天皇杯JFA全日本サッカー選手権大会
ラウンド16(4回戦)

2022.7.13

セレッソ大阪

7' オウンゴール 88' 為田大貴

2

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FULL TIME

1

1-0

1-1

名古屋グランパス

69' マテウス・カストロ

ヨドコウ桜スタジアム

監督コメント

■小菊昭雄監督
「今日は少しハーフタイムにアクシデントもありました。ここ最近は色んなアクシデントが毎試合あるのですが、その中で、追い付かれてから苦しい時間帯もあったのですが、全員が粘り強く、一体感を持ってやり続けたことが勝利につながったと思います。上位3連戦の中で学んだことを今日の試合でしっかりと生かせたことが嬉しく思います。何よりも、この天皇杯、次のステージに全員の力で進めたことを嬉しく思います」

Q:リーグ戦に挟まれた日程の中、お互い総力戦だったと思うが、リーグ戦から大きく先発を代えた中で勝ち切れたことについて

「選手にも伝えていたのですが、私は全く不安はなく、この大切な試合を今日のメンバーに託すことができました。その中で、そういった選手たちが躍動して、勝利を勝ち取ることができれば、さらにチーム力はアップすると。チームの団結力もアップすると。先ほども申し上げましたが、厳しい時間帯やアクシデントもありながら、全員で勝利を勝ち取れたこと、チームとしても大きいですし、しっかりと準備してくれた選手も、ここからまた自信を持って臨めると思います」

Q:試合前日のコメントで、「最近は日替わりでヒーローが出ている。明日も楽しみ」という言葉があったが、まさに今日は進藤選手、為田選手が主役になったが、彼らについて

「進藤は素晴らしいキャリアを持った選手で、私自身の評価も非常に高いです。その中で、素晴らしい競争の中で、なかなか出場機会に恵まれなかったのですが、今日のように右SB、そしてCBとして、チームのために日々、高い向上心を持ってトレーニングに臨んでくれています。為田は、キャプテンの清武が不在の中、チームを引っ張るリーダーとして、素晴らしい取り組みをしてくれています。その2人が結果を出してくれたことを非常に嬉しく思います。進藤は、練習後、いつもあのクロスは練習しています。結果につながったことを嬉しく思いますし、『練習は嘘を付かない』と、改めて感じた瞬間でした」

Q:タガート選手は先発でしたが、直近のリーグ戦では負傷交代していたが、問題なかった感じでしょうか?

「検査した結果、異常はありませんでした。トレーニングでも全てのチェックをした上で、今日の先発に起用しました。直近のリーグ戦では、元々、打撲があった箇所があったのですが、試合中、その箇所に瞬間的に肉離れのような症状が出たと。ケガで苦しんでいた選手ですので、本人も痛みに対して敏感になっているところもあります。肉離れの可能性がある以上、交代させました。その後、異常はなかったので、今日は先発で使う決断をしました」

Q:今日の前半のみでの交代は、その影響ではない?

「少し違う所で違和感を訴えたので。今後、症状を見ながら検査が必要になるかも知れませんが、現在、ドクターからの報告は受けていない状況です」

Q:冒頭のコメントの「アクシデント」は、そのことでしょうか?

「原川もアフターでファウルを受けたシーンで、少し捻挫の可能性がありました。無理はさせたくないということで、交代させました」

Q:久々にCBで先発した西尾選手について

「体調不良、膝の痛みから開放されて、彼らしいプレーを随所に発揮してくれました。練習から、リーダーシップを取ってチームを引っ張る姿に大きな成長を感じました。今日も圧巻のパフォーマンスでした。頼もしい選手が戻ってきたと感じます」

選手コメント

■為田大貴選手
Q:見ていてもかなり興奮したが、ゴールが決まった瞬間の気持ちは?

「走り込んで、前に倒れる感じだったので…。いつもはシュートやゴールの軌道が見えて、『入った』と分かるのですが、今回は何も見えなかったので、スタジアムの歓声で、『入ったんだな』という感じでした」

Q:言葉にしたら、「無我夢中」という感じですか?

「無我夢中というか、体勢的に何も見えなくて…。だから、あまり嬉しくないです(笑)」

Q:(笑)クロスに合わせようと思って入ったことは間違いないですよね。

「そうですね。進藤選手のボールの置き所でクロスを上げることは分かりましたし、FWの選手の動きで、あそこにスペースがポッカリ空いたのは分かったので。小菊さんも、クロスに対して逆サイドの選手がしっかり入ることはいつも言われています。FWがうまくつってくれて、逆サイドの選手が入る形を試合で出せたと思います」

Q:交代で入った後、誰よりも戦う気持ちが伝わってきたが?

「自分自身、昨季はケガが多かったのですが、昨季の天皇杯の準々決勝、準決勝で小菊さんにチャンスをもらって、その試合があったからこそ、今年の自分があると思っています。天皇杯はその分、思い入れがあるし、何かを残したい気持ちがあります」

Q:昨季の天皇杯準決勝・浦和戦は、自身は好プレーでしたが、やはり悔しい思いが残っていますか?

「あの試合は、サッカー人生で一番、二番を争うくらい、気合いが入っていたというか、追い込まれていたというか。ここでやらなかったら、来年もチャンスはない、という思いでした。それがあっての今年、という気持ちが自分の中でも凄くあります」

Q:現在は各ポジションで競争が激しいですが、今日はジェアン選手が先制点を演出して、為田選手が決勝点。左サイドハーフもいい競争をしていると思うが、現状はいかがですか?

「正直、僕は何か武器があるわけではないですし、ジェアンのようなスピードもありません。でも、自分ができること、できることをチームのみんなが前向きに取り組んでいるからこそ、チームとして大崩れもしていないですし、常に前を向いてプレーできています。自分は60分、70分で交代して、その後はジェアンに託すことも多いですが、ジェアンがしっかり結果を出してくれています。左サイドだけではなく、FWもそうですし、色んなポジションで、各々が限られた時間で精一杯プレーできていることが、結果にも出ていると思います。練習から、そういうチームとしての向上心が出ているので、残りのリーグ戦、ルヴァンカップ、天皇杯も、そこをブラさずやっていけば、タイトルも獲れると思います」

Q:終盤、監督からの指示も出ていたが?

「自分のところではなかったのですが、ボールの回し方ですね。試合の流れとして、『こういうことを伝えてくれ』と言われました。そうやって細かい指示にも取り組めていますし、スタッフと選手の意思疎通がうまくできているチームだと、個人的には思っています」

Q:最高の雰囲気で大阪ダービーを迎えるが?

「そうですね。ダービーというのもありますし、自分たちが上にいくための大一番だと思っています。毎試合、自分たちはダービーのような雰囲気で戦っていければと思っています」

■進藤亮佑選手
Q:鳥肌が立ったクロスでした。

「またこうやって、皆さんに話しかけられるところまでくることができて良かったです。心から思います。自分自身のコンディションは悪くなく、毎日、ケガなくやれていましたが、チーム状態が良く、なかなか出番が来ない状況でした。歯痒いですけど、監督からも『続けてくれ』と言われていましたし、とにかく毎日の練習で自分にカツを入れてやっていたので、それがこうして一つ報われて、安心しています」

Q:クロスを上げる瞬間は、為田選手の入ってくる動きが見えた?

「最初は、加藤選手が動いたところに出そうと思ったのですが、それでスペースが空いて、一瞬、為田選手が見えたので。しっかりと狙い通りのボールを上げることができました」

Q:リーグ戦では2試合連続、終盤に追い付かれる試合が続いていただけに、この勝利はその流れを払拭する上でも大きかったと思うが、追い付かれた後の時間帯について

「ガクッと落ちてしまってもおかしくない展開でしたが、そこからチャンスも作れていましたし、ボールもある程度、持てていたので。120分も少し頭をよぎりましたが、そんなに落ちることなく、個人としてもチームとしてもやれていたと思います」

Q:久々の出場でしたが、出るにあたって、気持ちの部分はいかがでしたか?

「試合の4日前くらいに小菊さんと話すタイミングがあって、『名古屋戦はシンでいくから』と。小菊さんも敢えて事前に言うことで、プレッシャーを与えてきたと思うのですが、それに応えることができて良かったです。正直、ここで応えられなければ、それまでの選手だと思って、今日のピッチに立ちました」

Q:試合中も、西尾選手と積極的にコミュニケーションを取ってプレーしていたが?

「西尾選手のことは信頼しているので、ある程度、彼のやりたいようにやってもらって。彼とは守備の感覚も合う。ラインの上げ下げなど、お互い、要求し合いながらやれています。今日もそんなに流れの中ではピンチも無かったと思います。もちろん、際の集中力はギリギリのところでやっていましたが、そこまで恐れることなくプレーできました」

Q:試合後、小菊監督は、「全体練習後もクロスの練習をずっとやっていた。練習は裏切らないと改めて感じた」と話していたが?

「皆さんは試合だけを見てもらえればいいと思います。努力が報われた…と。自分の中ではそう思っていますが、練習するのは当然のことなので。僕らは、試合が良ければ評価されて、試合の出来が悪ければ選手としての価値は下がる。試合に出られない期間があったからこそ、とは言いたくない。結果的に、それを糧にできたとは言えますが、試合に絡めないことはあってはいけない。チームがどんな状態でも、スタメンだったり、最低でもベンチにいないといけない。評価を上げていくことにフォーカスしてやっていきたいです」

Q:そういう意味では、今日の試合が自身にとっても、一つのきっかけになる?

「サッカー人生の分かれ目、と言ったら大げさかも知れないですが、そういうプレッシャーを監督からもかけられていました。監督も、『シンはプレッシャーをかけられた時の方が力を発揮できるだろ?』と言ってくれていたので。その通りになって、チームの勝利に貢献できて良かったです」

■ジェアン パトリッキ選手
Q:試合開始から存分にスピードを発揮していたが?

「コンディションが良くなれば、こうやって突破力を見せることができます。チームを助けることができて、嬉しく思います」

Q:サポーターも沸いていたが?

「ありがとうございます(笑)コンディションが良くなってきたのは、サポーターの支えもあります。応援が力になっているので、サポーターには感謝しています」

Q:先制点は自身の突破から。決勝点は為田選手のシュート。左サイドでいい競争ができていますね。

「そうですね。このチームには、クオリティーの高い選手が集まっています。自分たちの中で競争があれば、お互い、切磋琢磨して向上できますし、チームも強くなっていきます。サポーターもワクワクすると思います」

Q:周りの選手もジェアン選手のスピードを理解して、関係性が良くなっている?

「そうですね。コンビネーションが良くなっていけば、自分の強みも出していけます。自分のコンディションが上がっていけば、周りも自分を使ってくれるし、コンビネーションはもっと良くなると思います」

Q:次は大阪ダービーだが、意気込みをお願いします。

「勝たないといけない試合です。自分たちの目標である3位以内に入るためにも、次の試合は大事です」

■西尾隆矢選手
Q:試合を振り返ると?

「展開的にも自分たちがボールを持つ時間が長かったですし、自分自身、悪いプレーではなかったと思いますが、久々のCBでの出場で、無難なプレーを選んでいたこともありました。そこはもっとチャレンジして、トライしていかないといけないと思います」

Q:先制してからの時間帯について

「点が入る前と同じプレーをすることが大事です。点が入ったからと言って下がるのではなく、前から積極的に行く部分は行って。それはトリくん(鳥海)ともコミュニケーションを取って、心掛けていました。それが1試合を通してできたからこそ、勝てたと思います」

Q:大事な試合でゲームキャプテンを任されたが?

「久しぶりの試合ですし、アピールしないといけない立場だと分かっていました。そういった部分では、集中して入れたし、パフォーマンス的にも悪くなかったと思うので、これを継続して、またチャンスをもらえるように、アピールしていきたいです」

Q:柿谷曜一朗選手とのマッチアップもあったが?

「正直、一番やりたくない相手です(苦笑)うまいし、いい意味で、何を考えているのか分からないので(笑)出てきた時は、ちょっとイヤだなと思いました。でも、ずっとお世話になっていましたし、ボールにガツガツいって、逆にイヤがられるようにやりたいと思いました。少しやられた部分もあったかも知れないですが、悪くはなかったと思います」

Q:何か言葉はかけられましたか?

「入ってきた時に『お願いします』と言ったら、試合中に『(結婚)おめでとう』と言ってくれて(笑)見てくれているなと思って嬉しかったです。試合後も『頑張って』と言っていただきました」

Q:いい形で次のダービーに臨めそうですね。

「今日の試合までもチームの雰囲気は良かったですし、今日、勝てて、いい流れでダービーを迎えることはできます。勝って、中断期間に入りたいです」

Q:前回のダービーでは出場がなかったが、今回は出場して勝利したい思いも?

「そうですね。前は体調を崩して出られなかったですが、ダービーはアカデミーの頃から違った雰囲気ですし、絶対に負けられない相手。勝つか負けるかで全然、違う。試合に出られるように、明日、明後日と練習からアピールしていきたいです。出ることができれば、無失点を意識して勝てるように頑張ります」