AFCチャンピオンズリーグ2018
グループステージ MD3

2018.3.6

ブリーラム・ユナイテッド(タイ)

オウンゴール(11') ジオゴ(71')

オウンゴール(11') ジオゴ(71')

2

AWAY

FULL TIME

0

1-0

1-0

セレッソ大阪

ヤン ドンヒョン(65') 杉本(88')

ヤン ドンヒョン(65') 杉本(88')

ブリーラムスタジアム

レポート

開始2分の失点が響き、終始、相手にペースを握られる完敗。1週間後の再戦で必勝を誓う

1勝1分、勝点4で迎えたAFCチャンピオンズリーグMD3。セレッソ大阪は、昨季のタイリーグ王者・ブリーラムのホームに乗り込んでの一戦に臨んだ。

この試合の4日前にJ1第2節 北海道コンサドーレ札幌戦を戦い、この試合から中3日(3/10・土)でアウェイJ1第3節 柏レイソル戦が控えている日程も考慮し、先発11人を札幌戦から総入れ替えした尹晶煥監督。守備陣には丹野研太や茂庭照幸、田中裕介といったベテラン勢が名を連ね、攻撃陣では、セレッソ加入後、初出場となる田中亜土夢、プロ2年目でトップチームでは初出場となる山内寛史、さらには、この試合がプロデビュー戦となったルーキーの山田寛人らフレッシュな顔ぶれが並んだ。

「ゲームに飢えている選手も多いし、みんなチャンスだと思っている。リーグ戦はまだ勝てていないので、そこにつなげていけるように、チームとしていい流れに持っていきたい。チーム全体の底上げが大事だと思うので、ここで結果を出して、勝ちたい」。試合前日にそう述べていたのは、4年前のACLグループステージにて、同スタジアムでの同カードで2得点を決めた山下達也だが、チーム全体として、そういった強い意気込みで試合当日を迎えた。

ただし、開始早々、セレッソは出鼻をくじかれる。2分、CKからコラコット ウィリヤーウドムシリが蹴ったインスイングの鋭いキックをニアでアンドレス トゥニェスにヘディングで合わせられ、ネットを揺らされてしまった。バックスタンドに陣取るブリーラム応援団を中心とした大歓声がスタジアムを包み、さらなる攻勢に出るブリーラム。5分にも、先制点をアシストしたコラコット ウィリヤーウドムシリの直接FKがバーに当たり、セレッソはゴールを脅かされた。

開始からしばらくはバタついたセレッソだが、時間の経過とともに落ち着きを取り戻すと、16分、酒本憲幸のクロスにヤン ドンヒョンがヘディングでシュート。17分にも、山内のパスを受けた山田が角度のないところから左足でゴールを狙った。すると23分、セレッソに決定機。左サイドから中に入った山内のパスをヤン ドンヒョンが落としたところを山田が左足のつま先でシュート。鋭いコースに飛んだが、惜しくもGKの好守に阻まれた。

その後は何度かピンチを招くもブリーラムに追加点は許さず前半を折り返したセレッソだが、後半も立ち上がりからブリーラムの攻撃を受ける展開に。すると54分、左サイドから、ジャッカパン ケウプロムのクロスにブラジル国籍FWのエドガルにファーサイドでヘディングを合わせられ、ブリーラムに2点目を与えてしまった。

攻めるしかなくなったセレッソは、59分、右からのクロスに山内がゴール前で競り、こぼれ球を拾った山田がGKとの1対1を迎えたが、シュートはGKに防がれ、得点のチャンスを逃した。76分、ブリーラムのジャッカパン ケウプロムが危険なタックルによりレッドカードを受けて退場。一人少なくなった相手に対してなんとか1点を返したいセレッソだったが、パスがつながらず、思うようにシュートまで持ち込めない。85分には、高卒ルーキーの安藤瑞季もプロデビューを果たしたが、チャンスを迎えることなく、試合はこのまま0-2で終了。公式戦3試合連続引き分けの流れを変えるべく暑さの中でも奮闘した選手たちだが、ブリーラムの勢いに終始押される試合展開となり、今季の公式戦、初黒星を喫した。それでも、「まだグループステージを突破できないと決まったわけではありません。ホームで行う試合が重要になったのですが、必ずホームでは勝たないといけないと思います」と試合後に尹晶煥監督も話したように、3試合を終えてグループGは大混戦。次週、3月14日にホームで再戦するブリーラム戦での必勝を誓う。

監督コメント

難しい環境の中での試合ということは分かっていたのですが、早い時間帯での失点で(ゲームプランが)揺らいでしまったところがありました。相手が良かったというより、我々のミスが出てしまった。それによって、走る量も不必要に増えてしまった試合になってしまった。そういったことは予め予想して選手にも話していたのですが、こういった雰囲気の中で、選手たちも集中するのが難しかったのだと思います。天候自体は昨日より涼しかった感じはあったのですが、この天候に馴染めなかったこともありますが、我々のミスが増えたので、しんどい試合になってしまったと思います。後半、我々も意欲的にプレーしたのですが、追加の失点をしてしまいました。追いつけるチャンスも作ったのですが、得点につながらなかったことが、今日の結果になってしまいました。我々の選手たちは最後まで頑張ってくれました。ここまでたくさんの方々に応援に来ていただいたのですが、申し訳なく思います。ハードなスケジュールが待っているので、次の試合に向けて準備する必要があります。

Q:リーグ戦から多くの選手をローテーションした理由については?

当然、我々はACLも重要ですが、リーグをより重要視しています。それに、今日のメンバーでも十分戦えるという自信も持ってきました。そのような形で、メンバーを変えることになりました。

Q:1週間後、ホームで迎えるブリーラム戦に向けて今日の敗戦をどう生かしたい?

ホームでは、メンバーの構成をもう一度、考え直す必要があると思います。まだグループステージを突破できないと決まったわけではないです。ホームで行う試合が重要になったのですが、必ずホームでは勝たないといけないと思います。

Q:山田 寛人選手や山内 寛史選手ら、若手選手のパフォーマンスについての評価は?

山田選手は17歳なのですが、思っていたより頑張ってくれたと思います。今日の試合を通じて大きな経験を積んだと思います。いい部分もありましたが、本人も、どういった部分で成長しないといけないかを感じたと思います。山内選手は、今日初めて(トップチームで)試合に出たのですが、もちろん、足りないところもあったのですが、これからどういった形で変貌していくのか、期待できる選手だと思います。結果は負けてしまったのですが、いろいろな選手を見ることができた試合になりました。もちろん、いい結果も持って帰らないといけなかったのですが、それに関しては、惜しかったということです。まだ我々には機会があるので、しっかりと準備をして、16強に残れるようにしたいと思います。

選手コメント

■田中亜土夢
「入りがああいう形だったので、相手のペースになったということもありますし、それを自分たちのペースに持って来ることができなかったことが悔しい。この暑さもありましたけど、その中で自分たちのミスも目立ったので、それで守備に回ることが増えました。もう少しボールを持てれば良かったのですが、そうできなかったことで、体力の消耗につながり、自分たちのペースに持ってくることができなかった要因だと思います」

Q:自身にとっては、セレッソ大阪へ加入後、初の出場になりましたが?

「非常に悔しいというか…。もっとできたんじゃないかなという思いと、もっとやらないといけなかったという思いがあります。クロスだけではなく、もっと積極的に自分から仕掛けてシュートまで持って行ければなと感じています。自分がやる、ということをもっと全面に出していきたいと思います」

■秋山大地
Q:悔しい結果になってしまいましたが、試合を振り返ると?

「早い時間帯にああいう形で失点してしまって、自分たちがやりたかったことを逆に相手にされてしまって、難しいゲーム運びになりました」

Q:理想としては、我慢強く失点ゼロで試合を進めたかった?

「そうですね。今まで自分たちがやってきたのはそういうサッカーなので、前半は失点ゼロということを意識して試合に臨んだのですが、ああいう形で失点してしまって、反省しないといけません」

Q:CKの精度も高かったですか?

「そうですね。試合を通じてかなりいいボールが何回も入ってきて、失点の後は修正できたんですけど、最初に失点してしまって…。入りが大事だということを改めて感じました」

■山内寛史
「チームとして早い時間に点を取られて難しいゲームになったのはありましたけど、やっぱり自分自身の事を考えれば初めて(トップチームで)スタートから出て、チームの力になれなかったと率直に思います。内容、結果ともに圧倒されてしまい、悔しい敗戦になりました。(気候やピッチという要因があったとしても)その中で選手が一人一人もっと質の高いプレーをしないと勝てないと思いましたし、自分自身が一番足りないと思いました」

■山田寛人
「独特な雰囲気でデビュー戦を迎える事になったんですけど、自分が点を決めていれば少なくとも引き分け、それか勝ちになったと思います。ずっと自分はシュートが苦手、入らない、という課題があって、そういうのがプロとして結果に出てしまうと、チームに迷惑がかかる、ということが率直な気持ちです」

Q:前後半、それぞれの決定機を振り返ると?

「前半は、ヤン(ドンヒョン)さんに(ボールが)入った時に自分ももらうことを意識していたので、連係としては良かったですし、シュートも、左のアウトで蹴ったことでタイミングもズレて、コースも悪くなかったと思ったのですが、あれを止められるのがプロだなと率直に感じました。後半は、普通に読まれたというか、自分に冷静さが足りなかったと思います。あれだけフリーになって、前半に外していた分『決めないと』という気持ちもありました。ああいうところで確実に決めていかないと、これからは生き残っていけないと思います」

Q:プロデビュー戦でACLのアウェイで85分プレーしたことよりも、2つの決定機を外した悔しさの方が強い?
「そうですね。思ったより自分のプレーはできました。初めてという感じはしなかったのですが、自分が2本決定機を外してしまって、負けてしまったので、そこは自分が反省しないといけないと思います」

Q:今日の試合を今後のサッカー人生に生かしていきたい?
「悔いの残るデビュー戦になってしまったんですけど、やれないことはない、と思いましたし、自分の中での得意なプレーではチャンスも作れました。そこはプラスに考えたいと思います」

■安藤瑞季
Q:プロデビュー戦となりましたが、振り返ると?

「時間は短かったですし、もっとやりたかったな、という消化不良の部分もありますけど、あの中でも自分は走らないといけないですし、自分が盛り上げて、ちょっとでもチームがいい方向に向けばいいと思ってピッチに入りました。自分が点を取りたい気持ちもありました。試合が終わって、負けて悔しいという気持ちが一番強いです」