2023明治安田生命J1リーグ第6節

2023明治安田生命J1リーグ

2023.4.1

セレッソ大阪

レオ セアラ (16')

レオ セアラ (35')

2

HOME

FULL TIME

1

2-0

0-1

横浜F・マリノス

オウンゴール (83')

ヨドコウ桜スタジアム

18,955

HIGHLIGHTSハイライト

ギャラリー

MATCH REVIEW

<<待ち望んだレオ セアラの2得点が決勝点に。チーム一丸の守備も披露し、昨季王者を撃破>>

リーグ戦としては2週間ぶりの開催となった今節。ホームに昨季のJ1王者、横浜F・マリノスを迎えたセレッソ大阪は、前節から先発を1人変更。加藤陸次樹に代わり、古巣対戦となったレオ セアラが1トップに入った。

立ち上がりこそ勢いよくプレスをかけたセレッソだが、前半15分までは横浜FMに主導権を握られる展開に。特に、17年から19年までセレッソでもプレーした水沼宏太に再三ゴールを脅かされたが、GKキム ジンヒョンを中心にゴールは割らせない。すると16分、自ら獲得したFKからレオ セアラに決定機。ここでのヘディングはGKに防がれたが、続くCKから再びレオ セアラが頭で合わせてゴール。ついに飛び出した背番号9の加入後初ゴールに、スタジアムは一斉に沸いた。ただし、ここからもセレッソは耐える時間が続く。それでも鳥海晃司のシュートブロックやキム ジンヒョンのビッグセーブで同点ゴールは許さない。前半、セレッソは良い守備から何度かカウンターを放つことに成功していたが、得点に結実したのが35分。中央で鈴木徳真がパスカットし、縦にボールを入れると、中央で収めたレオ セアラが相手DFを交わして運び、サイドの奥埜博亮へパス。GKと1対1になりかけた奥埜だが、シュートは打たずに中を見て、ふわりとした優しいクロスを送った。ここに飛び込んだのがレオ セアラ。豪快なヘディングを突き刺し、この日2点目を奪った。横浜FMの攻撃力を前に難しい時間帯もあったが、際の部分では体を寄せて戦い、試合前に小菊昭雄監督がポイントに挙げた「強度や切り替え」で一歩も引かない姿をみせたセレッソ。セットプレーとカウンターから効果的に得点を重ね、2点リードで前半を折り返した。

後半、セレッソは[4-5-1]で中央を締め、奪ったボールは素早く前のスペースへ送る戦い方で試合を掌握。50分、奥埜のボール奪取から、香川真司、為田大貴、山中亮輔とつなぎ、最後は山中のクロスにレオ セアラが飛び込みヘディングも、わずかに枠を外れた。66分にも、いい守備からセレッソに決定機。香川のパスに抜け出したレオ セアラがGKと1対1を迎えかけたが、戻ってきたDFにシュートは防がれた。惜しくもハットトリックとはならなかったが、この試合で見せた背番号9のプレーは圧巻だった。起点を作る動き、スペースへ走る動き、前からの守備、その上で試合を決める2得点。文句ないプレーぶりで74分にピッチを退いた。後半も横浜FMにボールこそ握られたが、チャンスらしいチャンスは与えず試合を進めたセレッソ。65分に一度、右サイドを突破された場面があったが、最後のシュートはキム ジンヒョンが好セーブ。「非常にオーガナイズされた」(小菊監督)攻守を見せていた中、83分、再び右サイドを崩され、オウンゴールから失点。ここから試合を締め方が問われた中で、直後に小菊監督は進藤亮佑を投入し、布陣を5バックに変更。逃げ切り策として[5-4-1]を選択した。

アディショナルタイムも含めた約10分、まさに今季の命運が懸かった時間で、CBのマテイ ヨニッチと鳥海を中心に最後まで体を張り続けたセレッソ。見事1点を守り切り、上位追撃を目指す4月の初戦、全員の力で昨季王者との一戦に勝利を収めた。「この瞬間を待ちわびていました。今日、取れて自信になったので、ここからもっと取っていけると思います」と笑顔を見せたレオ セアラに、今季初のフル出場を果たして最後はキャプテンマークを巻いてチームを引っ張った香川。そして、試合終盤の課題克服に向け、一つのオプションを提示した小菊監督。セレッソでのヨドコウ桜スタジアム最多入場者数を更新したサポーターの前で、今季の分岐点にもなり得る大きな1勝をつかんだ。

監督コメント

■小菊昭雄 監督

「直近の公式戦5試合を3勝2分という素晴らしい成績で終えたことを嬉しく思います。特にこのリーグ戦の2試合は、昨季の王者と2位のチームで、Jリーグを引っ張ってきた相手との対戦でした。川崎とはクリーンシートで終えて、今日は色んなトライをした中で勝ち切れたこと、非常に嬉しく思っています。またルヴァンカップ、次のリーグ戦と続いていきますので、この無敗記録を継続して、全員でいい競争をしながらレベルアップを図っていきたいと思います」

Q:レオ セアラ選手は攻撃に守備に素晴らしいプレーでした。昨日は監督自身、「明日は点を取ると確信している」と仰っていたが、今日見せたプレーについて

「準備が全てだと思っています。先発から外れた時期もありましたが、どんなときもいい準備をして、日々、取り組んでくれていました。この間のダービーもそうですし、練習でも常にいいパフォーマンスを発揮してくれていました。あとはタイミングだけだと思っていました。近いタイミングで取ってくれると確信していました。今日は古巣ということで、彼も気持ちが入っていたと思います。彼がゴールを決めてくれたこと、勝利に導いてくれたことは私自身も嬉しく思いますし、チームにとっても大きなゴールでした」

Q:喜田陽選手、カピシャーバ選手投入の狙いは?

「非常にオーガナイズされていましたので、あの形のまま、強度を落とさずカウンターから3点目を取りにいく狙いで交代しました」

Q:最後は5バックで守ったが、1点差に追い上げられたから5枚にしたのか、それとも2点差のままでも5枚で締める予定だったのか?

「ラストを5バックでしのぐことは、後半40分を超えたら、という基準をもって準備していました。少し早いタイミングで失点してしまったのですが、すぐに準備してきた5バックをトライしました。こういった強い相手に、新たなチャレンジをして成功体験を得られたことを嬉しく思います。勝ち切れたことで、選手たちも一つの勝ち切るパターンとして自信になったと思います。まだシーズンが始まって間もないですが、色々な引き出しを増やしていきながら、チームを成長させていきたいですし、私自身も引き出しを増やしていきたいと思っています」

Q:香川選手が今季初めて90分フル出場したが?

「ケガの痛み、リバウンドも安定してきました。90分出すかどうかは試合の流れにもよりますし、何よりもパフォーマンスがどうか。疲れたら交代する、それはどの選手も一緒です。その基準の中で真司もハイパフォーマンスでしっかり走り切れていました。彼の技術、クオリティー、経験に懸けて、最後まで出場させました。パフォーマンスだけではなく、素晴らしいリーダーシップで勝利に導いてくれたと思います」

Q:終盤にキャプテンマークを巻いたのは監督の指示?

「チームのみんなが真司に託したと思います。彼が日常でどれだけチームを引っ張っているか、愛されているか、その証だと思います」

選手コメント

■レオ セアラ 選手

Q:待ちに待ったゴールだと思うが、2得点を振り返ると?

「得点したくてたまらなかった(笑)。得点できて嬉しいです。そのためにずっと準備してきました。その時期が来ることを待っていました。古巣から得点できて嬉しかったです」

Q:1点目はDFに当たって入った形にはなったが、先に頭で触っていますし、「自分のゴール」という意識ですか?

「そうですね。先にヘディングをして、相手もクリアしたわけではなくそのまま当たって入ったので、僕のゴールだと思います。ちょっと運も良かったですね(笑)」

Q:2点目は奥埜選手のクロスからヘディングで決めました。

「起点を作り、DFをかわしたらオクがフリーだったので、オクにパスをして中に走りました。そうしたら、オクが素晴らしいクロスを入れてくれました。合わせるだけでしたね」

Q:古巣相手でモチベーションも上がった?

「そうですね。どの試合でもベストを尽くすことは意識していますが、今日は特にゴールできると信じて試合に臨みました。この瞬間を待ちわびていました。今日、取れて自信になったので、ここからもっと取っていけると思います」

Q:実際に横浜FMと対戦して感じたことは?

「マリノスは素晴らしいサッカーをしているので、難しい試合になると思っていました。ただ、セレッソにも素晴らしい選手はいます。今日の結果で、僕たちも強いと示すことができたと思います」

Q:第3節の浦和戦で一度はネットを揺らしながら、オフサイドで取り消されました。もどかしい思いもあったと思うが、どう気持ちを切り替えた?

「得点できない時期はもどかしいですね。たくさん練習するしかありません。あとは家族の支えもありました。今日も得点の後、チェックの時間があったので、『今日もオフサイドで取り消されるのかな?』と思ったのですが、今度は決まって良かったです(笑)」

Q:今日の試合もご家族はスタジアムでご覧になっていた?

「そうですね、奥さんと娘が来ていました。2人だけではなく、ブラジルで応援してくれている家族もいるので、そういう家族のおかげで点が取れました」

Q:暑い季節に強いイメージがあるが、今日の高い気温は過ごし易かった?

「そうですね(笑)。いつも決めるために準備はしていますが、この2年間、確かに季節の変わり目で夏になるとゴールを決めている印象はあると思います。いつでも決めたいですが、確かに今日も温かかったので、“夏に強い男”と思ってもらえれば嬉しく思います(笑)」


■奥埜博亮 選手

Q:球際も激しく、最後は競った試合になったが、このゲームを勝ち切ったことは大きい?

「やっぱり勝つことが、前向きに進むには一番なので大きな勝利ですね」

Q:押し込まれる時間も長かったものの、狙いとする速い攻撃も出せたと思うが?

「そうですね。いい守備からいい攻撃を出せましたし、そこから得点やチャンスも生まれたので、うまくいった部分もあったと思います」

Q:アシストした2点目は、少し余裕があったが、シュートではなくクロスを選択したが?

「最初はシュートを打とうと思ったのですが、中を見たらレオがフリーでいたのでクロスを選択しました。しっかり通せて良かったです」

Q:彼にゴールが生まれたことは、チームにとっても大きいのでは?

「大きいですね。レオ自身も波に乗っていけると思います。常に真面目にチームのために働いてくれる選手なので、そういう選手に結果が出て嬉しく思います」

Q:香川選手を含めた中盤について

「もう少しボールを引き出して握れる時間を増やせたら良かったですが、相手との兼ね合いの中であまり下がらないように意識しました。レオも背後に抜けてくれていましたし、常に裏を狙う方が相手には脅威だったと思うので、そこはチーム全員で共有してプレーしました」

Q:カプコンサポーティングマッチで勝てたことついて

「良かったです(笑)」


■鳥海晃司 選手

Q:押し込まれながら、チーム全体での守備が光ったが?

「前向きで守備をすること、全員でボールを奪いにいくこと、ラインも高くコンパクトに、ということは、今週、監督からも提示されて練習に臨んでいました。前半は特に前向きに奪うシーンがよく出ていたと思います」

Q:鳥海選手自身、最後の場面も含めて何度もシュートをブロックするシーンがあったが?

「球際のところで厳しく行くことは、監督から強く提示されていました。僕とヨニッチで最後のところを寄せ切ることはしっかりできたと思います」

Q:最後を5バックで締めたことは、今後に向けてもオプションになる?

「そうですね。最後の10分で失点が多いことは事実なので、5バックのオプションをもっておくことは強みになると思います。試合を重ねるごとに、堅い守備を作っていきたいです」

 

■キム ジンヒョン 選手

Q:試合を振り返ると?

「プラン通りに前半から進みました。後半、追加点が取れたらもっと良かったです。最後は昨季のホームと似た流れになったのですが、勝ち切ることが重要だったので、ひと安心です」

Q:オフサイドになったとは言え、相手の決定機での好セーブが光りました。

「我慢しながら、いいタイミングで止めることができました。最後のタイミングを合わせることが重要でした」

Q:ケガを押しての出場だったが?

「試合中は全然考えていなかったです(笑)。そこを考えると、プレーの集中力にも影響が出ます。気にもしていなかったですし、怖さもなかったです。問題なくできました」


■進藤亮佑 選手

Q:最後は後ろを5枚で締めたが、監督に伺うと、「1点差に追い上げられたからではなく、時間で準備していた」と。

「そうですね。2点リードのときから準備していました」

Q:直前に1点差になった分、動揺というか気持ちに焦りはなかったですか?

「それで言うと、この前のガンバ戦も、1-0で勝っている時に呼ばれて指示を受けている間に追いつかれた。そこから入る方が難しかった。今回は失点しなければ勝てる状況だったので難しくはなかったです」

Q:5枚で守り切る成功体験を作れたことは大きいですね。

「自分の特長というか、CBにもSBにも5バックにも対応できる強みがあります。CBは途中から出ることは少ないポジションですが、CBの割には途中から出る機会も多いと思います。なかなかしびれる展開で出ることもありますが、やりがいはある仕事です」

Q:やりがいとともに、プレッシャーも大きい仕事ですね。

「そうですね。CBが途中から入る難しさはこの前の代表戦を見ても分かると思います。過酷な仕事ですが、それで給料をもらっているのでやるしかないです。結果にこだわってプレーしたいです」


■山中亮輔 選手

Q:横浜FM相手に勝ち切れたことは、シーズン全体としても自信になるのでは?

「リーグ戦は苦しい戦いが続いていましたが、今日から4月ですし切り替えていいスタートを切りたかった。チャンピオンチーム相手に勝ち切れたことは大きな自信になります」

Q:1点目は山中選手のCKからでしたが、レオ セアラ選手にゴールが生まれたことはチームとしてもホッとした?

「そうですね。彼自身も欲しかったと思いますし、プレーを見ても気持ちが入っているのは伝わってきました。2ゴールが生まれたことは彼にとってはチームとしても大きいですね」

Q:公式戦では今季初めて5バックにトライしました。練習では準備していたようですが、今後も一つのオプションになる?

「そうですね。終盤に失点が多いのはチームとしても感じているので5枚で守り切ることは練習していました。個人的にも5枚だとスライドし易いですし、距離も短くなるので、やり易さはあります。今回、一つの成功体験を作れたことはチームとしても大きいです」