5/16 AC長野戦 Match Preview
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今シーズンの最終戦。松田岳夫監督体制1年目、WE参入3年目を勝利で終えて、引退する3選手を笑顔で送り出したい
前節・サンフレッチェ広島レジーナ戦から中5日。セレッソ大阪ヤンマーレディースは、ホームにAC長野パルセイロ・レディースを迎え、2025/26 SOMPO WEリーグ第22節に挑む。今季の最終戦となる今節。松田岳夫監督1年目の今シーズン、ここまで積み重ねてきた力をしっかりと発揮して、勝利でWE参入3年目を終えたい。
前節の広島戦は、まずは失点しないことに重きを置き、守備から入った。前半の立ち上がりこそサイドを突破されかけたシーンもあったが、時間とともに安定。広島のストロングポイント、左サイドの中嶋淑乃に対しても浅山茉緩と米田博美が2人で対応。全体を通して相手に決定的な場面を作らせることなく無失点でしのぎ、勝点1を獲得した。もっとも、プレスで奪い、攻撃に出ていく回数は少なかった。今節は「アクションを起こして高い位置でボール奪って、攻撃につなげたい。自分たちが攻撃でも主導権を握ってボールを動かしたい」(松田監督)。ブロックを作って守るだけではなく、奪いにいく守備のスイッチも入れて、相手陣で人数をかけて攻めていきたい。相手の守備を破る上で期待したい選手が、先日発表された2025/26 WEリーグ優秀選手に選ばれた3人のアタッカー、田子夏海、和田麻希、百濃実結香だ。ここまでリーグ3得点という結果には「満足していない」と話す田子だが、“1対1ドリブル成功率”1位という数字が物語る通り、前を向いて突破する力、そこから放たれるミドルシュートの威力はリーグNo.1と言っても過言ではなく、相手に常に脅威を与え続けた。最終節で自身キャリアハイとなる4点目を目指す。ドリブルという武器が開花した和田は、「対戦してきた相手に選んでもらえたことは凄く嬉しいです」と受賞の喜びを語り、「今シーズン自分たちがやってきた集大成を出したい」と最終節に向けた意気込みを話した。クラシエカップ準決勝・第2戦のように自ら運んで決め切る姿に期待したい。「名前が挙がるとは思っていなかったので、ビックリしました(笑)。(中嶋)淑乃さんや(北村)菜々美さん、左サイドをストロングにしているチームが多い中で、それでも左サイドで選ばれたことは嬉しかったです」と、喜びに加えて自身でも驚きとともに受賞を受け止めた百濃は今季、ボールに関わる回数が格段に増えた。左サイドだけではなく中にも潜り込み、相手にとって嫌な位置でボールを受ける場面も多かった。3バックに変更した前々節からはシャドーでプレーしているだけに、今節も積極的にフィニッシュに絡みたい。
今節は今シーズン限りでの現役引退を発表した山下莉奈、中西ふう、田中智子と戦う最後の試合でもある。負傷離脱中の田中はプレーすることは叶わないが、山下と中西はピッチに立つ可能性もある。中学生から過ごしてきたセレッソでの思い出について山下は、「中3の夏、全国大会で初優勝(JFA全日本U-15女子サッカー選手権大会)したこと、なでしこリーグカップ2部で優勝したこと、初めてなでしこリーグ1部に昇格したこと」を挙げる。なでしこリーグ時代、さらにWE参入後は正守護神として桜のゴールを守り続けてきた。チームが発足して間もない頃から、昨シーズン限りで現役を引退した福永絵梨香さんを含めて3人で歩んできた西中麻穂は、2年続けて“戦友”を見送る立場になった。「本当に引退するの?という感じです(笑)、莉奈とは一番濃い時間を過ごしてきたので、めちゃめちゃ寂しいです。莉奈がいなければ、自分もここまでサッカーを続けていなかったと思います。それぐらいの存在でした。最後まで莉奈らしくプレーして欲しい」と山下の最後の勇姿に期待する。WE参入初年度の2023年2月に加入した中西は、「セレッソでは最初の1、2年はスクールでの指導もしていたので充実していましたし、選手だけでは成長できなかった部分でも成長させてもらいました」と、この3シーズンを振り返る。ピッチでは高い技術を駆使して右サイドで攻撃の起点となり、守備での粘り強さも年々増していた。出場機会が訪れたら、「チームとしては絶対に勝って終わりたい。個人としての結果にもこだわりたい」と話す。引退を決断した理由については、「今シーズン始まるときに『1年間やり切ろう』と思っていました。体の面も含め、やり切ったと思えました」(山下)、「サッカー以外の社会、一般企業に興味を持ったこと」(中西)、「今シーズンに入って実力やフィジカルの面でしんどいと思っていた中で、今年2月にアキレス腱断裂という大ケガをしてしまったこと」(田中)をそれぞれ挙げる。3選手とも、「まだやれる」「もっとプレーを見たい」と思っているサポーターも多いと思われるが、「まだプレーを見たいと言っていただけることは嬉しいですし、最後がケガで終わってしまったことは申し訳ないですが、私自身は今まで頑張って、やり切ったという気持ちが強いです。中学生の頃から色んな選手といっぱいプレーをして楽しかったですし、しんどいこともありましたが、今のチームメイトだったからこそ乗り越えることができました。サポーターの皆さん、パートナーの方々に支えてもらっていることを感じながらプレーできるチームでした」と語る田中を始め、3選手とも「やり切った」晴れやかな表情をしていた。今節の試合後は引退セレモニーも予定されているが、今後へ向けてエールを送るとともに、笑顔で送り出したい。また、WE参入から3シーズン献身的にチームに尽くしてきた大倉涼子マネージャーも今シーズンをもってチームを離れる。「選手がどう思っているか分からないですが(笑)、自分としては1年ごとに成長できたと感じています。あっという間の3シーズンでした」。手探りの中、「必死で」スタートした1年目から、試合に勝っても負けても笑顔を絶やさず多様な業務を行い、ピッチで戦う選手を裏で支えてきた。そんな“スーパーウーマン”にも惜別の勝利をプレゼントしたい。
皇后杯、クラシエカップと2つのカップ戦で準決勝進出を果たすなど成果も上げた松田監督就任1年目の今シーズン。隣でサポートしてきた田尻有美コーチは、「勝負どころを見逃さない。決断が早い。試合の流れを見て躊躇なく選手を代えたり、逆に代えなかったことで上手くいったり、何百試合と指揮を執って来られた勝負師としての凄さを感じました」と松田監督の凄味を語る。チームとしても、「ピッチ内外でプロとしての基準が一気に上がり、選手もそれに追い付こうと頑張ったシーズンでした。多くの選手にとって、ターニングポイントになる1年になったと思います」(田尻コーチ)と松田体制で起こった変化を実感した。今シーズンの集大成となる最終節。タイトル獲得を目指す来季へ向けて良い形でつなげるためにも、1シーズンともに戦ってきたサポーターと喜びを分かち合うためにも、ホームでゴールを重ね、勝利で2025/26シーズンを締め括りたい。
試合前日コメント
松田 岳夫監督
Q:今シーズン最終戦となる今節のAC長野パルセイロ・レディース戦へ向けて
「勝つこと、そのために失点しないこと、ゴールを取ること。それに尽きます。サッカーは攻守ともにアクションを起こすことが大事。前節はしっかりと守備を閉じて守れましたが、今節はそこからアクションを起こして高い位置でボール奪って、攻撃につなげたい。自分たちが攻撃でも主導権を握ってボールを動かしたい。リスクは管理しながらも、『チャンスだからここは攻めよう』という局面では、スイッチを入れてチャレンジしていきたいです」
Q:今季としては最終戦になりますが、まだまだ発展途上のチームとしては、来季へつながるゲームにもしていきたい?
「来季のことはまだ具体的には考えていません。今いる選手たちが成長するために最後の試合も戦います。それが結果的に来季にもつながるかも知れませんが、今シーズン積み上げてきたことを最終節に出して終わりたいです」
高和 芹夏選手
Q:今シーズン最終戦となる今節のAC長野パルセイロ・レディース戦へ向けて
「この1年間、松田監督体制になって積み上げてきたことを、最後にホームで出し切って、絶対に勝って終わりたいです」
Q:自身にとって、今シーズンはどのようなシーズンになりましたか?
「今シーズンは途中から出ることも多く、メンバー外になることもあり、悔しさもありましたが、試合に出るためには何が求められているのかを考えながら、少しでも出場時間を増やしていくことを目標にしながら取り組んでいました。後半戦になって徐々に出場機会も増えて、少しはチームに貢献できたのかなと思います。松田さんが色んなポジションで試してくれたことで、プレーの幅を広げることができたことは良かったです」
Q:最後にリーグ戦でのゴールも待たれるが?
「ポジションも前で出るなら、アシストやゴールに関わるプレーは出していきたいですし、綺麗なゴールじゃなくてもいいので、泥臭くても狙っていきたいです」