3/29 東京NB戦 Match Preview
- 3/29 東京NB戦
- メディア
前期の大敗からの成長を示す日テレ・東京ベレーザ戦。連動した守備で相手の攻撃を封じ、チャンスで仕留める決定力を発揮したい
一進一退の攻防の末、スコアレスドローに終わった前節のちふれASエルフェン埼玉戦から中6日、セレッソ大阪ヤンマーレディースは、敵地に乗り込み、日テレ・東京ベレーザとの2024-25 SOMPO WEリーグ第16節に挑む。
リーグ後半戦、C大阪は初戦のアルビレックス新潟レディース戦で敗れて以降、3試合連続で引き分け。粘り強く勝点1を積み上げている一方、勝点3を奪い切るには至っていない。
最後尾からチームを支えるGK山下莉奈は、「ゴール前での守備は、前期よりもう一歩、寄せれている部分はあります」と手応えを語りつつ、「それを90分できないことは課題。前節もミドルシュートを打たれてクロスバーに当たるシーンもありました。そこを徹底して、打たせないようなコーチングをしていきたい」と意欲を示す。1-4で敗れた東京NBとの前回対戦時は遠めからのミドルシュートを決められただけに、シュートを打たせない守備、間合いを詰める守備は重要になる。そうした守備を前提に、「どこから打たれても反応できるように、いい立ち位置を取り続けたい」と守護神はリベンジに燃えている。前節、WE初先発で無失点に貢献した吉田琉衣も、「(東京NBは)攻撃的なチームで、前に人数もかけてくるので、チャレンジ&カバーの意識をより強く持つことが大切。早め早めに準備して守りたい」と今節で心掛けるべき守備について話した。過去の対戦を振り返っても、やはりボールを持たれる時間は長くなることが想定されるだけに、前からアグレッシブに奪いにいく守備、はがされた時に素早く戻り、ミドルブロックを作る守備。最後はゴールを前で体を張る守備。状況に応じてメリハリを付けて対応することが勝利には欠かせない。選手個々では、前回対戦時もゴールを決められた山本柚月と北村菜々美の両サイドプレーヤーは警戒。粘り強く食らい付き、しつこい守備で自由を奪いたい。
36得点とリーグトップの攻撃力を誇る東京NBに対し、守備が今節のカギを握ることは確かだが、勝利するためには当然、相手のゴールネットを揺らす必要もある。リーグ後半戦は、得点ランクトップの矢形海優、アシストランクトップの脇阪麗奈の2枚看板に対するマークも厳しさを増しており、矢形自身、ここ3試合はゴールから遠ざかっている。そうした現状について矢形は、「FWとして毎試合、チャンスは作っている中で、GKにセーブされるシーンもあります。ただ、そこで決め切らないと、苦しい試合になる。それはこの3試合で改めて分かりました」と“エース”として決め切る重要性を痛感。「チームとしてどれだけゴールに近付けるかは毎試合、意識していますし、もちろん、自分もゴールが欲しいので、今節も貪欲に狙っていきます!」と4試合ぶりの得点を誓う。チームとしても再開後の4試合で2得点は課題と言えるが、メンバー的には田子夏海と丸井優奈の加入で攻撃陣の層の厚みはグッと増した。左サイドで台頭してきた和田麻希の存在感も日に日に大きくなっており、百濃実結香との競争は現在のチームの中でホットスポットと言える。こうした底上げにより、相手に与える脅威は確実に増している。これまでは試合終盤になるにつれ、相手との選手層の違いで劣勢になることも多かったが、前節、前々節はC大阪が盛り返す時間も作り、最後まで相手を押し込むことはできていた。高さでは分があるセットプレーも含め、相手ゴールに迫る回数を増やし、ネットを揺らしたい。
ボールを奪いにいくC大阪、それをはがして運ぶ東京NB。互いの色が存分に出るこのカードは、かみ合わせもよく、毎試合、見ていて面白い試合になる印象が強い。プレーする選手にもその思いはあり、「ベレーザは上手くて強いけど、やりがいがある。毎回いい戦いができているし、怖がらずに向かっていくことが大事」と矢形も話す。3試合連続で引き分けを経て迎える今節。WE参入後、未勝利の相手に“勝って4試合負けなし”にすることができれば、チームに自信と勢いが一気に生まれることは間違いない。現在の持てる力を前面に出し、臆することなく挑み、敵地で大きな白星を掴み取りたい。
試合前日コメント
鳥居塚 伸人監督
Q:今節の日テレ・東京ベレーザ戦へ向けて
「前期の対戦では、力の差を見せ付けられたゲームになったと思います。ウチの課題であるスローインからの失点。サイドでの対応でワンツーから崩された形。カットインから失点した場面も含め、ウチの課題がそのまま失点につながってしまったと思うので、そうした課題が今回の対戦でどれだけ改善できているか。そういうものが見れるゲームにしたいです。怖がるモノはありません。思い切ってウチらしくプレッシャーをかけて、勝点3を奪いにいければと思います」
Q:ボールを奪いにいくC大阪、はがして運ぶ東京NB。そのせめぎ合いで、互いの色が存分に出るこのカードは、毎回、面白い試合になる印象だが、攻撃力の高い相手に対し、やはり守備はポイントになる?
「上手い相手に対し、ゴール前で丁寧に守ることも必要ですが、『勝つために』となった時、『どのゾーンで奪うの?』となった時に、『ベレーザだからゴール前を固める』のではなく、前から奪いにいきたい。奪いにいって奪えなかったら、何が原因なのかを突き詰めて、もう一つ上のレベルを求めてやっていくことが今のウチには必要。今回の対戦も、『勝つために』と考えた時に、前からしっかり奪いにいくこと。まず1対1でチャレンジすること。そこで負けないこと。それらを徹底して、その中で、11対11でどうゴールを守るのか。そこを整理して臨めれば、勝機はあると思います。(WE参入後)まだ勝点3を取ったことがない相手ですが、勝点3を取りにいけたらと思います」
Q:前節はチャンスを作りながら無得点。ゴールが遠かった要因をどう考えていますか?
「クオリティーのところが全てだと思います。チャンスで決め切る力は課題です。複数の選手が連動してアクションを起こし、アグレッシブに行けているか。そういったところはもっと突き詰めていかないといけないですし、それを今節はしっかりと出していきたいです」
Q:リーグ後半戦、ここまで戦って感じている手応えと課題は?
「手応えとしては、前期に比べて失点が減っていること。選手が必死になって戦ってくれている部分は成長していると思うので、それは継続しながらやっていきたいです。より失点を減らすために、試合を優位に運ぶためには、個人戦術をしっかりと理解した中で、相手より優位なポジションを取ること、ボールを奪うための準備は徹底していきたいです。奪った後は、どこに付けるのか、そこも理解した中で守備をすることで、攻撃のチャンスも生まれます。守備の準備を徹底することが、攻撃のクオリティー向上にもつながります。アタッキングゾーンに入った時は、より時間のない中で、今度は技術が求められます。そこを徹底して選手には伝えながら、東京NB相手にどこまでできるのか、楽しみにこのゲームに臨みたいと思います」
吉田琉衣選手
Q:今節・東京NB戦に臨む意気込みについて
「前回は大差で負けているので、ディフェンスとしては、何としても無失点で抑えたい。みんなで点を取って、勝ちたいです!」
Q:東京NBとの試合で、守備で意識することは?
「攻撃的なチームで、前に人数もかけてくるので、戻りを早くして、チャレンジ&カバーの意識をより強く持つことが大切です。早め早めに準備をして、守らないといけないと思います。相手がボールを持つ時間は長くなると思いますが、しっかり守って、セットプレーから決勝点を取りたいです」
Q:アカデミー時代もしのぎを削っていた松永未夢選手、眞城美春選手らとトップチームで対戦するワクワク感はありますか?
「はい。アカデミー時代から上手い選手たちでしたが、トップチームに上がったら、周りの選手たちも上手いから、余計に上手さが輝いています。だけど、負けないように頑張ります!」