでは良かったと思いますが、3点、4点と入ってもおかしくなかったところで、技術がまだまだ足りていないという感想です。点を取り切れなかったことが今日の敗戦につながったと思います」と短く総評したパパス監督。次節こそゴール前でのクオリティーを発揮し、好機をゴールにつなげ、勝利という結果を手にしたい。中3日で迎える次節はホームにFC町田ゼルビアを迎える。昨シーズンはリーグ戦、カップ戦を合わせて4試合未勝利に終わった相手に対し、まずは一つ、借りを返す1勝を掴みたい

監督コメント

■アーサー パパス監督

「パフォーマンス自体に関しては、良かったと思います。ボックス内に入り込むところまでは良かったと思いますが、3点、4点と入ってもおかしくなかったところで、技術がまだまだ足りていないという感想です。点を取り切れなかったことが今日の敗戦につながったと思います」

Q:今の総括とも重なりますが、前半のチアゴ アンドラーデ選手の決定機や、後半ラストの場面など、監督として、「それは決めて欲しい」というシーンもあったと思いますが、ここ数試合、作ったチャンスの割に得点数が伸びていきません。もどかしい状態が続いていますが、どう乗り越えていく?
「ボックス内に入っていくこと、そこまでの形作りはよくできていると思います。リーグでも攻撃のスタッツは、色々な数字でトップに近い数字を残しています。当初、課題があった守備も改善しつつあります。今日もヴェルディさんのシュートはゴールから遠い場所のシーンが多かったと思います。(チャンスに対してゴール数が少ないのは)自信が不足しているのか、質をもっと求めないといけないのか、正直、一つの回答にまとめるのは難しいです。攻撃に特長があり、ファイナルサードに入ってからの質を持っている(本間)至恩のケガによる離脱も大きいです。ファイナルサードにおいて技術を発揮することは、トレーニングを重ねていくしかないと思います」

Q:今日に関しては、特に前半、ルーカス フェルナンデス選手がいつもに比べて目立たなかったように思います。チームとしても、特に前半はサイドからの攻撃に難しさを抱えた印象を受けました。右サイドバックを本職とする奥田選手の不在の影響もあったとは思いますが、彼が欠場した理由は?
「 (奥田)勇斗は体調不良で試合に出られませんでした。痛手でしたが、(西尾)隆矢も良いパフォーマンスをしたと思います。もちろん勇斗には、すぐに回復して、戻ってきてもらうことが必要です。あとは、(中村)拓海もコンディション不良で練習ができていません。今日、畠中が戻ってきてくれたことは良かったですが、まだ不足しているポジションが多いです。スカッドを見ても、人数が欠けてきています。ただそれでも、言い訳はしていられないですし、今いる選手たちでしっかり戦って、質も求めていかないといけません。今日の右サイドに関しては、もっと相手の背後を取れるチャンスはあったと思います。そこはもっと意識してプレーすることが必要でした」

選手コメント

■田中 駿汰選手

Q:入りは良かったと思うが、試合を振り返ると?
「入りは最近もずっと良いですし、今日もそれを継続して入れましたが、前半の真ん中あたりから相手のペースになってしまった。そこで押し返していかないといけなかったですが、今日に関しては、(攻撃の)質も足りなかった。まだまだやらないといけないと思います」

Q:相手は得点後、より守備を固めてきて、攻めにくさも感じたが?
「ただ、もっとやりようはあったと思います。相手からしたら守りやすい攻撃になってしまった。その中でも前半も後半も決定的なチャンスはありましたが、そういうシーンで決め切れなくても、崩れないことも大事です」

Q:振り返ると、相手の時間帯と言えるシーンは前半20分ごろから得点までの間ぐらいだったのかなとも思うが、そこで崩れなければ、また流れがくるというか、点を取れなくても崩れないことが大事?
「そうですね。試合の中では相手のペースになることもあるので、そこでしっかり耐えて、押し返してカウンターで怖さを見せれば、もっと相手の脅威になっていたと思います。前半の途中から少し後手になって、守備にパワーを使い過ぎて、前に出ていくパワーを出せていなかったので、そこは課題になりました」

Q:内容に結果が付いてきて、波に乗っていけそうな状況の中で、前節のFC東京戦、今節と勝利できず、再び踏ん張りどころが訪れた感もあるが?
「そうですね。ただ、ブレずにやることが大事です。決めるところを決めて、守備でももっと全員で責任感を持ってやれば、今日も違う結果になったと思います。連戦なので、すぐに次の試合もやってきます。次に生かしていきたいです」

■畠中 槙之輔選手

Q:第8節・岡山戦以来の復帰になりました。思ったより時間がかかった感じでしょうか?
「そう…ですね。自分的にはもっと早く復帰したかったですが、メディカルやチームと調整しながらこのタイミングになりました。岡山戦では途中で代わりましたが、あの試合に勝って、僕がいない間に鹿島にも勝って、結果が出始めた中で戻ってきたので、ここでまた勢いを付けるためにも今日は絶対に勝ちたかったですが、負けてしまったので、自分の力不足も感じました。チームとしても、まだまだ変わらないといけないし、もっともっとやらないといけないと思いました」

Q:今日も入りは良かったですが、決め切れず、前半の途中から相手にペースを握られました。そうした試合の流れはどう感じますか?
「毎試合、必ず自分たちの良い流れの時間帯はありますし、ゴールになってもおかしくないシーンは毎試合数多く作れているのですが、決め切れないところは普段の練習から変えていかないと試合では結果につながらない。一つ一つの意識を自分たちで変えていかないといけないと感じています」

Q:決め切るクオリティーは監督も最近常におっしゃっていますが、練習から質にこだわることが大事になる?
「練習の中でも、最後のところで甘さが出ている場面はあります。シュート練習にしても、決め切ることにもっとこだわっていかないといけない。強いチームになっていくためには、一つ一つのプレーに対する意識をもっと変えていかないといけないと思います。逆にそこで点を取れるようになれば、もっともっと自分たちの目指すアタッキングフットボールができるようになると思うので、自分としても悔しいです」

Q:鹿島、今治に勝って公式戦で連勝したことで、ここから乗っていけそうな流れでしたが、前節、今節と勝利ならず。ただ、シーズン序盤の勝てなかった試合に比べると、内容やチームの状態は悪くないように見えます。
「そうですね。守備にしても、間違いなく相手の得点チャンスは減っています。ただ、ほとんどない中で失点していることは、自分たちディフェンス陣が変えていかないといけない。全体的に、もっともっと勝利にこだわらないといけない。次節まで時間は短いですが、その中でも変えられるところはたくさんあるので、いい準備をしたいです」

Q:東京ヴェルディのアカデミー出身として、味の素スタジアムで対戦できたことについては?
「僕自身、ヴェルディと対戦するのは初めてだったので、楽しみにしていましたが、勝てなかったので悔しいです」

■阪田 澪哉選手

Q:前半の早い段階から準備していた様子も見られました。後半から入る気持ちの準備はできていた?
「そうですね。前半の途中に監督から呼ばれて、『後半から行くぞ』と言われたので、気持ちを作って後半に臨みました。『自分が流れを変える』という気持ちで準備していました」

Q:左ウイング、右ウイング、右サイドバックと3つのポジションをやった中で、仕掛けるシーンもあり、チームとしても後半は攻め続けたと思うが、ここ数試合、なかなかチャンスで仕留め切れないシーンも目立つが?
「ゴール前まで行く回数は多いですが、その中で、ゴール前でのクオリティーは監督から最近よく言われていること。『クオリティーを求めてプレーしなさい』と言われている中で、得点を取れていない現状はあるので。チームとしての課題でもありますし、個人的にもたくさんの試合に出してもらって、期待してもらっている分、結果で応えないといけないですが、応えられていない自分が情けないというか…。自分としても、もっとチームの勝利に貢献したいですし、日常から変えていかないといけないのかなと思います」

Q:最後の決定機について、ボールを見失ったようにも見えたが、自身で振り返ると?
「ボールが自分の視界から消えて、どこに行ったか分からなくなって、気付いたら目の前に転がってきました。あそこで決める選手は、『もし(転がってきたら)』ということを考えてポジションを取ると思いますし、そういうところは自分の甘さかなと思いました」

Q:阪田選手個人で言えば、開幕スタメンを掴み、その後も先発で出ていましたが、チアゴ選手のコンディションが上がってきて結果も出したことで、控えからのスタートになりました。ただ、ここからの連戦では、スタメンも含めてチャンスは再び来ると思うが、J1初ゴールの期待も含め、次節以降の意気込みをお願いします。
「ここから3連戦ですし、5月は試合も多くある中で、今はケガ人も出ています。間違いなく総力戦になりますし、チーム全員で戦わないといけない。もし自分がスタメンという形になれば、チームのために戦いたいです。鹿島に勝って、今治に勝って、勢いに乗っていきたいところで、この2試合は勝てなかったですが、次の試合からもう一回、勢いに乗っていけるようにやっていきたいです」

■柴山 昌也選手

Q:ゴールまでもう一歩、という試合になりましたが、試合に入った瞬間の思いは?
「負けている状況だったので、何としても追い付きたかったですし、『どんどん仕掛けろ』と言われて入りました。相手も疲れていたので、仕掛けることを意識して入りました」

Q:今日もそうでしたが、ここ数試合、作ったチャンスの割に得点が増えないことが課題ですが、ゴールに結びつけるために必要なことは?
「チャンスは作れているので、あとは仕留めるところだけ。確かに今は点が入っていないですが、それで自信を失ったら、余計に入らなくなる。作ったチャンスでしっかり決め切ることは、練習から全員が意識してやっていかないといけないと感じます」

Q:ここから連戦です。今日の途中出場選手も含めて全員の力が必要になりますが、次節・町田戦への思いは?
「今日は短い限られた時間の中でも自分の持ち味を出せた部分もありましたが、点を取るところは課題です。カップ戦でアシストができたので、リーグ戦でも得点に絡みたいです。監督のサッカーを信じてやるだけですし、サッカー自体は悪くない。やっていても楽しいです。組織的にボールを動かして、意図的に運んで、フィニッシュも意図的に作れているので、あとは本当に決め切るところ。そこは選手の自分たちがやるしかないので、自分も含めて危機感を持ってやりたいと思います」