2023JリーグYBCルヴァンカップグループステージ 第3節

2023JリーグYBCルヴァンカップ

2023.4.5

京都サンガF.C.

松田 天馬 (6')

平賀 大空 (8')

一美 和成 (21')

谷内田 哲平 (52')

4

AWAY

FULL TIME

0

3-0

1-0

セレッソ大阪

サンガスタジアム by KYOCERA

5,156

  • 放送

    スカパー! / SPOOX

ギャラリー

MATCH REVIEW

≪京都のプレスに屈し、前半だけで3失点。後半、阪田澪哉、大迫塁がプロデビューを果たすも悔しい敗戦に≫

直近のリーグ戦から中3日。セレッソ大阪は、敵地に乗り込み、JリーグYBCルヴァンカップグループステージ第3節、京都サンガF.C.との一戦に臨んだ。先発はリーグ戦から松田陸を除く10人を変更。カピシャーバが公式戦初先発を果たし、U-21枠は前節に続いて北野颯太が入った。

雨が降りしきる中、キックオフされた試合は、最初にチャンスをつかんだのはセレッソ。舩木翔の縦パスに抜け出したカピシャーバがサイドからクロスを上げると、中で加藤陸次樹が滑りながら合わせたが、シュートはGKの正面を突いた。すると、直後の6分に失点。左サイドから右サイドに揺さぶられ、右からのクロスを中ではね返せず、逆サイドで受けた松田天馬に決められた。続く8分にも2失点目を喫してしまう。今度は舩木から加藤に出たクサビのパスをカットされると、そのままダイレクトで京都の前線につながり、平賀大空にドリブルから決められた。20分には、カピシャーバが前からボールを奪ってチャンス。クロスに加藤がヘディングで合わせたが、惜しくも枠の外に。するとこの直後、再び自陣でのパス交換がズレたところを突かれ、サイドを崩され失点。前半21分で3失点を喫する厳しい立ち上がりとなった。「試合の入りが全てだったと思います。相手の入り方、ゲームプランはしっかりと理解した上で臨んだのですが、相手の強い矢印をまともに受けてしまった」と今節を総括したのは小菊昭雄監督だが、この試合、セレッソは自陣でのビルドアップが機能せず、京都のプレスを受けてはシュートまで持ち込まれた。前半の終盤は高い位置で起点を作って押し込むなど、幾分、改善されたが、今季ワーストと言える前半となった。

後半、小菊監督は2枚替え。ジョルディ クルークスに代えてレオ セアラ、喜田陽に代えて阪田澪哉を送り、システムも原川力をアンカーに、加藤と北野をシャドーに置く[4-1-4-1]に変更。3点差を追いつくべく、より攻撃的に仕掛けた。立ち上がりから攻勢に出たセレッソは、再三セットプレーを獲得したが、生かせずにいると、52分に失点。反撃に出る勢いを削がれる4失点目を喫した。それでも55分に京都のDFがこの日2枚目の警告で退場となり、以降の時間帯はセレッソが数的優位に立つ。ここからセレッソは、左サイドのカピシャーバ、右サイドの阪田の突破を中心に、再三、京都ゴールに迫ったが、1点が遠い。72分、78分と地元・京都でプロデビューを果たした阪田を起点に決定機も作ったが、シュートはGKに止められ、ネットを揺らすことはできない。79分には、阪田に続き大迫塁もピッチに立ち、プロデビュー。舩木に代わって左サイドバックに入った。後半アディショナルタイムには、その大迫を起点にカピシャーバのクロスからレオ セアラがヘディングで決定機も、GKに止められ試合終了。セレッソは前半のビハインドをはね返すことができず、無得点で敗れた。

ルヴァンカップのグループステージは今節で半分の3試合が終わり、セレッソは1勝1分1敗の勝点4で2位に付けている。次節は2週間後、ホームに戻り、再び京都と対戦する。試合後、次節に向けて西尾隆矢は、「変わったことを示せるのは結果でしかない。試合に出るメンバーが全てを出して勝点3を取らないといけない」と話した。試合で受けた悔しさは、試合で晴らすしかない。

監督コメント

■小菊昭雄 監督

「試合の入りが全てだったと思います。相手の試合の入り方、ゲームプランはしっかりと理解した上で臨んだのですが、相手の強い矢印をまともに受けてしまった。その入りが全てだったと思います。ただ、最後までサポーターの皆さんも力強い応援をして下さり、選手たちも何とか1点を返そうという姿勢を出してくれました。その姿勢は長いシーズンで大事になってきます。課題や学びもたくさんあった中で、収穫もありました。選手たちにも先ほど伝えたのですが、ルヴァンカップはあと3試合、今日の学びを生かせる試合があります。リーグ戦はまだまだ続きます。もちろん私自身も今日のゲームを通してたくさんの学びがありました。選手たちとともにこの学びを生かしていけるように、また明日からやっていきたいと思います」

 

Q:試合に入りについて。組み合わせが変わったことによる組織的な問題だったのか、選手一人一人の準備不足の問題だったのか、要因をどう分析されていますか?

「前半の20分、30分くらいまでは、かなり前から圧力をかけてくると、スカウティングでも共有していました。私たちとしては、その矢印をうまく使ってポケットに流し込む、そして逆に、前向きに私たちが圧力をかけていく。そういうゲームプランで臨んだのですが、一人一人プランを徹底できなかったことは私の責任だと思っています。全員が同じゲームプランをもち、それを徹底することが大事になってくると、改めて感じました」

 

Q:カピシャーバ選手の先発や、クルークス選手と松田選手の縦関係など、リーグ戦では見られない組み合わせもいくつかあったが?

「新たな組み合わせも色々と試した中で、彼らのストロングが生きたところ、組み合わせが良かったところもありましたし、うまくタイミングやイメージが合わない部分が見て取れたところもありました。また練習から合わせていかないといけないと感じたことがあったことも、今日の一つの収穫だと思います」

 

Q:特にカピシャーバ選手は加入後初先発でフル出場したが、彼の評価について

「攻守に良かったと思います。90分間プレーできたことも、これからの我々にとっては大きな収穫だと思っています。ラスト15分くらいは疲れもありましたが、コンディションを上げていく、疲れた中でもチーム戦術を遂行する。未来のためにも出し切って欲しいと思い、フル出場させました」

 

Q:阪田選手と大迫選手がプロデビューを果たしたが、彼らについて

「初出場には見えない高いパフォーマンスを発揮してくれました。今日の貴重な時間が彼らの成長をスピードアップする時間になったと思います。日々、高い意識で取り組んでいます。今までもセレッソからたくさんの選手が代表や海外に旅立ちましたが、彼らに負けない素晴らしい部分をもっている選手たちです。これからも彼らの成長をしっかりとサポートしていきたいです」

 

Q:阪田選手は後半のスタートから投入しましたが、期待したことは?

「後半開始から出場することを決断できたのは、日々の彼のパフォーマンスです。右でも左でも推進力の高い突破力のある選手です。攻守で前向きにスイッチを入れるために、後半の頭から起用しました。再三、突破して、鋭いクロスを入れる場面もありました。その中で、もう一つ味方を使いながら自分も生きる、という課題も見えました。個でやるところと、グループでやるところ、その両輪を上げていけるように取り組んでいきたいと思います」

選手コメント

■西尾隆矢 選手

Q:厳しい結果になりましたが、今日の試合をどう受け止めていますか?

「普段、リーグ戦ではあまり出ていないメンバーが出て、一人一人がアピールしようという気持ちもありましたし、何が何でも勝ちたい思いはありました。ただ、入りが良くなく勢いに飲まれたというか、自分たちがやりたいことは何か、迷いもありました。連係面でも、各々がやりたいこと、矢印がバラバラになってしまった。ボールも保持できない、得点に関わるようなプレーも作り出せない、後手に回ったしんどい時間帯で起きたミスが失点に直結してしまった。僕自身、ディフェンスリーダーとして責任を感じています。世代別代表の活動から戻ってきて、学んだこともありましたし、もっとレベルアップしていかないといけないと感じた気持ちもあったのですが、それを表現できず、チームとしてもいい形に導けなかった責任も感じています。自分の出来が良くなかったことも事実ですし、仕方ない、で終わらせるのではなく、一人一人が受け止めて責任をもたないといけない。『誰が出ても強いチームになる』ということは監督も常に仰っていること。こういう試合を続けてはいけない。しっかりと反省して変えていかないといけません」

 

Q:今シーズンの流れを作ったのもルヴァンカップの第1節でした。力を示せた試合もあった中で、こういう結果に終わったのは、先ほどの言葉にもあったように、試合の入りで全員の意識を徹底できなかったことが大きな原因でしょうか。

「なかなかチームが勝てなかった時期にルヴァンカップで勝利して流れを作ったことも確かにありますし、だからこそ、ルヴァンカップの一つ一つの試合が大事になることは自分たちも分かっていました。その中で、今日はオープンな試合になるという予測はありましたが、その中でもボールを保持して時間を作りたい選手もいました。割り切って蹴るのか、つなぐのか。ちょっとずつの意識の違いはありました。自分たちで自ら潰れていった試合になったと思います。試合の中で判断して、つなぐのは止めて(相手のプレスを)裏返すことを徹底できれば、結果は変わっていたかも知れません。こういう相手、マンツーマンで前から来る相手はこれからもあると思いますし、今日出たメンバーだけではなく、チーム全体で繰り返さないことが大事なのかなと思います」

 

Q:ルヴァンカップとしては、次節、今度はホームでの京都戦があるが、そこへ向けて

「今日、一人一人が考えたことはあると思います。僕自身も悔しかったですし、不完全燃焼で終わりました。次、またチャンスがあるなら、変わったことを示せるのは結果でしかない。試合に出るメンバーが全てを出して勝点3を取らないといけない。そういうプレー、結果がチーム全体の底上げになりますし、勢い付けることにもつながります。また中3日でリーグ戦もあります。チーム全体でいい準備をして、いい試合を見せたいと思います」

 

■カピシャーバ 選手

Q:加入後初先発でフル出場でした。チャンスメイクをした一方で、結果は完敗でした。今日の試合をどう

「本当に悔しい試合になりました。立ち上がりの失点により、難しい試合になりました。自分たちがやるべきことができなかった。また修正して、次の試合に向けて準備していかないといけません」

 

Q:個人として、フル出場したことについて

「自分としては、90分やれたことは良かったです。フィジカル面も上がっていますし、次の試合も出場できる準備はできています。チームをどれだけ助けることができるかは、自分の取り組みにかかっているので、しっかり準備したいです」

 

■阪田澪哉 選手

Q:プロデビュー戦となったが、率直な感想は?

「セレッソのユニフォームを着て、サポーターの皆さんの前でプレーできたことは嬉しかったです。京都出身で、サンガスタジアムは高校選手権(予選)の決勝でもやっています。今日は出場したい思いが強かった中で、サンガスタジアムで出場できたことは、自分にとって大きなデビュー戦になりました」

 

Q:後半から入ってプレーして、手応えと課題など、どういうことを感じた45分間になりましたか?

「0-3という状況で入ったので、結果が求められました。1点1点取り返すという気持ちで入りました。相手が10人になって自分がフリーになる場面も多かったですが、シュートにつながるプレーは少なかったですし、自分の持ち味を前面に出せたかと言えば、そうではないと思います。ただ、戦う気持ちを前面に出すことなど、今まで自分がやってきたことは出せたかなと思います。1対1や、サイドの局面での崩しは課題なので、今日の動画もしっかり見て分析して、課題に向きあっていきたいです。デビューしてここからが始まりだと思っているので、リーグ戦にも絡んでいけるように、しっかり練習から高めていきたいです」

 

Q:収穫を挙げるとすると?

「何度か突破してクロスを上げたり、そういう場面を作れたことは良かったです。サポーターの皆さんの応援がある中で、プレッシャーがある中でプレーできたことも収穫です」

 

Q:この試合は東山高校の監督さんも見ていたようですね。

「はい。今日はサッカー部の後輩も来ていました。いい姿を見せられたかは分からないですが、後輩の前でデビューすることができて良かったです」

 

■大迫塁 選手

Q:プロデビュー戦となったが、率直な感想は?

「悔しいですね」

 

Q:自身が入った時間帯では、試合をひっくり返すことは厳しい状況だったが、どういうことを意識してプレーしていましたか?

「クロスを上げたり得点に絡めたら良かったですが、前にいったときにクロスまでいけなかったり、自分の持ち味はあまり出せなかったです。もうちょっと攻撃に絡めたら良かったです。1点、2点は返したかったです」


Q:左サイドバックでのプレーについて

「もちろん、ボランチやトップ下が自分の本職なので、そこでのスタメンを狙っていかないといけないですが、どのポジションでもチャンスが来たら、結果を出すのがプロサッカー選手だと思います。どの場面、どのポジションでも違いを出していけたらな、と思いました」

 

Q:プロデビュー戦で得られたことは?

「そんなに緊張もなかったですし、点差も離れていたので、とにかく点を取り返しにいく気持ちで入れました。ビビることなくやれたことは良かったです」

 

Q:サポーターの前でプレーして、プロサッカー選手になった実感はありましたか?

「そうですね。初めてグラウンド内で自分のチャントも聞けて感慨深い気持ちになりましたし、負けてもなお、プラスの声掛けや次に向けての声を掛けてくれたサポーターの方々がいたので、次に出場のチャンスが来た時は、勝利に貢献するプレーをしたいと思います」