2020Jリーグプレシーズンマッチ

2020.2.9

京都サンガF.C.

庄司 悦大(26') ピーター ウタカ(90'+5)

2

AWAY

FULL TIME

3

1-1

1-2

セレッソ大阪

坂元 達裕(12') 奥埜 博亮(64') 都倉 賢(90'+2)

サンガスタジアム by KYOCERA

レポート

坂元達裕の加入後初ゴールに、復活の都倉賢が決勝点。シーズン開幕へ向け、収穫の多い一戦に

9日、セレッソ大阪が京都サンガF.C.とのプレシーズンマッチに挑んだ。この試合は、新スタジアム「サンガスタジアム by KYOCERA」のこけら落としでもあり、セレッソとしては、京都の“新たな庭”に招かれた形で、この一戦を迎えた。

小雪舞う寒空の下で行われた試合だが、ピッチとスタンドが近い臨場感たっぷりのスタジアム、両サポーターが作り出す熱気、何より新シーズンへの期待感に包まれた中で、試合は熱を帯び、公式戦さながらにヒートアップ。

最初に決定機を作ったのはセレッソ。4分、期待の新戦力、坂元達裕のクロスに清武弘嗣がヘディングで合わせてゴールを脅かす。10分にも、清武が起点となり、藤田直之が裏を取ってチャンスを作ると、12分、セレッソが先制に成功。右サイドでボールを受けた坂元が、松田陸のオーバーラップもうまくおとりに使って左足でのクロスを上げると、それがそのままゴールイン。「あの場所からインに巻いてピンポイントで合わせる形は常に狙っていました。触っても触らなくても入るようなボールを蹴れたので、良かったと思います」と自身も振り返る、加入後初ゴールとなった。

守備でも危なげなく守っていたセレッソだが、ピーター・ウタカのキープ力と推進力に手を焼くと、26分、ゴール前でのクリアが不完全になったところを庄司悦大に蹴り込まれて同点に追いつかれた。

後半、清武に代わって柿谷曜一朗がピッチに入ると、49分、その柿谷が奥埜博亮とのワンツーで抜け出し、ブルーノ・メンデスへ好パスを送り、チャンスを演出。57分には、坂元が縦への鋭い突破からクロス。中で選手が合わせることはできなかったが好機を作ると、64分、鮮やかな連係からセレッソに勝ち越しゴールが生まれた。松田からのパスを柿谷、ブルーノ・メンデスとつなぎ、最後は抜け出した奥埜がGKとの1対1を冷静に決めた。

84分、ケガで長期離脱していた都倉賢が交代でピッチに入ると、セレッソサポーターから大きな歓声が沸き起こる。すると、90+2分、復帰を自ら祝うゴールが生まれた。再び松田が起点となり、柿谷、ブルーノ・メンデスとつなぎ、ブルーノ・メンデスのシュートがこぼれたところに詰めた柿谷が丸橋祐介へパス。丸橋のシュートがGKに防がれたこぼれ球に反応した都倉がゴールに蹴り込んだ。「僕のリハビリに関わってくれたメディカルスタッフ、ドクター、フィジカルコーチ、多くの方が二人三脚でオフも返上してやってくれたおかげで、今日を迎えられた。たくさんの人に感謝しかありません。今日の歓声を聞いて、ここまで来ることができて良かったと思いますし、改めて、ここからが本当のスタートだという責任感もあります」と、安堵とともに表情を引き締めた背番号9。今シーズンの活躍に大いに期待が懸かる。

終了間際、ピーター・ウタカに1点を返されたが、試合は3-2でセレッソが勝利。新戦力の組み込みと攻撃の質を高めることをテーマに臨んだ一戦で、見事、結果を残した。

監督コメント

■ロティーナ監督
いいプレーができた時間帯は、快適にボールを動かすことができました。前半、縦に急ぎ過ぎて簡単にボールを失うシーンが目立ちましたが、全体的には満足しています。カップ戦とリーグ戦に向けて、いい準備ができていると思います。キヨ(清武弘嗣)と(柿谷)曜一朗は45分ずつでしたが、昨日の練習試合と合わせて、ほとんどの選手が90分プレーすることができました。トク(都倉賢)も、今日も少しの時間でしたがプレーすることができました。彼の回復はチームにとって重要です。そういう点でも満足しています

選手コメント

■坂元達裕
─得点シーンを振り返ると?

左利きとして、あの場所からインに巻いてピンポイントで合わせる形は常に狙っていました。ファーポストに向けて蹴って、触っても触らなくても入るようなボールを蹴れたので、良かったと思います。

─新スタジアムのファーストゴールになったが?

そうですね(笑)雰囲気はすごかったです。セレッソの応援も初めてだったのですが、迫力がある応援でした。いい雰囲気の中でゴールを決められたので、素直に嬉しいです。

─全体的に、自身のプレーを振り返ると?

持ち味であるドリブルで崩せるシーンも何回かあったのですが、ボールを失うこともあったし、大事にしないといけないところで失ってしまうことも何度かあったので、そこは改善していかないといけません。その上で、もっともっと仕掛けていけるチャンスもあったので、もっともっと仕掛けていきたいと思います。

■奥埜博亮
─キャンプではボランチをすることもあった中で、FWでのプレーになったが?

僕自身、与えられたポジションで自分の良さを出すことが一番なので、FWで出たときも、自分のできることをやろうと思って臨みました。

─得点シーンを振り返ると?

いい距離感でパスが回せて、(柿谷)曜一朗、ブルーノと、いい形でつながりました。ブルーノからいいパスが来て、決めることができて良かったです。

─昨季より上にいくために、今季はスタートから勝利を重ねていきたいが、チーム全体の仕上がりについては?

やはり、去年1年のベースがある中での今年なので、スムーズに戦えているとは思います。ただ、今日の試合にしても、まだまだ良くしていけるところはあります。試合をしながら良くしていけば、より上にも行けると思うので、満足することなく、少しずつでも内容も良くしていきたいと思います。

■都倉賢
─昨日の練習試合で15分ほど出て、今日を迎えたが、今日も出る準備はしていた?

監督が決めることなので、メンバーに入った以上は、チームの一員としてベストを尽くそうと思っていました。実際、昨日、復帰後初めての実戦を終えて、疲れも残っていたので、監督が使うのか分からなかったですが、準備をしてきた中で、短い時間の中で結果を出すことができたことは良かったです。何より、昨日と今日、合わせて30分弱、実戦をケガなく終えられたことは、コンディションを上げる目的においては、重要な2日間だったと思います。

─今日は、サポーターの前での復帰でした。ピッチに立ったときの気持ちや声援を聞いたときの気持ちは?

プレシーズンマッチでここまでサポーターや観客が入っている試合は珍しいというか。両チームのサポーターがスタジアムの雰囲気を作ってくれたことで、僕たちも自然とモチベーションは上がります。だからこそ、今日のような緊張感のある、拮抗した試合になったと思います。僕自身、より公式戦に近い、練習試合より一つ上のステージでプレーができたことは、すごく良かったと思います。

─得点シーンを振り返ると?

いるべきところにいれた結果だと思います。チームがあの時間帯は押し込めていたので、ゴールは取れたことに関しては、チームとしては必然だと思います。そこに僕がたまたまいただけだったので。シーズンを通して、僕に限らず、ああいうゴールを増やしていきたい。引いた相手にも押し込んで決めることが、今季、より上にいくための課題だと思うので、その一つとして、今日、結果として残せたことは良かったです。

─得点後は選手も一斉に駆け寄ってきましたが、ピッチに立って、仲間とサッカーできることは、やはり格別な気持ちですか?

やはりチームスポーツなので。ケガしたときも、チームメートが僕のユニフォームを着て試合に出てくれたり、サポーターがコレオをしてくれたり、たくさんの人に支えられてここまでくることができました。僕自身、一人だとここまで来ることはできなかった。僕のリハビリに関わってくれたメディカル、ドクター、フィジカルコーチ、多くの方が二人三脚でオフも返上してやってくれたおかげで、今日を迎えられたので、たくさんの人に感謝しかありません。今日の歓声を聞いて、ここまで来ることができて良かったと思いますし、改めて、ここからが本当のスタートだなという責任感もあります。スタートラインに立てただけなので、ここから本当の競争がありますし、僕自身、チームに貢献していきたいと思っています。