2024JリーグYBCルヴァンカップ2回戦

2024JリーグYBCルヴァンカップ

2024.4.17

いわてグルージャ盛岡

0

AWAY

FULL TIME

1

0-0

0-1

セレッソ大阪

ヴィトール ブエノ (67')

いわぎんスタジアム

2,362

HIGHLIGHTSハイライト

ギャラリー

MATCH REVIEW

途中出場ヴィトール ブエノの芸術的なコントロールショットが決勝点に。苦しみつつもルヴァンカップ3回戦進出を果たす


直近のリーグ戦、川崎フロンターレとの明治安田J1リーグ第8節から中3日。大会をJリーグYBCルヴァンカップに移し、セレッソ大阪は、いわてグルージャ盛岡との2回戦に臨んだ。
先発は川崎戦からCBの鳥海晃司を除く10人を変更。香川真司がJ1第4節・サガン鳥栖戦以来、約1ヶ月ぶりの実戦復帰となった。他にも渡邉りょう、山田寛人、ジャスティン ハブナー、奥田勇斗、阪田澪哉、ヤン ハンビンが今季初先発を果たすなど、フレッシュな顔ぶれが並んだ。ベンチには、いずれも今季初のメンバー入りとなる清武弘嗣と平野佑一も名を連ねた。

守備時は5-4-1でブロックを作る岩手に対し、セレッソが序盤からボールを握ると、対角のパスや背後を狙って好機を伺う。7分に最初のチャンス。香川が右のスペースへパスを送ると、ジョルディ クルークスが収めて落とし、阪田のクロスに渡邉がボレーで合わせたが、わずかに枠を外れた。直後には、かつてセレッソでもプレーした都倉賢に豪快なシュートを浴びたが、ここも枠の外。ここからさらにボール保持を高めて相手を揺さぶり、ゴールに迫っていきたいセレッソだったが、相手の守備の圧力をまともに受ける格好となり、良い形を作り出せない。逆に24分、25分と連続して相手のサイド攻撃からヒヤリとする場面もあるなど、試合のペースを掴み切れないまま時間は進む。26分には、奥田のパスを受けたクルークスがカットインから際どいシュートを放てば、北野颯太や香川が間で受けて中央からゴールを目指すなど、前半の中盤から終盤にかけてはセレッソが押し返したが、前半はスコアが動くことなく0-0で終了した。

後半開始早々、セレッソは岩手に決定機を許す。自陣左サイドからのクロスに都倉が飛び込みヘディング。至近距離から放たれた決定的な一撃だったが、このピンチをGKヤン ハンビンが右手一本でスーパーセーブ。こぼれたところもしっかりカバーし、失点を防いだ。セレッソも57分に決定機。鳥海のフィードを前線で渡邉が競り、こぼれたところを拾った香川が前線の山田へラストパス。受けた山田が相手DFをかわしてシュートを放ったが、枠を捉えることができず、絶好機を逃した。すると66分、ここが勝負所と見た小菊昭雄監督は、一気に4枚替え。レオ セアラ、ルーカス フェルナンデス、ヴィトール ブエノ、舩木翔と主力をズラリと投入し、試合を動かしにかかる。直後の67分、彼らが期待に応えてセレッソが先制に成功する。ハブナーのフィードから背後を取ったフェルナンデスが収めて粘り、中へマイナスのパスを送ると、ブエノがワントラップからゴール右スミに見事なコントロールショットを決めた。

ここから終盤にかけては、岩手に連続してビッグチャンスを作られたセレッソだが、77分の決定的なヘディングは枠を外れ、90分の被決定機では、またもGKヤン ハンビンがビッグセーブで失点は阻止。ブエノが挙げた1点を守り切ったセレッソが苦しみながらも3回戦進出を果たした。試合後、小菊監督は相手の健闘を称えつつ、「今日のテーマは『とにかく勝つ』こと。それが全ての中、スタートで出た選手たちが役割を全うして、勝負所で出た選手たちがゴールを決める、ゲームをクローズする。役割を20人全員で全うした試合だったと思います」と総括。リーグ戦の良い流れを継続する形でルヴァンカップ“初戦”に勝利し、中3日で迎えるリーグ戦の次節、敵地での名古屋グランパス戦に挑む。

監督コメント

■小菊 昭雄監督

「試合前から選手たちとも『厳しい試合になる』と共有した中で臨みました。予想通り、相手は素晴らしいハードワーク、強いメンタリティーで向かってきて、厳しい難しい試合になりましたが、今日のテーマは『とにかく勝つ』ことでした。負ければ今季のルヴァンカップは終了ということで、『とにかく勝つ』と。それが全てでした。その中で、スタートで出た選手たちが役割を全うして、勝負所で出た選手たちがゴールを決める、ゲームをクローズする。そういった役割を20人全員で全うした、そういう試合だったと思います」

Q:今季、公式戦の中で試合開始から5バックで固めてくる相手は初めてでした。崩すことに苦しんだ面もありましたが、その中で得た教訓について

「今シーズンの公式戦では、5バックの相手に臨むのは初めてだったのですが、私たちもしっかりと相手をスカウティングして、私たちのやるべきことを共有して臨みました。特に前半は相手のエネルギーも強いので、固い試合になることは想定していました。その中で、とにかく私たちは相手の嫌がることを徹底しようと。そこはできたと思いますし、それがあったから、後半、相手が少し伸びてきたのだと思います。リーグ戦の次節の相手、名古屋も5バックですので、今日、良かったところと課題と向き合って、準備したいと思います」

Q:1発勝負のトーナメント。勝つことが全てのゲームであり、90分を通して勝ち切ったという見方もできる一方、今日、先発で出た選手たちに、もう一つアピールが欲しかった思いもあるが?

「そうですね。そこは本人たちが一番分かっていると思いますので、自分で向き合って、私が望む先発の基準に持っていってもらうしかないと思います。それでダメなら、ベンチには入れないです。11人だけではなく18人の枠もかなり熾烈な競争を日々していますので、自分と向き合って基準を上げていく。そこは日々の競争だと思います」

Q:J1第4節・サガン鳥栖戦以来の出場となった香川選手について。前半、スペースがない中でも起点になって、長短のパスを織り交ぜてゲームを作っていたが、今後へリーグ戦への期待も含め、今日のパフォーマンスはいかがでしたか?

「真司も(復帰まで)少し時間はかかりましたが、さすが真司だなと。私たちの今取り組んでいるサッカーに、もう一つプラスαをもたらしてくれる選手だなと改めて感じました。守備のところも含め、攻守にチームを引っ張ってくれたと思っています。あのポジションはキヨも復帰しましたし、シバや颯太も凄く成長しています。どのポジションもそうですが、彼らが復帰したことで、私の嬉しい悩みが増えましたので、明日からの練習が今から楽しみです」

Q:「前半は相手の嫌がることを徹底した」という話もありましたが、具体的にはどのような狙いを持っていましたか?

「足元に強く来ること、特に私たちのボランチのところにかなり強く来ることが予想されました。3トップにも矢印が強く来ることが予想されましたので、その矢印を逆に使ってポケットを突くこと、ロングボールを多めに使いながら、相手が下がったらボランチを使いながら、ボックスを使いながら、そういうゲームプランで臨みました」

Q:なかなか先制点を取れない中で試合は進んでいったが、やりにくかった部分は?

「一つ二つはがしても、全員が素早くポジションに戻る、素早くカバーする。全員でセレッソを倒す、という強い思いで臨んできたことを感じました。相手にもチャンスを与えてしまいましたし、非常に厳しい試合でした。攻守に全員がやるべきことを共有して臨まれた、という印象を持っています」

Q:いわてグルージャ盛岡で特に嫌だった選手はいますか?

「やっぱり都倉選手の一発ですね、高さやシュート力は私も一緒に戦って、十分に理解していました。あとはメンタリティーのところですね。J1のチームにも向かっていくという姿勢を存分に発揮して、怖い選手でした。最後、挨拶の時に歳を聞いたのですが、『38歳になりました』と。でも私と一緒にやっていた頃と変わらず素晴らしい選手だなと感じました」

Q:後半途中に4選手を一気に投入されました。主力選手は、リーグ戦のためにもできれば出さずに勝てればベストだったと思うが、逆に言えば、いわてグルージャ盛岡が出させた面もありますか?

「おっしゃる通り、温存して、という考えもありました。ただ、もう一つは、ゲームプランの中で、あの時間帯は勝負だと。今日しっかりと舞洲でトレーニングしている選手もいますし、その練習の強度と比べても、あの時間帯からの出場なら問題ないと。そういう範囲内だとも考えていました」

選手コメント

■ヴィトール ブエノ選手

Q:素晴らしいシュートが決勝点になりました。振り返ると?

「非常に幸せです。途中から入ったのですが、チームに貢献することができて良かったです。試合に出るチャンスがあれば決めることができると示せたことは良かったです」

Q:入って最初のシュートでしたが、狙っていた?

「はい。0-0だったので、途中から入る選手は違いを見せないといけないと思っていました。チームが勝利するために、シュートを決める必要があったので、ゴールを狙う気持ちで入りました」


■ジョルディ クルークス選手

Q:何より重要だった勝利で終えたが、試合を振り返ると?

「厳しい試合になることは分かっていました。その中でも、前半から対角のボールや裏へのボールを入れることで、相手を押し込むことに成功しました。その流れを作った中で、後半も同じような流れからスタートして、ベンチにいた選手たちが最後は決めてくれた。そうしたことが要因で、勝つことができたと思います」

Q:苦しんだ前半も、クルークス選手のところで起点を作り、チャンスも生まれていました。

「そうですね。僕自身も今日はいいプレーができたと思っています。僕は諦めないことがモットーなので、これからもやり続けて、頑張っていきたいです」


■香川 真司選手

Q:J1第4節・鳥栖戦以来の公式戦出場となったが?

「ケガなく終えることができて、チームの目標である勝利も掴めたので良かったです」

Q:今後、チームでの競争も激しさを増していきそうだが?

「チームは勝っているので、それが一番大事なこと。ただ、その中で、これからタフな試合、上位との試合が続くので、気を引き締めてやらないといけないと思います」

Q:相手もモチベーション高く、やることもハッキリして臨んできました。苦しい試合にはなりましたが、勝ち切ったことも含めて、試合を振り返ると?

「いや、もうそこ(勝利)しか考えていなかったです。もちろん欲を言えば、前半で1、2点を取れたらもっとコントロールしやすかったですが、相手も必死ですし、勝つためにホームという地の利を生かしてアグレッシブに戦ってきた。こういう展開も想定できたので、最終的に1-0でしたけど、勝てたことが何より大事です」

Q:週末すぐに次節のリーグ戦があります。今後のリーグ戦に向けて

「チームはリーグで勝ち続けていますから、その勢いや自信を確信に変えたいです。次の名古屋もそうですし、ここから上位の相手が続くので、ここである意味、一つの真価が問われると思います。それをみんなで受け止めて、謙虚に戦っていきたいです」


■上門 知樹選手

Q:苦しい試合にはなりましたが、勝利で終えました。振り返ると?

「難しい試合になると思っていましたし、普段リーグ戦に絡めていない選手がどれだけアピールできるか、というゲームでもありました。その中で結果がまず大事だったので、結果として勝てたので、良かったです」

Q:前半は相手の5-4のブロックも固く、強い圧力を受けた試合になったが、アンカーとして何を心掛けてプレーしていましたか?

「自分自身、あまりアンカーの経験はないので、前半は探り探りでした。(奥田)勇斗のポジショニングも見ながらプレーしていたのですが、前半は勇斗と僕が平行に並んでしまい、都倉選手のプレスをうまくはがせなかった。後半はFWの後ろでどれだけプレーできるかを考えながらプレーしたので、前半よりは良くなった印象があります。前半はグルージャ盛岡さんが前から圧力をかけてくる場面も多かったので難しい試合になりましたが、僕自身も前半は縦パスを入れる回数が少なく、下げるシーンが多くて、前半の出来は反省かなと思います」

Q:後半は、全体として、より高い位置を取ることを心掛けた?

「そうですね。前半、僕がいた位置にCBを押し上げて、僕らが高い位置で受けることができれば、より相手にも圧力がかかると思いました。その中で、ブエノがしっかり決めてくれて、チームを助けてくれたので良かったです。僕も点を取りたい気持ちはありますが、監督に任されたポジションで、任された役割を全うすることが、今の自分の役割だと思います。今年は優勝を狙っているので、どこで出ても与えられたことをしっかりこなさないといけないですし、そういう意味では勉強になった試合でした。またアンカーで出る機会があれば、もう少し縦パスを増やさないといけないと思います」

Q:練習ではアンカーがハマっている印象も受けていました。公式戦で先発するのは初めてだったと思いますが、実際にアンカーでプレーした感想は?

「練習と試合では違いますし、相手もいるスポーツなので。紅白戦で、アンカーでプレーもしていますが、相手の立ち位置や勢いも違います。ただ、チームをうまくつなぐ役割をしないといけないので、自分自身にとっても、いい経験になりました。アンカーをすることで、守備の面や危機察知は、より考えながらやれています。チームが失点しないようにカバーすることは、どのポジションで出ても求められているので、アンカーで出ることで、その面はより磨かれるかなと。あとは、アンカーの位置からミドルシュートも打てれば、より自分の良さも発揮できる。そこは試行錯誤しながら、経験ある選手にも聞きながらやっていきたいです」

Q:初めて公式戦でアンカーをした中で、難しさもあったと思うが、相手のプレスに食われることもなく、いい形でボールを散らせていたとも思ったが?

「初めてだったので、あまり難しいプレーをするよりも、チームがうまく回るように、早くはたいてリズムを作ることは意識していました。ただ、前半はもう少し強引にプレーしても良かったかなと思います。後半、立ち位置を変えるだけで、あれだけ良くなったので、そこはアンカーの醍醐味かなと思います」


■ヤン ハンビン選手

Q:今季初出場でしたが、試合に臨む心境はいかがでしたか?

「普段からいつもいい準備をしていたつもりなので、何か特別なことを心掛けたというわけでもなく、いつも通りという気持ちで臨みました」

Q:後半開始早々の都倉選手のヘディングはビッグセーブでした。自身で振り返ると?

「後半始まってすぐの危ないシーンでしたが、綺麗に止めることができたので、気持ちも乗って、最後までプレーできました」

Q:試合終了間際のシュートも際どいコースに飛んできましが、しっかりキャッチされて、さすがだなと思いました。

「武田GKコーチと練習していれば、いつもあのあたりを狙ってくるので、練習通りでした(笑)」