2011Jリーグ ディビジョン1
第33節第1日

2011.11.26

柏レイソル

レアンドロ ドミンゲス (65')

1

AWAY

FULL TIME

1

0-0

1-1

セレッソ大阪

上本 大海 (48')

日立柏サッカー場

11,107

監督コメント

柏さんがこのゲームに向けて最高の集中力で臨んでこられるのではないかということは予想はされていたのですが、実際に本当にそのようなゲームになったと思います。逆に言うと、柏さんは今日の試合に何が何でも勝つぞという意気込みがありすぎて、ひょっとしたらナーバスになってしまった部分がマイナスに響いたりしてしまったという部分もあったかもしれません。試合を振り返ってみれば中盤の戦いを含めて互角に戦えたと思いますし、その中でレアンドロ選手、ジョルジ・ワグネル選手もかなり抑えることができていたと思います。しかしながら失点した場面で、彼らが得点にかかわっていたのも事実ですし、抑え切れなかった部分というのもあったかと思います。ただ全般を振り返れば非常にいいゲームだったと思いますし、タフに最後まで走りきって戦ってくれた選手たちのパフォーマンスには、本当に満足しています。

Q. 今日の倉田選手に与えた、相手ボールのときの役割は?
A. 今日の中盤は、マルチネスを中央に置いた形で、その両脇を倉田 秋とキム ボギョンが埋めるというディフェンスを取りました。その理由ですが、柏さんのジョルジ・ワグネル選手、それからレアンドロ選手の彼ら二人はそこのバイタルエリアで非常に精度の高いプレーからゴールにつなげることができるということ、そのためにバイタルエリアをしっかり埋めるということで、倉田 秋を含めて起用しました。試合のほぼ全般にわたって、そこのディフェンスの部分は本当によかったのですが、ただ一つのミスが出たところで、あのエリアからゴールを決められてしまったというのは残念ではあるのですが、逆にあそこのケアがしっかりできていたから、こういった互角の勝負に持ち込めたのではないかと思います。

Q. 柏の勝とうとする意識が強すぎて逆にナーバスになりすぎたと言ったが、そういった印象はどういった場面で受けたのか?
A. 実は試合前にそれを感じました。というのは試合会場に来て、非常に多くのマスコミの方が駆けつけていらっしゃる
、そしてこのスタジアムの雰囲気。そういったものを感じたときに、おそらく今日の試合で優勝を決めるチャンスのある柏さんが、そういった状態になるんではないかと感じました。優勝がかかっているということで、最高のスピリットを柏さんは見せたいということで、意気込んでいるのではないかと、そのとき感じました。ただし私の状況は実は正反対にありまして、ネルシーニョさんには優勝して欲しいという気持ちがあるのですが、ただし我々はプロチームとして当然勝たなければいけないというような複雑な気持ちがあったのも事実です。今日のゲームではそういったメンタルの部分が重くのしかかったという側面があったのではないかと思います。

Q. 中盤の狙いは先ほどお聞きしましたが、その中盤における攻撃での狙いは?
A. 先ほど3人のボランチについて話しましたが、彼らはあくまでも相手ボールのときにはボランチであるということですが、逆にマイボールになったときには、オフェンシブハーフとして機能させたいと考えて試合に臨みました。後半は特に切り替えの速さからカウンターを狙うチャンスは何度かあったし、柏さんがそういったミスをしてくれたという部分もあったのですが、それを活かしきれなかったと言えます。さらには同点ゴールのときにも、我々は簡単なパス一本でカウンターにつなげられるチャンスがあったのですが、そのカウンターでミスをしてしまって逆に同点ゴールを決められてしまった。そういった部分は我々がしっかり反省をしなければならない部分だと思います。

Q. 日本人は世界で一番誠実で謙虚な民族だと思うが、クルピさんが指揮を執った5年間でセレッソをとても強くしたが、そんな感覚が違う日本人を指導するにあたって苦労したことは?
A. 私は97年に一度指揮を執ったこともありますが、そのときを含めて本当にいろんなことを日本から学んでブラジルに持ち帰ったことがたくさんあります。ただおっしゃった質問にお答えしますと、日本人そしてブラジル人の一番の大きな差は、ブラジル人はサッカーをするにあたって「今日の食事、家族の今日の食事」のために戦わなければいけない選手というのが数多くいる、それに対して日本の選手は「スポーツをする」という感覚でプロ選手であっても試合をするという、そういう側面があるのではないかと思います。そういった差がある中で、どちら選手が自分のもっている力を100%出せるかというのは大きな差になって出てくるんだと言うことを常々感じていましたし、それを変えていくために常々話をしてきましたけれど、非常に難しい部分だったと思います。

選手コメント

・上本大海選手
(得点シーンについて)GKが来なくて、シュートできるところにいたので。流れでいかないといけないから、簡単なゴールだったけど、ゴールはゴール。狙っていかないといけないといけないから。(同点に終わったが)これでJリーグが面白くなったんじゃないですか。最後の最後まで(優勝争いが)もつれるほうが、みんなにも注目されるし、その手助けになったと思う。今日は相手の勢いをどう消すか、僕らの勢いが通用しないのはわかっていたので、どこまで行けるのか、そういうことだった。やっぱり柏は強かったし、勢いもあった。観客が作る雰囲気も最高で、そんなホームの中でやれる柏は勢いがつく。レアンドロが決めるというのもやっぱりという感じ。しっかりケアはしていたのに決められてしまった。レアンドロもジョルジ・ワグネルもかなり流動的に動くので、スペースを作られてしまうから、そこをどうケアするかだった。ボランチはよかったと思う。前半は様子を見るところもあったけれど、あそこをどう耐えるか。でも耐えられたからこそ引き分けられた。もし2点目を入れられてれば、3点、4点、5点、6点と取られてしまっていたかも。それくらいの攻撃力が柏にはある。
・倉田秋選手
先制点をしっかり取ったのですが……。前半はこっちが運動量で勝ってやっていたし、それを後半最後までつなげられなかったのが、ああいう形(1−1)になった要因だと思うし、相手の方が気持ちの上で、ちょっと上だったなと感じました。(3ボランチで柏戦に臨んだが?)守備の面で、俺とマルちゃん(マルチネス)と(キム)ボギョンで、しっかりFWのところを潰しに行けたり、あそこのスペースからシュートを打たれることは前半はなかったので、よかったんですが、攻撃の部分で前がちょっと孤立してしまっていたので、後ろがもっとサポートして、厚みのある攻撃ができればよかったかなと思います。けれども、即席でやった割には、結構いい感じでできていたと思います。(サポーターからの「ハッピーバースデー」コールや「倉田セレッソ」コールについて)うれしかったです! ちょっとしびれました。(23歳になるが)プレーも落ち着いてやれるよう、もっと上を目指せるように頑張ります!(次節に向けて)また1週間あるので、最後の福岡戦で、今季最後のホームですし、しっかりいい形で終わりたい。この1週間、いい準備をして臨みたい。