2023-24 WEリーグ第19節

2024.5.6

セレッソ大阪ヤンマーレディース

脇阪 麗奈 (14')

荻久保 優里 (52')

2

HOME

FULL TIME

1

1-0

1-1

大宮アルディージャVENTUS

大島 暖菜 (54')

ヨドコウ桜スタジアム

1,404

ダイヘンサポーティングマッチ

HIGHLIGHTSハイライト

ギャラリー

MATCH REVIEW

前半から相手を圧倒し、ホームでは第7節以来の勝利。積み上げてきた成果を結果で示す
 
ラスト4試合となった今シーズンのWEリーグ。セレッソ大阪ヤンマーレディースは、大宮アルディージャVENTUSをホームに迎え、WEリーグ第19節に挑んだ。システムは前節と同様、3-5-2を継続し、先発は前節の三菱重工浦和レッズレディース戦から3人変更。2トップの一角に矢形海優、左ウィングバックに百濃実結香、右ウィングバックに藤原のどかが入った。
 
前節、後半の勢いそのままに、立ち上がりからセレッソが攻勢に出る。4分、百濃が縦に突破しクロス。トップ下の高和芹夏が飛び込み最初のチャンスを作ると、5分にも脇阪麗奈のパスを受けた矢形が切り返してシュート。ここは惜しくもゴールとはならなかったが、この良い時間帯にセレッソが先制に成功する。13分、百濃が仕掛けてペナルティーエリア内で倒されPKを得ると、14分、これを脇阪がキッチリ決めて、幸先の良いスタートを切った。その後もセレッソの勢いは止まらない。17分にはプレスが嵌り、脇阪がインターセプトからシュート。DFに当たったこぼれ球を宮本光梨もシュートと波状攻撃を仕掛けると、28分にも決定機。高い位置で奪った田中智子のパスを受けた矢形がシュート。際どいコースへ飛んだが、GKの好守に防がれた。32分にも決定機。荻久保優里のパスから右サイドのニアゾーンを取った脇阪が丁寧なトラップからクロス。中で高和が合わせたが、ここもGKのセーブに遭う。追加点こそ奪えなかったが、前半の内容は今季最高とも言えるもので、試合前、「常に自分たちがボールを握った状態で崩してシュートまで決め切ることが、やっていても見ていても面白い。そういう試合をサポーターの皆さんにお見せしたい」と筒井梨香が語っていた通りの内容をピッチで披露してみせた。鳥居塚伸人監督も「選手たちがミスを恐れずアグレッシブに戦ってくれた」と評価。3-5-2を継続した理由については、「役割が明確になることによって、思い切り良いプレーができる部分が前節でも見られたので、その勢いをなくしてはいけないということで決定した」と振り返った。
 
後半の立ち上がりは大宮Vにボールを持たれる時間も増えたが、ここをしのぐと、52分にセレッソが追加点。起点になったのは、またも百濃の突破だった。この試合、切れ味抜群のプレーを見せた背番号13。「自分が一番得意のドリブルができやすく、スペースがあるので仕掛けやすい」と試合後に振り返ったが、ウィングバックになったことで躍動。この場面でも、縦にドリブルしてクロスを上げ、そこで得たCKから2点目につながった。脇阪が蹴ったボールがクリアされたセカンドボールを宮本が拾い、田中がクロス。DFのクリアが不完全になったところを見逃さず、脇阪が頭で折り返し、中でフリーになった荻久保が豪快にネットに蹴り込んだ。これで完全に試合の主導権を握ったかに思われたが、直後の54分に失点。自陣左サイドの攻防で米田博美が競り負けると、角度のないところからそのままシュートを決められた。前々節でも同点直後に決勝点を決められたが、このあたりは残り3試合に向けて改善していきたいポイントだ。その後は勢いが増した大宮Vの反撃を受ける場面もあったが、60分、背後で起点を作った矢形のパスを受けた高和が思い切りよくシュートを放ち、押し返す。主導権を握り返したセレッソは、74分にも脇阪に決定機。ただし、ここは枠を捉えることができず。その後は一進一退の攻防の中から90分には大宮Vに決定機も作られたが、相手のシュートをGK山下莉奈がしっかりキャッチ。終盤は筒井が矢形に代わって入り、前線で攻守に奮闘。セレッソが1点リードのまま、試合終了の笛を迎えた。
 
前節から中2日というタフな日程だったが、「チーム力が必要になる中で、交代で入った選手も今日のゲームでしっかりと結果を残してくれました」とチーム一丸を強調した鳥居塚監督。前節は浦和に善戦しながら敗れたが、この試合で得た自信をしっかりと今節にぶつけて結果を得たセレッソ。今シーズン残り3試合に向け、キャプテンの脇阪は、「3チームともリーグ戦で勝てていない。同じシーズンで2回とも負けることはできないので、勝利してひとつでも順位を上げたい」と力強く抱負を語った。

監督コメント

■鳥居塚 伸人監督
「このゲームに関しては本当に選手がミスを恐れずアグレッシブに戦ってくれた結果なのかなというふうに思ってますし、それをより多くのサポーターがやっぱり背中を押してくれたことがこの結果に繋がったのかなと感じてます。
多くの課題もあるゲームではあったんですけども、今日のゲームに関しては選手の頑張りを称えて次節その課題を克服して臨めたらいいかなというふうに思います」

Q:一つ目は布陣について、3バックにした理由は?
「一つはやはり選手の役割が明確になることによって、思い切り良いプレーができる部分が前節でも見られたので、その勢いをなくしてはいけないということで、今回も3バックで決定しました。その中で選手が今日のゲームも役割を明確に実行してくれたことが、勝利に繋がったと感じてます」

Q:1点目のPKを得た場面で左のウイングバックの百濃選手が目立っていました
「サイドのところに百濃選手の”ドリブルで仕掛ける”というところがセレッソのストロングなので、しっかり右で作りながら左のサイドで崩して最後は得点を挙げる、そして百濃選手に求めたことは、そこの一対一で勝てば試合に勝てるし、負ければゲームに負ける、というくらいの気持ちで臨ませた結果、PKを獲得できたので、今後もああいうプレーに期待していきたいと思います」

Q:中2日でかなり疲れも選手たちにある中で、やりくりに苦労されたと思いますが?
「3連戦ということでチーム力が必要である中で、もちろんタフに戦った選手もしっかり頑張ってくれましたし、交代で入った選手も今日のゲームでしっかりと結果を残してくれました。こういう形でチーム一丸となって残りの試合戦って、数多く勝てるようにしていけたらいいかなと思ってます」

Q:残り3試合ですが、どのように戦いたいですか?
「今日の試合も、終盤のところでチャンスに上がっていけない、ピンチを感じて戻る、そういう部分に対してまだまだ強度が足りないというところ。判断スピードに関しては今日のゲームはお互いが疲れていたので助かった部分は数多くあると思います。そういうところを自分たちがしっかりと管理してゲームを運んでいけるようになればいいと思います」

選手コメント

■脇阪 麗奈選手
Q:PKのコースは決めていましたか?
「はい、いつも練習しているところに決めれてよかったです」

Q:中2日でゲーム終盤は全体的にしんどかったと思いますが、勝ち切れた要因は?
「押し込まれて少しきつい時間帯もありましたが、今まで悔しい思いをしてきたので、このような試合で勝ち切れたのはチームの成長だと思います」

Q:3−5−2の布陣になったやりやすさはありますか?
「一人ひとりのやるべきことが明確なので、やりやすさはあります」

Q:脇阪選手のスタミナを保つ秘訣は?
「たくさん寝て、たくさん寝ることです!」

Q:残り3試合で重要になることは?
「(残り試合で対戦する)3チームともリーグ戦で勝てていないので、同じシーズンで2回とも負けることはできないので、勝利してひとつでも順位を上げたいと思います」


■百濃 実結香選手
Q:3−5−2の布陣の中でプレーできる良さは?
「自分の一番得意のプレーとするドリブルができやすく、スペースがあるので仕掛けやすいこと、中を見て味方を使うことが一番やりやすいフォーメーションです」

Q:3-5-2のウィングバックは運動量も必要であり、守備にも戻らなければならないですが
「後半は運動量が落ちてしまい、なかなか上がれなかったですが、3-5-2をやっていく上で守備の部分で上下運動が求められるのでうまく調整し、攻撃に自分の力を出せるよう、全部が全部仕掛けるのではなく状況や仲間を見ながら選択肢を変えてより良い攻撃ができればと思います」

Q:鳥居塚監督の会見の中で「1対1に百濃選手が勝てばチームが勝つ、負ければ負けるくらいの気持ちで行けと送り出した」と話していましたが
「100%の成功は難しいですが、10本挑戦して1本が得点に繋がれば私の役割はできていると思うので、止められてもいいので何回も仕掛けることを意識してプレーしました。

Q:PKはなぜ自らが蹴らなかった?
「蹴るつもりでしたが迷いがあり、迷いがある時のPKは自信もなく、前日にいつも練習している脇阪選手にお願いしました」

Q:残り3試合の抱負を
「得点が取れていなく、チームの力になれていないので、結果でチームに貢献できるようにがんばります」


■荻久保 優里選手
Q:ゴールシーンを振り返って
「最初、弾き返された時は戻ろうかと思っていましたが、入れてくれると思ったので中で待機していました。脇阪選手がゴールラインのギリギリまで走ってヘディングしてくれたので詰めるだけでした」

Q:今節3バックでしたが、しっくりきてますか?
「ウィングバックを経験したからこそわかる視野の広さや、自分が3バックに入ったとしてもウィングバックをどう使って動かしたらいいのか、探りながらプレーしました。立ち位置で解決できるところが多いので、今のチームには適していると思います」

Q:結果2得点でしたが積極的にゲームを作っているように見えましたが、前節の改善点でしょうか?
「自分たちのサッカーはアグレッシブに攻守ともに走ってゴールを目指す、というところなのでもう一度立ち返って、自分たちの試合をするためにはもっともっとゴール前の人数を増やさないといけないし、奪った後にどこを見るかというのを全員が意識したので、今日の結果に繋がったと思います」

Q:.WEリーグ初得点の感想は?
「ごっつぁんゴールだったので、ふわふわぁとした感じですが、最高でした!ゴールを決めたらこんな感じなんだ、もっと点を決めたいと思いました」

Q:残り3試合の抱負を
「失点が多いので、もっと守備でのゴール前の粘り強さ、危機察知能力の高さの力をつけて、攻撃では後ろの選手も全員がゴールを目指し、複数点をあげて勝つ強いチームにしたいです」