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5/17 大宮V戦 Match Preview

  • 5/17 大宮V戦
  • メディア

今季をもって退任する監督、引退、退団する選手を笑顔で送り出すためにも、全員で戦い、勝って、有終の美を飾りたい

 

WE参入2シーズン目の今シーズンも今節がラスト。セレッソ大阪ヤンマーレディースは、ホームに大宮アルディージャVENTUSを迎え、2024-25 SOMPO WEリーグ第22節に挑む。現在のスタッフ、選手、このメンバーでできる最後の試合。勝利で終えて、サポーターとともに喜びを分かち合いたい。
 
毎年、ドラマが生まれるシーズン最終戦。昨シーズンは、1期生である古澤留衣の引退もあったが、今シーズンは、WE参入後の2年半、チームを率いてきた鳥居塚伸人監督が退任。戦う舞台をプロリーグに移したチームにあって、技術、メンタルの両面で、求める基準をアマチュアからプロへ引き上げることに尽力された指揮官は、現役時代はコンサドーレ札幌、ザスパ草津(いずれも当時のチーム名)でプレー。テクニシャンとしても鳴らしただけに、練習後は個別で技術面での指導をする様子もよく見られた。「中盤の選手として、たくさんのことを教えてもらいました。自分自身、今シーズンは得点力やキックの質も上がり、成長させてもらったと思っています。技術面でも細かく教えて下さり、自分に足りないことも明確に指示してくれて、信頼して使っていただいて、成長できたと感じています」(脇阪麗奈)。「悩んでいる時、自分から話しかけにいったら、心に入ってくる答えを言って下さったり、FWとしての動き方も細かな部分まで教えてもらいました。トリさんのもとでプレーできたからこそ、成長できたと思うので、感謝しています」(矢形海優)。この2シーズン、チームを引っ張った10番と11番が声を揃えたように、選手一人一人、鳥居塚監督の指導により伸びた部分、気付きとなった部分は必ずあるだろう。キャラクター的にも、育成年代の指導歴も長く、教育者のような佇まいがある一方、「メッチャいい人で、イジっても笑って接してくれる」(西中麻穂)懐の深い一面もあった。「優しい中にも熱さがあって、トリさんもプロでやってきた分、経験してきたプロの厳しさも伝えてくれました。自分たちは初めてプロを経験する選手も多く、プロとアマの違いは強く言ってくれました」(西中)。自身がチームに残したモノについては、「自己評価はできません」(鳥居塚監督)と交わしつつ、「今後、(自分の指導で)感じたことを生かしてくれたら嬉しいなと思います」と選手を思いやった。
 
選手個々でも、福永絵梨香、前川美紀が今シーズンをもって現役を引退し、今節の前には、森中陽菜、四海結稀奈、丸井優奈の3選手が今シーズンをもって退団することが発表された。シーズン中に引退した玉櫻ことの、退団した善積わらい、藤原のどかも含め、多くの選手たちが今シーズンをもってチームを離れることになった。「長く一緒にやってきたメンバーが多いので、まだ実感がないですが、寂しいですし、長年、一緒にセレッソを支えてきた仲間がいなくなることは想像がつかない」と脇阪も声を絞り出したが、関西リーグ、チャレンジリーグ、なでしこリーグ、WEリーグと、レディースの成長とともに歩んできた仲間の引退や退団は、レディースのチームの歴史としても大きな転換点となる。そうしたともに戦ってきた指揮官、選手たちの花道を飾るべく挑む今シーズンのホーム最終戦は、【#1万人よ咲き誇れ~CEREZOファミリーいざ集結~】と銘打たれ、1万人の集客へ向け、選手自身がセレッソ大阪のサッカースクールを訪問し、駅や商店街などでチラシ配りも行った。集客という目的と同時に、「ファン・サポーターの皆様に1シーズン応援いただいた感謝の気持ちを伝えたい」という思いのもとに実現した企画だが、その発起人となったのが森中陽菜。「どうすれば多くの方に、セレッソ大阪ヤンマーレディース、女子サッカーを知ってもらえるか」という思いが発端になったと明かし、「自分たちが行動することで、少しずつ変えていけることはあるのではないかと思いました。選手としては、多くのサポーターさんが入ってくれたスタジアムでプレーすることがやりがいにつながりますし、その環境を作っていくためには、選手からの発信も大きいのかなと。やることで、見えなかったことが見えたり、やったからこそ分かることもありました。自分たちが動いて1万人が入ってくれたら、こんなに嬉しいことはないですね(笑)」と、試合に向けた準備としては、やり切った思いを語った。第11節・INAC神戸レオネッサ戦に続きゴール裏も開放される今節。セレッソ大阪ヤンマーレディース史上最多の観客数で埋まるスタジアムの雰囲気が今から楽しみだ。
 
万感の思いを込めて挑む今季の最終節でありホーム最終戦。「9試合得点がなく、苦しいですが、開幕戦、誕生日と、これまでも大事なところで決めてきました。最後にドラマを起こすので、待っていて下さい!」と力強い言葉を残したのは矢形。14日には、2024-25 WEリーグ優秀選手にも選ばれた。「チームメートのおかげで取れた賞だと思います。今シーズン、1年を通して活躍できず、後半は何もできなかったことは、個人的には悔しいです。それでも、こうして選ばれたことは、苦しい状態の中でも頑張ってきたご褒美なのかなと思います」と受賞の喜びを語った。開幕戦で決めた今季のチーム第1号に続き、今シーズンの締め括り、さらには逆転での得点王へ向け、最後まで諦めずにゴールを目指す。「2年間の集大成として、必ず勝って終わりたい。トリさん、引退する選手、退団する選手を笑顔で送り出したい」とはキャプテンの脇阪。試合後には、福永、前川の引退セレモニーも予定されている。WE参入後、最多の観客動員が見込まれる一戦で勝利し、全員で有終の美を飾りたい。

試合前日コメント

鳥居塚 伸人監督


Q:今週、期間満了に伴い今シーズンをもって退任することが発表されましたが、率直な思いは?
「選手たちは一生懸命やってくれた中で、1年目、2年目と、どれだけ成長させることができたか。成績にしても、どれだけ勝点を上積みすることができたか。色んな意味でプロに変わっていかないといけない中で、来季以降も選手たちには期待して、楽しみなチームに育って欲しいという気持ちでいます」

Q:なでしこリーグからWEリーグに舞台が変わり、アマチュアからプロになるという、レディースとしても大きな歴史の転換点だったと思います。この2シーズン、プロという部分は意識されましたか?
「そうですね。WEリーグに参入したレディースの初代監督に任命していただいて、選手の意識をプロに変えていかないといけないという思いは当然ありました。ただ、どこまで変えられたのか。選手の中でも、今シーズンで終わる選手も出てきた中で、少しずつプロ(の環境)に近づいてきたかなと。(自身の退任が発表された)昨日のトレーニングは少し空気も重かったですが(苦笑)、『こういうことは当たり前の世界だよ』と、選手には伝えました。別にサッカーが終わるわけではないし、プロである以上、次に進まないといけないし、選手にしても、努力し続けないといけない。このクラブにいたい、いられなくなる、という悔しさはあると思いますが、また別の場所で輝くためにどういう努力が必要なのか。それを考えてまたやっていくしかない。プロでやる以上、『次こそは』という思いを常に持ってやらないと、這い上がっていけない。来季以降もここで継続する選手は、よりレベルアップして欲しいですし、退団する選手に対しては、見返すとか、もっと力を付けて、またここに帰ってくるとか、そういう思いがあってもいい。それがプロの世界だと思います。そういうものをこの2年間でどれだけ植え付けられたのか。選手が最終戦で出してくれたらいいなと思います」

Q:監督自身もラストである今シーズン最終戦となる今節に向けて
「どれだけ選手たちが思い切りやれるか。2シーズンやってきたことをぶつけ合う試合です。ウチだけではなく、大宮さんも、今シーズンやってきた最後の力をここで出す。ウチも出す。その戦い。何ができるか、何ができないかを見極めるゲームになるだろうし、それを多く出せたチームが勝利を掴むのかなと。プレーだけではなく、球際やハードワークなど色んなモノがプロのリーグでは必要で、全てを出し切れたチームに勝利がいくと思うので、それをまず出す。人のせいにするのではなく、自分がどれだけ必死になって、全てを出し切れるか。そういう気持ちを持って、ピッチに立って欲しいです。今節はホーム最終戦なので、多くのファン・サポーターの方が訪れると思います。天候は悪いかも知れませんが、足を運んで下さると思うので、その中で、最後は選手の姿を見て、何かを感じ取ってもらって、『もう一回、見に行きたい』と思えるモノを見せて終わりたいと思います」

Q:練習後にも個別指導をされていましたし、選手からも「監督から教わったことを生かしている」という言葉も多く聞かれましたが、監督としては、クラブに何を残せた、という思いがありますか?
「自己評価はできません。クラブが、選手が、『こういうことを残してくれたよね』と感じてくれたらありがたいですが、自分が何を残せたかと言えば、正直、何も残せていないと思います。だから僕自身ももう一回勉強しないといけないし、ここで学んだことを次に生かしてステップアップするために、自分自身も一生懸命努力するので、選手も自分が何かアドバイスできたことがあれば、意識して継続してもらえればありがたいです。選手が感じる、クラブが感じるモノなので、自分が『これを残しました』ということは言えないです(笑)。今後、(自分の指導で)感じたことを生かしてくれたら嬉しいなと思います」

Q:では逆に、このクラブで2シーズン指揮を執って、監督が学んだことは?
「プロのリーグを戦う上で、プロとして、もっと選手に厳しさを求めないといけなかったですし、クオリティーを含めてトレーニングの中で、どれだけ日々を変えていけたか。日々が変わっていないことが、今年のこの成績になってしまったのかなと。僕自身もプロを経験させてもらいましたが、プロはそんなに甘くない。でもこの2年間、(アマチュアに)慣れてしまったチームを変え切れなかった。(その難しさが)僕の学んだものです。プロはもっとレベルが高いよね、もっとこだわらないと、このピッチには立てないよね、と。それを残さないといけなかったし、伝えないといけなかった。結局、それができなかったから、この順位だったのかな、という反省があります。次もしこういう場を設けていただくことがあれば、とことんこだわって、選手が率先して取り組める環境を作ることが、今後の僕の課題になりました。この2シーズン、自分自身、プロとしての監督は初めてで、スタートさせていただけたことは、本当に感謝しかありません。本当にありがとうございます、という気持ちとともに、ここで学んだことを次に生かすことが、クラブ、選手への恩返しになると思います。学んだことを次に生かせるようにやっていきたいです」



浅山茉緩選手


Q:今季の最終戦でもある今節に臨む意気込みをお願いします
「多くの方が努力して下さって、1万人のサポーターさんが入って下さる試合で、必ず勝利で終わりたいです。いまのスタッフ、選手、このメンバーでできるのはこの試合が最後なので、みんなで勝利の喜びを分かち合いたいですし、どんな時でも応援して下さったサポーターさんにも勝利という結果で恩返しをしたいです」

Q:1万人のサポーターの前でプレーする想像はできますか?
「まだ実感は沸かないですが(笑)、男子チームの試合を見に行くこともあるのですが、いつも2万人弱は入っていると思うのですが、その半分と考えただけでも、かなり多いなと思います。ゴール裏が開放されて約5,000人が入ったINACとの試合も、いつもの雰囲気とは違って、気持ちが昂ぶってプレーできたので、今回も楽しみです」

Q:今季限りで退任される鳥居塚監督から学んだことは?
「自分はスピードや(身体)能力でカバーしちゃうタイプだったのですが、守備でも攻撃でも考えてサッカーすることを学びました。技術一つにしても、『こうした方がうまくなる』と一緒に動きながらトレーニングしてくれたので、とても貴重な経験になって、感謝の気持ちでいっぱいです」

Q:序盤はFWでプレーして、途中からCBになりましたが、今シーズンを振り返ると?
「ポジションに関係なく、1試合ごとに、できたこと、できなかったことを見直して、積み重ねることができた1年だったなと思います。できたことは、次の試合もやり続けて、できなかったことは、何がいけなかったのかもう一回振り返って、次に自主練習をして修正することに今年は取り組めたかなと思います」

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