2023明治安田生命J1リーグ第19節

2023明治安田生命J1リーグ

2023.6.30

セレッソ大阪

0

HOME

FULL TIME

1

0-1

0-0

アビスパ福岡

ルキアン (22')

ヨドコウ桜スタジアム

11,786

ニッポンハム 国産鶏肉 桜姫® サポーティングマッ

  • 入場時間

    SAKURA SOCIO ゴールド 17:00 / SAKURA SOCIO シルバー 17:05(ゴールド会員様入場後) / SAKURA SOCIO 17:10(ライト会員は除く) / 一般 17:30

  • イベント

    ビール半額Day

  • 放送

    DAZN

HIGHLIGHTSハイライト

ギャラリー

MATCH REVIEW

前半の失点が重くのしかかり、福岡の堅守を崩せずウノゼロ負け。上位を目指す上で痛い敗戦を喫する

4-1で快勝を飾った前節の北海道コンサドーレ札幌戦から中5日。セレッソ大阪は、ホームにアビスパ福岡を迎えて「フライデーナイトJリーグ」に臨んだ。前節から先発は1人変更。負傷の毎熊晟矢が外れてマテイ ヨニッチが7試合ぶりに先発。進藤亮佑が右サイドバックに回った。

開始からボールを握ったのはセレッソだが、福岡のアグレッシブなプレスに対し、思うようにボールを前に運べない。即席の右サイドでは、ジョルディ クルークスが孤立気味。ボランチの喜田陽と香川真司にも効果的にボールが入ることが少なく、左サイドや前線に生きたパスを届ける機会もわずか。攻め手を見出せずにいると、22分に失点を喫してしまう。CKの2次攻撃から左サイドへ展開されると、金森健志の突破からのクロスにルキアンに頭で合わせられた。この場面では、金森に対して2人でマークに付いていただけに、悔やまれる失点となった。ここからさらに堅守速攻の色合いを強めてきた福岡。セレッソは28分にもカウンターから決定機を作られたが、ここは鳥海晃司が体を張ってブロック。2失点目を防ぐと、37分、この試合最初の好機を迎える。スローインの流れから、喜田のパスを受けたレオ セアラがペナルティーエリア内でシュートを放ったが、DFのブロックに阻まれた。結局、セレッソが前半で打ったシュートはこの1本のみ。攻撃で良い形をほとんど作ることができず、45分を終えた。

後半も立ち上がりは福岡にペースを握られたまま推移。セレッソはチャンスの糸口をつかめず、シュートへ持ち込めずにいたが、60分、相手のミスを突き、舩木翔のクロスに加藤陸次樹が飛び込む。ここは惜しくも合わなかったが、このあたりから試合の流れがセレッソに傾き始めると、64分、サイドに流れた加藤のクロスにクルークスが飛び込み、決定機。ただし、ここも合わせることができず、同点とはならない。さらに69分にもチャンス。カピシャーバのクロスをファーで加藤が折り返し、中で進藤が合わせたが、叩きつけたシュートはクロスバーを越えた。進藤は後半だけでシュート4本。セットプレーも含め、ゴールへの強い意欲を感じさせた。

77分、小菊昭雄監督は山中亮輔、上門知樹、北野颯太を3枚同時投入。クロスに加えて機動力を生かして福岡の守備をこじ開けにかかるが、DFを1枚増やして5バックで対応してきた福岡の守備を破れない。83分には、喜田に代えて西尾隆矢を入れ、進藤を前線に上げてパワープレーに出るが、思うようにボールを集めることができず、チャンスを作り切れない。後半は福岡のシュートを1本に抑えるなど、ほぼ相手陣地で試合を進めたが、「前半の失点が重くのしかかった」(小菊監督)展開に。試合はこのまま0-1で終了。セレッソの連勝は2でストップし、上位を狙う上で痛い敗戦を喫した。「札幌戦で自信を得て今日の試合に臨んだ中で、慢心したり楽観的になっていたわけではないけど、勝てなかったことは自分たちの実力。みんなで次の試合に向けてしっかり準備していきたい」と香川。次節、アウェイでのサガン鳥栖戦へ向け、再び顔を上げて進んでいきたい。

監督コメント

■小菊 昭雄監督

「リーグ2連勝といい流れで来ていたので、3連勝して一気に順位を上げたかった。そして、前半戦を引っ張ってくれた選手たちに少しアクシデントが数名、出た中でも、いい準備をしてくれた選手たちが代わりに出て躍動した中で勝ちたかったゲームでした。前半の失点が重くのしかかったと思います。相手の強固なブロックに対して、特に前半はポケットやニアゾーン、相手が嫌がるスペースへのランニングが少なく、ボールは保持しているが、スペースを取る、キーパスを入れることができずに保持している時間が続きました。後半は、相手が嫌がるスペースへのランニングを徹底してくれました。そして、中央とサイドのバランスを見ながらゴール前まで迫ったのですが、ゴールを奪い切れなかったゲームでした。そのためには、回数を増やしていくこと。そして、強固な守備でゲームをコントロールするチームに対して打開していく力。それをチームとしても個人としても伸ばしていかないといけないと実感したゲームになりました」

Q:思うようにボールを運べず攻撃が停滞した前半、アクションを起こせなかった理由について。また、毎熊選手の欠場理由について

「今週、アクシデントが数名出た中で、全選手がよく準備してくれました。ただ、進藤の右サイドバックも久々で、ヨニッチも先発は久々だったので、少しコンビネーションのタイミング、イメージの共有に時間がかかった印象です。毎熊に関しては、前節の札幌戦で足を痛めてしまったのですが、代わりに右SBに入った進藤も攻撃センスを見せてくれましたし、際どいクロス、ゴール前への進入。CBだけではなく、高いポテンシャルを発揮してくれたと思います。毎熊に関しては、メディカルスタッフが次の試合に向けてケアしてくれているので、1日も早い復帰を願っています」

Q:アウェイの名古屋戦と同様、ボールをもっているけど状態で崩せない。その課題を打破するために、日々の練習でのどういう取り組みが必要だと思われるか?

「攻撃も、規律と自由のバランスが大事だと思います。オートマチックに、ボールが入ったときには攻撃のアクションを共有する、全員がイメージを共有しながら動き出す。そういったイメージをみんなで共有できるように取り組んでいます。そうした回数プラス、個々の割っていく力とコンビネーションの割合も大事になってきます。今日も際どいシーンを作れたことは評価しながら、先ほど申し上げた通り、人が変わってノッキングを起こしたシーンもありますので。誰が出てもチームとしてオートマチックに動く、崩していく。そこは徹底していかないといけないと痛感したゲームでもありました」

Q:前半の失点シーンに関して

「リスタートからの2次攻撃でしたが、相手のストロングであるリスタート、そしてクロス。そこは相手の良さを出させないように準備はしてきた中で、何回かあったCKもしのげたと思います。ただ、あのシーンだけは、CKをクリアした後の2次攻撃に対して、ラインをプッシュアップできなかった。ファーストディフェンダーの徹底、中でのクロス対応。そういった課題が出ました。リスタートは、相手の2次攻撃、3次攻撃までしのいでの、リスタートの守備ですので。そこは一つ一つ全員でやっていくことが大事だと思います」

選手コメント

■香川 真司選手

Q:前半は特に、「相手の嫌がるスペースやニアゾーンを取れなかった」という監督の話もありましたが、なかなか攻撃面でうまくいかなかった試合になってしまった?

「そうですね。なかなかやり辛い相手でした。守備も堅いし、前線にはフィジカルの強い選手もいたので。厳しい試合になるとは思っていましたが、後半、1点は欲しかったですし、負けたことは悔しいです」

Q:ブロックを組んだ相手をどう崩すか。課題にされているとは思うが、今後、どういう取り組みが必要になると思うか。

「ここで勝ち切りたかったですね。この前の試合でいいゲームができて、ここで勝てないことは、自分たちの力がまだまだ不足しているところもある。あの試合をベースに、今日、同じように戦えたかと言えば、できていないことも多かったので。そこは自分たちの実力だと思うし、しっかり受け止めて、連敗しないように次節に臨みたいと思います」

Q:保持した中で、打開するために何が必要になってくるか?

「それが分かれば、というところですが、メンバーでいかに攻略していくか。もうちょっと脅威を与えるポジショニングだったり、クロスだけではなかなか崩せないこともあるので。センターへのボールであったり、相手の中間ポジションで受けることや、そこにどうパスを付けるかは、このチームにはもっと必要。ただ、それ以上に、札幌戦で自信を得て今日の試合に臨んだ中で、慢心したり楽観的になっていたわけではないけど、勝てなかったことは自分たちの実力。それは個人的にも悔しい。みんなで次の試合に向けてしっかり準備して、次のアウェイに向けてやっていきたいです」

Q:相手はセレッソの長所であるクロスを封じてきた中で、やはり攻撃のバリエーションはもっと増やしていかないといけない?

「明らかに対応してきたし、前半から相手に締められてきたので、うまくいかないときにどう次に向かうか。そのセカンドアクションや引き出しは増やしていかないと。(クロス中心の攻撃で)勝てたらいいですが、こうやって負けると、そこは課題になると思います」


■喜田 陽選手

Q:前半、なかなかボールを前に運べなかったが、難しかった要因をどう考えますか?

「僕が思ったのは、アビスパが、ジョルディ(クルークス)とカピ(カピシャーバ)のところを封じに来ているなと。固く守って、ボランチも後ろに重くして、クロスを上げさせない守備をしているなと。そこで僕たちも、後ろに重くなってしまった。もっと前にサイドバックを押し上げたり、サイドで枚数をかけたりできれば、もうちょっと優位に進めることができたかなと思います。失点のタイミングも含めて悪かったかなと思います」

Q:特に前半、前へのアクションを起こし辛い試合で、どうすれば、自分たちの流れにもっていけたと思うか。

「単純なミスも多かった感じがします。上にいくには、こういう先に失点した試合でも焦らず点を取りにいくこと、試合を進めていくこと。それが今後は大事になると思います」


■マテイ ヨニッチ選手

Q:第12節以来の先発となったが、試合を振り返ると?

「アビスパは連敗していたとは言え、いいサッカーをしていた中での連敗だったので、今日は難しい試合になるだろうと予測はできました。最初の20分くらい、もたついてしまって、そこから立て直すことはできたのですが、最終的には0-1で負けてしまい、残念な気持ちが強いです」

Q:前半、うまくいかなかった部分では、ビルドアップで相手のプレスに苦しんだ?

「ビルドアップもそうですが、オフェンスで連係が取れていなかったり、ディフェンスもそうですが、綻びが出てしまい、うまくいかなかったと思います」

Q:失点シーンについて

「クロスが多いチームということは分かっていましたが、ルキアン選手がパワーをもって入ってきました。もう少しポジショニングをよくすべきでした。学びとして、ポジショニングも含めて、クロス対応を改善していきたいです」


■進藤 亮佑選手

Q:今日は右サイドバックでの先発でした。もちろん、これまでセンターバックで活躍してきた分、見える景色やボールの受け方も変わったと思うが?

「体力的なところでも、練習の紅白戦もそうでしたが、疲れの質も違うなと感じました」

Q:ボールをもちながら、前半は右サイドで詰まる場面もあった。相手のプレスに誘導されたというか、ビルドアップでの難しさも感じられた?

「ジョルディ選手との関係性で言えば、公式戦で縦関係を組むことはほぼなかったので、最初はうまくいかなくて当然だと思います。ただ、練習や試合で特長はつかめているので、やればやるほど良くなると思う。自分はCBをやることが多いですが、SBで出ても、彼の特長を引き出せるポジショニングと、逆にこちらからジョルディに要求することもあるだろうし。今日も試合中にいいコミュニケーションは取れていたので、どんどん良くなる期待しかしないです」

Q:相手が先制した後は守備を固めたこともあったと思うが、試合中にどんどん進藤選手の攻撃への関わり方も良くなっていったと思うが、右SBとして打開するために、試合の中でどう工夫されていた?

「逆サイドからのクロスに入っていけることは自分の持ち味だと思うし、後半、そういうシーンが増えたことは良かったですが、自分のサイドで、攻撃のところで周りとのコンビネーションを作る意味では、思い出しながらプレーしていた感覚はありました」

Q:後半、加藤選手の折り返しにボレーシュートで合わせた場面を振り返ると、少し叩き過ぎてしまった?

「落ちてくるボールに対して、ありがちなのは、相手が視界に入って、上に上げてしまうこと。自分はヘディングシュートも含めて下に、という意識は常にもっているのですが、それが逆に叩き過ぎて、という結果につながったと思います。その場での即興だったのですが、自分はそれが持ち味でもあるので。今日はシュート4本を打ちながら決められなかったことは、責任を感じます」

Q:右SBである進藤選手から、一番、ゴールをこじ開けようという気持ちが見えたことは、逆に言えば、チームとしては物足りないというか、課題にも映ったが?

「それはもっと言ってくれないと。自分から言うわけにはいかないので。まぁでも、自分もセットプレーから(得点を)狙えたので。ジョルディ選手のボールは、僕が要求しているボールに段々近づいています。キックの質、精度は素晴らしいので、あとはどこで合わせるか。そのすり合わせだけ。段々、練習の中でも合ってきている感覚はあります。セットプレーは、基本、決まらないですが、札幌時代もいくつか決めてきました。そこでもっと勝負したいです。セットプレーの得点は、キッカーが7割、8割。僕が点を取ったとしても、キッカーのおかげ。このままやっていけば、セットプレーからもいずれ入る、という期待しかないです」

Q:チームとしても、今日はとりわけ進藤選手に合わせる場面が目立ったが?

「今日はヨニッチ選手もいたことで、より僕にチャンスがきた感もありました。複数、ヘディングが強い選手がいると、より僕にもチャンスがくると感じました。今後も、特にSBで出るときは、もっと攻撃に関わることは自分に求めていきたいです。今日は負けてしまいましたが、収穫も多かったです」